健康増進法の改正で「これだけ議論が紛糾している背景として、日本では路上喫煙禁止条例が先行して導入されてきたことも挙げられます」と欅田部長。吸いたい人は外でどうぞ、とはいかない状況が先にある、というわけです。大和教授によれば、49ヵ国で既に屋内は全面禁煙ですが、屋外は喫煙自由なので、室内を完全禁煙としても問題になりにくいのだと言います。

　なお、室内の禁煙対策が中途半端のまま、路上喫煙禁止条例だけが整備されてきたのは、それ以前からポイ捨て禁止条例が普及していたことも大きいようです。健康被害防止というより環境整備を意図した条例でした。