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情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

旅行中の病気 備えあれば憂いなし

海外へは予防接種が必須

 感染症への対策としては、できる限り予防接種を済ませた上で現地に出かけることが非常に重要です。注意すべきは、接種の間隔とそれにかかる期間。どうしても数種類はうつ必要があるので、すべて接種するまで1カ月以上は必要です。旅行を思い立ったら即行動、早めに準備を始めることです。
 なお、予防接種を受けた際に医療機関が発行する予防接種証明書は、お守りがわりに必ず携帯のこと。病気をしたときにこの証明書が役に立つことがあります。どんなワクチンを接種したかによって、病気の際や感染の危険にさらされた場合の対処が変わることがあるからです。厚労省が配布している海外渡航者用パンフレット「トラベルメイト」にも、予防接種の記録表がついています。こちらも活用し、旅先に持参しましょう。
    
リスクも対策も身近なところに

 予防接種をしたからといって、もちろん万全ではありません。旅行先での各自の心がけ次第で感染リスクは大きく違ってきます。下覧にもあるように、危険はとても身近なところにあるのです。以下に対策を挙げていきますので、これまでのご自身の行動をチェックしたり、今後の旅行にぜひとも役立ててください。

●生水は絶対ダメ。必ず未開封を確認したボトル入りの水を飲みましょう。歯磨きも湯冷ましを使う方が無難かもしれません。油断しがちなのが氷ですが、製造過程が不明なので避けましょう。

●蚊に刺されないよう対策を。長袖長ズボンが基本です。ホテルでは窓を閉めエアコンを使うか、蚊帳を使用。虫除けスプレー(昆虫忌避剤)は必須です。主流はDEETという成分のものですが、日本の虫除けは濃度が低いので2時間ごとに追加しましょう(とはいえ飛行機に持ち込めないかもしれません)。海外で入手できる高濃度(50%)のものはさらに有効です。
●野生動物には接してはいけません。とくに弱った動物や死体には絶対に近寄らないように!万が一、野生動物に咬まれたり引っ掻かれたら、必ず現地の医療機関を受診し、狂犬病に対処してください。
●料理は調理後すぐ、湯気の立っているようなものだけ食べるのが無難。生野菜はNGです。屋台も衛生管理が不十分なため避けたいところです。
 このほか、もっとも基本的なところでは手洗いの徹底や、十分休養を取って体調管理に留意することなどがあります。また、プールや川など淡水で泳ぐのもハイリスクです。いずれにしても「予防接種をしてきたから大丈夫」などと高をくくらずに、各自が場面ごとに判断しながら健康を心がけることが大事です。

感染経路別 気をつけたい感染症

1食べ物から感染
A型肝炎、渡航者下痢症、腸チフス

2性交渉や輸血で感染
B型肝炎、HIV

3環境(土・水)から感染
破傷風、住血吸虫

4蚊が媒介
黄熱病
日本脳炎
→ワクチンの予防接種を。
デング熱、チクングニヤ熱、西ナイル熱
→ワクチンなし、蚊に刺されないよう注意を。
マラリア
→マラリア予防薬を服用。

5動物が媒介
狂犬病
(イヌだけではなくネコ、アライグマ、スカンク、キツネ、コウモリ、リスも要注意)
ダニ脳炎

気をつけるのは感染症だけではありません  今回は感染症について取り上げていますが、海外旅行といえばいわゆる「エコノミークラス症候群」(急性肺動脈血栓塞栓症)も気になります。長時間の着席と水分不足から血栓ができてしまうもので、飛行機の中ではできれば1時間ごとに席を立って歩いたり、座ったままできるストレッチをし、水分も5時間に1リットルは補給したいもの。また余談ですが、邦人が海外で死亡する原因として意外に多いのは、実は交通事故。タクシーに乗る際は「徹底した安全運転に留意してくれたら、10ドルのボーナスを払う」などと言って、安全をお金で買うのも身を守る知恵かもしれません。

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