誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

旅行中の病気 備えあれば憂いなし

海外でかかってしまったら。

予防接種以外の日本での準備と、日本からの持参品を確認しておきましょう。

●健康保険(旅行者保険)
 外国ではたいてい日本に比べてびっくりするほど医療費が高くつきます。ただ意外と知られていないのが、健康保険や国民健康保険など公的な保険は「海外療養費」の払い戻し請求ができること。それでも差額は個人負担となり、その額も馬鹿になりません。すべてがカバーされる民間の旅行者保険にも絶対に入っておきましょう。例えば米国では救急車1回で10万円は覚悟せねばならず、保険未加入だと出動拒否もあるようです。
●現地の医療機関の確認
 万が一を考え受診できる病院をあらかじめ探しておくとあわてずにすみます。探すポイントは大きく3つ。①自分が加入している旅行者保険が使えるか。②日本語もしくは英語(自分の使える言語)が通じるか。③医療に不安のある国では、外国人が多く受診している病院やキリスト教系の病院、大学病院が比較的安心です。また、現地の緊急連絡先の電話番号(110番や119番)の控えも必携です。
●各種証明書の確認
 とくに長期滞在の場合は、健康証明書や予防接種証明書、また非HIV証明など特殊な感染症にかかっていないことを証明する書類を求める国もあります。必ず事前に大使館や領事館に問い合わせ、早めの準備を心がけてください。
●日本から持参するもの
34-1.1.JPG 表のとおり大きく分けて、感染予防グッズ、証明書等の各種書類、薬類があります。
 英文診断書は、持病がある人は必須です。長期滞在の人は渡航前健康診断の診断書、糖尿病の人は注射器・針・インスリンの携帯証明書も、英文で用意して持参します。
 また表にある常備薬以外は、医師の診断を仰ぐのが無難です。例えば下痢止めは、素人判断で使うとかえって症状が悪化することもあります。

医療機関を受診するときは

 残念ながら旅行先で病気になってしまった場合は、先のポイントを参考に医療機関を探します。わからなければホテルのスタッフや、日本や先進国、旧宗主国の大使館・領事館に聞く手もあります。
 さて医療機関では、持病のある人は英文診断書を必ず提出。渡航前健康診断の英文診断書もあれば提出します。保険に加入している場合は、受診時に必ず申し出てください。請求先が多数で複雑になる場合もありますので、支払方法の確認も忘れずに。
 海外旅行先での病気は精神的にもつらいものです。日本での準備と現地での心がけを万全にし、ぜひ楽しい旅を!

かかって帰ってきたら  帰国時に体調が悪い場合は空港検疫所健康相談室で相談しましょう。帰国5日後までに下痢症状があったら保健所または医療機関へ。病気によっては潜伏期間が長いので帰国後2カ月くらいは体調に注意し、受診する場合は海外渡航があった旨を主治医に伝えてください。ただし、マラリアなどの輸入感染症は、ほとんどの医師は診療経験がないため、感染症専門医や旅行医学専門医(トラベルクリニック)の受診をおすすめします。また、家族等の二次感染を防ぐ注意も必要。手洗いの徹底、咳の場合のマスク着用(SARSや新型インフルエンザなど)、下痢時の入浴(渡航者下痢症ほか)等の基本から、隔離のための強制入院まで、必ず医師の指導を受けてください。


 1  |  2  | 3
  • 協和発酵キリン
  • 有機野菜の宅配ならナチュラルファーム
  • ヒメナオンラインショッピング「アルコール感受性遺伝子検査キット」
  • 国内航空券JDA
  • これまでの「ロハス・メディカル」の特集すべて読めます! 誌面アーカイブ
  • 「行列のできる審議会」10月20日発売 関連書籍のご案内
  • ロハス・メディカルはこちらでお手に取れます 配置病院のご案内
サイト内検索
掲載号別アーカイブ