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県を批判したら経営者に向かった補助金での脅し

小松 亀田に地域医療再生臨時特例交付金というヤツが全然来てなくて、文句を言ってたらしいんですね。で、それが来ることになって、ついては独創的かつ有益なことをやってくれ、と亀田信介院長から頼まれたんです。別に私が手上げしたわけじゃなくて。

梅原 なるほど、地域包括ケアの色々なことをしなさいと。

小松 補助金の趣旨は、医師を集める的なものだったですよ。ただ、そもそも亀田って千葉県の中で唯一豊富な所なんですが、入れ替わりが激しいので宣伝は重要です。魅力的なことをやっているというのをアピールすることが、医者や看護師を集めるのに役立つと考えたわけです。この戦略は、南相馬では大成功しました。あれも私がアイデアを出したんです。

梅原 先生の戦略、国も使えばいいのにね。

小松 それで、集めるための戦略として、『地域包括ケアの課題と未来』という映像シリーズですね、それからそれを書籍にする、それと規格を作ろうと思いました。規格っていうのは地域包括ケアに関する決め事みたいなものです。強制力はなくて、でも認証機関みたいなものを作って、レベルを高めていく。

梅村 ところが補助金がなくなった、と県から言われたという例の話になってくるわけですね。

小松 そうです。出版ができなくなる、目の前が真っ暗になりました。最初は、亀田さん(隆明理事長)も僕と一緒になって怒ってたんですよ。それが5月1日で、5月15日になったら、自分が一対一で話をつけると言い出しまして。話をつけると言ったって、先生はこの事業が何をやってるかも知らないし、国から金が入っていて外部の人がいっぱい入ってる公共的な学術活動ですよって。それを一対一でやられたら困りますよと抵抗したら、県に違法なことをされていると国に言うんだ、と。ところが、言う相手は、たしかに国から出向の医系技官なんですけど、千葉県の医療整備課長で、補助金がなくなったって言いに来た本人なんですよ。本人に違法行為だと訴えても仕方ないでしょうと諫めて、亀田の弁護士と相談したら、やっぱり言論が一番いいだろうということになりました。この弁護士と相談して千葉県に情報開示請求もしました。金が東千葉メディカルセンター(後述)に流用されているかもしれないと思ったからです。私が文章を書いて千葉県を批判する。それだけして、補助金返上を受け入れないで放っておいたら向こうが折れてくるに違いないと。

梅村 それ、どこに書いたんですか。

小松 MRICです。

梅村 ああ、読みました。MRICって影響力ありますでしょ。5万人くらい読んでるという話ですよね。で、どうなりましたか。

小松 予想通り折れてきました。その時の向こうの話は、録音してます。
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