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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

これがホントの ナースのお仕事!

8-2-1.JPG今日、病院に来てから何人の看護師(ナース)を見ましたか?
大勢を見てますよね。でも、そのナースが一体どういう存在なのか、
何をしているのか、意外と知らないのではないですか?

監修/佐藤エキ子 聖路加国際病院看護部長
    竹股喜代子 亀田メディカルセンター看護部長
    日本看護協会

 まずは基本的なところから。法律で、看護師の仕事は「医師の指示下での診療の補助」と「療養上の世話」の二つであると決められています。少しイメージしづらいですね。噛み砕いていきましょう。
 最初の「医師の指示下での診療補助」は、文字通り読むと診療の手伝いになりますが、実際にはもう少し広い意味に解釈されています。医療行為は原則として医師が行わなければならないものです。ただし「医師の指示」があるならば、採血や注射、検査、投薬といったかなりの医療行為をナースができるようになるのです。また、緊急時の手当てについては、医師の指示なしで構わないことになっています。
 医療行為のどこまでをナースの守備範囲にするかは曖昧な部分もあり、個々の医療機関がそれぞれ独自のルールを決めているので状況が異なります。一般に医師が潤沢にいる施設ではナースの守備範囲は狭くなり、医師が不足していると守備範囲が広くなります。つまりナースの仕事は施設や診療科によって微妙に異なるわけで、具体的にイメージしづらくなる理由の一つです。
 次の「療養上の世話」は、こういうことです。こと入院患者さんの場合、病気・けがや治療のために、例えば食事をするとかトイレに行く、体を清めるといったような日常的な衣食住の動作に不自由を来たすことがあります。これをサポートします。
 これもナースの仕事になっている理由は、日常のサポートを通じて患者さんの病状を把握し医師へ伝えること、患者さんが治療を受けやすいよう物理的・精神的な環境整備をすることが、治療効果を高めるために大切だからです。実際、日常サポートの良し悪しが、患者さんの回復の度合いを大きく左右します。
 医療とは、患者さんの病に対して、医師をはじめ、看護師、薬剤師、療法士、技師などが連携して自分たちの専門技能を提供し、患者さんの回復をめざすものと言えるでしょう。
 ナースは、これら専門職の中で最も患者さんの身近にいる存在です。そして、ナースたちがめざしているのは、本来の疾病以外に余計な苦痛・不自由さを感じさせることなく極力早い回復を果たさせることです。

看護師資格と"スペシャリスト"  ナースの資格には、国家試験を受ける看護師と都道府県試験の准看護師とがあります。  看護師試験を受けるには、大学や短大、専修学校などの3年もしくは4年の養成コースで勉強するのが一般的です。准看護師の場合は、その制度や養成の廃止が常に議論になっていますが、現在の制度では中学を卒業して高校衛生看護科3年か准看護師養成所で2年勉強すると受験資格を得られます。准看護師になった後、さらに看護短大か看護師養成所へ2年間通うと、看護師国家試験の受験資格を得られます。  現場の実践指導者役を期待されるのが「救急看護」「ホスピスケア」など17の特定の看護分野にいる「認定看護師」です。06年3月末現在で全国に1729人います。トータル5年以上、特定の分野で3年以上の実務経験を積んだ後、6カ月600時間の教育課程を修了すると受験資格が与えられます。  さらに凄いのが「専門看護師」。専門分野での実務経験に加えて看護系大学院修了が最低条件という難関です。全国のリーダーとして教育・研究まで期待されており、8つの専門分野を合計してもまだ150人足らずです(日本看護協会ホームページ参照)。

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