誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

寒さがしみます。関節痛

関節リウマチと半月板損傷。

 変形性膝関節症と並ぶ「ひざの3大病」、関節リウマチと半月板損傷について確認しておきます。

関節リウマチ
29-1.3.JPG 全身の免疫異常により滑膜に炎症が起き、関節軟骨が破壊される病気。ストレスや過労、感染症、出産などを引き金に発症することがわかっていますが、罹患するのは圧倒的に女性。しかも40歳前後の働き盛りの人に多いよう。
 手や指など比較的小さな関節に、うずくような痛みと腫れ、こわばりが生じ、進行すると全身の関節が痛み、変形します。左右対称に関節痛が出るのも特徴的。のみならず、当初から全身の内蔵を巻き込んで、発熱、食欲がない、だるい、息切れ、空咳、めまい、ドライアイなどさまざまな症状を引き起こします。
 ひざの場合、水がたまったり腫れたりをくり返し、ついには関節軟骨が破壊されて歩けなくなるので問題は深刻。
 それでも朗報もあります。最近では、抗リウマチ剤が大変進歩し、治療の主流となりました。この薬剤により、リウマチの勢いを弱め、進行を抑えることが可能(あと20年くらいすれば、リウマチで手術する人はいなくなるのではと考えられるほどです)。
 それもお手上げの場合、リウマチに浸された滑膜を切除する手術もあります。今は関節鏡(胃カメラのように細い管の先にレンズとライトがついたもので、関節内に差し込んでのぞきながら手術する)が普及して、患者の負担もずいぶんと軽くなっています。

半月板損傷
29-1.4.JPG 半月板はひざ関節の中にある三日月形の部位。弾力のある軟骨成分でできていて、太ももの骨とすねの骨のすき間にあります。太ももからの重さを分散してショックを吸収する作用と、関節を安定させて円滑な運動を可能にする役割がありますが、ひざをひねってヒビが入るなど、傷めてしまうことがよくあります。
 原因は、若年者ではテニスやサッカーなどのスポーツ外傷が多く、高齢者では半月板の老化によって強い衝撃がなくても発生します。ちょっとしたケガ(ねんざや打撲など)だけでなく、日常生活で、こたつから立ち上がるときや階段を下りるときにも傷めてしまうもの。また、高齢者の半月板損傷は、多くが変形性膝関節症を合併しているため問題は単純ではありません。
 半月板が傷むとひざの内部の表面がスムーズでなくなり、このために痛みや腫れ、引っかかりが生じたり、関節液がたまったりします。全くひざの曲げ伸ばしができなくなったり、歩いていると不意にガクッとひざが抜けることも。損傷をそのままにしておくと半月板以外の組織(軟骨など)まで傷めて、さらに深刻な状態になるとのことです。
 診断はまず、動かしてひざの痛みや引っかかり現象の有無、音などをチェックし、さらにレントゲンやMRI、関節鏡により確定診断を得ます。治療は、損傷の範囲が小さい場合は前述の筋肉体操などで経過を見ます。それで良くなることも。重症だと手術となりますが、高齢者の場合は関節軟骨や骨も老化していて半月板を処置しても問題が解決するとは限らないため、より慎重でなければなりません。

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