誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

がんの可能性 そう言われたら

検査のあれこれ 数値を見るもの
27-1.1.JPG 全身の臓器すべてを目で見るのは、時間や費用を考えると、あまり現実的でありません。がんがある可能性の少ない部位は外します。検査を行うべきか迷う場合には、血液検査で大まかな見当をつけてから考えることもあります。
 がん細胞は通常の細胞と異なり、無限に増える(自律増殖する)、他の場所へ移動することができる(浸潤・転移する)、正常細胞の栄養を横取りする(悪液質)、という特徴があります。これらの性質を示す細胞が出現した時、血中にも特徴的な物質が出てくる場合が多く、その物質量を測ろうというものです。
 その物質とは、主に破壊された正常組織から出てくる酵素や、がん化した細胞が表面に出していることの多い目印(抗原と言います)です。これらを総称して「腫瘍マーカー」と言います。
 がん細胞は増殖能力が高いという点で、胎児期の細胞と似たマーカーを出すことも多いようです。マーカーは次々に発見されており、臓器ごとに異なるものの方が次の検査を考えれば都合よいことから、良い物質が見つかると用いられるものが変わります。現在、主に用いられている腫瘍マーカーは図表をご覧ください。
 ただし、がんでなくても、また体質によっても異常値が出てしまうことがあり、目で見る検査などを加えないと、がんがあると判定することはできません。
再発後など、確実にがんがあると分かっている場合に、治療の効果を勘弁に測定する方法として用いられることもあります。また、初発治療後に再発転移の兆候を捕まえるのにも用いられます。

実は病理医が足りません。  確定診断には細胞や組織を実際に見る病理検査が必要と説明しましたが、実は全国約9000の病院のうち常勤病理医のいるのは約550施設に過ぎません。病理医のいない施設では病理診断を外部の検査会社などに依頼しており、その場合は必要最低限の検査しかしてくれないので、シロクロの判定がつかず再検査になる例が少なくありません。  たとえ常勤医がいたとしても、たいていは1人です。医師ごとに得意分野や得意臓器があり、何でも見られるというものではないため、やはりシロクロつかないものが出ます。  シロクロつかなかったものは、主治医が領域の専門家のいる施設まで検体を持って行って見てもらったり、専門家の集まる病理勉強会で見てもらったりしています。このような場合、診断に誰が責任をもつのか、その費用はどうするのか、など問題が山積しています。

  • 協和発酵キリン
  • 有機野菜の宅配ならナチュラルファーム
  • ヒメナオンラインショッピング「アルコール感受性遺伝子検査キット」
  • 国内航空券JDA
  • これまでの「ロハス・メディカル」の特集すべて読めます! 誌面アーカイブ
  • 「行列のできる審議会」10月20日発売 関連書籍のご案内
  • ロハス・メディカルはこちらでお手に取れます 配置病院のご案内
サイト内検索
掲載号別アーカイブ