誌面アーカイブ

情報はすべてロハス・メディカル本誌発行時点のものを掲載しております。特に監修者の肩書などは、変わっている可能性があります。

みんな悩んでる 尿のトラブル

まだあります、尿トラブル。

 おしっこにまつわるトラブルは、もちろんまだまだたくさんあります。ここでは特にこの季節、女性に多い膀胱炎と男性に多い尿閉、そして加齢とともに増える夜間頻尿を見ておきましょう。
 膀胱炎の直接的な原因は細菌感染、8割は大腸菌です。膀胱炎が女性に多い理由のひとつは、尿道から肛門までの距離が短く大腸菌に感染しやすいこと。それでも健康ならば、体は細菌に対する免疫を持っていますし、排尿で細菌も洗い流されます。ところがおしっこを我慢したり、極度の疲労や風邪で体力や免疫力が落ちると、細菌に負けて膀胱炎を引き起こすのです。
 さらに女性の敵「冷え」(〓vol..41参照〓)も、膀胱炎の大きな要因です。粘膜の温度が下がると細菌が繁殖しやすくなるため、冷え症や低体温症の女性は膀胱炎をくりかえしたり、慢性化しやすいのです。「冷え」に対しては、西洋医学はあまり得意ではなく、漢方薬がおすすめです。保険もききますので、医師に相談してみてください。
 一方、男性に特徴的なのが前立腺肥大による排尿困難や尿閉(膀胱に尿がたまっていて尿意もあるのにおしっこが出ずに苦しむもの)です。特に冬は尿閉が増えます。冬は風邪をひくことが多く、風邪薬にはしばしば尿道を狭めたり膀胱の筋肉を弱める=おしっこを止める成分が含まれているのです。アルコールや長時間座ったままの姿勢も症状を悪化させるので要注意。予防としては、適温でゆっくり入浴するなど下半身を冷やさないよう心がけてください。

夜間頻尿と生活習慣病

 さて男女問わず気になるのが、夜中に何度もトイレで目が覚める夜間頻尿です。過活動膀胱でも少し触れましたが、最大の原因は、結局のところ加齢ということになります。
 歳を重ねるにつれ誰でも腎臓の機能が低下し、夜のあいだ尿の産生を抑制するホルモン(バソプレッシン)の分泌が減少してしまいます。すると尿が濃縮されないぶん量は多くなるのです。また歳をとって心臓の筋肉が弱まり、血のめぐりが悪くなると、就寝して横になった際に一気に心臓に戻り、腎臓に送られます。腎臓は血液をきれいにしようと急いで尿をつくるので、夜に尿が増えることになります。
 さらに、歳とともに膀胱の容量も少なくなっていきます。特に前立腺肥大症だと毎回きちんと排尿しきれずに残尿ぶんだけ膀胱の空きが減り、どうしてもトイレの回数が増えることになるのです。
40-1.4.JPG といっても夜間頻尿はある程度いたしかたないこと。逆におしっこを懸念して水分補給を自制しすぎると、脱水の恐れがありますので、医師の適切な指導にもとづいて改善していくのが安心です。実は生活習慣病が潜んでいる可能性もあります。糖尿病だと喉が絶えず渇き、おしっこの量と回数が増えるのは有名な話です。また、あまり知られていませんが高血圧も夜間頻尿の原因のひとつ。血液中のホルモンのバランスが崩れるために起こります。
 夜間頻尿に限らず、表のとおり、病気がもとになっている排尿トラブルはさまざま、命にかかわるものもあります。気になることがあったら原因を見極めるためにも一度、受診されてはいかがでしょうか。

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