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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

こころの風邪、うつを生きる。

周囲にうつの人がいたら...。

 うつ病の恐ろしいところは、患者さんが自殺を図る点です。自分の大切な人が自ら命を絶つ、そんな不幸は誰だって経験したくないはず。そこまで患者さん本人が精神的に追い詰められてしまった時、救えるのは家族や職場の同僚など周囲の人しかいません。
 次のような事を頭に入れて、自殺させないよう気を配ってください。
 (1)なりたて、治りかけが要注意。(2)励ますのはタブー。
 実は、自殺するのにも気力が必要です。
 うつの特徴は異常な無気力ですから、本当に症状がひどければ、自殺すらできないのです。しかし、自責の念はありますので、気力が残っているうちや気力が戻ってきた時は要注意です。
 うつで自殺する場合、発作的ということが多いようです。患者さんが、何だか冷静でないようだと思ったら、決して一人きりにせず、すぐに医師のところへ連れていきましょう。患者さんが何か話したがっているなら、じっと聞いてあげると良いでしょう。患者さんの考えの誤りを正したり、無理に迎合したりする必要はありません。じっと聞けばよいのです。患者さんを励ましたらいけないのは、「やはり頑張りが足りないのだ」と、自責の念を強めてしまうからです。
 大切なのは、本人が前向きな行動を起こすまでじっと見守ってあげること。途中で衝動的にならないよう気をつけてあげることです。
 症状が軽快したとしても、いきなり過度な負荷をかけると容易に再発しますし、下手をすると患者さんの無力感を増幅させて自殺に走らせてしまう危険があります。職場に復帰させる場合は、上司などに実情をよく伝えて、リハビリ期間を設けてもらうようにしましょう。
 それから、うつ病のコントロールには薬をきちんと飲み続けることが重要です。ちゃんと飲んでいるか、気にかけてあげてください。
 意外と見落とされがちですが、お年寄りの場合、認知症と思われたものが実はうつ病だったということがあります。この場合、症状に不可思議な妄想を伴うことも多いので、「家族の恥」として抱え込まれてしまうことも多いようですが、症状が改善する可能性もあります。可能なら精神科を受診させるようにしてください。

朝が不快で夜楽しい、うつと光の深い関係。  うつの場合、朝の気分が良くなくて、だんだん気分が良くなっていくという日内変動のある場合が多いようです。また、冬場に日照時間が極端に短くなる地域では、うつの人が増えます。  一方で、眠いのを我慢して無理やり起きていたり、強い光を浴びたりすることで、なぜか症状が軽快する場合のあることも知られています。  こうした現象の解釈として、近年、体内リズムの乱れがうつ症状を引き起こしている可能性がある、との遺伝子レベルの研究が出始めています。夜強い光を浴びるのと夜食べるのは共にリズムを乱す行動で、逆に午前中の日なたぼっこはリズムを正常化させます。

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