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    <title>医と健康のフリーマガジン「ロハス・メディカル Lohas Medical」</title>
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    <subtitle>首都圏基幹病院に配置のフリーマガジン「Lohas Medical ロハス・メディカル」。医療と健康に関する情報を発信しています。</subtitle>
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    <title>九州版の配置医療機関を公開しました。</title>
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    <published>2012-05-11T05:19:12Z</published>
    <updated>2012-05-11T05:22:24Z</updated>

    <summary>こちらです。 福岡県以外は本当に僅かです。 原則200床以上の医療機関であれば、...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p><a href="http://lohasmedical.jp/hospitals/kyusyu.php">こちら</a>です。<br />
福岡県以外は本当に僅かです。<br />
原則200床以上の医療機関であれば、無料で配置を承りますので、<a href="mailto:info@lohasmedia.co.jp">メール</a>でお申し込みください。</p>]]>
        
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    <title>相双メディカル春号できました</title>
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    <published>2012-05-01T03:46:45Z</published>
    <updated>2012-05-02T05:36:00Z</updated>

    <summary>　昨年６月に引き続き、東京電力福島第一原子力発電所の事故で不安な状態に置かれてい...</summary>
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        <name>ロハス・メディカルサイト管理人</name>
        
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        <![CDATA[<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/%E7%9B%B8%E5%8F%8C%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%EF%BC%92%E8%A1%A8%E7%B4%99.JPG"><img alt="相双メディカル２表紙.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2012/05/相双メディカル２表紙-thumb-200x280-7568.jpg" width="200" height="280" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　<a href="http://lohasmedical.jp/news/2011/06/27112955.php">昨年６月</a>に引き続き、東京電力福島第一原子力発電所の事故で不安な状態に置かれている福島県相双地区の皆さんに、日々できるだけ健康に過ごしていただけるよう、世界こども財団（土屋了介理事長）が、ロハス･メディカル別冊の『相双メディカル』を発行・配布し始めました。]]>
        <![CDATA[　今回のテーマは内部被曝対策です。中身をご覧になりたい方は、<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/pdf/%E7%9B%B8%E5%8F%8C%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB2012.pdf">こちらからどうぞ</a></span>。]]>
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    <title>与党案とりまとめに至らず－民主党予防接種法小委</title>
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    <published>2012-04-11T00:36:17Z</published>
    <updated>2012-04-11T06:30:42Z</updated>

    <summary>　予防接種法改正について与党側で検討している民主党予防接種法小委員会（仁木博文委...</summary>
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        <![CDATA[<p>　予防接種法改正について与党側で検討している民主党予防接種法小委員会（仁木博文委員長）の会合が10日開かれた。厚労省から３月29日の予防接種部会の内容が報告されたのに対して、費用対効果などの面からHBVワクチンを定期接種１類として扱うことに足立信也・元厚生労働政務官が難色を示すなど、小委としての意見が集約されないまま予定の時間を超過し、再度会合を開くことになった。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　また仁木委員長が、新たに設置が予定されている評価・検討組織の委員の人選方法や権限について与党案で踏み込みたいとの考えを示したが、その具体的な文言については固まらなかった。</p>]]>
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    <title>看護師のマネジメント力を引き出す　榮木・がん研有明病院副院長に聴く</title>
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    <published>2012-04-09T06:48:31Z</published>
    <updated>2012-04-09T05:21:48Z</updated>

    <summary>『ロハス･メディカル』誌は、がんの手術件数日本一のがん研有明病院に、誌面制作にあ...</summary>
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/%E6%A6%AE%E6%9C%A8%E5%89%AF%E9%99%A2%E9%95%B7.JPG"><img alt="榮木副院長.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2012/04/榮木副院長-thumb-250x166-7542.jpg" width="250" height="166" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>『ロハス･メディカル』誌は、がんの手術件数日本一のがん研有明病院に、誌面制作にあたって全面的にご協力いただいております。そのがん研有明病院で４月から、榮木実枝看護部長が副院長に就任し看護部長を兼任することになりました。抱負などを聴いてきました。（川口恭）<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>――職掌は３月までと、どう変わりましたか。</p>

<p>特に変わらず、引き続き看護部を担当します。これまでも看護部の利益だけを主張してきたつもりはありませんが、そのような主張はさらにしづらくなったかなという気はしています。</p>

<p>――ご本人に伺うのも妙な話ですが、どういった経緯で昇進に至ったのでしょう。</p>

<p>多くの病院が、看護部長を副院長に登用してきていたので、院長や理事の方々は気にしていたようです。副院長になったメリットはあります。看護師を募集する際に、「この組織で働きたい」と思ってもらえるかどうかは、その組織内部で看護職がどう評価されているのかによって大きく影響されると思っています。副院長という職は、一つの目安にはなるでしょう。</p>

<p>私としては、看護職が人数として大きな割合を占めるから副院長をさせるということではなく、看護部長個人が組織を機能させる上で重要な役割を担っているからこそのポジションだと考えますし、他職種の方々にもそう認識してもらえるよう自覚を持ちたいと思います。そのためにも、看護職の利益だけを主張していては組織が機能しなくなる、看護職としてやるべきことはやらねばならない、と折を見て話をしていくつもりです。</p>

<p>――バランスが難しそうですね。</p>

<p>２年前に大学病院から移ってきて、看護師がとても前向きに幅広い領域で医師を助け、病院をうまく機能させていることにビックリしました。でも、そのことに当の看護師も医師も気づいていないのです。看護師は日常行っている業務が当たり前のことだと思っているし、医師の側にはカバーしてもらっているという認識がない。だから、看護師が実践している業務が専門性高く、医師の業務を相当支援しているということを医師にも看護師にも常々言うようにはしています。</p>

<p>看護師は、患者さんのいるほぼすべての場所に配置されていて、昔から色々な業務をこなしてきました。そういった日常業務を通じて、病院を運営していくマネジメント能力も身につけています。看護職が活躍すれば、病院の機能も発展していくという印象を持っているので、看護師たちの能力をさらに引き出していきたいと考えています。</p>

<p>――チーム医療の要ということでしょうか。</p>

<p>その通りです。医師には高い専門性が求められ、他の職種の人も自分たちの領域以外は余り見ていません。すべての職種をつないで機能させるのは看護師だと思っています。</p>

<p>看護部には、小さなことから重要なことまで病院全体のあらゆる情報が入ってきます。そこで浮かび上がって来た課題をどう病院全体として改善していくのか。今までだったら検討してもらえなかったものも、副院長というポジションパワーを得たことで、提案すれば受け入れてもらえるかもしれないとは期待しています。当然のことながら、現場の看護師が情報をきちんと報告してくれることが大前提です。</p>

<p>――最後に患者さんに伝えたいことがあれば。</p>

<p>２年前に看護部長に就任して以後、つくづく専門性の高い病院だと感じています。また、当院の看護師は専門性が高いだけでなく、本当に優しく、患者さんに寄り添った看護を心がけています。がんにかかった時には有明病院に来て治療したいなと思ってもらえると、お互いに幸せだと思います。</p>

<p>一方で、毎年新採用者等がいて経験の浅いスタッフも必ずいますので、戸惑うこともあるかもしれませんけれど、患者さんの側でも育てる意識を持っていただけると、よい循環になると思います。どのような職場でも経験の浅い者や新採用者はいるものですから、そのような職員が成長してゆく過程も見守っていただきたいと思います。</p>

<p>（えいき・みえ）<br />
1971年東京大学医学部附属看護学校卒業、同附属病院に入職。92年文部省高等教育局医学教育課大学病院指導室専門職員、96年同専門員、98年東京大学医学部附属病院副看護部長、2000年山口大学医学部附属病院看護部長、2004年東京大学医学部附属病院看護部長、2010年癌研究会有明病院看護部長。</p>]]>
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    <title>予防接種法改正　HPV、HBVワクチンも１類に</title>
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    <published>2012-03-29T01:51:10Z</published>
    <updated>2012-04-01T03:36:03Z</updated>

    <summary>　今年度中の予防接種法改正案提出をめざして大詰めを迎えている厚労省の予防接種部会...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p>　今年度中の予防接種法改正案提出をめざして大詰めを迎えている厚労省の予防接種部会が29日、21回目の会合を開きました。前回までは定期接種の２類に入れる方針が示されていたHPV（子宮頸がん）ワクチンとHBV（Ｂ型肝炎）ワクチンを１類として扱う案が厚労省から提示されました。これで新たに法定化される７ワクチンのうち２類となるのは、成人用肺炎球菌ワクチンのみとなります。<a href="http://lohasmedical.jp/news/2012/03/13175927.php">小宮山洋子大臣の誤答弁騒動</a>をきっかけとして、政治による巻き返しが行われ、効を奏したものと見られます。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　ちなみに、この部会前日の参議院厚生労働委員会では、誤答弁騒動の当事者２人の間でこのようなやりとりが行われていました。</p>

<p>三原じゅん子参院議員<br />
「2月7日の予算委員会での大臣の答弁について、大臣と私とのやりとりで、ちょっとした行き違いがあったのかなと思っております。本日は、行き違いのあった質問を再度やり直しをさせていただきたいと思っておりますので、大臣、よろしくどうぞお付き合いいただきたいと思います。<br />
2010年の11月からですね、より子宮頸がん予防ワクチンがほぼ無料で、そして副反応救済制度も非常に充実したプログラムで接種できるようになりました。前回の予算委員会のご答弁で大臣が「子宮頸がん予防ワクチンの接種費用、救済制度は、今後も今と同様である」というお答えいただき、私は大変うれしく思いました。これは大臣もずっと一緒に取り組んでこられたこのワクチンの事業が、まさか後退するということはない、そういう制度にはならないという大臣のご認識と、そういう思いからお出になった言葉だったのではないかと思います。ですから、改めてお伺いしたいと思います。子宮頸がん予防ワクチンがもし、万が一ですね、定期接種の２類に分類されたしまったとした場合、この子宮頸がん予防ワクチンの接種費用と副反応救済制度はどのように変わっていくのかということを、改めてお伺いしたいと思います」</p>

<p>小宮山洋子厚労大臣<br />
「参議院の予算委員会の時には、今言っていたたいたように私の思いから答弁をしたために、ちょっとご質問の趣旨とは違った答弁になったこと申し訳なかったと思っています。で、まだ１類２類の分類は、今、予防接種部会で議論中でございまして、決定していないんですけれども、もし仰るように２類に分類されますと、それは費用の方は市町村が決定していくということ、それから健康被害があった場合には、そこの補償の金額が違ってくるということがございます」</p>

<p>三原<br />
「再度お付き合いをいただきありがとうございました。私はですね、これまで子宮頸がん予防ワクチンについて、小宮山大臣と一緒に取り組んで来て、大臣の予算委員会でのお言葉をお借りするなら私も仲間だという意識でおります。ですから、一番大切なことは、この子宮頸がん予防ワクチンが無料で接種できて、そして副反応制度に関しても手厚い措置が受けられるというこのことが一番大切であると再度申し上げて、しっかりとご対応いただきますよう心からお願いいたしたいと思います」<br />
</p>]]>
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    <title>『九州メディカル』創刊しました！</title>
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    <published>2012-03-24T15:57:12Z</published>
    <updated>2012-03-24T03:18:29Z</updated>

    <summary>　この度、ロハス･メディカルの九州版『九州メディカル』を創刊いたしました。九州大...</summary>
    <author>
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/kyusyu1.JPG"><img alt="kyusyu1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2012/03/kyusyu1-thumb-200x283-7540.jpg" width="200" height="283" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　この度、ロハス･メディカルの九州版『九州メディカル』を創刊いたしました。九州大学先端医療イノベーションセンターとのコラボで、隔月１万５千部からのスタートです。<br />
　最初の主な配置先は、県と地域のがん診療連携拠点病院や九州大学の関連病院です。無料での配置の基準は、首都圏版と同様、原則200床以上の医療機関となります。無料での配置をご希望される医療機関の方は、院内で意思決定の後、<a href="info@lohasmedia.co.jp">こちら</a>までご連絡ください。50冊単位でお届けいたします。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　配置先や九州版独自のコンテンツなどは随時公開していきますので、お楽しみに。</p>]]>
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    <title>予防接種法改正　格好つけても及び腰　透ける厚労省の姿勢</title>
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    <published>2012-03-13T08:59:27Z</published>
    <updated>2012-03-14T04:30:02Z</updated>

    <summary>３月20日発行の４月号に掲載の記事ですが、文中に出てくる『誤答弁騒動』が本当に『...</summary>
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>３月20日発行の４月号に掲載の記事ですが、文中に出てくる『誤答弁騒動』が本当に『誤答弁』として処理されてしまったようなので、暗澹たる気持ちで先行公開します。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/79-2-1.JPG"><img alt="79-2-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/79-2-1-thumb-240x162-7528.jpg" width="240" height="162" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><u>専門家の意見と厚労省案をキーグラフ®比較</u><br />
　予防接種法が、専門家たちの２年以上の議論を経て、改正されようとしています。厚生労働省の法改正案が、専門家たちの議論を正しく反映しているか、大澤幸生・東京大学工学系大学院教授にキーグラフ®解析（＊）してもらいました。極めて興味深い差異が見つかりました。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<blockquote><em>キーグラフ®解析</em>　文章を構成する単語の登場頻度、互いの繋がりの強さや数を計算し、重要な役割を果たしている単語を分類・抽出し、結果をネットワーク図として視覚化することで、文章の力点がどこに置かれているか浮かび上がらせるものです。黒点で示されるのは文中に使われる頻度の高い単語です。赤点で示されるのは、出現頻度は低いものの重要な働きをしている単語です。線で結ばれている単語と単語は、同じ文中に登場することが多いもの同士です。▽今回は、予防接種部会で昨年７月に取りまとめられた『これまでの主な議論の中間的な状況の整理等』と、その後９月に厚労省から示された『予防接種制度の見直しの方向性についての検討案』を同じ条件で可視化してもらいました。それを編集部で解釈しました。</blockquote>

<p>　２年前の本誌vol.54で『20年を取り戻せ　ワクチン医療再建』という緊急特集を掲載し、以後も断続的に、ガラパゴス的に遅れてしまった日本の予防接種の取り扱いを世界標準へ揃えるべきだ、という趣旨の記事を掲載してきました。<br />
　これについては、鳩山内閣の厚労政務官だった足立信也氏も問題意識を強く持っていたことから、そのリーダーシップで『厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』（以後、予防接種部会と表記します）が09年末に設置され、予防接種法の改正が諮られることになりました。ことし２月までに、ちょうど20回の議論が行われています。そして、いよいよ今年の国会に改正案が提出されるというところまで来ました。現在の小宮山洋子厚労相も、大臣就任前から、この問題には熱心でした。<br />
=====<br />
<u>何が遅れているか</u></p>

<p>　制度を直そうという以上、どういう問題が起きているか、現状把握は欠かせません。<br />
　ワクチンで予防される疾病の多くが、罹ってしまったら根本的な治療法はなく、生死や後遺症が残るか分からないものです。それなのに、世界で標準的に使われている多くのワクチンを、使えない人が大勢います。これが最大の問題です。<br />
　最も根本的な原因は、ワクチンの承認の遅れです。これはこの数年で急速に改善されてきました。<br />
　次に大きいのが費用の問題です。予防接種法で規定された定期接種のワクチンについて、法律上は低所得者以外に自己負担を求めてよいことになっているものの、ほとんどの自治体が自前で財源を準備して無料接種としています。対して定期接種でない（任意接種）ワクチンに関しては、自治体ごと対応がバラバラで、むしろ有料が基本となっています。<br />
　ワクチンの多くは乳幼児を対象とするもので、子育て世代の多くは経済基盤が強くないため、費用負担があると使えないのです。例えば小児用肺炎球菌ワクチンの接種者数は、10年度補正予算で公費助成が行われるようになってから４倍以上に増えました。裏を返すと、それだけの人が、接種したくてもできなかったということになります。</p>

<p><u>誤答弁騒動</u></p>

<p>　このため、任意接種のワクチンを定期接種化してほしいとの要望が多く出されていました。<br />
　厚労省の法改正案では、WHO（世界保健機関）が推奨している任意接種の疾病対応ワクチン７つを一気に定期接種化することになっています。しかし喜ぶのは早計です。接種費用を市町村が用意できなければ、有料となって、任意接種と大差ないことになるからです。<br />
　細かく見ると、４つは接種に努力義務のある一類定期接種、Ｂ型肝炎、子宮頸がん（HPV）、成人用肺炎球菌の３つは努力義務のない二類定期接種とするそうです。これまで高齢者のインフルエンザ以外は全部一類だったのに、３つも二類に回されたのです。<br />
　一類は社会防衛、二類は個人防衛を主な目的にすると厚労省は定義しており、努力義務のない分、副反応に対する救済を二類は薄くするといいます。この分け方は、科学的にナンセンスでガラパゴスの極みです。それでも区分が独り歩きして、二類を有料とする自治体も出てくるのでないかと懸念されています。<br />
　この点について２月７日の参議院予算委員会で、HPVクチンの無料接種を推進してきた自民党の三原じゅん子氏が質しました。</p>

<p><strong>三原</strong>　「予防接種法が改正され定期接種の二類に分類されたら、その後の接種費用はどうなるのでしょうか」<br />
<strong>小宮山</strong>　「それは、二類に分類しても今と変わらない『ほしょう』がちゃんと付く形にしてございます」<br />
<strong>三原</strong>　「接種費用と副反応救済制度は今のままということでよろしいんですね」<br />
<strong>小宮山</strong>　「今のままでございます」</p>

<p>　このやりとりを見ていた多くの人が、そうか無料接種を続けられるよう、国が面倒をみるのだなと思ったはずです。ところが翌８日になって、予防接種法改正の事務局を務める厚労省健康局の外山千也局長が、大臣答弁を訂正したいと言って訪れた、と三原氏がブログなどで明かしています。<br />
　国会で大臣が述べたものを官僚が否定して回るとは、厚労省がどれほど慌てているか分かります。<br />
（その後、３月12日の参院予算委員会で小宮山大臣が「正しくは定期接種の自己負担については一類・二類ともに市町村の判断によります。（中略）訂正すると共に、委員の質問の趣旨を的確に理解せず、審議を混乱させたことをお詫び申し上げます」と謝罪しました）<br />
=====<br />
<u>出現した「市町村」</u></p>

<p>　何を慌てなければいけなかったのか、ここで、大澤教授の解析結果を見てみましょう。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B8%AD%E9%96%93%E5%A0%B1%E5%91%8A.jpg"><img alt="中間報告.jpg" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/中間報告-thumb-570x464-7530.jpg" width="570" height="464" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%B1%80%E6%A1%88.jpg"><img alt="事務局案.jpg" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/事務局案-thumb-570x464-7532.jpg" width="570" height="464" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span></p>

<p>　上の図は、専門家たちの議論をまとめたもの（中間報告＝上）と厚労省の案（事務局案＝下）で、それぞれどういうことに力点が置かれているかです。比較して、まず気づくのが、中間報告では真ん中下の方にあった「区分」「公的」「関与」「義務」の三角形が、厚労省案では「区分」だけ残して消えていることです。<br />
　「区分」は、まさに一類と二類の分け方のことを指しており、中間報告では「区分」が異なれば、「公的」「関与」「義務」の度合いが異なることになるのでないかと指摘されているわけです。ところが、事務局案からは消えてしまっています。<br />
　また、右側の真ん中辺りを見てください。中間報告では結びついていなかった「定期」と「費用」が、事務局案では線で結ばれ、新たに出現した「市町村」との間も結ばれ三角形ができています。<br />
　この二つから透けて見えるのは、専門家たちが国の関与を求めているのに対して、定期接種化という格好だけつけて、どう扱うか費用について考えるのは市町村だ、と予防線を張る厚労省の姿です。大臣が費用について答えてしまったのには、さぞ驚いたことでしょう。<br />
　しかし「世界標準のワクチンを誰もが使えるようにする」との目標を最優先する「抜本改正」ならば、自治体の財政力格差が住民の健康格差につながらないよう、接種費用まで目配りする必要もあるはずです。<br />
　もっとも、それは大臣をはじめとする政治の役割なのかもしれません。民主党で今回の法改正について検討する予防接種小委員会の委員長を務める仁木博文代議士も「定期接種化と言うからには当然、接種費用も救済も今までの一類と同様の扱いにすべきで、そう与党の意見をまとめるべく努力します。将来的には、予防接種に健康保険の負担を求めていくこともあり得るでしょう」と話しています。<br />
　費用負担に関しては、別の視点もあります。著書『さらば厚労省』で予防接種法改正について詳しく書いた医師の村重直子・東京大学医科学研究所特任研究員は「小児医療費が無料の自治体の住民は、『有料のワクチンを打つより病気になってから無料で治療してもらえばいい』と考えがちのようですが、病気になってからでは遅いのです。治療法がないことも多く、治療しても命を落としたり、脳に障害が残ったりします。そうと知っていれば、小児医療費の無料化に使われている財源を、まずワクチンへ回してほしいと思うのではないでしょうか」と語ります。<br />
　最後にもう一度、大澤教授の分析に戻りますと、中間報告には影も形もなかった「基本」「ビジョン」「中長期」という三角形が事務局案の左上に出現しています。中長期的な基本のビジョンが必要なのは、多くの人が合意するところなのですが、誰がビジョンづくりを担当するのか明示されていません。放っておくと引き続き厚労省が担当することになるはずです。財源の面倒はみないけれど権限は手放さないぞ、との意識が語るに落ちたということでしょうか。<br />
</p>]]>
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    <title>『きぼうメディカルみやぎ』３号を配布開始しました</title>
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    <published>2012-01-15T05:38:22Z</published>
    <updated>2012-01-24T02:01:28Z</updated>

    <summary>　東日本大震災で住まいを失った方々の健康維持のヒントとなるような小冊子『きぼうメ...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="お知らせ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/%E3%81%8D%E3%81%BC%E3%81%86%E8%A1%A8%E7%B4%99%EF%BC%93.JPG"><img alt="きぼう表紙３.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2012/01/きぼう表紙３-thumb-120x166-7516.jpg" width="120" height="166" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　東日本大震災で住まいを失った方々の健康維持のヒントとなるような小冊子『きぼうメディカルみやぎ』の３号目（<strong>右の写真は表紙</strong>）が完成、15日に配布を開始しました。仙台市に本拠を置く健診機関「杜の都産業保健会」から委嘱を受けて、弊社で制作したものです。今回も費用は、第一三共グループと同社員からの寄付で賄われました。ロハス・メディカル仙台版版元である日本シナジーマネジメント社が仕切り、河北新報社などの協力も得て、宮城県内の全仮設住宅に配布していきます。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　３号目のテーマは生活習慣病のコントロールです。誌面をご覧になりたい方は、<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/pdf/%E3%81%8D%E3%81%BC%E3%81%8603_0124.pdf">こちら</a></span>からどうぞ（PDFが開きます）。</p>]]>
    </content>
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    <title>TPP問題、医療界が押さえるべきツボは②―長尾敬議員に聞く</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2011:/news//2.1628</id>

    <published>2011-12-22T09:14:41Z</published>
    <updated>2011-12-22T08:39:53Z</updated>

    <summary>　前回に続き、TPP問題の医療界に及ぼす影響についてそれぞれの立場の国会議員から...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p>　<a href="http://lohasmedical.jp/news/2011/11/18191901.php">前回</a>に続き、TPP問題の医療界に及ぼす影響についてそれぞれの立場の国会議員から語っていただきます。今回は慎重派の立場を取る長尾敬衆院議員（民主）です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　TPP交渉参加に関する議論はいまだ続くが、水掛け論の応酬になっている場面が多々見られる。賛成派と反対派の主張の根拠が違うまま議論していることが一つの理由だろう。<br />
　そこでこのインタビューでは分かりやすく議論を整理するため、それぞれの立場の国会議員に次の3つの質問に答えて頂くことにした。</p>

<p><strong>①ＴＰＰ交渉参加することにより税収が増え、それによって社会保障費も増えるという絵を描くことはできるか？</strong><br />
<em>→賛成派の主張の根拠は「税収増による経済の活性化」といったことなど。仮にそうなったとして社会保障費にも移されるなら、医療界の診療報酬を上げることだって考えられるようになるのではないか？　そもそもここが食い違っていると議論にならないため、整理する。<br />
</em><br />
<strong>②医療界の懸念する、国民皆保険制度への影響や営利企業の参入は、どれぐらいの可能性で起こってくると思うか。またそれらから守るために、国会議員としてどうしていくか。</strong><br />
<em>→医療界の最大の懸念の部分。</em></p>

<p><strong>③日本の医療界への外国資本参入、また混合診療解禁は、そもそも「悪」なのか？</strong><br />
<em>→②に関連するが、本当にこれらは悪い事なのかどうかという議論がそもそもされていない。<br />
</em></p>

<p><br />
　第一回目は、長尾敬衆院議員。</p>

<p><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/12/長尾議員-7499.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/12/長尾議員-7499.php','popup','width=428,height=563,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/12/長尾議員-thumb-170x223-7499.jpg" width="170" height="223" alt="長尾議員.jpg" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>長尾敬氏プロフィール</strong><br />
昭和61年　立命館大学経営学部経営学科卒<br />
同年　明治生命保険相互会社入社<br />
平成14年　同社退社<br />
同年　民主党大阪府第14区総支部長に就任<br />
平成21年　衆院選に民主党公認候補として立候補、当選 </p>

<p><strong>◆国会の役職</strong><br />
厚生労働委員会委員<br />
拉致問題特別委員会委員<br />
東日本大震災復興特別委員</p>

<p></p>

<p><strong>※取材を受ける立場について</strong></p>

<p>私はＴＰＰを一括りにして全面反対というのではなくて、あくまで慎重派という立場からお話をさせていただきます。</p>

<p><strong>①ＴＰＰ交渉参加することにより税収が増え、それによって社会保障費も増えるという絵を描くことはできるか？</strong></p>

<p>私は思いません。逆に税収が増えると言っている人はどういう根拠で言っているのか、議員同士で話をしてもはっきりと説明できる方がいないのです。仮に日本がＴＰＰ10カ国目として加わったとすると、10カ国のGDP（国内総生産）を比較すると、その91%を日本とアメリカが占めています。これでは事実上の日米間交渉になってしまうわけで、賛成派は「アジアの成長を取り込む」と言いますが、これでは説得力が弱いと思います。私はTPPについて全面的に否定はしませんし、国益につながることなら大いにやったらいいと思うのですが、税収が増えるというファクトやエビデンスが私には分かりません。</p>

<p>たとえば農業分野について自由化した方がいいという農家の方はおられますが、そういう方はオンリーワンの強いノウハウを持っておられます。だけどそういう部分的な話に合わせるわけにはいかないでしょう。日本の経済全体としての底上げになるというところについて、納得いく説明を聞きたいと思っています。</p>

<p>=====<br />
<strong>②医療界の懸念する、国民皆保険制度への影響や営利企業の参入は、どれぐらいの可能性で起こってくると思うか。またそれらから守るために、国会議員としてどうしていくか。</strong></p>

<p>割合は分かりませんが、今後に臨んでいくに当たって、理論武装なり交渉武装をしておかないと侮れないという気持ちはあります。その根拠は過去の歴史です。私は民間の生命保険会社に17年いたので1994年に合意した日米保険協議を体で感じています。情けない言い方をすればトラウマになっているのです。保険には、死亡保険などの第１分野、年金保険などの第２分野、それ以外の医療保険などが入る第３分野があります。日米保険協議によってそれまで規制されていた第３分野がいよいよ解禁されるぞと、国内外の保険会社が待ち構えました。しかし実際には、国内系生保には団体型（従業員を被保険者とする法人契約）しか解禁せず、外資系生保には市場として最も期待される個人向け単体商品を解禁させてしまったのです。単体商品が国内の生保に解禁されたのは２年半後で、私たちはその間にほとんどの個人のお客様を外資系保険会社に取られてしまったのです。それを一つの契機に、国内の保険会社がバタバタと倒れ、外資に買収されていきました。このような歴史的事実から考えれば、世界が羨み、日本が誇るとも言える国民皆保険制度を、同じようにして何らかの形でアメリカンスタンダードに合わせざるを得なくなる局面は起こり得ると思います。</p>

<p>小泉政権下での郵政民営化では最終的に国内法が変えられました。当時は「特定郵便局長は準公務員で世襲になっていておかしい」などと郵便局の組織の問題であるかのように見せながら、実は簡易保険や郵貯マネーが狙われていたわけです。それは郵政選挙の争点にはなりませんでしたが、後々になって民営化は間違いだったと反省されています。つまり国内法の変更は、変えようという勢力が国会や霞が関にできてしまえば可能なのです。</p>

<p>他にも例はあります。アメリカからの外圧を受けて1991年に行われた大規模小売店舗法の改正によって、それまでなかったような大型店舗が住宅街の真ん中にできるようになりました。ウォルマートやカルフールが参入し、今でもトイザらスは残っていますよね。そうして大型ショッピングモールがどんどん郊外にできて、一方で"シャッター商店街"ができてしまったわけです。もう一つ大きかったのは2000年に施行した建築基準法の改正で、それまでの仕様規定が性能規定に変えられ、検査が民間開放されました。これによって外国の資材住宅メーカーが参入できるようになり、結果的に地震に弱い建物がたくさんできて、耐震強度偽装事件につながりました。保険業法、大店法、建築基準法、さらに郵政民営化。日本の国内法は米国の圧力で次々と変えられているのが実際です。国内法があるから大丈夫だというのは真実ですが、アメリカから見れば「変えてしまえばいい」というだけのこと。でも実際に変えたのは、われわれ日本人なんですよ。</p>

<p>もう一つ言えば、条約は位置付けとして国内法より上位にあります。確かに日本が批准している「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約」などは国内で守られていません。しかし、本来は条約の内容に沿って国内を変えていかなければいけませんし、それに言及した国会答弁もあります。国内法を変える十分な追い風になるものです。</p>

<p>医療界の方々には、一歩立ち止まって慎重に、これらの危険性を骨の髄まで感じていただきたいと思います。繰り返しますが過去の事例はいくらでもありますし、医療はターゲットになるでしょう。たとえばジェネリック。アメリカとオーストラリア間のFTAにより、オーストラリアでは米国の薬品メーカーの特許の期間が延長されています。また製薬企業の卸値が高く維持されるようになっていて、これは製薬企業からの卸値がオーストラリアの３～10倍になっているアメリカに合わせた結果です。同じ内容が日本との交渉の中でも出てくる可能性は排除できないでしょう。</p>

<p>混合診療については立ち位置によって見方が違うと思っているので、私自身は本音を言うと中立の立場です。解禁することで救われる命もあるだろうし、医療の質が低下するという懸念があることも承知しています。<br />
=====<br />
<strong>③日本の医療界への外国資本参入、また混合診療解禁は、そもそも「悪」なのか？</strong></p>

<p>立ち位置によって善にも悪にもなると思います。営利を目的にすることのプラスもあればマイナスもあります。では今の医療界のすべてが善かと言ったら、そうではないと思います。例えば働いている医師や看護師の方々の善意や使命感によってギリギリで成り立っている医療現場もあるでしょうが、一方で"白い巨塔"のような世界もありますよね。「株式会社」だから悪とは言えないし、医療界の中にも善悪はあります。利益を追求しようと思えば、営利企業であれば人の花畑を荒らすようなことは簡単にできてしまいます。医療は市場価格ではないと思っていますから、安ければいいみたいな話になると質は落ちてしまいます。一方で値段を釣り上げていこうというやり方もあるでしょう。しかし医療は命にかかわることなので、やることをきちんとやったらコストはかかってきます。そうやって考えていかないといけないものなので、市場価格で安くしよう高くしようというものではないと思います。</p>

<p>しかし、実際にどうなっていくかは見えないので理論武装が必要です。厚労省や農水省が扱う分野であっても、交渉の前面に立つのは外務省です。100％思うようには伝わらないと思った方がいいと思うし、外務省が入れば日米間交渉の過去の流れにどうしても引きずられてくる部分があります。このため、必ず政治家が内容をチェックしなければなりません。最終的には事前事後の国会承認が要りますからね。</p>

<p><strong>④フリートーク</strong></p>

<p>違う業界の話ですが、自動車関連業界はTPPへの交渉参加を推進していますね。しかし現在フォードと米国自動車工業会は日本に対して、ハイブリッド車の中身と技術を教えろという内容の要求を突きつけてきているんです。どういうことかというと、日本はTPPに参加すれば輸出が多くなって状況はよくなりそうだと見込んでいて、それより円高の方が大問題だと考えている現状です。そこで車を売りたいけど日本の優秀なハイブリッド車の性能が障壁になっている米国は、ハイブリッド車の技術を「渡せ」か「やめろ」と、そういう意味合いに取れる要求を突き付けてきたのです。つまりルールを変えてきた。こういう例は今までにもあって、例えばF1では1988年にマクラーレン・ホンダが16戦中15勝と圧倒的強さを誇っていたのですが、翌年にルールが変わってターボエンジンが禁止されてしまいました。勝てないならルールを変えてくるのが外国の戦略で、TPPにおいては交渉のルール作りが競争になるわけなんですよ。TPPについて慎重な準備が必要と言うのはそういう意味で、相手がどう出てくるか分からないのです。私は根っからの保険屋なので、ことに臨むには準備が9割だと思っています。今後何を突き付けられても、国益を守るだけの理論武装をしていきたいと思っています。TPPについては、日本の文化的なものを崩しにかかられると考えて準備した方がいいと思っています。</p>

<p>オバマ大統領は皆保険制度をやりたかったけどできなかったわけです。それなら日本の方から交渉に際して「それならあなたたちも皆保険制度を作ってくださいよ。それから交渉しましょう」と言うぐらいのことを言えるようになっていいと思います。それぐらいの交渉力が必要ですよね。日本の国民皆保険がなくなったら民間医療保険が入り込んできて、一番儲かるのは保険業界です。向こうは本気で国内法を変えようとやってくるでしょうし、そういう歴史があります。慎重に構えて、ことに臨む準備をしなければなりません。</p>

<p><br />
（この記事へのコメントは<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/12/tpp_1.php">こちら</a>）<br />
</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>【訂正】2012年１月号　がん特集10「こんなに多様な医療スタッフ」</title>
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    <published>2011-12-16T00:58:52Z</published>
    <updated>2011-12-16T01:07:41Z</updated>

    <summary>最初の見開きに出てくる図表の中で、臨床工学技士が臨床工学技師と誤って表記されてお...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p>最初の見開きに出てくる図表の中で、臨床工学技士が臨床工学技師と誤って表記されておりました。確認漏れです。文中では正しく「技士」となっております。<br />
申し訳ありませんでした。<br />
ロハス・メディカル発行人　川口恭</p>]]>
        
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    <title>TPP問題、医療界が押さえるべきツボは―梅村聡参院議員に聞く</title>
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    <published>2011-11-18T10:19:01Z</published>
    <updated>2011-11-17T14:14:10Z</updated>

    <summary>　世間を騒がせている環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）への交渉参加問題。医療...</summary>
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        <name>熊田梨恵</name>
        
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        <![CDATA[<p>　世間を騒がせている環太平洋パートナーシップ協定（ＴＰＰ）への交渉参加問題。医療界への影響についても様々な意見が飛び交うものの、論点がどうもはっきりと見えてこない。医療界が考えるべきエッセンスを梅村聡参院議員（民主）に聞いた。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　<em>TPPへの交渉参加問題について、医療界への影響に関しても日夜様々な意見が飛び交っている。医療界での議論は、国民皆保険制度崩壊への懸念、医療法人や医療周辺産業への外国資本参入についての懸念、この二つに集約されそうだ。交渉参加自体に反対という意見が多く、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の３団体は２日の記者会見で「国民皆保険が維持されないならば参加は認められない」と公的医療保険にＴＰＰのルールを適用しないよう政府に求める共同声明を発表している。しかし、各種の議論を聞いていても「懸念」ばかりで、具体的な部分が見えない。「TPPに参加してみないと分からないから仕方ない」との声もあるが、現時点で考えられることは他にないのだろうか。梅村議員にインタビューした。</em></p>

<p><strong>熊田</strong><br />
TPP交渉参加に関する議論が医療界でも飛び交っていますが、いまいち的を得たものがあるように感じられないのです。日医なども反対を表明していますが、聞いていても反対の底が浅いと言いますか、議論が薄いように感じられます。</p>

<p><strong>梅村</strong><br />
日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会がTPP交渉の参加反対の表明をされました。国民皆保険制度の崩壊、医療本体や周辺産業への営利企業の無制限な参入によって医療の公益性が失われること、これらを理由に反対されていると思います。その危険性への懸念は理解します。ただ、なぜそういう事態が起こるのかという議論がなされず、仮定の話が多く「風が吹けば桶屋が儲かる」というような論調に終始したことが、医療界がJAと同じような抵抗勢力に捉えられてしまった理由だと思います。</p>

<p><strong>熊田</strong><br />
確かにマスメディアの報道を聞いていると、JAと医師会がいっしょくたにされていますね。</p>

<p><strong>梅村</strong><br />
関税に関する問題を抱えるJAと、別の懸念を抱える医療界が同じ反対会場の壇上で鉢巻を締めている姿には違和感を覚えました。農業の場合は関税を撤廃すると言われた場合の打撃の大きさを考えると、JAが反対するのは理解できます。医療界に懸念が生まれた理由の一つは、ISD条項（＊）が導入されることによって海外の投資家から日本の公的医療保険の非営利性を訴えられた場合、日本は拒否できないという恐れがあることです。これについてはどこまで起こっていくものかは分かりません。ただ、ISD条項については今回のTPPで初めて導入されるものではありません。日本はISD条項を含む投資協定をいくつも締結していますが、これまで訴えられことはありません。<br />
<em>＊ISD条項...政府と投資家間の紛争処理条項。投資家や企業が相手国に不平等な扱いを受けた時などに、その企業が相手国を訴えることができるという条項。世界銀行の傘下にある国際投資紛争解決センターが行う。</em></p>

<p><strong>熊田</strong><br />
JAと医師会は同じ「反対」でも背景は違うのに、そこを整理して見せられないのは残念ですね。医療界はどう考えて行動していくべきでしょうか。</p>

<p><strong>梅村</strong><br />
現実的には、もし本当に公的保険制度を無くそうとしたり、医療法人に営利企業が無制限に入ってこようとしたりすれば、国民健康保険法や医療法等の改正が必要になります。実際にＴＰＰに参加するとなった時、一般論としては法改正をしなければ現行制度はそのまま残ることになります。だから日本の医療を守っていくために、どの国内法のどの部分を守っていくのか、その戦略を政治家や官僚と一緒に考えていくのが三師会というプロフェッショナル集団の役目ではないかと思います。ISD条項に関する件も整理が必要です。</p>

<p><strong>熊田</strong><br />
先ほどISD条項の話も出ましたが、賛成派と反対派にはそれぞれの主張があります。先生ご自身はどうお考えなのですか。<br />
<strong><br />
梅村</strong><br />
私自身はずるい言い方かもしれないけど積極的な反対派でも推進派でもなくて、これからの交渉内容によりけりだと考えています。TPPに関してはいいことも悪いこともありますから、比較衡量を冷静に行うべきです。ただ、今はそういう場がないですよね。しっかり医療界がこの問題を考えていくため、医療界で賛成派の方と反対派の方々にそれぞれお話ししていただいて一緒に考えていくのがいいのではないかと思います。</p>

<p><strong>熊田</strong><br />
ではこの続きとして、インタビューの企画も考えていきたいと思います。先生、ありがとうございました。<br />
　　<br />
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　<br />
　<br />
　<br />
　<br />
　<br />
（この記事へのコメントは<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/11/tpp.php">こちら</a>）</p>

<p><br />
</p>]]>
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    <title>『きぼうメディカルみやぎ』２号を配布開始しました</title>
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    <published>2011-11-13T05:43:58Z</published>
    <updated>2011-11-13T06:01:59Z</updated>

    <summary>　東日本大震災で住まいを失った方々の健康維持のヒントとなるような小冊子『きぼうメ...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/%E3%81%8D%E3%81%BC%E3%81%86%E8%A1%A8%E7%B4%99%EF%BC%92.JPG"><img alt="きぼう表紙２.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/11/きぼう表紙２-thumb-120x165-7487.jpg" width="120" height="165" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　東日本大震災で住まいを失った方々の健康維持のヒントとなるような小冊子『きぼうメディカルみやぎ』の２号目（<strong>右の写真は表紙</strong>）が完成、13日から配布しています。仙台市に本拠を置く健診機関「杜の都産業保健会」から委嘱を受けて、弊社で制作したものです。今回も費用は、第一三共グループと同社員からの寄付で賄われました。ロハス・メディカル仙台版版元である日本シナジーマネジメント社が仕切り、河北新報社などの協力も得て、宮城県内の全仮設住宅に配布していきます。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　２号目の特集テーマは感染症予防です。誌面をご覧になりたい方は、<span class="mt-enclosure mt-enclosure-file" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/pdf/%E3%81%8D%E3%81%BC%E3%81%86%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB02%E6%9C%80%E7%B5%82.pdf">こちらからどうぞ（PDFが開きます）。</a></span></p>]]>
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    <title>都心ワクチンデモ２</title>
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    <published>2011-11-10T06:29:50Z</published>
    <updated>2011-11-10T06:52:16Z</updated>

    <summary>10日、『希望するすべての子どもたちにワクチンを』デモが行われ、約100人が六本...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/2011%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A21.JPG"><img alt="2011ワクチンデモ1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/11/2011ワクチンデモ1-thumb-250x305-7481.jpg" width="250" height="305" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>10日、『希望するすべての子どもたちにワクチンを』デモが行われ、約100人が六本木・三河台公演から霞ヶ関・日比谷公園までの都心を１時間ほどかけて行進した。このデモは昨年に続いて２回目。代表者らは、この後、小宮山洋子厚生労働大臣と面談し、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンについて、一日も早い定期接種化とそれまでの間の費用助成制度継続を要請する予定。<a href="http://vaccinedemo2011.web.fc2.com/index.html">デモの公式サイトはこちら</a>。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>：<br />
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<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/2011%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A22.JPG"><img alt="2011ワクチンデモ2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/11/2011ワクチンデモ2-thumb-570x309-7483.jpg" width="570" height="309" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
<strong><small>溜池の交差点を突っ切っる</small></strong></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/2011%E3%83%AF%E3%82%AF%E3%83%81%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%A2%EF%BC%93.JPG"><img alt="2011ワクチンデモ３.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/11/2011ワクチンデモ３-thumb-570x224-7485.jpg" width="570" height="224" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
<strong><small>ゴール地点の日比谷公園で正面の厚生労働省庁舎に向かってシュプレヒコール</small></strong></p>]]>
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    <title>「平穏死の１０の条件」―長尾和宏日本尊厳死協会関西支部長が講演</title>
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    <published>2011-10-26T17:07:01Z</published>
    <updated>2011-10-26T16:05:31Z</updated>

    <summary>　「平穏死できない現実を知ろう」「救急車を呼ぶ意味を考えよう」－。兵庫・尼崎市で...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/長尾氏-7469.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/長尾氏-7469.php','popup','width=586,height=720,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/長尾氏-thumb-170x208-7469.jpg" width="170" height="208" alt="長尾氏.jpg" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　「平穏死できない現実を知ろう」「救急車を呼ぶ意味を考えよう」－。兵庫・尼崎市で在宅医療を続ける長尾和宏氏（日本尊厳死協会関西支部長、長尾クリニック院長）が１０月２６日、「平穏死の条件」をテーマに神戸市内で講演した。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　尊厳死や在宅看取りに関する知識の普及啓発のため、日本尊厳死協会関西支部大会内で開かれた。</p>

<p><big><u><strong>◆「尊厳死」</strong></u></big><br />
<em>　「尊厳死」について同協会は「不知で末期の患者が本人の意思に従い、生命維持装置による延命治療を断るが、痛みの除去などの十分な緩和ケアを受け、人としての尊厳を保ちつつ、安らかに自然死を遂げること」と定義しており、「死を早める積極的安楽死や自殺幇助を尊厳死とは考えない」としている。<br />
　尊厳死に関する各国の動きは、1981年に世界医師会がリスボン宣言で尊厳死を容認し、1992年には日本医師会も容認。オランダには安楽死法（2001年）、フランスには終末期患者の権利法の「レオネッティ法」（2005年）など、各国の考え方や基準による「尊厳死」を認める法律がある。日本では現在、患者が自ら延命治療の中止を望んだ場合であっても医師が治療を差し控えらると罪に問われる可能性がある。これまでにも、家族の了承を得て呼吸器を外した医師が書類送検された「射水市民病院事件」、家族の要望でがん末期患者に塩化カリウムを投与した医師が殺人罪に問われた「東海大学事件」などが起きている。また医師法２０条と２１条に対する見解が分かれている（2,3ページ参照）ことなどもあり、延命治療に関する扱いは非常に敏感な問題になっている。<br />
　日本では今後見込まれる高齢者人口の増加に伴い、延命治療の差し控えを容認するガイドラインや法律を求める声が医療者などから上がっていた。こうした動きを受け、２００５年には「尊厳死法制化を考える議員連盟」が発足し、２００７年には厚生労働省から「終末期医療に関するガイドライン」が発表されている。同協会は議連や日医と協力しながら、本人の明確な意思があった場合に治療を差し控えたとしても、医師が訴えられないよう定める法律の立法化を求める活動を展開しており、長尾氏によれば「法案の原型までできている」状態だという。</em></p>

<p></p>

<p>長尾氏の講演内容を抜粋する形でお伝えする。</p>

<p>＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝</p>

<p>私は今、尼崎市で在宅医をしています。これまでに約500人を看取ってきました。勤務医の頃にも1500人ぐらいを看取りましたが、その頃にはただ病院で死を待っている状態の患者さんがたくさんおられて、何かおかしいなと感じてきました。そして今自分が見ている在宅看取りと病院の看取りは、明らかに違うと感じています。</p>

<p>ちょっとこの例を見てみてください。よくあるケースです。腰部脊柱管狭窄症を患い、２年前から自宅で寝たきりの98歳の女性。本人も家族も在宅看取りを希望。食べる量が減って、むせることが増えてきました。ある日、誤嚥性肺炎で発熱、状況を分かっていないケアマネが在宅医に相談せず救急車を呼びました。入院先でさらに呼吸状態が悪化したので、病院の担当医は「延命」を理由に、人工呼吸器を装着させ、胃ろうを造設しました。家族は自宅に連れて帰りたいので病院に往診依頼をしましたが、病院側は「在宅で診ることは難しい」と、退院を許可しません。本来は自然な老衰による在宅死を望んでいたのに、呼吸器や胃ろうを使って老衰に逆らう状態で延命することになります。亡くなる場所は病院です。どう思いますか？　それにこういう場合、私に「病院に往診してほしい」という依頼がありますが、そういうわけにはいかないので困ります。この例では、ケアマネの救急搬送が運命の分かれ道だったわけです。</p>

<p>尊厳死、自然死、平穏死という似た三つの言葉があります。平穏死はや自然死は、がんや認知症の終末期をイメージした言葉と考えてもらっていいです。尊厳死は例えば脳卒中、交通事故などで意識が戻らなくなった遷延性意識障害（重度の昏睡状態）の終末期を服ももっと広い概念になります。大体は同じ意味だと考えてもらっていいと思います。</p>

<p>『口から食べられなくなったらどうしますか　「平穏死」のすすめ』を書かれた外科医の石飛幸三先生が尼崎で講演をされました。その時に「国民の８割は胃ろうを望まない。しかし現実では８割が胃ろうを造られてしまう」と話されました。どうしてこういうことになるのでしょうか。これからは高齢社会です。老衰も増え、必ず食べられなくなるのをどう考えるのでしょうか。これまで、国民、医療界、誰も真剣に死や老衰に関わろうとしないで来たという事です。政治家も尊厳死を法制化ができずにきたのは、議論が難しいからではなく、メリットがないからです。票にならないし、誰も褒めてくれません。死が目前に迫っていても誰も直視せず責任回避し、とりあえず「胃ろうを」となります。その結果胃ろうが選択されて、現在４０万人が胃ろうを入れています。</p>

<p>僕自身、「延命」には３つあると思っています。まず「栄養」、これは胃ろうやIVH（中心静脈栄養）、そして「人工透析」。先日２５年間透析を拒否している患者さんを紹介されました、25年も拒否なんて、結局要らないじゃないかと思いますが。そして「呼吸」で人工呼吸器です。</p>

<p><br />
平穏死の条件は１０個あると、独断と偏見で述べたいと思います。</p>

<p>P2→「平穏死の条件」１～５<br />
P3→「平穏死の条件」６～１０</p>

<p>=====</p>

<p><u><big>１、平穏死できない現実を知ろう！</big></u></p>

<p>　今の日本は平穏死できません。それを知っておいてもらいたいと思います。医師法の問題があります。医師法21条（＊）は、どのようにして亡くなったか分からない「異状死」に医師が遭遇した場合の警察への届け出を義務付けています。この辺りの定義があいまいなこともあって、自分たちの行う医療によって警察に行かなければいけないかもしれないと思うと、医者は委縮した医療をするようになってきました。訴訟を避けるため、余計なことを言ったり書いたりしないようにと委縮しています。医療は本来もっと伸びやかに、大らかに行われるもののはずなのに、おかしな状態になっています。　医者が訴えられたら、社会的な問題にもなりますし、たとえ悪いことをしていないとしても、それだけで仕事ができなくなります。尊厳死の問題で有名な富山県の射水市民病院事件、東海大学事件もありました。家族に頼まれて患者を楽にしようとしても罪になる。日本には尊厳死という概念がないのです。</p>

<p><em>＊医師法21条・・・「医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。」</em></p>

<p></p>

<p><u><big>２、骨折をシミュレーションしよう！　転倒、入院による認知症</big></u></p>

<p><br />
「老いる」ことについてはいろんな定義がありますが、私は筋肉量が減ることだと思っています。若い方は筋肉量が非常に多いです。何歳になっても筋肉を鍛えることはできるので、鍛えることは大事です。大切なのは筋肉と骨ですね。「骨折」というイベントが悪い循環の始まりになることが多いです。「転倒、骨折、入院」ということは、よくありますよね。在宅でもそうです。入院から帰ってきて、また転倒して骨折入院になる。これを2回繰り返すと認知症状が出てきます。手術は成功した、だけど認知機能が落ちたということがありますね。入院しているときに、せん妄などの認知症状が出てくることがあります。骨折しないようにすることが大事ですが、自分や親がそうなった時にどうしてあげたいかは考えておいてください。でも例えば、９８歳の人であれば特に何もしない方が本人にとってはよい場合もあったりします。そのほうが幸せだということもあります。手術は成功しても寝た切りになるということはあるので、シミュレーションしておくことが大事です。骨折のその後で大きく運命が変わってくると思います。</p>

<p><br />
<u><big>３、多額の年金を残さないこと</big></u></p>

<p><br />
なぜ胃ろうをするのでしょうか。これには年金問題があります。これだけ不景気で失業者がいるという社会状況の中、家族の年金を１０～２０万円もらえる場合があるとします。その人が亡くなったら困るから胃ろうにして、家族はそれにすがって生きている。これが結構多いんです。自分の患者さんの中にも「胃ろうチューブの交換に失敗したら訴えるぞ！」と言われるご家族がいます。よくよく聞くと、年金だと言うんです。お金はないならないで貧乏もつらいですが、あったっらあったで財産争いで大変なことになります。</p>

<p><u><big><br />
４、平穏視させてくれる施設を選ぶ</big></u></p>

<p><br />
施設によって終末期の考え方が全然違います。高齢者の施設としては、療養型病床、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、高専賃、ケアハウス、病院なら療養型病床などいろいろあります。最近は特養の嘱託医から病院に対して胃ろう造設を依頼するケースが増えているんです。大阪・八尾市の医真会病院ではそれを断っています。これは勇気がいることです。その病院の方に「断ってもいいですよね。私たちは間違っていますか？」と尋ねられたので、「全然間違っていないどころか、同志です」と答えました。そういう病院もあれば、胃ろうを造って一日でも長く生かす、100歳を超えていてもそうだと信じて疑わない医者もいます。</p>

<p>特養でも、きちんと看取りをするところもあれば、すぐに救急車を呼ぶところもあります。「ここで死んだら評判が落ちるから」というそうですね。亡くなったら、正面玄関からお見送りをしていく施設もあります。それを見ると入居している方は驚くけど安心するんです。「こうして見守ってもらえるのか」と。東京の鳥海房江さんのところの施設「北区立特別養護老人ホーム清水坂あじさい荘」がそうですね。施設によって考え方が違うと思います。いわゆる「姥捨て山」的なところもあれば、平穏死を熱心に勉強している病院もあります。同じように見えても中身が違う場合があります。</p>

<p><br />
<u><big>５、往診してくれる在宅医を探せ！</big></u></p>

<p></p>

<p>在宅医療の現場では認知症、老衰など様々な状態の方がおられるので、何年も介護をしていると疲れてしまいます。地域の老人病院に預かってもらったり、ショートステイとの連携が大事です。在宅を選択した場合はほとんどが平穏死です。これまで５００人ぐらいの方を看取ってきました。勤務医の時代には1100～1500人をお見送りしました。その頃には、病院の価値観に沿って延命する方にしていました。そういう雰囲気と時代でした。今日も昨日も、私が行っている看取りとは異質のものです。在宅死は平穏死だと自信を持って言えます。それに沿う在宅医が必要ですが、どうやって見つけるか。インターネットや口コミで上手にお医者さんを探すことです。元気なうちから探すことが大事です。普段からよく情報収集しておかないと、いざとなったら慌ててうろたえて、というのは大変です。老いはいつか来る、必ずその時は来るから準備をしておくことが大事です。近所のお医者さんを物色するんです。風邪をひいた時にかかってみて、どういう対応をするかを見てください。自分の生活や家族の状況まできちんと聞いてくれるか、顔も見ないでパソコンの方を向いて、聴診器も当てないで「薬を出します」と言うような対応をするのか、ちゃんと見てください。</p>

<p>=====<br />
<u><big>６、２４時間ルールを誤解するな！</big></u></p>

<p><br />
がんの末期で寝たきり、老衰など、看取りを前提にして診ている方が亡くなっても、それは「事件」ではありません。<br />
医師法20条（＊）が医療者を縛っています。正しい解釈は、「24時間以内に診察していれば、死亡に立ち会わなくても死亡診断書を発行できる」。でも、「24時間以内に診察していなければ、死亡診断書を発行できない。つまり、警察に届けなければいけない」と誤解しているんです。何もしていないのに警察に関わるのは誰も嫌に決まっていますから、医師は在宅を避ける。９割の医師が誤解しています。そんな誤解があるので特養では死ぬたびに警察が来て、警察の方から「勘弁してくれ」と言われるんです。病気で家で亡くなるのには、在宅主治医がいれば問題ないんです。主治医が往診する場合、病的なものじゃなくても寿命と判断したら診断書を書けます。予期された死については大丈夫です。私の周囲では在宅死の死体検案が非常に多いんです。警察からよく電話がかかってきます。ヘルパーが朝、独居の患者がトイレで亡くなっていたのを発見し、救急車を要請したと。救急車が出てこられなかったら、警察が来ます。そして警察が見たら事件性はないということで、「先生来てください。診断書を買いてください」と言われます。主治医が「今日明日がヤマ」や「死期が近い」と感じて亡くなっていく時、それは事件じゃありません。救急車を呼ばなくてもいいんです。そういう時は在宅医に電話してください。在宅主治医がいれば問題ないということはぜひ知っておいてほしいです。<br />
<em><br />
＊医師法20条・・・医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。</em></p>

<p><br />
<u><big>７、救急車を呼ぶ意味を考えよう！</big></u></p>

<p><br />
老衰で救急車を呼ぶということは救急病院に行って、気管内挿管をして、心肺蘇生マッサージをやってくださいということ。延命して下さい、ということです。たまに「延命処置、蘇生は拒否。だけど生かしてください」と言われる方がいて、どうしたらいいか分からなくなります。救急車はすぐ来てくれますが、なかなか受け入れ先が見つからない場合もあります。救急車の意味をよく考えないといけません。亡くなってから、遠くの親戚が来て呼べと言われて呼んだけど、乗せてくれないこともあります。すると警察が呼ばれるんです。そしたら僕のところに連絡が来て、「先生助けてください、取調べが始まった、看取りのはずなのに救急車を呼んじゃった」と。そういう時はまず在宅主治医に電話してもらえればよかったのにと思います。</p>

<p><br />
<u><big>８、死ぬ前に葬儀屋さんと勇気を出して話してみよう！</big></u></p>

<p><br />
病院と在宅の違いは何か。病院は生かすことしか考えません。全く文化が違うんです。生かすことが使命だから１秒でも長く生かそうとします。でも在宅では違います。亡くなった後のことも家族と相談しながら準備していきます。死期があと一日二日、となったら必ずこういう話をします。患者さんをお見送りする時の着物は何にするかとか、どんなご葬儀にするかという話もします。皆さん必ず泣きます。事前にこの気持ちを経験しておくことで、いざそうなった時の悲しみが軽減され、必要な行動を取れるようになります。こういうことを行うのが在宅医療なんです。そうやっていくことで、心の準備ができるんですね。最近は自分で葬儀を演出するかたもおられます。私の患者さんの中には、お亡くなりになる前に自分で葬儀屋さんを呼んで、お金も渡し、焼き場のことも話していたという方がおられました。私が行ったら葬儀屋さんがいるので驚きました。そういう人もいます。こういう準備をしていくことで、今何をすべきかと考えられるようになるんです。</p>

<p><br />
<u><big>９、「がん」も「非がん」も、脱水は友</big></u></p>

<p><br />
２人に１人ががんになる時代です。３人に１人はがんで亡くなります。なぜかがんは特別扱いされますね、国立がんセンター、県立がんセンター、がん専門医、抗がん剤専門医もいます。がんは特別視されますけど、がんになるかそれ以外かです。それ以外の代表は老衰、認知症、骨粗しょう症、パーキンソン病などの神経難病ですね。がんは急激な経過をたどります。平均の在宅期間は１．５ヶ月です。がんでも穏やかな進行のものと急激な進行のものがあります。緩和医療を行います。非がんだとその倍、１０～２０倍の期間を過ごしますから、家族が介護を続けられるようレスパイトケアが大事です。医学管理も非常に重要で、検査と入院を繰り返すことになると思います。</p>

<p>食べられなくなって脱水が起こります。脱水は悪いことのように言われますし、脱水になったらいけないような気がしますが、終末期においては脱水は良いのです。なんで良いかというと、脱水のほうが苦痛が少ない、長生きする、そういう論文もあります。脱水は悪いことじゃないんです。カラカラの方が楽で長生きするんですね。がん末期に高カロリー輸液にしてしまうと、がんがどんどん大きくなります。がんが栄養を取って大きくなるから、胸に水が溜まって、痰が出て、吸引しながら亡くなっていくという事もあります。自然に任せると良く、脱水は悪くないことを覚えていただけたらと思います。</p>

<p>昔は８割の人が家で亡くなっていました。1970年代半ば、病院での死亡が在宅死の数を上回りました。がん患者の約９割が医療機関で亡くなっています。自宅はたった６％程度です。病院に入ると何かいいことあるかもしれないと病院に行く人もいたり、核家族化で家にいられない人もいると思います。兵庫県はがんで亡くなる方の数がトップです。でも１割の人しか家で亡くなっていません。厚労省は家で過ごせと言います。その方が医療費も多少は少ないかもしれないし、その人らしいQOLを保てるという意図もあります。しかしそれはなかなか実現しません。なぜならお医者さんが大変だからです。２４時間診るというのは本当に大変で、私も診ていますが、夜中も起こされるし、朝から往診に行くし、ひっきりなしに電話がかかります。ほとんど眠れません。これでは病気になる人もいると思うし、奥さんに怒られる人もいると思います。</p>

<p>在宅看取りをしながら気付いたことがあります。医師からすらなかなか信じてもらえないのですが、自然経過に任せると本人の苦痛は少ないです。自然な脱水があると胸水や腹水がたまりにくいのです。水を抜くこともほとんどない。亡くなる直前までＡＤＬ（日常生活動作）は良いです。癌性腹膜炎でも結構食べられます。腸閉塞だから食べられないのが普通だけど、食べられるんです。生きるとは食べることだから、私もちょっとでもいいから食べて生きていきたいと思います。</p>

<p><br />
<u><big>１０、すべての病気に緩和医療を！</big></u></p>

<p><br />
緩和医療とは「痛み」を和らげる医療です。「痛み」には、身体的苦痛（疼痛、呼吸困難など）、社会的苦痛（働けない、ハンディキャップなど）、精神的苦痛（治療や病気への恐怖、見通しへの不安など）、スピリチュアルな苦痛（「なぜ死なねばならないのか」など答えのない問い）があると言われます。それも含めて、いろんな痛みを和らげます。麻薬は体の痛みを和らげるもので。今は非常に便利になって、様々な剤形があります。液体、貼るものなどとても使いやすくて普通に使えるようになったと思います。在宅医で大丈夫かと思われるかもしれませんが、緩和医療をちゃんと勉強しているので大丈夫です。</p>

<p>痛みは痛みでも、がんじゃない痛みを感じている人はたくさんいます。腰部脊柱管狭窄症が非常に多いです。緩和医療はホスピスで、諸外国で対象として多いのはがんとエイズです。緩和医療はすべての人に適用すべき概念だと思います。今まで麻薬の使用はがんしか通らなかったけど、がん以外の痛み、何にでも使えるようになっています。でもいい。線維筋痛症、骨粗しょう症にも使えるようになりました。緩和医療の対象が広がってきたというイメージを持ってもらいたいと思います。</p>

<p>在宅で看取っていると、皆が尊厳死だったと思います。不謹慎な言い方かもしれませんが、皆さん、亡くなった後に安堵の表情があります。大往生をしたと、仕事をやり終えたと、めでたい雰囲気すら流れる時もあるんです。尊厳死、平穏死だと感じます。</p>

<p><br />
胃ろうはすべてが悪いものではありません。生きて楽しむための胃ろうもあります。胃ろうは元々、約30年前にアメリカで嚥下障害のある脳性まひの子供のため開発されたものなんです。口から食べられない人でも栄養摂取が可能になって長く生きられるので、先天性の奇形のある赤ちゃんのように、未来ある人には必要です。でもそれがなぜか日本では高齢者の延命に使われるようになってしまいました。何かおかしくないですか？　認知症終末期で、全く意識のない状態の人への胃ろうをどう考えるでしょうか。病院で研修医は「退院時に胃ろうにしないと家族が困る」と教育され、十分な同意なしに胃ろうにしてしまうと聞いています。そして内視鏡で胃ろうを入れていく技術がどんどんと発達する。その結果、日本では毎年20万人も胃ろう造設者が増え、亡くなる方を除いても合計すれば甲子園球場８個分の40万人にもなるそうです。中には胃ろう専門の高専賃まであるそうです。特養に胃ろうの人は受け入れられにくいので、逆に入れるよう枠を用意しているという訳の分からないことになっているようです。</p>

<p>胃ろうの何が問題かというと、注入を中止できないことです。本人が植物状態になっても中止できない。やめれば医師が罪に問われる可能性があります。だから、日本静脈経腸栄養学会というところで、注入中止のガイドラインを作ろうとしています。生きて楽しむための胃ろうは必要です。活用して、床ずれが治って元気になったり、口から食べられるようになったり。またＡＬＳの方については延命ではなく福祉用具として捉えることができます。胃ろうがすべて悪いのではなくて、病気、病態、病期を考えて活用することが大事です。</p>

<p>尊厳死のキーワードとしては、人間としての尊厳が保たれること、そしてあくまで本人の医師であって、家族は関係ありません。不知、かつ末期であるという事です。憲法１３条には、幸福追求権があります。私たちはそれを求められるんです。尊厳死と安楽死はまったく異なるということをご理解下さい。死を早める積極的安楽死や自殺幇助を尊厳死とは考えません。</p>

<p><br />
日本では、助かる見込みのなくなった時に延命処置を行わないでほしいと意思表示する「リビング・ウィル」と言われる方法があります。私は臓器提供カードにリビング・ウィルも書いていいと思っています。たとえ認知症になった時でも、延命を拒否する権利は備わっていると思います。延命中止の合法化は、医療者ではなく国民を中心に進められるべきと思います。</p>

<p>私自身は尊厳死ではなく「尊厳生」だと思っています。患者さんの中にも、生きていることがどうなのだろうかと思う人がおられます。尊厳を持って生きておられる状態でないといけないのではと思うのです。リビング・ウィルと緩和医療を両輪に、議論を進めていくべきと思います。</p>

<p>１９９２年には医師会が尊厳死を容認し、厚労省の終末期医療のガイドラインもできました。２００５年には尊厳死法制化を考える議員連盟が発足して、今議論が活発化しています。この法案を通してほしいという活動が尊厳死協会の役割の一つです。どこの国もこの問題に悩んでいますが、なんとかしないといけません。こんなにも胃ろう患者がいるのは日本だけです。</p>

<p>私は、延命中止を合法化すべきと思っています。実際の現場では、医療者とご家族が、"阿吽の呼吸"で中止している場合も多くあります。医療者に聞くと、皆そう言います。でもこのままではいけません。これから確実に高齢者は増え、尊厳ある状態とは言えない状態で生かされる方が多くなってしまいます。ご家族が尊厳ある死を望んでも、医療者は逮捕されるから中止できない。その人が生活の中で最優先していることに寄り添った結果が逮捕とは、おかしな話です。患者さんの力が必要です。患者さんの理解、力がないと世の中は変わっていきません。</p>

<p>私は尊厳ある「生」を生きること、その結果が尊厳死だと思っています。</p>

<p><br />
<em>＊『「尊厳ある生」の「尊厳」とは何か』と講演終了後に長尾氏に聞いたところ、「嫌なことをされないこと」。</em></p>

<p><br />
（この記事へのコメントは<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2501.php">こちら</a>）</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>明細書の無料発行義務化について</title>
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    <published>2011-10-13T20:35:29Z</published>
    <updated>2011-10-13T20:55:19Z</updated>

    <summary>「権利」という言葉は便利だ。「義務」を導き出したい場合に都合がいい。（新井裕充）</summary>
    <author>
        <name>新井裕充</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／患者・国民" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/10月2日の中医協2-7391.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/10月2日の中医協2-7391.php','popup','width=550,height=370,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/10月2日の中医協2-thumb-250x168-7391.jpg" width="250" height="168" alt="10月2日の中医協2.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　「権利」という言葉は便利だ。「義務」を導き出したい場合に都合がいい。（新井裕充）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　来年度の診療報酬改定に向け、厚生労働省は10月12日の中央社会保険医療協議会で、「外来管理加算」「地域医療貢献加算」「明細書発行」を主な議題とした。</p>

<p>　一見、不揃いに見える3つの議題、厚労省の説明では「外来医療の各論1回目」ということだが、別の見方をすればスッキリ説明できる。すなわち、これらはすべて「医療機関の義務」に関する点で共通している。</p>

<p>　「外来管理加算」は患者に対する懇切丁寧な説明、「地域医療貢献加算｣は診療所の休日・夜間対応、「明細書」は患者への情報開示に関わる。次期改定に向けた各論一発目は、「医療機関は努力しなさい」という厚労省の暗黙のメッセージで始まったと言えよう。</p>

<p>　患者の権利を持ち出せば、医療機関の義務を説明しやすい。しかし、医療分野は主に厚労省が所管して規制しているのだから、厚労省の責任について議論されてもいいと思うが、そんな気配はサラサラない。「医療機関は努力しろ」「患者も我慢しろ」という方向で今後の医療政策は突き進んでいくのだろう。</p>

<p>　明細書発行に関する厚労省の説明は以下の通り。</p>

<p><br />
<strong>[森田朗会長（東京大大学院法学政治学研究科教授）]</strong><br />
　次に、「明細書の無料発行義務化について」を議題としたいと思います。事務局より資料が提出されておりますので、これについてご報告をお願いいたします。どうぞ。</p>

<p>　▼　<em>この日の議題、資料は<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001qwts.html" target="_blank">こちら</a>。</em></p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　保険医療企画調査室長でございます。資料は「総─2」でございます。「明細書の無料発行義務化について」をご説明をさせていただきたいと思います。</p>

<p>　また、一番最後のページにまとめて、「論点」というふうにまとめておりますので、また後のほうでご説明を差し上げます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-001-7394.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-001-7394.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-001-thumb-530x374-7394.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-001.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span><br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■ 経緯</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　スライドの2でございますが、これまでの経過でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-002-7397.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-002-7397.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-002-thumb-530x374-7397.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-002.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　明細書の無料発行につきましては、平成20年度改定で患者の申し出があった場合に義務付けがされたと。実費徴収可という形でございました。</p>

<p>　引き続きまして平成22年度改定では、「申し出があった場合」というところではなく、「正当な理由」がない限り、原則として無料発行が義務付けをされるようになったということでございます｡</p>

<p>　その「正当な理由」としましては、「明細書発行機能が付与されていないレセコンを使用している場合」、あるいは「自動入金機の改修が必要な場合」であるという形でございます。</p>

<p>　併せまして、診療報酬上の点数としましては再診料に対します加算と、診療所に対する点数といたしまして、電子化加算からの振り替えのような形で創設されたといった経過がございます。</p>

<p>　スライドの3ページ目および4ページ目をご覧いただきたいと思いますが......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-003-7400.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-003-7400.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-003-thumb-530x374-7400.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-003.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　これらのルールといいますのは、「参考」にあります「保険医療機関及び保険医療養担当規則」で定められております。下線部分が平成22年の（改正）部分でございまして、「正当な理由」がない限り......（明細書を交付しなければならないという）今のルールが書かれているというものでございます。</p>

<p>　それで、この義務化につきましての大きな枠組みというものを振り返りますと4ページ目でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-004-7403.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-004-7403.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-004-thumb-530x374-7403.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-004.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　レセプト電子請求の義務付け対象となっている所が、「正当な理由」がない限り、無料の明細書の発行の義務付けがされているということでございます。</p>

<p>　一方で、レセプト電子請求の義務付け（対象）から外れております医療機関等ございます。ここにつきましては、明細書の発行の義務付けがないということになっております。</p>

<p>　5ページ目が、その参考の資料でございます。「義務付けがあるかないか」という入り口につきましての、電子化の推移でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-005-7406.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-005-7406.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-005-thumb-530x374-7406.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-005.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　レセプト電子請求の義務付けにつきましては、期間を区切ってですね、計画的に進んでまいったものでございますので、それを反映する形で......</p>

<p>　平成22年度に入りまして、医科の病院あるいは医科の診療所につきましては、それぞれ90％台まで電子化が進みまして、そのどちらも横ばい状況にあるということでございます。</p>

<p>　調剤につきましては平成21年度から8割......、9割が電子化が進んで、今、横ばいの状況にあるということでございます。</p>

<p>　また歯科につきましては平成23年4月が......、期間でございましたので、今、約30％台で横ばいになり、今後推移していくのではないのかな、という状況になっておるところでございます。</p>

<p>　これらが元々の義務化がかかりますレセプト電子請求の状況でございますが......<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■ 「正当な理由」</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　スライドの6ページ目はレセプト電子請求の義務付け対象、すなわち無料発行の義務付け対象の中で、「正当な理由」の届出状況を、今回、医療課におきまして集計したものでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-006-7409.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-006-7409.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-006-thumb-530x374-7409.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-006.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　病院から薬局まで、それぞれ電子請求を行っている医療機関のうち、「正当な理由」の届出があるもの。例えば、病院でありますと8.9％、診療所でありますと1.9％。</p>

<p>　歯科、薬局でありますとそれぞれ4.5％、0.2％といったかたちでございますので、「正当な理由」で届出で行っておられる所は全体としましては1割には満たないという状況でございました。</p>

<p>　また、その「正当な理由」の内容につきまして集計をいたしますと、病院につきましては「自動入金機の改修が必要である」という所が多い。</p>

<p>　一方、診療所については、「レセコンについて明細書発行機能が付与されていない」といったところの理由が多いといったところでございました。</p>

<p>　これらが「正当な理由」の届出でありますが、また、その費用の徴収をしておられます医療機関等の数も併せて集計をいたしました。</p>

<p>　これは、「正当な理由」を行っている医療機関のうち......という形での集計でございますが、病院は2割弱、診療所は3割ないし4割、薬局は2割、全般的には約3割の医療機関等につきまして、費用徴収が行われている、届出を頂いておるという状況でございました。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■ 費用徴収</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　それで、次の7ページ目のスライドですが、費用徴収の件でございます。「正当な理由」を届出している医療機関等のうち、費用徴収の金額を今回、集計をいたしました。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-007-7412.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-007-7412.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-007-thumb-530x374-7412.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-007.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　山がいくつかございまして、まず10円ないし50円あるいは100円以下といった所が1つの山。300円程度の山がございまして、500円近辺の山が......、大体3つぐらいの山ができているということでございました。</p>

<p>　また、その中でも数としては少のうございますが、2000円、3000円、または5000円と、まあ、これは数は少なかったわけでございますが......、といった費用徴収が行われているという結果も出ておるところでございます。</p>

<p>　これら制度の運用につきましては、「費用徴収も可」ということでございますが、事務連絡などでは「実費相当の」というような形でお示しをしている中で、どのように考えるかという点があるのかな、というふうに考えております。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■ 発行状況</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　スライドの8ページ目以降は、先般の検証調査の中から主要なデータを取り出したものでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-008-7415.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-008-7415.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-008-thumb-530x374-7415.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-008.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　まず、8ページ目でございますが、明細書の発行状況。こちらは21年度、22年度、比べますと、歯科の診療所につきましては、これまで電子請求の義務化前ということでございますので大きな変化はない......</p>

<p>　一方、病院、一般診療所、保険薬局につきましては、22年度に入りまして全ての患者に発行しておるといった割合が大きく伸びているということでございます。</p>

<p>　「一部の患者のみに発行している」という所まで含めますと、8割ないし9割の割合に達しているという状況でございました。</p>

<p>　スライド9ページ目は、無料発行義務化に対応していない理由でございますが、「正当な理由」に該当しているという点、あるいはそもそも電子請求の義務化の対象外であるという点、それぞれ回答があったということでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-009-7418.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-009-7418.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-009-thumb-530x374-7418.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-009.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　病院につきましては、「明細書の発行機能がないレセプトコンピューターのため」「自動入金機の改修が必要なため」といった所が多くございます。一方で、「その他」「無回答」といった回答も多かったわけでございます。</p>

<p>　一般診療所につきましては、「65歳以上で免除（されているため）」という所が多かったということでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-010-7421.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-010-7421.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-010-thumb-530x374-7421.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-010.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　歯科診療所につきましては、「オンライン､電子請求の猶予」という所が多く、「原則義務化の時期がきていない」ということで、多い回答でございました。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■ 意向確認等</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　それから引き続きまして、11ページ目が明細書発行の費用徴収の有無でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-011-7424.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-011-7424.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-011-thumb-530x374-7424.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-011.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　これは、検証調査の中でのデータであるということでございまして、N数が多いデータは先ほどの医療課の別途集計のほうをご覧いただきたいと思いますが......</p>

<p>　21年度中の検証調査との比較で見ていただきますと、費用徴収の割合はそれぞれ少なくなっているという状況でございました。</p>

<p>　それで、12ページ目は実際に明細書を発行する段階での状況でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-012-7427.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-012-7427.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-012-thumb-530x374-7427.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-012.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　すべての患者に明細書を無料発行しておられます施設におきまして、その発行する際の意向確認の方法でございます。「特に意向を確認していない」という割合が約6割。歯科診療所は8割（ﾏﾏ）ということでございますが......</p>

<p>　「最初の希望通りに運用している」という所が3割程度あったということでございます。</p>

<p>　「最初の希望通りに運用している」の内容でございますが、下の注の部分でございますけれども、「最初に明細書を発行する際、発行の希望の有無を聞いて、それを記録して、それ以降の受診時の際にも最初の希望通りに運用している」といった質問項目であったところでございます。</p>

<p>　それで、13ページ目は施設調査の中で、施設の患者からの意見、受け止めでございますが......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-013-7430.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-013-7430.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-013-thumb-530x374-7430.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-013.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「特に意見はない」といった所が一番多く、次に「専門的で理解するのが難しい」、あるいは「領収証と明細書のどちらかに統合してほしい」という意見を施設のほうでは受けておられるといったところの状況がございました。</p>

<p>　また14ページ目は、無料発行後におきます明細書を希望しない患者の割合というかたちでございますが、病院から保険薬局まで......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-014-7433.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-014-7433.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-014-thumb-530x374-7433.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-014.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　病院のほうが、無料発行を希望しない......、「明細書を希望しない患者さんの割合」が少なかったということでございます。薬局につきましては、「希望しない患者さんの割合が少ない所」が少ないということですから、病院から薬局まで傾向が出てきたデータがございました。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■ 患者調査の結果</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　15ページ目以降は、今度は患者調査の結果でございます。まずは、確認状況でございます｡</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-015-7436.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-015-7436.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-015-thumb-530x374-7436.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-015.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「明細書を頂いた後に確認をされておられますか」ということでございますが、「おおまかに確認した」というところまで入れますと、8割弱、7割程度といったところ。</p>

<p>　一方で、「ほとんど確認しなかった」といったところも2割程度、2割弱から2割強あったということでございます。</p>

<p>　16は明細書の必要性でございますが......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-016-7439.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-016-7439.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-016-thumb-530x374-7439.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-016.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「必要だと思う」「どちらかというと必要だと思う」といったところが7割から......、保険薬局では3分の1程度といった状況。</p>

<p>　「どちらかというと必要ない」「必要ない」といったところも、「病院（入院）」でありますと3割弱。薬局でありますと、6割強といった状況が出ておりました。</p>

<p>　また、受け取った明細書につきまして「満足をされておられるかどうか」ということにつきまして、「まあまあ満足しているというところまで含めますと、8割程度の患者さんが満足をされているといったところでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-017-7442.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-017-7442.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-017-thumb-530x374-7442.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-017.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「受け取って良かったこと」ということについては18ページ目でございますが......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-018-7445.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-018-7445.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-018-thumb-530x374-7445.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-018.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「治療･検査･薬などの具体名がわかりやすくなった」「医療費の内訳がわかりやすかった」、あるいは「医療機関等への安心感･信頼感が高まった」といった回答が出ておりますが、一方で「良かったことは何もない」といった回答も出ているところでございます。</p>

<p>　19ページでございますが、明細書無料発行に関します今後の希望でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-019-7448.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-019-7448.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-019-thumb-530x374-7448.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-019.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　病院の入院・外来から一般診療所、歯科、保険薬局につきまして、これもはっきりグラデーションが出ているところでございますが、「会計の都度､明細書の発行を希望する」「時と場合により､明細書発行を希望する」の合計でいきますと、病院の入院のほうは高く7割程度。</p>

<p>　保険薬局までいきますと、4割弱まで下がってきているという状況でございます。</p>

<p>　それで、「希望しない」といった回答もかなり出ておりますので、その理由をおききいたしますと、「もらっても内容がよくわからない」「領収証の内容で十分」「毎回ほぼ同じ内容である」といったところが割合としては多く出ていたところでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-020-7451.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-020-7451.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-020-thumb-530x374-7451.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-020.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　今度は21ページ目でございますが、明細書の無料発行をします仕組みと言いますか、制度自体の必要性でございますが......</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-021-7454.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-021-7454.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-021-thumb-530x374-7454.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-021.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　「必要と思う」「どちらかというと必要と思う」といった回答は、病院の入院におきます約6割程度から、保険薬局につきましては3割弱という程度まで下がってきているという状況がございました。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p></p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■ 9月7日の議論</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　これらの施設調査、患者調査の結果が出たところでございますが、本総会におきましては、各委員からご発言を頂いているところでございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-022-7457.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-022-7457.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-022-thumb-530x374-7457.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-022.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　（診療側の）鈴木委員、安達委員からは、「不要と考える方に対して無理やり明細書を発行するかどうか」「（1回もらって）あとは同じ内容であれば要りませんよという人たちがかなりいるけれども、診療内容が変わったときは医療機関はもう少し丁寧にすべき」といったご発言を頂いたところでございます。</p>

<p>　また、堀委員からは「歯科につきましては細かい中身が多過ぎる」、あるいは「より分かりやすい内容にする方向での検討が必要ではないか」、「診療報酬上、明細書として患者さんが見た時に、前回と同じことを行っているのに明細としては違ってくるような場合があるので、どういうふうにご理解いただくかのか検討課題ではないか」といったご発言を頂いたところでございます。</p>

<p>　また、（支払側の）白川委員からは、「明細書の発行を受けること自体は患者として当然の権利である」といった視点からのご意見。</p>

<p>　花井委員からは、「最初に明細書を発行する際に希望を聞いて、それ以降は、それにならって対応しているというのは、（発行の）趣旨からいうとどうなのか」、「（すべての患者に）無料発行していない施設において、今後整備予定はどうなのかといった観点が必要なのではないか」、あと「医療に関してのリテラシーが基本ではないか」といったご発言を頂いたところでございます。</p>

<p>　▼　<em>支払側の白川委員が強い口調で診療側委員を恫喝、診療側が焦ったように苦笑いしながら白川委員の怒りを静めたという、まさに現在の中医協を象徴するようなシーンであった。前回改定前は、診療側と支払側との間で激論があった。詳しくは<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/02/04151627.php" target="_blank">こちら</a>。今となっては懐かしい。<br />
　なお、下記は、<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001q4ud.html" target="_blank">9月7日の議事録</a>の抜粋。白川発言の箇所にビックリマークを、診療側委員の発言末尾に（汗）を書き入れたいところ。森田会長が「もうこの話は、これで」と収めようとしたところ、勝村委員の後任の花井委員が挙手、この問題の主役であるのに森田会長が「これに関連してですか？」と尋ね、さらに「簡潔にお願いいたします」などと求めたあたりにも、現在の中医協ぶりが出ていて興味深い。<br />
　<br />
　○　森田会長<br />
　御質問とか御意見がございましたら、どうぞ。鈴木委員、どうぞ。</p>

<p>　○鈴木委員<br />
　明細書なんですが、不要と考える方が２割から４割、今後について希望しないという方が３から４割ということで、かなり多いような気がするんですが、この方々に無理やり持っていってもらうようにということが１つあると思うんですけれども、毎回同じとか、そういうような方にまでそういうことをする必要があるのか。<br />
　それと、当初、これは前にいらした勝村委員が非常に熱心に推進されたわけですけれども、勝村委員がおっしゃったのは、何十年後かに何かあったときに、それがあることが必要なんだということでおっしゃったと思うんですけれども、持ち帰ったとして、ずっととっておくという人がどのくらいいらっしゃるのか、そういうことまで調べないと、本当に意味があるのか。メモ用紙代わりに使っている人もいるという話も聞くし、その辺の保存とか、保管とか、そういうことまで含めて調査する必要があるんではないかと思うんですが、いかがでしょうか。</p>

<p>○森田会長<br />
　事務局、どうぞ。</p>

<p>○屋敷保険医療企画調査室長<br />
　今回の調査につきまして、持ち帰ったものをどれだけ保管したのかというところまではなかったわけでございますが、調査票作成の段階でも若干議論があったというふうに記憶しておりますが、例えば、本調査で行きますと、121ページ目、図表126のところで持ち帰り自体はおおむね８割、９割程度は持ち帰られているという結果は出てございます。<br />
　また、訪問看護の部分につきましては、保管状況としては８割が保管をしているという結果が出ているところでございます。</p>

<p>○森田会長<br />
　いかがでしょうか。ここでは、一応、調査結果についての御質問、御意見ということで、それについて、今後、診療報酬の改定その他でどのような形で取り組むべきかというのは、そのときに御議論いただければと思います。安達委員、どうぞ。</p>

<p>○安達委員<br />
　関連してお伺いしますけれども、性格に多分数字が出しにくいから書いていない、患者調査票というのは、医療機関に送って、そこで患者さんに渡してくださいですね。だから、機会がなくてちゃんと渡し切れなかったのか、渡し切れたんだけれども、回答が来なかったのかがわからないんですが、この明細書は特に患者さんとの関連が強いので、回収率はどのぐらいなのかというのをお聞きしたいんですけれども、一般診療所の分は、およそ類推ができるんではないか。一般診療所、回収数が708件で回収率が41.6％ですから、ということは、1,600ぐらいの診療所にお出しになったことになるのかなと。<br />
　そこで、１施設で一般診療所の場合はたしか３枚ずつですから、そうすると、5,000枚くらい多分配られている。それで回収が1,025枚だということは、回収率は20％と、そういうような考え方でよろしいんでしょうか。</p>

<p>○森田会長<br />
　どうぞ。</p>

<p>○屋敷保険医療企画調査室長<br />
　報告書の総－５－６の１ページ目及び４ページ目のところでございます。今、安達委員のところが御指摘になったとおりでおおむね結構でございまして、一般診療所でいきますと、1,700施設、最大３枚でございますから5,000枚。それで、回収の状況を見ますと、患者調査のところで、一般診療所患者調査の1,025でございますので、大体5,000分の1,025で約２割ということでよろしいかというふうに思います。</p>

<p>○森田会長<br />
　よろしいですか。</p>

<p>○安達委員<br />
　結構なんですが、データの解釈にも一種の制約が加わる数字なのかなという気はいたします。お答えになった方の中でも要らないという方もおられるんですが、では、残り８割の方は、そもそもどうなのか、興味がないのかなということを考えると、実際には、相当多くの方が本当は要らないとおっしゃっているのに等しいのかなと思えないでもない結果だろうなと、私は思いますが、ほかの方はどう思われるかです。</p>

<p>○森田会長<br />
　白川委員、どうぞ。</p>

<p>○白川委員<br />
　今の鈴木委員と安達委員の御意見は、私には全く理解できないんですね。そんな推測とか、思い込みで、この結果について数字を見ようと思えば、どういう解釈もできるわけで、確かに鈴木委員がおっしゃったように、勝村委員は、この明細書は将来、何か病気にかかったときのエビデンスになるんだからということを発言されました。<br />
　それは事実ですけれども、我々が明細書を発行してくれと言ったのは、患者として当然の権利ではないですかということをベースに主張してきたわけで、自分が受けた医療がどういう医療で、それに幾ら払ったのかを知るのが患者の権利だというのがベースで申し上げているわけです。それで、要らない人がいるとか、そういう方もいらっしゃるでしょう、私は不要ですという方もいらっしゃいます。私は毎月医者に行っていますので、毎月同じような内容だから、１回いただいたら、あとは要りませんとお断りしていますけれども、そういう方もいると思います。ですから、それをこの調査結果を借りて、不要だというような意見を言われるのは、私にとっては非常に心外でございます。単に調査結果について、こういう結果だったということで、この内容について質問があるならしていただければいいし、検証部会のコメントが間違っているのであれば、間違っているというふうに御指摘をされればいいと思います。<br />
　<br />
○森田会長<br />
　先ほども申し上げましたように、これは明細書の発行を今後どうするかというのは、また改めて議論の場があると思いますので、あくまでもこの検証結果についての御質問でお願いいたします。鈴木委員、どうぞ。</p>

<p>○鈴木委員<br />
　白川先生、そんなにお怒りになるようなことなのかなと思うんですけれども、私どもも別に不要だとか、そういうことを言っているわけではなくて、要らないと言っている方に対して、持っていってくださいと、決まりですからというのもどうなのかなということを言いたかったということでございます。</p>

<p>○森田会長<br />
　要らなかったという方がこれだけいたということが、１つの客観的な報告ですし、それについて、検証委員会の方でくだした結論について、御意見、御質問があればしてくださいということです。</p>

<p>○安達委員<br />
　私も申し上げておきますが、白川先生が怒られたのでびっくりしましたけれども、一般の統計学の数値の読み方として、回収率が２割ということであれば、その解釈には一定の制限が加わるでしょうねと、マジョリティーが答えていないという意味で、そういうことを申し上げたと、そういうことだけでございますから、余り誤解のないようにしていただきたいと思います。</p>

<p>○白川委員<br />
　安達委員の言い分はそのとおりです。統計学で２割の回収率で正確な数値把握ができるのかと、分析ができるのかと、それはそのとおりです。ただ、残りの８割の方の、多くも要らないんじゃないかと思っているのではないかというニュアンスの発言をされたので、それはおかしいんじゃないですかと、私は申し上げているんです。</p>

<p>○森田会長<br />
　もうこの話は、これで、花井委員、これに関連してですか。</p>

<p>○花井委員<br />
　私が黙っていると、勝村委員に怒られるので。</p>

<p>○森田会長<br />
　では、簡潔にお願いいたします。</p>

<p>○花井委員<br />
　簡潔にというか、説明についてなんですけれども、まず、分厚い方の24ページにあるところの、いわゆる明細書発行体制加算が診療所で77％と出ていて、23％では、一方では発行の現状は60.7％、差があって、これは仕方ないのかもしれませんが、この差というのは、加算を受けているからといって、必ずしも発行するということではないという数字として見ていいのかどうかが１点目です。<br />
　それから、いわゆる発行の、分厚い資料の50ページですが、明細書発行に関する患者意向の方法で、最初に明細書を発行する際、最初の希望を聞いて、それ以降は、それにならって対応しているというところが33.2、38.4とあるんですが、ちょっとこういうのは、そもそも明細書発行の趣旨からいうと、いいのかなと、事務局としてどうお考えなのかなと、原則全員にやるということからすると、こういう形で最初に聞いて、あとは最初に要らないといったら、ずっと要らないと、さっきの議論とも関係があるんですが、こういう運用がいいのかどうかということと、それから、同じ分厚いページの163に、規則が22年で変わったんですかね、そうしたら、それを踏まえているにもかかわらず、今後予定がないと、下から５行目ですが、すべての患者が、明細無料発行していない施設事務所において、今後、整備予定や予定がないと言い切られてしまっていること自体は問題があるのか、ないのかということ、以上の点について質問です。<br />
　それから、先ほどからの議論の件で、一言だけ言わせてほしいんですが、やはり要らないといっても、今後医療制度を議論するには、国民の医療に対してのリテラシーというのが基本としてあったと思うんですね。だから、むしろ説明というところでも、病院の方で明細書の見方とか、医療制度を議論する上でも、国民がこういうのを理解するという基礎になるデータなので、単純に個人的に要らないと言えば、要らないんですけれども、やはりできるだけこういうものを理解していってということを、やはり診療現場でもやっていただきたいなと思います。</p>

<p>○森田会長<br />
　最後の点は、御意見だと思いますので、では、事務局お願いします。</p>

<p>○屋敷保険医療企画調査室長<br />
　１点目の24ページ、図表36でございます。ここにつきましては、診療所におきます届出状況を記載しておるということでございますので、実際に、また算定をしているかどうかというところは、また別途の形になってまいります。<br />
　２点目の50ページの図表67でございます。最初の希望どおりに運用しているということになりますと、最初に受け取った後、２回目以降受け取っていないというような事例について、制度の運用上どうかという御質問かと思いますが、恐らくこれは、毎回発行するということのうちに含まれるという考え方もございますし、趣旨からいきますと、一回伝わっていればよろしいという考え方もできるので、運用としては、明確にだめとか、いいとか、というところはなかなか言いづらいところでありまして、これはそれぞれ受け取られる側あるいは発行されている側の意見をお聞きしながらテーマとして取り組んでいくべき部分だと考えております。<br />
　あと、３点目の今後の予定について予定がないということにつきましては、今のオンライン請求が免除されている条件というのが、今後、永久に続くところにつきましては、予定がないというふうに答えておられる可能性があるということでございますが、その基本的なスタンスにつきまして、云々につきまして調査は行っておりませんので、そこの部分については、この調査からは不明でございます。以上です。</p>

<p>○花井委員<br />
　わかりました。個人的な意見になるかもしれませんが、やはり最初に要らないと言ったからずっと要らないという運用は、やはりちょっとよくないというふうに考えます。</p>

<p>○森田会長<br />
　ありがとうございました。それでは、堀委員、どうぞ。</p>

<p>○堀委員<br />
　細かい方は、今後の議論と言われてしまうと、なかなか発言がしにくいんですけれども、１つ明細書、今、鈴木委員が言われた、今後は不要だという回答について、歯科は患者さんの６割がそう言われているということで、そこについて、検証部会のコメントがないので、一言考えを述べさせていただきたいんですが、ちょっと歯科は、細かい中身が多過ぎるのかなと、結果として見てもわかりづらいんだろうと思います。これをもし活用するのであれば、この６割ということを踏まえて、今後、よりわかりやすい内容にしていただく方向で御検討をお願いしたいなという気がいたします。<br />
　それから、これは今日の議論に妥当かどうかわかりませんが、１点、このほかに、今後、この検証結果を踏まえてどうするかということで、今、顕在化していませんけれども、例えば麻酔注射を行ったときに、これが算定できる場合と、例えば処置や手術に含まれて算定できない、つまり明細書に出てこないケースがありますし、また、初回の処置行為と２回目で点数が違う、あるいは月に２回しかできない、算定できないということが、結果として、同じ医療を御提供しても、患者さんが見たときに、前回と同じことをやっているのに違うというのが出てくる、こういった疑念が、これから明細書が普及していくと出てくると思うので、そういったことをどうやってわかりやすく御理解いただくか、そういう周知についても今後の検討課題ではないかと思っております。以上です。</p>

<p>○森田会長<br />
　御指摘ありがとうございました。それでは、よろしいでしょうか。どうぞ。</p>

<p>○安達委員<br />
　今の花井委員のお話にもあるんですけれども、私が８割の方が回答していないのは要らないんでしょうかねと申し上げたのは、実は、白川委員もおっしゃっているように、１回来て、あとは同じだとすれば、同じ内容ですから、そのときは要りませんよという人たちがそのぐらいいる、その中にはかなり含まれるのかなと。<br />
　だから、例えば２割ぐらいが、新患の方なら当然要るのかなと、そういうようなことも含んでいたわけで、花井委員の御指摘のように、診療内容が変わったとき、例えば同じなら要らないという意思表示をしておられたとしても、診療内容が変わったときは、医療機関の方は、もう少し丁寧に対応すべきかと、例えば変わりましたよと、だから改めてというような対応が要るんだろうなということはそのとおりだと思います。</p>

<p>○森田会長<br />
　では、明細書の話は、このくらいでよろしいですか。（以下略）</em><br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■ 論点</strong></big><br />
　</p>

<p><strong>[厚労省保険局医療課・ 屋敷次郎保険医療企画調査室長]</strong><br />
　最後の23ページ目ですが、論点でございます。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-023-7460.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-023-7460.php','popup','width=700,height=494,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/明細書-023-thumb-530x374-7460.jpg" width="530" height="374" alt="明細書-023.jpg" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>

<p>　3つに分けてございますが、1点目は明細書の無料発行義務化のルール、あるいは制度的な位置付けに関連するものでございますが、「正当な理由」に該当する場合の実費徴収の件。</p>

<p>　徴収額が大きい場合、明細書発行の患者さんの希望に影響を与えるのではないか。これをどのように考えるのかということ。あと、現在、無料発行の義務の対象外となる「正当な理由」の内容をどのように......、確認が必要かどうかといった点でございます。</p>

<p>　2点目が、実際に無料発行の制度を運用する上で出てまいります観点ということでございます。</p>

<p>　例の1つ目として、無料発行が義務となっております医療機関に関します事項としまして、「診療内容が変わって発行の有無を改めて聞くことなく発行を行わないケース」があるとしたときに、どう考えるかということ。</p>

<p>　また、その一方で、患者さんからは同一内容のために明細書は不要とされるケースもありますことから、柔軟に取り扱ってかまわないということの明確化をする必要があるかどうか。</p>

<p>　あとは例の2つ目としまして、無料発行が義務となっていなくて希望者にのみに発行している医療機関に関する事項としましては、明細書の発行に関して申込書に記載を求めているといった点は影響があるのではないかといった点。</p>

<p>　これらにつきましては、「運用に関わる面として工夫ができないかどうか」といった観点からの検討が必要と考えております。</p>

<p>　3つ目で、「その他」でございますが、これは明細書発行の意味に関連すると思いますが、「明細書の内容が分からない」、「毎回同一である」といった理由により不要と考える患者も一定数あるということでございますので、明細書発行の意義等の周知方法をどのように考えるか......</p>

<p>　といった点につきまして、ご検討いただければなというふうに考えております。以上、明細書の無料発行義務化についてのご説明でございます。</p>

<p><strong>[森田朗会長（東京大大学院法学政治学研究科教授）]</strong><br />
　はい、どうもありがとうございました。（以下略）</p>

<p>　▼　<em>厚労省にとって最も効果的な「分断作戦」は言うまでもなく、医療者と患者を対立させること。これは、政策ミスの責任を転嫁する上で欠かせない。この日の中医協では、「地域医療貢献加算｣の議論で医師会系委員と病院団体が対立、「明細書」の議論でも同様の場面があった。前回改定時よりも、「分断」はさらに進んでいる。</em></p>

<p>　<br />
　<br />
　（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2499.php#comments" target="_blank">この記事へのコメントはこちら</a>）</p>

<p></p>

<p>　<br />
<strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 経緯<br />
　P3 → 「正当な理由」<br />
　P4 → 費用徴収<br />
　P5 → 発行状況<br />
　P6 → 意向確認等<br />
　P7 → 患者調査の結果<br />
　P8 → 9月7日の議論<br />
　P9 → 論点</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>「妊婦さんの笑顔を見たい」―大野事件・加藤医師が公開シンポで講演</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/news/2011/10/13145147.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2011:/news//2.1615</id>

    <published>2011-10-13T05:51:47Z</published>
    <updated>2011-10-13T23:41:08Z</updated>

    <summary>　日本の医療の歴史を変えた「福島県立大野病院事件」。これまで一般聴衆の前に立つこ...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/全体風景-7261.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/全体風景-7261.php','popup','width=1382,height=921,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/全体風景-thumb-250x166-7261.jpg" width="250" height="166" alt="全体風景.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　日本の医療の歴史を変えた「福島県立大野病院事件」。これまで一般聴衆の前に立つことのなかった元被告の加藤克彦医師が10月8日、兵庫・尼崎市内で講演した。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　「大野病院事件」なしに日本の医療問題は語れない。医療費抑制政策、医師・看護師不足、相次ぐ公立病院閉鎖、医療訴訟、へき地医療、医療事故調査組織、患者と医療者の意識格差など、日本の"医療崩壊"に拍車をかけるトリガーとなった出来事だ。</p>

<p><u><big><strong>◆福島県立大野病院事件</strong></big></u><br />
<em>2004年12月17日、福島県立大野病院で妊婦が帝王切開手術中に死亡。翌年3月、福島県は事故調査委員会の報告書を公表し、病院長らは「医療ミスだった」と認めて遺族に謝罪した。福島県富岡警察署は06年2月に執刀医だった加藤氏を業務上過失致死と医師法違反の容疑で逮捕。福島地方検察庁は同年3月に加藤氏を起訴、福島地裁で14回に及ぶ公判が行われた。逮捕されている加藤氏の様子がテレビで映し出され、「医者が患者の命を奪った」とするセンセーショナルな報道が医療者と患者の間の溝を深めたとも言われる。この間、医療界からは「患者を助けるために医療を行った医師が逮捕されるのはおかしい」と、加藤氏の無罪を主張する声が上がり、各地で支援活動が行われた。08年8月20日、地裁は加藤氏に無罪判決を言い渡した。<br />
事件の影響は大きく、訴訟を懸念した産科の閉鎖が相次ぎ、産科を希望する医師も以前に比べて減ったため、"産科崩壊"に拍車をかけたと言われる。加えて、医療事故が起こった際の調査組織の設立を求める声も上がり、厚労省は医療事故調査組織を作ろうとしたが、民主党と医療界が「警察や司法の介入の在り方が不透明」としてはねつけたまま現在に至っている。それまで医療界に対して厳しかったと言われるマスメディアの報道も事件以降軟化し、医療側に配慮した報道が増えたとされる。大野病院事件は国による医療費抑制政策が引き起こした"医療崩壊"の象徴の出来事として言われる。<br />
なお、ロハスメディアは大野病院事件の裁判を傍聴し、ほぼすべての内容を詳細に記録している。<a href="http://lohasmedical.jp/mt/mt-phpincgi.php?search=%E5%A4%A7%E9%87%8E%E7%97%85%E9%99%A2%E4%BA%8B%E4%BB%B6&q=&ie=&oe=&hl=&requrl=http%3A%2F%2Flohasmedical.jp%2Fmt%2Fmt-search.cgi&IncludeBlogs=2">これ</a>によっていかに検察が無茶を仕立て上げている事件だったかが白日の下に晒された（下の方にある公判のページをクリックしていただきたい）。</em></p>

<p><br />
　加藤氏は臨床現場に復帰し、現在は国立病院機構福島病院の産婦人科部長を務める。公の場で話したのは3回目。7月に開かれた<a href="http://www.med.or.jp/etc/jmari/">日医総研のシンポジウム</a>と、8月に行われた<a href="http://www.iryokeiji.com/morita/">元帝京大学医学部の森田茂穂教授の追悼行事</a>以来。ただ、どちらも参加者を限定した行事だったため、一般聴衆を前に加藤氏が話すのは初めてだ。</p>

<p>　主催は元朝日放送アナウンサーの関根友実氏が立ち上げた医療支援ボランティア団体「<a href="http://www.kansai-okan.com/">医療を支える関西オカンの会</a>」で、発足以来毎年医療をテーマにしたシンポジウムを行っている。今年のテーマは、「患者力Ⅲ 産科医療～かけがえのない新しい命を育むための患者力とは」。</p>

<p>　パネリストは、毎回参加しているコラムニストの勝谷誠彦氏、参院議員で医師の梅村聡氏、奈良県立医科大准教授で救急医、小児科医の西尾健治氏。今回のゲストとして、加藤氏、日本産科婦人科学会副幹事長の澤倫太郎氏を迎えた。参加者には医療者や加藤氏の患者だったという妊婦の姿も見られ、定員200人の会場はほぼ満席だった。</p>

<p>　午後1時半に開始。関根氏は最初、自らが医療支援ボランティアを始めたきっかけが大野病院事件だったこともあり産科医療をテーマに開催したいと考えてきたが、事件を取り上げるのは「とても重く、扱い切れない部分があるのではないか」とためらっていたとした。「今年の3月11日に東日本大震災が起きて、福島第一原発の事故が起きて、その時の地図を見て中に大野病院があったのを見た時に、今年立ち上がらなければいけないと直感的に思った」と、加藤医師を呼んでの開催に至ったと話した。<br />
　<br />
<em>＊それにしても、加藤氏が一般聴衆の前に立つ日が来ると一体誰が想像しただろう。加藤氏を呼んだのは、パネリストでもある梅村議員だ。彼なら人脈はもちろんのことだが、東日本大震災での<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2011/05/post_135.php">透析患者搬送</a>など福島県周辺で彼に恩を感じている人は多い。先日は梅村議員主催の<a href="http://lohasmedical.jp/news/2011/09/28151118.php">中医協委員5人を呼んでのフォーラム</a>が開かれたばかりでもあり、医療界にとって彼の存在の大きさは日ごとに増しているのか、筆者は霞が関周辺から「関西は一体何をやろうとしているんだ」と聞かれたこともある。</em></p>

<p>【目次】<br />
P2→被災地の性的虐待問題と、妊婦へのヨウ化カリウム「初期投与失敗」<br />
P3→「妊婦さんの笑顔を見たい」加藤氏、初の一般講演<br />
P4→「グレーを徹底的に黒くするのが警察・検察」<br />
P5→「世界一珍妙な『記者クラブ』、真実は報道されない」</p>

<p></p>

<p>=====<big><strong><br />
■被災地の性的虐待問題と、妊婦へのヨウ化カリウム「初期投与失敗」<br />
</strong></big><br />
　最初は司会の関根氏、勝谷氏、梅村氏、西尾氏が災害医療について議論。震災発生直後にDMAT（Disaster Medical Asistance Team：災害発生後72時間の急性期に活動する医療チーム）のメンバーとして被災地に駆けつけた西尾氏は、医療者自身の身動きがままならない状況だったと話した。「道がなく車も通れなく、電気も水もなく、携帯も使えなかったのでどうしようもなかった。仙台の僕が行ったところでは50チーム集まったので250名の医療者がいたが、一日に来た患者さんは150名ほどで、災害と言えない状況。でも他にも患者さんはいっぱいおられるだろうと思いながら、僕らも食料もガソリンもなくなり帰っていったが、胸が苦しくなった」と、再び慢性期医療チームとして出直して行ったと述べた。<br />
　梅村氏が<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2011/05/post_135.php">透析患者搬送の問題</a>について述べると、勝谷氏は「自衛隊は自己完結する組織だが、3日目でガソリンがなくなった。自衛隊の最高幹部に聞いたが、国家備蓄している石油があるのでそれを出してくれと言ったら『もっと大事な時に出す』と言われた」と、決断できない国の体質を指摘。官僚や政治家は責任を取ろうとしないと批判した。<br />
　</p>

<p><br />
　開始後約40分経ってから、壇上に澤氏と加藤氏が加わった。</p>

<p>　司会は、福島県立大野病院が福島第一原発から約３キロという至近距離にあったと解説した。</p>

<p><em>＊ちなみに「患者置き去り報道」で問題になった双葉病院と大野病院は約2キロの距離。なぜこの地域にこうした問題が集中するのか・・・。</p>

<p>双葉病院の患者置き去り報道・・・東日本大震災発生後、双葉病院で医療者が患者を置き去りにして逃げ、患者が死亡したとの報道があった。この報道は県の「病院関係者の付き添いはなかった」とする発表を元にしたもの。県はその後「避難時に院長がいた」と訂正し発表したが、病院に対する非難は続いた。</em></p>

<p>　現在加藤氏の勤務する国立病院機構福島病院は須賀川市で内陸にある。司会に今の福島県の状況を尋ねられた加藤氏はこう語った。「福島県は浜通り、中通り、会津とあるんですけども、浜通りは医療は相馬といわきの方で頑張っていらっしゃるけど、ドクターも患者さんも非難しておられるので、ほぼ崩壊状態です。中通りは線量が相馬やいわきより高い場所もあるので、お子さんや女性が他の地方に逃げている方もいらっしゃいます。産科施設では忙しい施設もあれば、年間で言えばお産が１００ぐらい減ってしまうような開業の先生もいらっしゃいます。会津の方では避難されている方もいらっしゃって人口も増えて、医療関係者はかなり忙しくされている状態です」。妊婦の様子については「妊娠して初めて受診される時に、『影響はどうなんでしょうか』という話はほとんどの方がされています。最近は少なくなってはきているんですが、２週間に１回ぐらいはありますけれども、医師会の方から中絶を勧める必要はないという文書が僕らに届いていますので、そちらの方をお見せしているんですけども、後はご家族で相談してくださいとしか言いようのないところもあります」。　</p>

<p>　澤氏は災害時の問題について「これは嫌な話ですが」と前置きした上で、「僕が一番最初に何を考えるかというと、アフター・ピル（モーニング・アフター・ピル：性交後72時間以内に服用する緊急避妊薬）をどうやって配ったらいいんだろうということ。大災害が起こると、性的虐待を受ける子供たち、女性が少なからずいらっしゃいます」と話した。阪神淡路大震災でも強姦が多数発生して心的外傷を残している女性が多いとして、東日本大震災でも女性が被害に遭わないように張り紙をするなどの対策を取ったと語った。女性や子供に性的興味のある人が「ボランティア」や「小児科医」と詐称し、善意を装って被災地に入るため、「被害に遭った女性や子供は余計にストレスがすごく大きくなる」とした。</p>

<p></p>

<p><br />
　続けて澤氏は、震災発生後の3月15日に日本産科婦人科学会から<a href="http://www.jsog.or.jp/news/pdf/announce_20110315.pdf">子供の甲状腺がんの発症を予防するためヨウ化カリウムの服用を勧める文書</a>を出したが、「<a href="http://www.nirs.go.jp/index.shtml">放医研</a>（放射線総合医学研究所）の（原発）推進派ですよ。その先生たちからものすごいクレームが来たわけですよ。何でお前たちのところは、公益法人たるものがそんな人心を惑わすようなことを言うのか、というようなことを言うんですね」と、反発を受けたために妊婦への投与が進まなかったと明かした。「実際は、非常に悲劇なんですけども、（ヨウ化カリウムの）初期投与に失敗しています。おそらく子供の甲状腺腫瘍は３、４年で出てくるんだと思うんですよ。その時に果たしてそういう事を言っている人たちが、本当に責任を取るのかということ」と訴えた。ただその際に訴えられるのは法務大臣だとして、クレームを言った当事者は責任を免れる可能性を指摘した。</p>

<p>　これを受けた勝谷氏は「国家賠償は国の故意の過失によって被害を受けた時に、国に対して賠償を求めるもの。国が払うけどその原資は何かというと皆さんの税金です。もちろん僕たちは助けることにはやぶさかでないけど、バカ者どもが下手を打ったせいでまた皆さん税金を取られるんです。何兆円になるか想像がつかない」と述べた。</p>

<p>　次に西尾氏。「どういう判断でされたかが一番問題です。科学的根拠が『投与の必要なし』とされるなら、僕たちは根拠に基づいて医療をやっているので仕方のない面があると思うが、単なる政治的な力であったり、自分たちのやってないことを先にやられたとか、違う要因でやられた場合はあまりにも悲し過ぎる。この国は、先ほどから色々裏の話を聞いていると心がどんよりしてくる。僕たちが（患者のために）考えていることじゃなく動いている事柄が多い気がして、そうだとしたらあまりにも悲し過ぎる。それが自分の子どもだったらその怒りをどこに持って行ったらいいのか見えなくてやりきれない」。</p>

<p>　勝谷氏が「どこが危ないかの情報については即座に出さないといけない。SPEEDI（文科省の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム）の調査で風向きによって分かっていたわけです。それをしかし政府は出さなかった。これは国会に事故調査委員会が作られるけど、誰が責任者でなぜそれを隠蔽したのか（追求されるべき）」と投げかけると、梅村氏は「SPEEDIの結果はある日見たんですよ。その部屋は有識者が集まっている部屋で、『ここで出前取って昼飯食え』と。『梅村さんもここで』と、要するに外に出て行って資料を持って出て行ってもらったら困る、というようなことはやっていました。日付ははっきり覚えていませんが、まだ世の中には出ていなかった時だったと思います。そういう事実はありました」と述べた。<br />
　<br />
　梅村氏はさらに、原発作業員のために<a href="http://www.savefukushima50.org/?page_id=787&lang=en">血液内科医らが提案している自己末梢血幹細胞採取</a>に関する省庁や有識者の態度についても発言。自らのスタンスは「国が一律に決めるのではなく、やりたい人はやって、やりたくない人はやらなくていい」とした上でこう述べた。「有識者の周りにある省庁の方が『すみませんけど、この治療法はぜひやってくれというふうに、表で言わないでください』と頭を下げていた姿は見ました。僕は別のことをこっちでディスカッションしていて、なんかある人がわーっと回っているなと思ったので、後で『何を言われたのですか』と訊いたら、『あまり煽り立てるようなことは言わないでほしい。なぜなら、なんとか学会がそれを推奨していないから』と言い訳をしていると。それで私がなんとか学会に訊いたら『最初から反対してくれという電話が省庁からあったんだ』と、いうようなことがありました。そういう動きがあったのは事実なので、事故調で検証しないといけない」。<br />
　厚労省が自己造血幹細胞の採取・保存を政策として行わなかった理由については、「一つは承認されていない薬を使うなという事。１００ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄ以上浴びるような作業をするはずはないから、それを前提にした政策はしない、これは『原発が事故を起こさないはず』というのと一緒の論理。でも実際は２５０ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄに上げているんですよ。２５０ﾐﾘｼｰﾍﾞﾙﾄを超えた作業員も実際に出ています。そういうことが出た場合どうするかの"管理"の話が大事なのに、彼らはそういうことは起こるはずがないから言わないで下さいと。仮定の問題には答えられないというよくある話です。そういうことが目の前で繰り広げられていた」。</p>

<p><br />
災害医療についての議論は約1時間20分。次にメーンの産科医療に入った。</p>

<p></p>

<p>=====</p>

<p>最初は加藤氏の基調講演。澤氏、勝谷氏、梅村氏、西尾氏は降壇し、加藤氏だけが壇上に残り講演した。<br />
加藤氏の講演内容の詳細は以下。</p>

<p><br />
司会<br />
それでは加藤克彦先生から基調講演をいただきます。加藤先生、よろしくお願いいたします。</p>

<p><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/加藤克彦氏-7264.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/加藤克彦氏-7264.php','popup','width=381,height=528,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/加藤克彦氏-thumb-170x235-7264.jpg" width="170" height="235" alt="加藤克彦氏.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>加藤氏<br />
福島県の加藤と申します。本当に皆様にはご心配をおかけして、申し訳ございませんでした。皆様には...、リラックスして、聞いていただければと、思います。逮捕勾留から公判前整理手続き、裁判判決の間、日本中の方々に応援と支援をいただきまして、大変感謝しております。またインターネットを通じて様々なご支援をいただいた方に心よりの御礼を申し上げます。</p>

<p>臨床の場に復帰しまして、４年目となりました。臨床の勘というか、感覚が戻るまでは多少時間がかかったんですけれども、現在は地域周産期医療センターの方で、地域医療に携わらせていただいております。</p>

<p>現在、今いる職場の助産師で当時一緒に働いていた助産師がいるんですけども、大野病院事件の話をすることはまずなくてですね、やはり先程３キロ（福島第一原発から大野病院までの距離）とありましたけども、原発事故で「あの時働いていた誰々さんはどこに避難した」とか「どこで働いている」という、そういうような話しか普段はしていないです。プライベートでも事件関係のことは話すことはほとんどないんですけども、先々週、たまたま当時一緒に働いていた外科の先生、手術の時に立ち会ってくださった先生も含めて３人でたまたまタイミングがあったので郡山の方で食事を、お酒を飲みに行ったんですけども、そのときに久々に大野病院のことについて話をしたという印象ぐらいで、ほとんどもう、忘れたいというのもあるんですけども、あまり、話には出なくなっている状況です。</p>

<p>もっとプライベートなことで話をさせていただくとですね、今回原稿を作っている際に家内と話をしていたんですけども、逮捕が土曜日で病院は休日だったんですけども、逮捕の前日に妊婦検診に家内が来ていてですね、内視鏡をして子宮の出口が３センチになっているというような話を家内から聞いていたりして、（聞き取れず）という感じで、本当に忘れかけているようなそういう状況でもありました。以前は公の場でも話しをしたこともありませんでしたし。今年になってそろそろ公の場に出てですね、元気な顔を見せたらいいんじゃないかというような声もいただきまして、今年の７月と８月、シンポジウムにちょっと出させていただきまして、来週出身大学の同窓会がありまして、そちらの方でお話をさせていただくということで、当初三回だけちょっと頑張ってこのような公の場で話をしようかと思っていたんですけども、今回こういうシンポジウムの場で、ちょっとご縁がありまして、話をさせていただくことになりました。</p>

<p>来週の講演以降は、よほどのことがなければ公の場で話すことはやめようと考えております。話をしたくない理由の一つとしてですね、やはりあのご遺族のことを考えるとですね、私の顔も見たくもないし発言も聞きたくないと...、思うん、ですね。勝手に僕がそう思っているだけなんですけども。ですので、本日ご出席の報道されるマスコミ、ジャーナリストの方には今日の私の報道をあまりしてほしくないなと（少し苦笑いしながら）、したとしても悪くは書かないでほしいなと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします。</p>

<p>当時の状況、心境についてお話をさせていただこうと思います。当時、県立大野病院の唯一の産婦人科医として働いていました。月一回の週末だけがお休みで、それ以外は毎日がオンコールだったんですけども、毎日がとても充実しておりました。スタッフもすごくいい関係でいたんですけども。２００４年１２月１７日に私が執刀していました帝王切開術の手術中に患者さんがお亡くなりになってしまいました。主治医として大変つらい出来事でした。手術室から患者さんと一緒に病室に戻ってきて、私はベッドサイドに立ってですね、ご遺族の方や友人の方と思われる大勢の方々にですね、一時間・・・ぐらいだと思うんですけども、罵倒をされ続けたんですね。当時、罵倒されるというか、罵倒していただくぐらいしか、ご遺族の方には何もできることがないかなと、思っていたということもありまして。またその場に僕がいたということで、僕がご遺族にとって良かれと思っていたことがご遺族にとって本当によかったかどうかは分からないんですけども、私としてもですね、主治医として助けることができなかったと、いうことがとても悔しくてですね、傍にいたかったというふうに考えていた、ということを記憶しています。</p>

<p>翌年３月に県の医療事故報告書を発表する前に見させていただいたんですけども、当時の事務長に「これでは逮捕されてしまいますよ」という話をしたんですけども、「ご遺族が補償を受けられるように、このような書き方になった」と、いうふうに返答されて、それで終わりな話でした。その後ですね、警察署の中で数回の事情聴取を受けて、その事情聴取を受けた時点で、弁護士の先生に相談しておけば状況も変わって、逮捕とか、つながれることもなかったのかなとも思うんですけども、実際どうかは分からないんですけども、警察と話をするような機会ができてきたら、弁護士に一度ちょっと話をしておいたほうがいいというようなことは、後々でも言われました。</p>

<p>逮捕時の状況をお話したいと思います。２００６年２月１８日、病院はお休みの日だったんですけども、「家宅捜索が入るので家にいるように」と、警察署の方から病院の事務の方に電話がかかってきて、事務の方から家の方に連絡が来たんですけども、なんかこう、自分に直接連絡が来るわけでもなくなんだか不思議な感じだったという感覚がありました。土曜日でしたので、念のため大学医局の方に半日のバックアップの先生をお願いして、家宅捜索後、警察署で話を聞きたいということで普通自動車の後部座席の真ん中の方に座らされまして、隣町の富岡警察署というところに連れていかれました。車を降りて、警察署の取調室に連れて行かれまして、椅子に座った瞬間に、正面に座っている方が逮捕状を読み上げて、そこで逮捕、手錠、腰縄と、いうような状態になりました。逮捕、という感じだったので、「このままで逮捕になると、医療界は大変なことになると思いますよ」という話を警察官に話したんですけれども、全く、気にしないで、もう全然聞いていないふりをしているような感じで・・・した。</p>

<p>その時ですね、入院中の患者さんとか、週明けの外来診療のバックアップの方が気になってしまいまして、電話をしようとしたんですけども、「電話もできません」と。じゃあ逮捕のことを病院の方に電話を、連絡をしていただいて、「病院から大学の准教授の方に連絡してください」という話をしたんですけど、後から聞くと、結局このルートでは准教授の方に連絡は行きませんでした。</p>

<p>身柄の拘束中、鉄格子の中に入っている時、刑事と検事の方から取り調べを受けるんですけども、検事の取り調べというものは、かなり、こうきついものがありまして、体力的にはですね、普通の医師の体力があれば問題ないと感じたんですけれども、精神的には、本っ...当にもうつらくてですね、こういう時が寿命が縮むのかな、という感じなんだろうな、というふうに思いました。</p>

<p>・・・・・・。後はですね、鉄格子の中の生活なんですけども、知ってらっしゃる方は聞き流していただいていいと思うんですけども、監視員の方からですね、新聞を借りて読めるんですけども富岡署管内の事件の記事は、黒マジックで消されているんですね。現実に例えば逮捕拘束となった人の記事が翌日の10行くらいの記事で、黒マジックでですね、引いてあるんですけども、黒マジックで消しきれないために、記事が切り取られているような部分があったりですね。時には一面自体がないようなこともありまして、ここからも私の件は反響が大きいのだなというふうには感じておりました。ただ、「イナバウアー」の、金メダルを取った、という記事はありました（会場少し和んで笑う）。</p>

<p>鉄格子の中ではですね、名前ではなく「７番」と呼ばれていました。数字的には悪くはないなあとは思っていたんですけど（本人苦笑、会場も少し笑う）、４，５日間は番号で呼ばれていたんですけど、途中からはなぜか「先生」と呼ばれることになったんですけども、なんでこんなところで先生なんだろうと不思議な感覚はあったんですけども（会場笑う）。後電気カミソリは共用なんですね。使い終わったら次の人にアルコールで拭いて、渡して、としていました。歯磨きの時に使うコップがあるんですけども、７番と書いてある発泡スチロールのコップなんですね。食事の時には同じ発泡スチロールのコップにお湯を注がれてですね、使うというようなこともしていました。</p>

<p>弁護士の先生に供述、いろいろ話したことの内容を記録しておいた方がいいということで、監視員の方にボールペンを借りたんですけれども、プラスチックの持つところの先端が丸い状態なんですね。ここがこう、丸い。ペン先が２，３mmだけ出ているようなボールペンで、斜めにすると書けないようなボールペンなんですけども、自殺予防、自殺防止のための形なんですね。こういうのがあるんだなと弁護士の先生に頂いた紙にこういう感じかなと書いていました。ちゃんとメジャーな会社の社名が（ボールペンに）書いてありまして、結構需要があるんだなと思いました（会場笑う）。</p>

<p>後はですね、３，４人ぐらい部屋の中に入れるんですけども、私だけ一人で入れられましてですね、しかも監視員の目の前の部屋でですね、部屋移動もなくずー・・・っと監視されてたんですね。２月の寒い時期でですね、他の部屋には鉄格子のところに防寒のためのプラスチックボードが取り付けられていて、そんなに寒そうに見えないような感じなんですけど、僕のところだけプラスチックボードも取り付けられない状態でですね、なんでだろうなと思っていてですね、結局起訴されて身柄拘束を解かれた時に監視員の人に聞いたんですけども、「上司の方から自殺をしないようにと厳重に管理しろ」と言われていたみたいでありました。寒かったんで、厚手のパーカーとジャージを着ていたんですけど、パーカーもジャージの紐ももちろん取り除かれて、こうずりずりと（ジャージが）下がっている状況ではありました（会場少し笑う）。</p>

<p>後はですね、後日弁護団の先生から「絶対に無罪だから自殺しないでください」と言われたことがあったんですね。まあちょっとどきっとした、という覚えはあります。２００６年３月１０日に起訴されてしまいました。その４日後に身柄拘束を解かれて、外に出られたんですけども、相馬市の実家の方に帰ったんですけども、逮捕されて７日目ぐらいに家内が子供を産んだんですけども、・・・そうですね、その起訴されるされないというよりも、もちろん起訴されると大変だとは分かっていたんですけども、されるされないよりも、こう、外に出たい、鉄格子から出たいというのがあって、やっぱり子供、家族に会いたいな、というのがあって、強く思っていたんですね。結局生まれて１か月ぐらいしてやっと息子と対面することになったんですけれども、まあ、その時の、抱っこした時のうれしさといったら、何とも、言えなかったですね。うん・・・、やっぱり家族だなというふうに・・・、実感しました。</p>

<p>仕事に関してですが、起訴休暇という、県立病院なので国家公務員なので起訴休暇というのがあるみたいで、裁判が終わるまでの２年半ですけども。一切、診療は、できませんでした。裁判期間中はとても不安で、いつまで続くんだろうと、とても不安だったんですけども、しかも弁護団の先生から「数年間、場合によっては十数年ぐらいの長期戦になるかもしれないよ」と言われまして、まあ結果がどっちでも、産婦人科医としては臨床の場に戻れないなというふうに考えまして、産業医の資格を取るために講義を受けたりとか、いうこともしておりました。</p>

<p>公判の内容に関しては、そうですね、今回は思い出したくないので、割愛させていただきます。</p>

<p>思い起こせばですね、私にはこの２年半ですけども、知らないことが次から次へと起こって、現実味が薄いんですね。なんだか異国の地にでもいるような、異国で過ごしているような感じでした。無罪になって、本当にホッとしました。</p>

<p>最後になるんですけども、私の件がきっかけで医療界が一同沈んだというふうに言われていまして、そのままいい方向に向かっていると言ってくださる先生方はたくさんおられるんですけども、その沈んだ際に、産婦人科をおやめになた先生もおられると聞いているんですね。私を命がけで守ってくださった、福島県立医大の<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2008/09/post_1409.php">故佐藤章教授</a>ですけども、教授は病気を発症しまして、臨床には出られないぐらいの重症の時に、ベッドの中で、ベッド上ですね「好きな産婦人科医をもっともっと勉強したいのに」と仰ってたんですね。この魅力のある学問が好きでですね、産婦人科医になられた先生がですね、産科婦人科から離れてしまったことに関してですね、僕たちはすごく申し訳ない気持ちでいっぱいなんです。</p>

<p>また分娩する場所の集約化とかありましたので、お産する病院を探すのに苦労された妊婦さんも大勢おられますし、後は産婦人科を志す医師が減ってしまった、という事に関してもかなり責任を感じております。僕としてはですね、田舎で通常の医療を行っていただけなのに、なんで、と考えることはあるんですけれども、これからはですね、私としては今まで通り地域医療に従事することしか、できないので、真剣に、ぼくなりに頑張っていきたいと思っております。後は、産婦人科医ならでは仕事の魅力をですね、後輩たちに伝えることをお誓いしまして、お話を終了させていただきたいと思います。つたない話で本当に申し訳ありませんでしたけれども、本日はご清聴をありがとうございました。</p>

<p><br />
（拍手）</p>

<p><br />
<em>＊加藤氏は原稿を読みながら、時折会場にも目を向けてゆっくりと語った。最初「リラックスして」の発言にあるよう、なるべく会場の雰囲気が重くならないよう気遣っていたのかもしれない。ところどころに入れた、笑いを引き出すような柔らかい話も気遣いのうちかと感じられた。しかし、勾留中の話などは自身で言葉を体の奥から押し出しているような様子で、ハンカチで目の辺りを押さえる参加者の姿も多かった。</em></p>

<p><br />
司会<br />
ありがとうございました。加藤先生、一つだけ質問させていただいてもよろしいでしょうか。加藤先生が臨床に戻られても、産婦科を離れられるのではないだろうかという噂が流れたのですが、どうしてまた産科に戻られたのでしょうか。</p>

<p><br />
加藤克彦医師<br />
正直なところ２年半というブランクがあるという事と、後は、以前よりちょっとやっぱり怖くなってしまったという事があって、産科をあきらめようと思ったこともあるんですけども、やっぱりお産が好きなので、お産した後の妊婦さんの顔をですね、赤ちゃんと対面した時の顔、あの顔を見るともう今までの疲れもぼんと取れちゃうような、ああいう気持ちのいい場にまた戻りたいなという気持ちがありまして。それから弁護士の先生からですね、「先生は産科の象徴みたいな感じだから、やめさせない、やめるな」という感じで言われたのもありますが、やっぱり妊婦さんあの笑顔、あの笑顔を見たいがために戻ってきたというのはあります。</p>

<p><br />
司会<br />
ありがとうございます。実は本日ですね、福島県でずっと加藤先生に、３月１１日まで危険な状態があるという事で入院されていた患者さんが原発事故があって危ないという事で大阪に避難されて、今岡山で赤ちゃんとともに暮らされている方が、今日わざわざ赤ちゃんを連れて「加藤先生にまだお礼が言えてないんです、お礼が言いたい、でも今福島に子供を連れていくのは無理だから、尼崎に来るんだったら岡山から出てきたいです。加藤先生に会ってお礼を言いたいんです」というお母さんが来てくださっています。それほどまでに加藤先生が臨床現場で妊婦さんに（聞き取れず）懸命に臨床医を続けておられることの証ではないかと私は感動しています。</p>

<p><br />
ここで加藤氏の講演を終了し、１５分間の休憩に入った。次に大野病院事件を振り返るディスカッションが繰り広げられた。</p>

<p><br />
=====<br />
<big><strong>■「グレーを徹底的に黒くするのが警察・検察」</strong></big></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/関根氏（左）澤氏（中）加藤氏-7385.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/関根氏（左）澤氏（中）加藤氏-7385.php','popup','width=1099,height=816,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/関根氏（左）澤氏（中）加藤氏-thumb-250x185-7385.jpg" width="250" height="185" alt="関根氏（左）澤氏（中）加藤氏.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　口火を切った澤氏は「検察がこの重要な報告書を証拠として要求していない。ものすごい矛盾。検察は変な話だけど、裁判の中で新聞を見て言っている。報告書を証拠としていない」と立件に関する疑問を指摘。</p>

<p>　これを受けた勝谷氏は、石川知裕衆院議員が小沢一郎民主党元代表の資金管理団体の収支報告書虚偽記入事件で有罪判決を受けたのと同じ構図と指摘。「石川の場合は裁判所が検察調書を証拠採用しなかった。都合の悪いものを採用しないでいて、こう推認される、こう推測される、状況証拠はこう言っているということであの３人が有罪判決を出した」と主張。「本当に怖いです。司法国家としてあるまじき。検察審査会は検察が白だというのを黒だと言う。マスコミ報道は毎日『こいつは極悪人だ』と報道する。それで世間の心象ができる。そしたらそれで司法が動く。幸い加藤先生の場合は最後の最後の裁判官がちゃんとした判断を下したけれども、これは要するにリンチ。大阪でもあった一連の調査の捏造、そして小沢さんや３人の裁判、そういうものを見ていると、（大野事件が）そういうことのさきがけだった」。</p>

<p>　梅村氏は、「攻めれば落ちやすい人を徹底的に黒くしていくことが警察、検察のやり方」と、検察の手法では事実を明らかにすることはできないとした。</p>

<p>　続けて西尾氏。「やっぱり医者としてその患者さんを助けようとした、救急なんかはそういうことがいっぱいあります。この患者さんどうしようと、全身汗びっしょりになります。やっぱり僕らも怖いんです。どうしようとなった時に命も大切だし、臓器を残すことも大事だし、加藤先生なら子宮を残すこと。それを考えた時に一番思うのは本当に苦労して選択して、それが患者さんにとってものすごく悲しい結果になった時に、医者としてはものすごくつらいんですね。その悲しみを・・・（言葉に詰まる）」。続けて、「もっと他の道があれば命を助けられたかもしれないと常に思うんです。でも、あの状況でそれを選択したことを間違ってないと言い聞かせたい自分の気持ちはある。いろんな人の死に関わっているけど、人の死というのは自然なものなので、医療がなければ死んでるものなんですよ。それを、より助けようとした時に、医療だけに責任を押し付けている例が多いので、その辺を皆さんに認識していただきたい。というのは、やはり医者も苦しんでいます。たとえば虐待の子でもそうですし、喉にあめちゃんを詰めたときでも、その後の医療の対応が遅いと医療を責められるんですけど、その時の親の責任もあるんですよね。医療者にとってはそれだけではダメだと自分を責めているんです。だから加藤先生も・・・本当につらかったと思うんです・・・。その気持ちを分かっていただきたいなと思います」。</p>

<p>　勝谷氏は、医学で明らかになっていない領域があることを指摘し、「お医者さんが１００％努力をします。でもそれが１００％の結果に結びつくとは限らないわけなんですよね。想定外のことが起きるんですよね。そのことは人間として、患者力としても、謙虚に考えていただきたいと僕は思います」と話した。</p>

<p>　加藤氏を逮捕した富岡署が福島県警本部長賞を受賞していることについて勝谷氏はこうコメント。「警察も検察も役所ですからアピールしたいわけです。だから、拘置所でご自身（加藤氏の意）が看守さんの目の前のところで自殺を（しないように）ものすごく気を付けられていたというのは、自殺させちゃいけないよと言ってるというのは、これは大事な大事な"財産"なんですよ。世間にアピールして有罪を勝ちとったら大変なお手柄になるわけで、富岡警察署は、署長というのは大体中央から来ているキャリアで、それに勲章を付けてやって上に上がって、下もそれにぶら下がって出世していくのが警察の出世コースですから、だからそれに利用したわけです。明らかに」。</p>

<p>　澤氏は大野病院事件について県警内で本部長に抗議した警察官がいたことも明かし、「かなり無理筋をゴリゴリ押していた」事件だったとした。</p>

<p>　続いて勝谷氏は「日本の司法制度は皆さんにも冤罪として来るかもしれないんですけれども、いいですか、逮捕されたことと有罪判決は別なんですよ。有罪が確定したらその人を逮捕したという事でそこで表彰というなら分かりますよ。逮捕した段階で表彰するというのは、これはまさに有罪率９９．９％という世界に例を見ない、つかまったらおしまいと。じゃあなんのための裁判かというとんでもないこの国の司法の状態を示しているわけです」と述べた。</p>

<p>　梅村氏は、日本の逮捕要件は証拠隠滅と逃亡の恐れがある場合だと示し、加藤氏の場合はどちらにも該当しないとして「ではその逮捕要件は何か。すでにそこから疑問です」と指摘した。</p>

<p>　勝谷氏は供述調書について「一問一答されるのを検事が綺麗なストーリーの文章に作るもので、何通りにもできるもの」だとして、加藤氏に印象を尋ねた。加藤氏は「僕は文化会系の方にはかなわないなと。僕は文科会系は弱かったので、こういうふうに書いちゃんだあ・・・というふうに思いました」と答えた。</p>

<p>　警察が医療知識を持たないまま逮捕していたとして、加藤氏は「学生に講義みたいな感じで、話を教えるように、癒着胎盤とはこういうものだとか。やっぱり勉強してこいよみたいな感じはありました」と述べた。澤氏は続けて、「何が良くて何が分からないか分からないまま、とりあえず身柄を押さえられているんです。それでこういうことをしたんですけど、僕はどこが悪かったんでしょうかと彼が解説している。こんなおかしな話がありますか。結果が悪いからとりあえず身柄を取っておこう、それでメディアに流そうと。なんでこんなことになってしまうのか」と述べた。</p>

<p>　司会は加藤氏に「患者さんも傷ついて、加藤先生もいまだに傷ついていらっしゃって、結局どちらも傷ついたまま終わってしまった悲しさというものが残ってしまったのではないかと思うのですが」と投げかけた。加藤氏は「裁判が終わって、結局ご遺族の方とは一度もお会いすることもできなくて・・・、そうですね・・・、結局そうですね・・・、なんだか悶々とはしていますね、確かに。その代わりとは言ってはなんなんですけども、お墓参りを命日には行っていたことはあったんですけども、そのお墓も突然なくなってしまってですね、移動してしまったので最近行けていないですけども。今はもう避難されていますし、もう全然コンタクトも取れないし、取っても・・・向こうの方から見ても、僕なんかに会いたくない・・・というのもあると思うんですけれども。何かしらこう・・・言いたいことも、直接言いたいことも多分あるのかな、というのはあってですね。県内なので、どこでお会いするかは分からないんですけども、お会いしたら、お会いしたで、・・・大人の対応をしようとは思っているんですけども・・・」と述べた。</p>

<p>　<br />
=====<br />
<big><strong>■「世界一珍妙な『記者クラブ』、真実は報道されない」<br />
</strong></big><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/勝谷氏（左）梅村氏（中）西尾氏-7388.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/勝谷氏（左）梅村氏（中）西尾氏-7388.php','popup','width=1099,height=816,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2011/10/勝谷氏（左）梅村氏（中）西尾氏-thumb-250x185-7388.jpg" width="250" height="185" alt="勝谷氏（左）梅村氏（中）西尾氏.JPG" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　マスメディアの報道の在り方についても議論した。<br />
　加藤氏は「印象に残っているのは第一回公判の時のニュース報道を、一応録画しておいたんですね。後から見た時にですね、レポーターの方が『専門用語ばかりで私には理解できませんでした』という話をしていたんですね。それを公の場で言っちゃっていいんでしょうかという話で、だったらもっと勉強してから行くべきだな、とは思いましたね。そこから、マスコミから取材依頼があってもお答えすることはしないようになりました」と述べた。</p>

<p>　勝谷氏が勾留中の報道についての印象を問うと、加藤氏は「中に入っている時も、弁護士の先生がえらいことになっていると、支援の輪が広がってて、報道もとんでもないような状態になっているというのはお聞きしていたので。実家に帰った時に親が全部切り抜きを置いていたので、それを見させていただいたんですけども・・・、違うな、というのはありましたね。こんなこと言ってないよというようなものももちろんありましたし。報道の方って、警察の方から色々話を聞きますよね。結局警察の方ではいい話しか出さないんですね。有利な話しか。そんなことちょっとは言ったかもしれないけど、メインはこっちだったとは言ってくれないんですね。それがマスメディアなのかなと僕は理解しました」と答えた。</p>

<p>　続いて勝谷氏が現在の記者クラブ体制を批判。「日本には記者クラブ制度という世界一珍妙な制度があります。ホワイトハウスの会見でも、僕でも身分証をきちんと登録すれば入ることができる。だけど週刊文春の記者だった僕は、例えば加藤先生の事件を県警本部が発表しているその場に入ることすらできません。入れるのは大マスコミの方々だけです。さっき言ったように、医学用語を勉強していないような駆け出しでも、その会社の名刺を持っていれば入ることができます。そういう連中が、なぜか同じ記事を書きます。最近特にひどくなった。事件事故の記事がほとんど同じ。なぜなら今の記者は、ある支局長が嘆いていましたけど、昔の似たような記事をデータベースから呼び出してきて、場所と時間と人名だけを変えて入れるそうです。それを各新聞がみんな繰り返していると、どんどん記事が似通ってきます。ウィキペディアを張り付ける学生と同じ。でもそういう状態で、どこの世界にライバル会社と横に机並べて、『お宅どうする』と言いながら。これはまさしく談合ですよ。それでその記者クラブは県警本部の中とか県庁の中にあるんです。どこの世界に監視する対象の中に部屋をもらって、昔は家賃まで払ってもらっていました。山口組の本家の中に派出所があるようなものじゃないですか。それで監視なんかできるわけがない。検察に関してはひどい。検察は司法記者クラブ。検察がこれを書けと言ったことを書かなかったら翌日から出入り禁止。書くなと言ったことを書いても出入り禁止。そうすると自分とこだけ『特落ち』（他社がみな扱っている大ニュースを掲載し損ねること）になって記事を書けなくなるから、みんな検察の顔色を見ながら書いている。だから向こうの言いなりのことが大量に垂れ流されて、世論というものができて、裁判長の心象もできるわけです」。</p>

<p>　梅村氏は、このシンポジウムのチラシを厚生労働省の記者クラブに配ったと話した。「するとある大手の、全く厚労省と関係ない記者さんが来て、『梅村さんはお医者さんなのでこうやって加藤先生を呼んで、お医者さんがかわいそうだという事をあおるつもりなんですか』と言ってきました。いや違うと。そうじゃなくて一般の市民の方にお話を聞いていただいて、どう感じるかは市民の方一人一人が判断する話。むしろ『あおる』と言う事自体が、あなたが頭の中に対立構造を作って考えているという事なんでしょう、ということなんです。その一言にすべてが表れている。だから今回僕が加藤先生をお呼びしたのは、今は判断する材料が新聞しかない。患者力というのはリテラシーを高めるという事だから、皆さんに判断していただきたいと思った」。</p>

<p></p>

<p>　飛行機搭乗のため退出時間の迫る加藤氏に、司会は会場からのアンケートの読み上げた。「イケダマサヒコさんという51歳の医師の方からこんな言葉が贈られています。加藤先生はご自分の状況を客観的に見る能力をお持ちなので、これから一臨床医だけでなく、産婦人科や日本の医療のために加藤先生にしかできない役割を果たしてはいただけるのでしょうか、というご質問というかご意見ですがいかがでございましょうか」</p>

<p>　加藤氏はこう答えた。「ありがとうございます。うぅーん・・・、そうですね・・・。よくまあ産科医の象徴だとか、色々言われたりするんですけども。僕の能力にもやっぱり限界があってですね、アピール不足とか、えー・・・、話が下手だとか、色々あってですね。後はマスコミ嫌いというのもあるんですけども、とにかく医療のために、やっぱり恩返しはしないとなと、考えています。・・・ええ・・・。恩返しは本当にしたいですね、色々な方に、助けて頂きましたので、その恩返しの方法としては、どういう方法になるかというのは、いずれ見つかってくるのかな、というふうには考えています」。</p>

<p>　登壇者から加藤氏へ一言ずつ。まず澤氏。「僕らは本当に残念なんです。亡くなられたら、さっき西尾先生が言葉を詰まらせたじゃないですか、残念なんですよ。それをなんとか伝えたい。本当のことを公判でも、本当に一つのことしか言わなかった。一回も変えることなく同じ。でも本当のことを言うことが、加藤先生が同じ医療界の人や患者さんにも理解をしてもらう、それが多くの人たちの力になると私は思います」。</p>

<p>　次に勝谷氏。「（加藤氏を）産科医療の象徴とかそういう風に持ち上げたくはないんですね。ただ、今まさに澤先生がおっしゃったように、正しいものは正しいんです。それは別に医療の現場だけでなくて、それをちゃんと貫き通すという意志力と言語力と知性、それを僕は学びたいと思いますし、逆に僕は子供たちなんかにぜひこの話は聞かせてあげたい。先生に叱られて『お前がやっただろ』と言われたからって、おどおどしてその場を切り抜けるためだけに『僕がやりました』と言ってはならない。やってないんだったらやってないと言うことが社会のためでもある。と同時に、それでも不正を働く権力を握ったやつがいるということを我々は知っていないと闘っていけません」。</p>

<p>　梅村氏。「この問題の本質は、残念な事案が起きた時、あるいはいわゆる事故というものが起きた時、これを切り離して外部に託してしまうという文化は、これはなくしていかないといけない。そこも含めてどう折り合っていくか、そこの部分も合わせて医療なんですね。ところがそこを手を放して出るとこ出て勝負しようかと、専門家がそこは処理するからあんたらは医療本体だけやっておけという考え方がこういうことを引き起こしているんですよ。だからインフォームドコンセント、治療前もそうだし、本体もそうだし、何かあった時の対応も含めて、本来医療の一部なんです。だからこの事案の一番の問題点は、そこを切り離して、『それはあんたら医療界のやることじゃない。患者さんも当事者の話じゃない。出るとこ出て勝負しましょか』というこの文化ができそうになっていることが、僕は一番の危機だと思う。そこのところを政治家としてしっかり環境整備できるようにしていきたい」。</p>

<p>　西尾氏。「一臨床医として、分野は違いますけど、同じように今後地域医療に進んでいきたいなと思います。今日は皆さん多分、加藤先生の気持ちが伝わったと思いますので、今後同じように頑張っていきたいなと思います」。</p>

<p></p>

<p><em>＊終了予定時刻の17時を過ぎて、会は終了。<br />
会場を離れる際、加藤氏にいただいたメッセージは<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2492.php">こちら</a>。</em></p>

<p>（この記事へのコメントは<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2497.php">こちら</a>）</p>]]>
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    <title>梅村聡の目⑭　国が進める在宅医療　情報収集が必須です</title>
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    <published>2012-05-10T04:26:25Z</published>
    <updated>2012-05-02T04:38:03Z</updated>

    <summary>国は、病院で行われている慢性期医療を、在宅医療に移す政策を強力に進めています。こ...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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    <category term="梅村聡" label="梅村聡" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p>国は、病院で行われている慢性期医療を、在宅医療に移す政策を強力に進めています。この流れに取り残されず、在宅と病院の医療をうまく使いこなすには、情報収集が欠かせません。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　昨年６月に政府が決定した社会保障と税の一体改革では、各地域の特性に応じた地域医療の仕組みづくりを進めていくことが示されています。その中の重点項目の一つが、在宅医療です。<br />
　国の調べでは、2009年に454万人分だった医療介護需要（サービス延べ人数）が、25年には757万人分になると予測されています。これに対して国は、病院のベッドをほとんど増やさず、介護施設のベッドを新たに65万床整備するとしています。単純計算すると、増える303万人のうち238万人は最終的に在宅医療・在宅介護へ移行しなければならないということになります。日本の医療・介護の体制は大きく転換することが分かります。</p>

<p><u>出発は医療費抑制</u></p>

<p>　ちょっと歴史を振り返りますと、「病院」という名称は、戊辰戦争の際に私の祖先である蘭学医・関寛斎が「奥羽出張病院」として使ったのが始まりのようです。孤児院や乳児院など「院」の付く他の施設と同様、当時の病院は、医療を受けられない貧しい人たちへの「施し」の場でした。医師が各家庭を回る在宅医療が主流だったのです。<br />
　ところが、1961年に国民皆保険制度が完成して誰もが医療を受けられるようになると、当初は病床規制がほぼなかったこともあり、病院の建設ラッシュが一気に進みました。73年の老人医療費無料化も拍車をかけて病院はどんどん増え、国民も何かあれば病院を頼るのが普通になりました。結果的に、高齢者を長期入院させて"検査漬け・薬漬け"にする「社会的入院」が問題になるなど、医療費は一気に増加したのです。<br />
　転機は83年、当時の厚生省官僚が、医療費増大が国を滅ぼすという「医療費亡国論」を発表し、増大する社会保障費を抑えたい大蔵省（現財務省）の考えとも合わさり、厚労省は医療費抑制政策を進めるようになりました。<br />
　病院のベッド数増が医療費増大につながったという反省から、厚労省は、在宅医療を医療費抑制の格好の手段と捉えました。つまり在宅医療推進の出発点は、医療費抑制のもくろみです。国民側もその狙いを察知してか、積極的になれていないのが実情です。</p>

<p><u>そして進まない</u></p>

<p>　在宅医療が進まない理由は、いくつもあります。<br />
　現状の制度で在宅医療を行っていくには、24時間体制で訪問看護とも連携し、かつ緊急入院できるような受け入れ体制を確保していることが必要になります。地方ではかなり難しい要件です。<br />
　在宅医療を行う医師や看護師も足りません。在宅医療として医師が行うのは、患者・家族からの依頼で24時間365日かけつける「往診」と、曜日や時間を決めて定期的に訪問する「訪問診療」です。24時間の往診と訪問診療を行う「在宅療養支援診療所」は１万2487件あります（平成22年７月）が、その約７割は、１人の医師が24時間対応している状況です。<br />
　診療科別の医療機関で育った医師は、患者の体を心身とも総合的に診たり、家族や地域の状況も踏まえながら必要な医療を判断したりという訓練を十分にはされてきていません。患者・家族との関わりが密になるため、コミュニケーション力も求められます。たくさんのコメディカルや検査機器などが充実した病院を"ホーム"とすれば、患者や家族と一対一で向き合わなければいけない在宅医療は、これまでの医療従事者にとっては"アウェー"なのです。<br />
　また在宅医療には、訪問介護などの介護保険サービスとの連携が欠かせません。しかし、地域の介護サービス不足や、医療側と介護側の双方の理解不足などで、なかなかうまく連携できないようです。<br />
　さらに在宅医療や在宅介護にとって重要な課題は、医療者の自律性がより求められるという点です。医療や介護だけに限りませんが、他人の目の行き届かないところではモラルハザードが発生しやすいのです。悪質な経営者の話も時々耳にすることもあります。</p>

<p><u>それでも止まらない</u></p>

<p>　しかし、現状の医療体制にも多くの問題があります。必要のない高齢者を長期入院させる医療経営者も一部にはいますし、地域での役割が今一つはっきりしない病院もあれば、たった一つの病院が何もかも引き受けている"医療崩壊"寸前の地域もあります。地域特性に応じた仕組みづくりを進める厚労省の方針は、やむを得ないと思います。<br />
　今回の診療報酬改定では在宅医療を進める方向の項目に多く点数が付きました。在宅医療を担う医療機関の役割分担や連携促進、看取りに至るまでの医療、在宅歯科・在宅薬剤管理、訪問看護、医療・介護の円滑な連携などに約1500億円分です。<br />
　目玉は有床診療所の活用です。全国には約１万施設の有床診療所があり、これまで診療報酬の削減が行われてきましたが、今回は約100億円の新たな財源が振り向けられました。在宅患者の緊急入院を受け入れたり、在宅と病院の橋渡しといった役割に期待したいと思います。<br />
　一方で、緊急時や夜間の往診料が引き上げられましたが、常勤医３人以上で往診や看取りに実績があるという条件付なので、医師不足の地域では恩恵にあずかれないでしょう。格差が拡大しかねないと危惧しています。</p>

<p><u>今後は情報次第</u></p>

<p>　いずれにせよ、国は在宅医療推進を加速するでしょう。そして、万人に配慮する余裕は、もはや国にありません。<br />
　今後は、必要な情報をいかに集められるかが勝負になってきます。受け身でいると、「こんなはずではなかった」となりかねません。<br />
　地域にどんな診療所や病院、介護施設があって、どんな医師や看護師や介護スタッフがいるのか......。自分の家族に必要なサービスは、金銭面は、必要な福祉用具は、相性のいいケアマネジャーはどこにいるか......。いざとなって困る前に、地域の情報の集まる場所がどこなのか、アンテナを張っておいてください。<br />
　良い悪いの問題ではなく、受けられる医療は情報次第の時代になったのだということを、ぜひとも皆さんにご認識いただき、この時代を乗り切っていただきたいと思います。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>【九州版】九州にある最先端治療　九州大学先端医療イノベーションセンター①</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2012:/archives//3.1654</id>

    <published>2012-04-30T03:54:14Z</published>
    <updated>2012-05-02T04:25:04Z</updated>

    <summary>体への負担少ない手術　ロボットを開発し実現 （この記事は、九州メディカル創刊号に...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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        <category term="排泄にまつわる疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="整形外科疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="九州大学先端医療イノベーションセンター" label="九州大学先端医療イノベーションセンター" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="橋爪誠" label="橋爪誠" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>体への負担少ない手術　ロボットを開発し実現</u><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B9%9D%EF%BC%92-1.JPG"><img alt="九２-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/九２-1-thumb-240x169-7562.jpg" width="240" height="169" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>（この記事は、九州メディカル創刊号に掲載されたものです）　皆さんがお住まいの九州には、日本の最先端、世界の最先端を行く医療施設がゴロゴロあります。ご存じだったでしょうか？　まずは昨年７月に開所したばかりの<a href="http://camiku.kyushu-u.ac.jp/">九州大学先端医療イノベーションセンター</a>をご紹介しましょう。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　いきなりですが質問です。日本の医療に使われる機器や薬のうち、輸入品の占める割合をご存じですか？<br />
　実は、金額ベースで約７割。毎年１兆円以上の医療費が海外に流出しています。<br />
　もちろん、生命の問題ですから、良いものがあったら輸入してでも使うのは当然です。ただ、日本には素晴らしい医学的基盤や科学技術基盤があるのに、医薬品や医療機器を産み出すことで世界に後れをとっていることは、知っておいていただきたいのです。そして、少子高齢化が進んで国家財政も傾いてきているため、最先端はおろか、世界の標準的な医療すら受けられない事態も既に起きています。国内からも新たな医薬品や医療機器を産み出して輸出しないと、そのうち本当に買えなくなります。</p>

<p><u>最先端を早く患者へ</u></p>

<p>　海外に後れをとる理由の一つが、基礎的な研究と実用化の間に担い手の断絶があり、特に新しい医療行為の安全性や有効性を実際の患者さんで調べる試験（臨床試験と言います）の部分が弱いことから、臨床試験に大変時間のかかることです。<br />
　あれ、日本の医療機関ってレベルが高いんじゃないの？　こう思いましたね。その通りです。でも、ご存じのように、そういう所は混んでいるんです。ベッド待ちの患者さんがいる時に、「試験をするから」と20個も30個もベッドを空けるなんて人道的にできませんよね。<br />
　諸外国では、臨床試験専門の施設を作って一気に試験を進めています。だったら日本でも同じようなことをしたらどうでしょう。<br />
　そうです。今回ご紹介する『九州大学先端医療イノベーションセンター』は臨床試験専門施設という顔を持ち、九州大学が持っている知財を企業と一緒になって実用化すべく、これまで企業と大学、病院でバラバラに実施されていた医療技術開発を、すべて担う施設なのです。基礎的な研究開発から臨床試験まで全部同じ施設で行えるのは日本初です。各企業の開発チームが常駐して、４月から５つのプロジェクトが同時並行で進むことになっています。<br />
　橋爪誠センター長は、「最先端の医療が速やかに受けられる仕組みを作り上げ、健康寿命の延長に貢献したいと思っています」と語ります。<br />
　センターでは、臨床試験に携わる人材の養成も行っていきます。<br />
　臨床試験を担当すると当該品に関する全情報の開示を受けることになるので、実際に回り出してからは知財や経験豊かな人材がセンターに自然と蓄積されるようになり、それがまた新たな開発につながるはずと言います。<br />
　さらにそういった最先端の医療を、希望する患者さんに提供できるのも大きな特徴です。受ける患者さんのデータは、あらかじめ定められた臨床試験の手順に沿って蓄積され、開発にフィードバックされます。既に、がんの免疫細胞治療の提供が始まっており、今後も少しずつメニューを広げて行く予定。将来的には、海外からも最先端治療を受けにくる施設となるイメージです。</p>

<p><u>ダビンチを超える</u></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B9%9D%EF%BC%92%EF%BC%8D%EF%BC%92.JPG"><img alt="九２－２.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/九２－２-thumb-340x456-7564.jpg" width="340" height="456" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　ここからは、センターが開発に取り組んでいるプロジェクトを具体的にご紹介していきます。初回は、橋爪センター長自身が取り組む低侵襲ロボット部門です。低侵襲とは、従来の方法より患者さんの体への負担が少ないことを示す医療用語です。<br />
　橋爪氏は、元々は消化器外科医。02年に先端医療の研究開発・臨床試験・臨床応用を行う診療部として日本で初めて設置された九州大学病院『先端医工学診療部』(CAMIT)の部長でもあります。同部は、06年文部科学大臣表彰科学技術賞、07年｢今年のロボット｣大賞優秀賞・審査委員特別賞、07年度グッドデザイン賞などを受賞しています。<br />
　現在、橋爪氏のチームが開発を急いでいるのは手術ロボットです。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B9%9D2-3.JPG"><img alt="九2-3.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/九2-3-thumb-200x284-7566.jpg" width="200" height="284" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　と言っても、鉄腕アトムが開腹手術しているような図を思い描いたとしたら、それは違います。人間の医師が行う内視鏡手術を、より精確で安全なものにするため、「人間を超える眼や手」でサポートするものです。<br />
　開腹手術に比べて傷が小さく低侵襲とされる内視鏡手術ですが、傷口が小さい分だけ視界は悪いとか、術者の手の動きと体の中の器具の動きが逆向きになるといった欠点もあり、精確・安全に行うには熟練を要します。これを、まるで開腹して行っているような視界にして、術者の手の動きを細かく補正してくれるのが、手術ロボットというわけです。<br />
　代表例が、４月から前立腺がんの手術で保険適用が認められることになった米国製の『ダビンチ』。体に開けた複数の小さな穴からアームを指し込んで手術します。橋爪氏もダビンチの治験を担当し、その質の高さは実感していると言います。ただし１台３億円、年間維持費が2500万円、１回の手術の消耗品代が50万円以上と大変な金食い虫で、費用対効果を充分に考えて使う必要があります。<br />
　これに対して、センターで開発を進めているロボットは、体に開ける穴が一つで済む単孔式内視鏡手術を支援するものです。患者さんの負担はその分、軽くなります。前立腺の他、腎臓や肝臓の手術に使えると見込まれています。既にダビンチのメーカーである米インテュイティブをはじめとする海外勢が開発に着手していますが、遜色のない品質のものをライバルよりも大幅に安く作れれば、国内の患者さんに福音となるだけでなく、高い国際競争力を持つことになります。既にプロトタイプは完成しており、あとは製品化するだけとのことです。<br />
　ロボット部門では他に、体内に入れて臓器の奥深くの腫瘍を焼くことができる小型の集束超音波(FUS)装置も実用化目前にまで来ています。どちらも楽しみですね。</p>

<p><u>震災で予定狂う</u></p>

<p>　ただ実は、プロジェクトや外来部門を拡大するペースが遅れています。施設整備費だけ経済産業省が出してくれましたが、そこから先は大学からも病院からも独立採算で運営する必要があるのです。事業収益が生まれてくるまでの初期費用を、寄付金などで賄う予定にしていたところ、東日本大震災の影響もあって予定より少なくなってしまったのだそうです。<br />
「趣旨と可能性をご理解いただき、ご協力いただける方がいらしたらありがたいです」と橋爪センター長は話しています。<br />
　センターにはロボット部門の他、患部へ薬を正確に届けるドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の部門、再生医療・細胞療法の部門、分子イメージングの部門もあります。今後それぞれをどんなことをしているのか、ご紹介していきたいと思います。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>【九州版】がん治療最前線①　中西洋一・九州大学病院呼吸器科教授</title>
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    <published>2012-04-29T03:28:49Z</published>
    <updated>2012-05-05T07:22:55Z</updated>

    <summary>肺がんの最適治療へ　最適治療積み上げる （この記事は、九州メディカル創刊号に掲載...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="呼吸器疾患（肺など）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>肺がんの最適治療へ　最適治療積み上げる</u><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B9%9D1-1.JPG"><img alt="九1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/九1-1-thumb-240x169-7558.jpg" width="240" height="169" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>（この記事は、九州メディカル創刊号に掲載されたものです）</small>　がん治療に取り組むリーダーたちをご紹介していきます。</p>]]>
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="九1-2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B9%9D1-2.JPG" width="289" height="140" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>　イレッサという肺がんの薬、名前は聞いたことがあると思います。数々の話題を提供した薬です。10年前に日本でいち早く承認され、「夢の新薬」ともてはやされたのが一転、副作用死が相次いで訴訟にも発展しました。また欧米の試験で「効かない」という結果が出て、欧州では承認に至らず、米国でも05年に承認が取り消されました。<br />
　この辺までの経緯を報道などで目にして、何となく「怖い薬」という印象を持っていないでしょうか。<br />
　でも実は現在、我が国の医療界では「素晴らしい薬」という評価が一般的になっています。効く人と効かない人を事前に予測して使い分けできるようになったからです。</p>

<p><u>個別最適化が可能に</u></p>

<p>　次の段落は、若干難しい言葉が出てきます。覚える必要はありませんので、止まらず読み進めてください。<br />
　がんとは、遺伝子異常を起こした細胞が無制限に増殖する病気です。遺伝子の異常がいくつも重なってがんとなるのが一般的です。<br />
　ところが、たった一つの遺伝子異常だけでがんのできることがあります。その場合、この遺伝子の働きを抑えることで、がんを治療することは可能です。根幹の異常遺伝子とも言うことができるでしょう。最近、こんな遺伝子異常が見つかり始めました。これまでに見つかったもののうち代表的なのが、肺腺がんの人に多くの割合で見られる上皮成長因子受容体（EGFR）異常です。多くの研究から、日本人の肺腺がんでは約50％にEGFR異常のあることが分かっています。<br />
　このように根幹の異常遺伝子に働きかけようとするのが、「分子標的薬」と呼ばれる新世代の抗がん剤。イレッサは先駆けですが、承認当時は何に作用しているのか正確に理解されていませんでした。後からEGFR異常という分子標的が見つかり、その異常のある人には標準的な化学療法より効果が高いと、日本の２研究チームがそれぞれ独立に確かめました。<br />
　つまりEGFR異常が起きている人には、標準的な化学療法に加えてイレッサを使い、そうでない人にはこれらの新薬を使わないのが望ましいということになります。<br />
「100人のうち３人にしか効かない薬は消えていきますが、３人のうち３人に効くなら良い薬です。効くか効かないか見分けるバイオマーカーさえ見つかれば、あなたに最適の治療はこれですよ、と示すことができます」<br />
　こう中西教授は語ります。</p>

<p><u>日本の最適を探る</u></p>

<p>　どの異常の割合が多くて、どれが少ないか、人種によって異なるということも分かってきました。EGFR異常も、日本人を含むアジア人で割合が多く、欧米人では少ないのです。日本でよく効いたイレッサが、欧米で効かなかったのも道理です。少なくとも、がんに関しては、薬の効き方や副作用の出方に人種差があって当然なのです。<br />
　中西教授は「欧米の臨床試験結果を準用して日本の治療ガイドラインも作られてきましたが、日本の臨床研究に基づいて作らないとズレが生じてしまいます。最適な医療を確かめていくため国内の力を結集する必要がありますし、十分でなければアジアと協力すべきです」と語ります。<br />
　自身これまで、日本でなかなか進まない臨床研究の体制整備や推進に努めてきました。<br />
　問題は、近年見つかってきた標的遺伝子は全体の数％にしかないというものがほとんどで、そのように割合の少ない分子標的やバイオマーカーを見つける、あるいはその標的に対する薬の安全性・有効性を確かめるには、大きな母集団が必要なことです。<br />
　一つの医療機関・診療科では、明らかに不可能です。また後述するように、臨床研究には極めて長い時間がかかるため、後進を育てていかないと意味のある結果が出る前に途切れてしまいかねません。質を担保するための相互研鑽も必要です。中西教授は、ネットワークを作ることで対応しようとしています。<br />
　８年前に、福岡の呼吸器内科、呼吸器外科を中心とするLOGIK（九州肺がん研究機構）というグループを立ち上げました。現在、約140の診療科が参加し、10数本の臨床研究を行っています。一昨年は韓国のグループとも共同研究を行いました。<br />
　また09年から、全国の有力な200以上の医療機関が参画しているWJOG（西日本がん研究機構）というNPOの理事長も務めています。こちらは現在計画中のものまで含めると50本以上の臨床研究を扱っています。<br />
　LOGIKで小規模な試験を速やかに行い、その中で有望なものをWJOGでの大規模試験につなげるという関係にあるそうです。冒頭に説明したEGFR異常の場合イレッサの効果が高いという論文の１本は、このWJOGから出されたものです。その論文が出た後の09年、ヨーロッパでもＥＧＦＲ遺伝子異常のあるがんの場合に限って、イレッサを使ってもよいと販売承認されました。<br />
「欧米のマイノリティの患者さんにも貢献したことになります。新しい国際協力の関係ではないでしょうか」</p>

<p><u>地道に積み上げる</u></p>

<p>　臨床研究は、今ある治療法より優れているのでないかと想定される治療法について、何をどうやって比較するのか事前に明確に規定し、倫理的な問題がないか審査を受け、被験者の同意を得て、行うものです。スタートするまでに、研究計画（プロトコルと言います）を妥協なく突き詰めて作ることが非常に大切です。<br />
「症例の一つひとつが患者さんの命です。面白そうとか誰もやってないといった根拠でやっては絶対にいけません。現在の治療法を凌駕するはずという確信が必要です。また予期せぬ副作用にも細心の注意が必要です。日常診療で現状のエビデンスやガイドラインの最高を提供するのが大前提で、さらにその先をめざすものなので、常に知識をブラッシュアップしていないととてもできません」と中西教授。<br />
　臨床研究のアイデアが最初に出てからプロトコルが完成するまで300日。倫理審査などが済むまでに１年半から２年。試験そのものに２年から３年かかります。<br />
「いかにも歩みは遅いですが、しかしこれを地道に積み上げていくしか、最適な医療の提供はないのです」<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>研修医が見た米国医療21</title>
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    <published>2012-04-25T05:06:16Z</published>
    <updated>2012-05-02T05:08:36Z</updated>

    <summary>深く浸透する薬物　病棟でも油断大敵 反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東京...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="コミュニケーション" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>深く浸透する薬物　病棟でも油断大敵</u><br />
<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote></p>]]>
        <![CDATA[<p>　日本で「あなたは薬物を使用したことがありますか？」と医師に質問されたことがある人は、少ないのではないでしょうか。しかし米国では、この質問は極めて一般的です。少なくとも私の勤めている病院では、すべての入院患者さんに質問します。日本でいうところの、「タバコは吸いますか？」と同程度の質問と捉えてもらってよいでしょう。<br />
　このような質問をする理由は単純で、薬物を使用したことがある人が多いからです。半分くらいの患者さんは、若い頃にマリファナくらいは吸ったことがある、と答える印象があります。実際に米国の統計でも、約41%の人が人生で一度はマリファナを使用したことがあると推計されています。さらに15歳までに約15%、17歳までに約31%がマリファナの使用歴がある、という推計を見れば、薬物がどれだけ米国民の生活に浸透しているかが分かると思います。ちなみに、他の薬物であるコカイン、ヘロインなどはマリファナに比べると「ちょっと試す」くらいで使う人はあまりいません。<br />
　内科の入院患者さんにも薬物中毒の方は少なくありません。日本でもニコチン中毒の患者さんが病棟を何度も抜け出してはタバコを吸いに行き、ちょっとした事件になることがありますが、薬物中毒の患者さんにまつわる驚きのエピソードには事欠きません。<br />
　たまに聞くのが、友人や家族が病棟に薬物を持ってきていた、という話。日本にいた時、アルコール中毒の患者さんに、「入院中に好きなお酒を飲めないのはかわいそうだ」と家族がお酒をこっそり差し入れていたことがありましたが、それと同じ心情なのかもしれません。他に、病室内に薬物を隠し持っていたという話もありました。ベッドや棚の中かと思いきや、病室の天井にテープで張り付けていた、というから驚きです。天井なんてあまり見上げることがないので、盲点かもしれません。発見した看護師さんもさぞかし驚いたでしょう。さらに、病院内で患者さん同士が薬物を売買していた、なんて話も聞いたことがあります。どれも実際に自分で見たわけではないので、真偽の程は不明ですが、米国ならあり得ないことではないと思ってしまいます。<br />
　実際に経験した症例では、入院時に尿中薬物検査が陰性だった人が、入院中どうも様子がおかしい、ということで薬物検査を再度実施してみると陽性だったことがあります。入院中に薬物を使ったのでしょうが、本人に何度聞いても「使ってなんかいない」の一点張りでした。家族が怪しいと看護師さんは睨んでいましたが、周囲を探しても薬物は見つからず、結局うやむやのまま退院していきました。その他、「薬物なんて触ったこともありません」という人が、薬物検査で陽性になることもあります。<br />
　念のためですが、米国でも連邦法でマリファナを含めた薬物の使用は禁止されています。皆が使っているのだから私も、というわけでは決してありませんので、ご注意を。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>がん医療を拓く①　融合遺伝子を探せ</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2012:/archives//3.1641</id>

    <published>2012-04-19T23:22:31Z</published>
    <updated>2012-05-02T03:28:05Z</updated>

    <summary>　がんは、遺伝子に異常を起こした細胞が、無限に増え続ける病気です。遺伝子の異常は...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="竹内賢吾" label="竹内賢吾" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="融合遺伝子" label="融合遺伝子" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/80-1-1.JPG"><img alt="80-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/80-1-1-thumb-120x170-7544.jpg" width="120" height="170" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　がんは、遺伝子に異常を起こした細胞が、無限に増え続ける病気です。遺伝子の異常は大抵いくつも重なっていますが、なかにはそれ１個の働きを妨害するだけで、がんが増え続けられなくなるという根幹の異常遺伝子もあると分かってきました。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/80-1.1.JPG"><img alt="80-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/80-1.1-thumb-300x165-7546.jpg" width="300" height="165" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　可能性が高いものとして注目されているのが、細胞分裂の際に働く「キナーゼ」という種類の酵素を作る遺伝子が無秩序に活性化する異常です。次々と酵素を作り出して、細胞分裂が止まらなくなります。逆に遺伝子由来の酵素の働きを妨げると、分裂は止まります。<br />
　そして遺伝子融合という異常を起こした場合に、無秩序な活性化をすることが多いようなのです。<br />
　遺伝子融合とは文字通り、２種類の遺伝子がそれぞれ途中でちぎれて、入れ替わってつながってしまうことです。がん細胞にだけ見られるようなキナーゼ遺伝子の融合があった場合、がんの根幹原因となっている可能性は高いのです。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>遺伝子発見が特効薬に直結</u></p>

<p>　がんの根幹原因となるキナーゼの融合遺伝子の存在は、血液がんでは古くから知られていました。世界で競争が始まるきっかけとなったのは、07年に自治医科大学の間野博行教授のグループが、固形癌であり世界で年間137万人が亡くなる肺がんでも「EML4‐ALK」と呼ばれる融合遺伝子を発見したことでした。<br />
　覚えなくて構いませんが読み方は「イー・エム・エル・フォー・アルク」となります。ハイフンでつながれた前後それぞれが遺伝子の名前で、後ろ側のALK（アルク）がキナーゼを作る遺伝子です。<br />
　11年８月、その発見から僅か４年というかつてない早さで、ＡＬＫ阻害剤（クリゾチニブ）が米国で承認販売され、既に目覚ましい治療効果が報告されています。<br />
　こうして、他にもがんの根幹原因となっている融合遺伝子はあるはずと、多くの臓器のがんについて、融合遺伝子の探索と、それを応用した診断・治療の研究が、世界中で進められることになりました。</p>

<p><u>日本が一歩リード</u></p>

<p>　この融合遺伝子の探索と診断で世界をリードしているのが、公益財団法人がん研究会がん研究所の分子標的病理プロジェクトです。プロジェクトリーダーの竹内賢吾医師が血液病理医として培った知識、技術、経験を活かし、病理組織学を応用した探索システムを開発してきました（詳しくは次項で）。<br />
　これまでに肺がん、乳がん、卵巣がん、子宮がん、大腸がん、腎がんから、原因となっている融合遺伝子を計15種類も発見しています。<br />
　自治医科大学との共同プロジェクトで、肺がんから、キナーゼ領域がALKではなく、「ROS1」（ロスワン）や「RET」（レット）の融合遺伝子を計６種類見つけたことは、新聞などでも大きく報道されたように、世界的に注目されています。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/80-1.2.JPG"><img alt="80-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/80-1.2-thumb-300x323-7548.jpg" width="300" height="323" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　注目を集めるのは、キナーゼを作る融合遺伝子の発見は新薬開発に直結するからです。キナーゼそのものは既に多くの種類が確認され、その働きを妨げる薬（キナーゼ阻害剤）も数多く開発済みです。あとは、どのキナーゼ遺伝子の融合が、どのがんに存在するか分かれば、すぐ臨床試験（治験）へと移れるわけです。<br />
　実際、甲状腺がんの治療薬として米国で承認済みのRET阻害剤（バンデタニブ）が、動物細胞レベルながら肺がんについても有効性を確認されています。<br />
　ちなみに実は、肺がん治療でもうお馴染みとも言える「イレッサ」（ゲフィチニブ）あるいは｢タルセバ｣（エルロチニブ）も、EGFRと呼ばれるキナーゼの一種を阻害する薬です。イレッサはEGFR遺伝子に変異がある場合に効果が高いことが分かっています。日本人の肺がん患者の４割程度に変異がある、つまり、４割の肺がん患者に効く、ということです。<br />
　一方、ALK融合遺伝子を原因とするのは肺がんの４％。EGFR遺伝子変異の割合と比べると正直、小さい数字に見えるかもしれません。しかし日本だけで年間７万人が亡くなっているわけですから、約３千人が該当します。該当すれば特効薬があるというのは、非常に大きなことです。<br />
　ROS１やRETの融合遺伝子を持つ肺がんは、両者合わせて２％程度と推測されています。「該当者には確実に効く」特効薬に直結する発見に間違いありません。<br />
　既に日本人の肺がんの５割以上は、原因となる遺伝子の異常（融合遺伝子やEGFR遺伝子変異など）が明らかになっています。将来的には、ほぼすべて突き止められ、原因ごとに特効薬も揃うかもしれません。<br />
=====<br />
<u>お金がないので知恵で勝負</u></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/80-1.3.JPG"><img alt="80-1.3.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/80-1.3-thumb-200x472-7550.jpg" width="200" height="472" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　世界の競争相手に比べ、がん研分子標的病理プロジェクトは、使える装置や費用の面で決して恵まれていると言えません。それでも次々と融合遺伝子を発見できたのは、独自にユニークな探索手法を開発してきたからです。<br />
　ベースには、「病理標本上で様々な生命現象を可視化する」という竹内医師の病理医ならではの発想がありました。病理医は、患者から採ってきた組織を顕微鏡で覗いて、自らの目で情報を読み取ることを本分としています。といっても、顕微鏡でどんなに拡大しても遺伝子は見えませんから、遺伝子の様子を可視化する工夫が必要です。<br />
　ROS１融合遺伝子やRET融合遺伝子を見つけた際には、パラフィン検体（がんの疑いがあれば必ず病理診断を行いますが、通常その検査では採取した組織をホルマリンで防腐処理してパラフィンで固めて標本を作ります）から作った切片に蛍光色素をかけて、キナーゼ遺伝子の先端と後端を両方異なる色に染めました。正常なら両端は接近しているので中間の色が見えますが、遺伝子融合が起きている場合は両端は切り離されていて二色見えます。<br />
　しかもその際、１枚のプレパラートに、あらかじめ小さく切り出した切片を何十も載せて作業効率化とコスト低減を図りました。そうしてがん研病院で手術を受けた1500例の肺がん検体について、遺伝子融合の有無を網羅的にチェックしていったのです。<br />
　二色見えたものについてだけ、凍結保存してあった検体で改めて融合の相方を精査した結果、４種類のROS１融合遺伝子と２種類のRET融合遺伝子が見つかったわけです。</p>

<p><u>そのまま診断法に</u></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/80-1.4.JPG"><img alt="80-1.4.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/05/80-1.4-thumb-200x361-7552.jpg" width="200" height="361" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　今回プロジェクトが発見した６個のうち、KIF5B－RETと呼ばれるものは、国立がん研究センターや米国ハーバード大学の研究グループもそれぞれ同時に発見していました。しかし手法は全く異なり、高速シークエンサーという機械で、肺腺がん患者一人ひとりの遺伝子（全塩基配列）を調べ尽くした結果見つかったものでした。現在の機械の性能だと、最低でも１年近くかかる上、多くの件数を調べられないので、新しい融合遺伝子に行き当たる確率は決して高くありません。<br />
　対して同プロジェクトの確立したパラフィン検体から探すという手法は、すぐ結果が出てコストも低いので、そのままがんの診断法としても使えます。<br />
　例えば同プロジェクトが開発したEML4－ALKの検出法でありALK肺がんの診断法でもある「iAEP法」は、既に診断キットも商品化されています。特殊な検体や高価な機械は不要で、例えば「がんが再発したけれども全身状態が悪くて新たに検体を採れない」という場合も、以前作ったパラフィン検体を使って調べられます。<br />
　こうした検査法や診断法などの話を聞かされても、どうもピンと来ないかもしれません。しかし、手間がかからずコストの低い検査・診断法を開発することは、多くの検査を抱える病理医の負担を減らし、迅速かつ的確な診断にもつながって、患者にも恩恵のある話です。</p>

<p><u>検体あってこそ</u></p>

<p>　プロジェクトが成功している背景には、凍結保存された多くの検体があったということも見逃せません。検体は病院の手術で採られたものです。がん専門病院と研究所が併設されている「がん研究会」ならでは、と言えます。<br />
　言い方を変えれば、日々の地道ながん診療があってこそ研究も進むのだし、過去の患者一人ひとりも単に手術を受けただけでなく医学の進歩に貢献したということができるのです。</p>

<blockquote><em>基礎研究と臨床研究</em>　病院などの医療現場以外にも、がんを治すために奮闘している人たちがいます。がんの基礎研究者です。▽「基礎研究」は、がんという病気そのものの原因やメカニズムを明らかにし、その成果を予防や診療に結びつけようというもの。それに専念するのがいわゆる「研究者」と呼ばれる人たちです。▽ちなみに「臨床研究」というのは、日常の診療の向上をめざして、主に医師が人を対象に行う研究です。ただ、両者の中間に位置する研究も多くあります。</blockquote>]]>
    </content>
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    <title>予防接種法改正　格好つけても及び腰　透ける厚労省の姿勢</title>
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    <published>2012-04-14T23:25:12Z</published>
    <updated>2012-04-16T05:53:32Z</updated>

    <summary>専門家の意見と厚労省案をキーグラフ®比較 　予防接種法が、専門家たちの２年以上の...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="予防医療" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/79-2-1.JPG"><img alt="79-2-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/79-2-1-thumb-240x162-7528.jpg" width="240" height="162" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><u>専門家の意見と厚労省案をキーグラフ®比較</u><br />
　予防接種法が、専門家たちの２年以上の議論を経て、改正されようとしています。厚生労働省の法改正案が、専門家たちの議論を正しく反映しているか、大澤幸生・東京大学工学系大学院教授にキーグラフ®解析（＊）してもらいました。極めて興味深い差異が見つかりました。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<blockquote><em>キーグラフ®解析</em>　文章を構成する単語の登場頻度、互いの繋がりの強さや数を計算し、重要な役割を果たしている単語を分類・抽出し、結果をネットワーク図として視覚化することで、文章の力点がどこに置かれているか浮かび上がらせるものです。黒点で示されるのは文中に使われる頻度の高い単語です。赤点で示されるのは、出現頻度は低いものの重要な働きをしている単語です。線で結ばれている単語と単語は、同じ文中に登場することが多いもの同士です。▽今回は、予防接種部会で昨年７月に取りまとめられた『これまでの主な議論の中間的な状況の整理等』と、その後９月に厚労省から示された『予防接種制度の見直しの方向性についての検討案』を同じ条件で可視化してもらいました。それを編集部で解釈しました。</blockquote>

<p>　２年前の本誌vol.54で『20年を取り戻せ　ワクチン医療再建』という緊急特集を掲載し、以後も断続的に、ガラパゴス的に遅れてしまった日本の予防接種の取り扱いを世界標準へ揃えるべきだ、という趣旨の記事を掲載してきました。<br />
　これについては、鳩山内閣の厚労政務官だった足立信也氏も問題意識を強く持っていたことから、そのリーダーシップで『厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会』（以後、予防接種部会と表記します）が09年末に設置され、予防接種法の改正が諮られることになりました。ことし２月までに、ちょうど20回の議論が行われています。そして、いよいよ今年の国会に改正案が提出されるというところまで来ました。現在の小宮山洋子厚労相も、大臣就任前から、この問題には熱心でした。<br />
=====<br />
<u>何が遅れているか</u></p>

<p>　制度を直そうという以上、どういう問題が起きているか、現状把握は欠かせません。<br />
　ワクチンで予防される疾病の多くが、罹ってしまったら根本的な治療法はなく、生死や後遺症が残るか分からないものです。それなのに、世界で標準的に使われている多くのワクチンを、使えない人が大勢います。これが最大の問題です。<br />
　最も根本的な原因は、ワクチンの承認の遅れです。これはこの数年で急速に改善されてきました。<br />
　次に大きいのが費用の問題です。予防接種法で規定された定期接種のワクチンについて、法律上は低所得者以外に自己負担を求めてよいことになっているものの、ほとんどの自治体が自前で財源を準備して無料接種としています。対して定期接種でない（任意接種）ワクチンに関しては、自治体ごと対応がバラバラで、むしろ有料が基本となっています。<br />
　ワクチンの多くは乳幼児を対象とするもので、子育て世代の多くは経済基盤が強くないため、費用負担があると使えないのです。例えば小児用肺炎球菌ワクチンの接種者数は、10年度補正予算で公費助成が行われるようになってから４倍以上に増えました。裏を返すと、それだけの人が、接種したくてもできなかったということになります。</p>

<p><u>誤答弁騒動</u></p>

<p>　このため、任意接種のワクチンを定期接種化してほしいとの要望が多く出されていました。<br />
　厚労省の法改正案では、WHO（世界保健機関）が推奨している任意接種の疾病対応ワクチン７つを一気に定期接種化することになっています。しかし喜ぶのは早計です。接種費用を市町村が用意できなければ、有料となって、任意接種と大差ないことになるからです。<br />
　細かく見ると、４つは接種に努力義務のある一類定期接種、Ｂ型肝炎、子宮頸がん（HPV）、成人用肺炎球菌の３つは努力義務のない二類定期接種とするそうです。これまで高齢者のインフルエンザ以外は全部一類だったのに、３つも二類に回されたのです。<br />
　一類は社会防衛、二類は個人防衛を主な目的にすると厚労省は定義しており、努力義務のない分、副反応に対する救済を二類は薄くするといいます。この分け方は、科学的にナンセンスでガラパゴスの極みです。それでも区分が独り歩きして、二類を有料とする自治体も出てくるのでないかと懸念されています。<br />
　この点について２月７日の参議院予算委員会で、HPVクチンの無料接種を推進してきた自民党の三原じゅん子氏が質しました。</p>

<p><strong>三原</strong>　「予防接種法が改正され定期接種の二類に分類されたら、その後の接種費用はどうなるのでしょうか」<br />
<strong>小宮山</strong>　「それは、二類に分類しても今と変わらない『ほしょう』がちゃんと付く形にしてございます」<br />
<strong>三原</strong>　「接種費用と副反応救済制度は今のままということでよろしいんですね」<br />
<strong>小宮山</strong>　「今のままでございます」</p>

<p>　このやりとりを見ていた多くの人が、そうか無料接種を続けられるよう、国が面倒をみるのだなと思ったはずです。ところが翌８日になって、予防接種法改正の事務局を務める厚労省健康局の外山千也局長が、大臣答弁を訂正したいと言って訪れた、と三原氏がブログなどで明かしています。<br />
　国会で大臣が述べたものを官僚が否定して回るとは、厚労省がどれほど慌てているか分かります。</p>

<p><small>＊冊子印刷後の情勢変化。<br />
　３月12日の参院予算委員会で小宮山大臣が「正しくは定期接種の自己負担については一類・二類ともに市町村の判断によります。（中略）訂正すると共に、委員の質問の趣旨を的確に理解せず、審議を混乱させたことをお詫び申し上げます」と謝罪しました。</p>

<p>　また３月28日の参議院厚生労働委員会では、当事者２人の間でこのようなやりとりが行われました。</p>

<p><strong>三原</strong>　2月7日の予算委員会での大臣の答弁について、大臣と私とのやりとりで、ちょっとした行き違いがあったのかなと思っております。本日は、行き違いのあった質問を再度やり直しをさせていただきたいと思っておりますので、大臣、よろしくどうぞお付き合いいただきたいと思います。<br />
2010年の11月からですね、より子宮頸がん予防ワクチンがほぼ無料で、そして副反応救済制度も非常に充実したプログラムで接種できるようになりました。前回の予算委員会のご答弁で大臣が「子宮頸がん予防ワクチンの接種費用、救済制度は、今後も今と同様である」というお答えいただき、私は大変うれしく思いました。これは大臣もずっと一緒に取り組んでこられたこのワクチンの事業が、まさか後退するということはない、そういう制度にはならないという大臣のご認識と、そういう思いからお出になった言葉だったのではないかと思います。ですから、改めてお伺いしたいと思います。子宮頸がん予防ワクチンがもし、万が一ですね、定期接種の２類に分類されたしまったとした場合、この子宮頸がん予防ワクチンの接種費用と副反応救済制度はどのように変わっていくのかということを、改めてお伺いしたいと思います。</p>

<p><strong>小宮山</strong>　参議院の予算委員会の時には、今言っていたたいたように私の思いから答弁をしたために、ちょっとご質問の趣旨とは違った答弁になったこと申し訳なかったと思っています。で、まだ１類２類の分類は、今、予防接種部会で議論中でございまして、決定していないんですけれども、もし仰るように２類に分類されますと、それは費用の方は市町村が決定していくということ、それから健康被害があった場合には、そこの補償の金額が違ってくるということがございます。</p>

<p><strong>三原</strong>　再度お付き合いをいただきありがとうございました。私はですね、これまで子宮頸がん予防ワクチンについて、小宮山大臣と一緒に取り組んで来て、大臣の予算委員会でのお言葉をお借りするなら私も仲間だという意識でおります。ですから、一番大切なことは、この子宮頸がん予防ワクチンが無料で接種できて、そして副反応制度に関しても手厚い措置が受けられるというこのことが一番大切であると再度申し上げて、しっかりとご対応いただきますよう心からお願いいたしたいと思います。</small><br />
=====<br />
<u>出現した「市町村」</u></p>

<p>　何を慌てなければいけなかったのか、ここで、大澤教授の解析結果を見てみましょう。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%B8%AD%E9%96%93%E5%A0%B1%E5%91%8A.jpg"><img alt="中間報告.jpg" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/中間報告-thumb-570x464-7530.jpg" width="570" height="464" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/%E4%BA%8B%E5%8B%99%E5%B1%80%E6%A1%88.jpg"><img alt="事務局案.jpg" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/事務局案-thumb-570x464-7532.jpg" width="570" height="464" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span></p>

<p>　上の図は、専門家たちの議論をまとめたもの（中間報告＝上）と厚労省の案（事務局案＝下）で、それぞれどういうことに力点が置かれているかです。比較して、まず気づくのが、中間報告では真ん中下の方にあった「区分」「公的」「関与」「義務」の三角形が、厚労省案では「区分」だけ残して消えていることです。<br />
　「区分」は、まさに一類と二類の分け方のことを指しており、中間報告では「区分」が異なれば、「公的」「関与」「義務」の度合いが異なることになるのでないかと指摘されているわけです。ところが、事務局案からは消えてしまっています。<br />
　また、右側の真ん中辺りを見てください。中間報告では結びついていなかった「定期」と「費用」が、事務局案では線で結ばれ、新たに出現した「市町村」との間も結ばれ三角形ができています。<br />
　この二つから透けて見えるのは、専門家たちが国の関与を求めているのに対して、定期接種化という格好だけつけて、どう扱うか費用について考えるのは市町村だ、と予防線を張る厚労省の姿です。大臣が費用について答えてしまったのには、さぞ驚いたことでしょう。<br />
　しかし「世界標準のワクチンを誰もが使えるようにする」との目標を最優先する「抜本改正」ならば、自治体の財政力格差が住民の健康格差につながらないよう、接種費用まで目配りする必要もあるはずです。<br />
　もっとも、それは大臣をはじめとする政治の役割なのかもしれません。民主党で今回の法改正について検討する予防接種小委員会の委員長を務める仁木博文代議士も「定期接種化と言うからには当然、接種費用も救済も今までの一類と同様の扱いにすべきで、そう与党の意見をまとめるべく努力します。将来的には、予防接種に健康保険の負担を求めていくこともあり得るでしょう」と話しています。<br />
　費用負担に関しては、別の視点もあります。著書『さらば厚労省』で予防接種法改正について詳しく書いた医師の村重直子・東京大学医科学研究所特任研究員は「小児医療費が無料の自治体の住民は、『有料のワクチンを打つより病気になってから無料で治療してもらえばいい』と考えがちのようですが、病気になってからでは遅いのです。治療法がないことも多く、治療しても命を落としたり、脳に障害が残ったりします。そうと知っていれば、小児医療費の無料化に使われている財源を、まずワクチンへ回してほしいと思うのではないでしょうか」と語ります。<br />
　最後にもう一度、大澤教授の分析に戻りますと、中間報告には影も形もなかった「基本」「ビジョン」「中長期」という三角形が事務局案の左上に出現しています。中長期的な基本のビジョンが必要なのは、多くの人が合意するところなのですが、誰がビジョンづくりを担当するのか明示されていません。放っておくと引き続き厚労省が担当することになるはずです。財源の面倒はみないけれど権限は手放さないぞ、との意識が語るに落ちたということでしょうか。<br />
</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>梅村聡の目⑬　がん登録は国民のもの　医療を使いこなす手段</title>
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    <published>2012-04-10T01:25:34Z</published>
    <updated>2012-05-02T03:49:37Z</updated>

    <summary>新聞やテレビで毎回大きく報道される「がんの5年生存率」。実はたった６府県のデータ...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="コミュニケーション" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="診療情報" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="がん登録" label="がん登録" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <category term="梅村聡" label="梅村聡" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p>新聞やテレビで毎回大きく報道される「がんの5年生存率」。実はたった６府県のデータで出されているものだと知っていましたか？　参議院予算委員会で野田佳彦首相に質問しました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　私は大阪府選挙区選出の参議院議員で、私の前に務めておられたのが山本孝史さんという方です。<br />
　彼は末期の胸腺がんにかかっており、06年５月の参議院本会議でそれを自ら公表し、がん対策基本法の必要性を訴えました。その演説を見た時、私は政治家の力を感じ、初めて自分が国会へ行くということを意識しました。<br />
　がん医療水準の地域格差解消や国と自治体の総合的な取り組みを求めるがん対策基本法は、山本さんたちの努力によって成立し、翌年施行されました。その年12月、山本さんは亡くなりました。<br />
　国会議員にならないかと打診を受けた時、病魔と闘いながら演説する山本さんの壮絶な姿を思い起こし、「山本さんの後をやっていくのはなかなかしんどいことだ。無理ではないか」と何度も思いました。しかし同時に「だからこそ、やろう」とも思えました。<br />
　がん対策は、自分にとって因縁とも言えるものなのです。</p>

<p><u>お粗末な実態</u></p>

<p>　その、がん対策基本法の附帯決議には、がん医療の向上のためにがん登録が「不可欠な制度」として盛り込まれています。<br />
　「がん登録」の狭い意味での目的は、がんについてのデータを集めることです。がんの部位、発見時の進み具合、組織型、どんな治療を行って手術はしたのか、経過、完治したのか亡くなったのか再発したのか、副作用はどうだったかなど、がん医療に関わる様々なデータを病院内や自治体で蓄積します。年間のがん発症率なども推計でき、学術的にデータを整備できます。<br />
　自分たちのデータを集められるだけで、国が国民の情報を管理するのかと思うかもしれませんが、そうではないのです。データ収集は、国立がん研究センターなどの機関が担当するとしても、データの利用に関しては国も一つの存在に過ぎず、医療者、一般国民、メディアなど誰もが平等に利用できるものだと考えています。<br />
　このようにデータがあって公表されていれば、自分と同じがんの人がどういう治療をしてどういう結果になったのか、情報収集して必要な治療を選択し、がんと向き合っていくことができるのです。皆さんにはそれを知る権利があるのです。<br />
　今は、知って当たり前のことを知れない状況とも言えます。がんは進行するので時間的余裕もありません。本来は患者が納得して治療手段を選べるようにすべきですが、現在はあまりに患者側と医療側の情報が非対称です。自分自身でよりよく医療を使えるよう、その恩恵を享受できるようにするのが、がん登録の本来の目的なのです。<br />
　このコーナーで何度もお伝えしていますが、医療には皆さんが払う保険料や税金が使われています。そこから得られるデータは国民のものであって、医療者や学会、厚労省だけのものではないのです。<br />
　だから先進国の多くが、法的な根拠をもって、国単位でがん登録を行っています。<br />
　ところが日本では、地域がん登録すら、東京都と宮崎県は未実施です。おまけに自治体によってフォーマットがバラバラで、全国的な分析にもつながりません。<br />
　日本で進まない理由として、個人情報保護法の壁があります。ただ、公益性が高い内容であれば立法措置等を通じて個人情報保護法の対象から除外して扱うことは可能です。<br />
　私はこの問題を２月６日の参議院予算委員会で質問することに決めました。その模様は、NHKで全国中継もされることになりました。</p>

<p><u>政治決断が必要</u></p>

<p>　しかし、がん登録という言葉は、一般国民にとってなじみが薄いものでしょう。しかもNHKの国会中継は、皆さん仕事をしながらとか運転しながら聴いているもので、それだけ聴いている人はほとんどいないと思われます。<br />
　だから私は、何かをしながら聴いていても一発で理解できるような、がん登録についての分かりやすい論点はないだろうかと探しました。行き着いたのが、がん登録体制の未整備によって引き起こされている５年生存率データの問題点でした。<br />
　診断から５年後に生存している患者の割合を示した「5年生存率」は、国立がん研究センターが毎年公表しています。私たちも参考にしますし、OECD諸国間での比較などにもよく使われます。しかしこの統計、実は宮城、山形、新潟、福井、大阪、長崎のたった6府県のみ、日本の人口にすると約13％にしかならない母数でできたデータでした。それが、毎年大々的に報道されていたのです。がんの罹患率のデータも、たった15府県から導かれた数字でした。<br />
　私は国会で、「正確に患者数を把握し、どんな治療が行われ、その効果はどうだったのかなどを把握することが、がん対策には必要です。しかし全国的なデータを集計、分析する体制になっていないのです」と主張し、首相の答えを求めました。<br />
　首相は、５年生存率のデータについて「6府県のみの登録情報に基づくものであるとは承知していませんでした」と認めた上で、「まず医療機関がデータを集めることに徹すること、また生存期間を正確に把握するための調査体制をどう作るかということだと思います。こうした体制整備とともに、正確なデータに基づいた議論ができる環境を作っていくべき」と答えました。<br />
　小宮山洋子厚生労働相は、法整備も視野に入れて、がん登録体制を整備するよう検討したいという旨の答えでした。<br />
　がん登録は個人情報保護法の壁もあるため、厚労省だけでどうにかできる問題ではなく、政治決断が必要です。<br />
　今までこのコーナーでお伝えしてきた問題すべてそうなのですが、行政ではどうしようもない問題を「実施する」と決めて発射台に乗せるのが政治家の仕事です。後の運用は行政に任せればいいのです。<br />
　今回のがん登録の問題も同じで、首相と厚労相の２人から前向きな答えを引き出したのは大きな一歩だったと考えています。今後、がん登録の体制整備は動いていくでしょう。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>がん⑫　大事な決断　支える情報</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2012:/archives//3.1644</id>

    <published>2012-03-20T00:12:52Z</published>
    <updated>2012-03-12T01:14:35Z</updated>

    <summary>１年間にわたり、がん特集をお届けしてきました。節目の今回は、がんと付き合うための...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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    <category term="尊厳死" label="尊厳死" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="情報" label="情報" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/78-1-1.JPG"><img alt="78-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/78-1-1-thumb-200x170-7534.jpg" width="200" height="170" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>１年間にわたり、がん特集をお届けしてきました。節目の今回は、がんと付き合うための情報をどう集めるか考えてみたいと思います。</p>

<p>監修／瀧澤憲　がん研有明病院副院長<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」と、孫子は情報の大切さを説きました。がんと付き合う場合にも当てはまります。十分な情報を得ることで、医師からの一方的な提案にただ従うだけでなく、きちんと納得した上で自分なりの決意や覚悟が出てくるはずです。しかし、現実はそう簡単にいきません。<br />
　氾濫する情報の中から必要なものを選び取るには努力が必要で、患者・家族にできるとは限りませんし、できたとしても受け止めきれるとは限らないからです。</p>

<p><u>告知のショック</u></p>

<p>　患者・家族の気力や判断能力を最初に奪うのが、告知のショックです。<br />
　告知は本人に行われます。早期発見・治療では根治も珍しくありませんが、進行して見つかった場合には「命に関わる病」。簡単に受け止められるものではありません。ただ、多くの人が時間の経過と共に受け容れていくことも分かって来ました。<br />
　人が、自分の最期をどう受け入れていくのかについて、エリザベス・キューブラー＝ロスという精神科医が発表した考え方があります。<br />
<strong>①否認</strong><br />
「自分の最期が近づきつつあるなど嘘ではないか」と疑う段階。<br />
<strong>②怒り</strong><br />
「なぜ自分が」という怒りを周囲に向ける段階。<br />
<strong>③取引</strong><br />
何とか避けられないか、何かにすがりたい心境の段階。<br />
<strong>④抑うつ</strong><br />
何もできなくなる段階。<br />
<strong>⑤受容</strong><br />
最終的に、自分の最期が近いことを受け容れる段階。</p>

<p><u>まずは急がず</u></p>

<p>　もちろん、すべての患者がこうした段階を経るわけではありませんが、多くはそういうものと分かっていれば、自分を少し客観視できるようになるのではないでしょうか。<br />
　時間がかかっても現実を受け容れた時には、「これから自分がいかに生き、いかに最期を迎えるか」という問題とも向き合うことができるようになります。悔いなき決断に適した状態になるわけです。<br />
　進行がんというのは、重い事実です。だからこそ、一人で抱え込むことはないのです。急ぐこともありません。家族や主治医、看護師たちに話を聞いてもらったり、分からないことは質問して、心のもやもやをどんどん解消してください。精神科の医師や臨床心理士などの専門家を紹介してもらうこともできます。ゆっくり、ゆったり、自分の体や心と向き合ってみてください。</p>

<blockquote><em>家族にできるケア</em>
　気負って「何かしてあげる」必要はありません。以下のように心がけてみてください。
●患者の気持ちを理解・共有する。まずは黙って患者の話に耳を傾けてください。自分の意見は後回しに。
●率直に語り合う。患者の意思を尊重するためにも、本人が避けない限り、病気や死の話もタブー視しないで。
●励まし過ぎない。患者は十分頑張っています。本人がつらそうなら、励ますより｢そうだね、つらいよね｣と寄り添って。
●これまで通りに接する。病気のため特別扱いされると、かえって孤独を感じる患者も。患者ができること・できないことを把握した上で、家族はサポート役に。
●とにかく温かく見守る。患者の気持ちや行動が、家族には理解しにくいこともあります。例えば、がんでないように振舞ったり、子供返りをしたり、家族に対していらだった態度を見せたり......。それらは皆、ストレスへの対処法なのです。</blockquote>
=====
<u>医療従事者の行動原則を知る。</u>

<p>　患者が、最初に情報を得るのは医師など医療従事者からでしょう。医療者は、患者にとって必要であると考える情報を、分かるように伝えようとします。決して何から何まで全部ではありません。言葉を換えると、彼らの持っている情報の中から取捨選択して伝えています。<br />
　よって、医療者がどんな原則に従って患者と接しているか知っていると、どのように取捨選択された情報なのか理解しやすくなります。<br />
　なお、患者や家族の事情を考慮しようとする医療者がほとんどですが、神様ではないので、患者・家族の側が伝えない限り分からないことも多くあります。そういった個人的事情に起因することは、早めに伝えるようにしてください。出てくる情報が変わる可能性もあります。<br />
　まずは医療者の行動を律する四つの原則です。<br />
<strong>１．無危害原則</strong><br />
治療行為に当たっては、患者にできるだけ痛みや苦痛を与えないよう、また合併症や副作用を可能な限り避けるよう配慮する。<br />
<strong>２．善行原則</strong><br />
最も医学的に適切で患者に利益が多いと思われる治療行為を行うように努める。<br />
<strong>３．正義原則</strong><br />
医療資源の公正な分配を旨とする。<br />
<strong>４．自律尊重原則</strong><br />
患者が自分で考えて判断する自律性を尊重しなければならない。必要ならば患者の自己決定を助ける。<br />
　以上の原則を踏まえたうえで、実際の行動についても、例えば<br />
●病気の程度、進行、予後等についてどんな情報をどこまで患者に提供するのか<br />
●末期患者に対する臨床試験の是非<br />
●積極的治療から終末期医療（ターミナルケア）への切り替え<br />
●その他、治療拒否など終末期医療の諸問題<br />
など、世界中の医療提供者が悩み、議論しているのです。</p>

<p><u>自律優先に</u></p>

<p>　近年、善行原則よりも自律尊重原則を重視するよう医療現場の考え方が変わってきました。要するに、本人の意思がより尊重されるようになってきたわけです。今では当たり前の「インフォームド・コンセント」（正しい情報を得た上で治療等に合意すること）も、自律尊重原則に基づいています。<br />
　インフォームド・コンセントは、①同意能力ある患者に対し、②これから行おうとしている医療について医師が適切な説明を行い、③患者がその説明を理解した上で、④自発的意思によりその医療に同意する、の各項目を満たして初めて成立します。<br />
　そして患者の自律を重視する以上、②の「適切な説明」として必須の情報は<br />
●患者の病名・病態<br />
●実施する医療の内容・性格・目的・必要性と有効性<br />
●その医療に伴う危険性とその発生率<br />
●代替可能な医療とそれに伴う危険性とその発生率<br />
●何も医療を施さなかった場合に考えられる結果<br />
などが挙げられます。<br />
　これらに関して、漏れなく説明してくれている場合、患者にとってあまり耳触りのよくない情報であっても、医療者は職業倫理に従って誠実に対応していると考えてよいことになります。きちんとメモを取って、悔いなき判断に生かしましょう。<br />
=====<br />
<u>医療従事者の引き出しを開ける。</u></p>

<p>　あらかじめ取捨選択された医療者からの情報だけでは足りないと感じることも多いことでしょう。どのような情報が足りないのか、主治医などに上手に伝え、引き出しにしまってある情報を出してもらえれば世界が広がります。ただ、どこにもない情報を求めても出てきませんし、あるはずの情報を出してほしいと要領よく伝えるためには、「勉強」が欠かせません。<br />
　「勉強」を大きく分けると、セカンド・オピニオン利用と自習と患者会参加になります。<br />
　この中で特に注意の必要なのが自習です。それまで受けた説明を理解したり、ちょっと進んだことを知るのに本やインターネットを読んだり市民講座などに行ったりするのは役に立ちます。しかし、それを鵜呑みにしてはいけません。特定の治療法を売り込んだ本やサイトに並ぶ聞こえのよい情報はあくまで一般論で、実際には一人ひとり状態がまったく違います。中にはウソも混じっています。<br />
　というわけで念頭に置いておいていただきたい10カ条をまとめました。参考にしてください。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/78-1.1.JPG"><img alt="78-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/78-1.1-thumb-570x251-7536.jpg" width="570" height="251" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
　なお、治療内容以外の情報であれば、専門の医療職に相談した方が早いかもしれません（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2012/01/post_189.php">2012年１月号参照</a>）。とっかかりが分からないという人は、がん拠点病院などに開設されている相談窓口をまず訪れてみてください。きっと適切な相手を紹介してもらえます。</p>

<p><u>患者会の活用</u></p>

<p>　同じ患者同士で、気軽に情報交換できる患者会は、情報だけでなく、気持ちを共有できるというメリットも大きいようです。ただし、がんの患者会は組織形態や活動の内容が実に様々です。活動別に大まかに分類すると、<br />
●病院で治療した同じガン種同士の会（院内患者会）<br />
●ガン種・病態（リンパ浮腫など）を共にする会<br />
●末期医療やホスピスに関わる会<br />
●がん治療の勉強や先進治療導入を推進する会<br />
●代替療法を推進する会<br />
●癒しを主目的とする会<br />
となります。<br />
　自分がどんな支援、情報を求めているかよく考えた上で選ぶようにしてください。性格が合わなければ、かえってストレスです。会の雰囲気に馴染めない、人間関係に疲れた、などの理由で足が遠のく方もいらっしゃいます。それはそれでいいのです。がんという病を抱えながら、さらに心的負担を被るようでは意味がありません。<br />
　それでも自分に合った患者会に出会えればラッキーですよね。有益な情報を交換することで、前向きに治療に取り組めます。悩みや苦しみ、時には喜びを仲間と分かち合うことで、がんと心で対峙できます。自分を取り戻せる場所の一つになることでしょう。家族も一緒に参加して、家族自身の心の支えとなっていることも多いのです。</p>

<blockquote><em>家族にもケアを</em>
　がん患者の家族には、患者本人と同程度かそれ以上の精神的負担がかかります。患者の身の回りの世話や経済的な問題など、現実的な負担も多かれ少なかれ出てきます。がんが「家族の病」とも言われる所以です。▽患者ががんと告げられた時から、家族に様々な感情（動揺、怒り、自責感、不安、落ち込みなど）が生じます。そのような感情の変化は一般的にみられる通常の反応です。しかし家族は、患者本人に心配をかけることへの気づかいから、心のケアの専門家への相談をためらいがちです。まずは、自分自身のつらさを認めることが大切。不安が募ってイライラしたり、眠れない、あるいは一日中気分の落ち込んだ状態が、２週間以上続いて生活に支障をきたす場合には、心の専門家に相談することが必要です。</blockquote>
=====
<u>最期の迎え方を考える。</u>

<p>　ある調査では、末期がんで余命１～２カ月になった場合に、ホスピス・緩和ケア病棟での療養を望む人が５割を超えました。しかし同時に、６割超が「自宅で過ごしたいが実現は難しい」と答えています。<br />
　在宅療養をあきらめてしまうのは、家族への負担や在宅医療の不備のため。それでも近年では、病院の主治医、家庭医、訪問看護介護センターという３本柱を活用することで、不可能ではなくなってきました。<br />
　ただし早めに準備に動き始めないと、介護保険の認定が間に合わないなど、サポート体制を十分に組めません。<br />
　進行がんという現実を受け容れた時、患者の胸中には「いかに最期を迎えるか」の模索も始まっていたはずです。最期の迎え方を、医療者が強制することはできません。気持ちが固まったなら、早めに医療スタッフや家族に伝えましょう。</p>

<p><u>尊厳死という選択</u></p>

<p>　「いかに最期を迎えるか」は、実は万人に共通する問題です。がんの場合それほど多くありませんが、近年は患者の希望や意思に関わりなく、医療機器によって生命の時間を引き延ばすようなことが起きています。<br />
　このように人工呼吸器など延命装置によって「生かされている」状態が続くことを、必ずしも望まない人たちもいます。1970年代後半頃から、病気やケガにより「不治かつ末期」の状態なった時に、自分の意思で延命措置をやめてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎える尊厳死を求める動きが、徐々に盛んになってきました。<br />
　大事なことなので繰り返します。最期の迎え方を、医療者が強制することはできません。悔いなき決断のため、場合によっては健康なうちから、定期的に家族と話し合ってみてください。それがイザという時の情報の集め方、接し方にも生きてくるはずです。</p>

<blockquote><em>尊厳死を希望する場合</em><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/78-1.2.JPG"><img alt="78-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/03/78-1.2-thumb-340x503-7538.jpg" width="340" height="503" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　尊厳死を実現するには、心身とも健全な時に、あらかじめ自分の意思を文書で明示しておくことが必要です＝右図。▽ただ法律上、日本ではまだ尊厳死は認められていません。▽ですからリビング・ウィルの書面も、必ずしも100％の法的効力を持つとはいえません。が、公正証書等の形で作成し、提示した際の医師の尊厳死許容率はかなり高くなると言われています（医療行為を中断することは難しいので、あらかじめ提出します）。▽なお、混同しやすいのが安楽死。安楽死は、助かる見込みがなく耐え難い苦痛の患者を、医師が積極的な医療行為で早く死に導くことです。患者を思ってした行為でも、日本では医師は殺人罪に問われます。</blockquote>]]>
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    <title>梅村聡の目⑫　診療報酬のプラス改定は日本の産業育成のため</title>
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    <published>2012-03-10T01:15:05Z</published>
    <updated>2012-03-12T01:24:56Z</updated>

    <summary>政府は昨年末、2012年度の診療報酬を全体で０・００４%のプラス改定にすることを...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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        <category term="保険適用・診療報酬" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p>政府は昨年末、2012年度の診療報酬を全体で０・００４%のプラス改定にすることを決めました。これは医療のためというより、むしろ日本の産業の活性化のためであり、国益につながることなのです。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　診療報酬は、医療機関の医療行為や技術に対して公定価格で支払われるお金です。２年に１回、その公定価格を改定しています。まず財務大臣と厚生労働大臣の折衝で総枠を前回に比べて何％プラスにするか決めた後、中央社会保険医療協議会で個別の点数について議論され、４月に改定されます。<br />
　財務省は12月初旬に総枠をマイナス2.3％にすると言ってきました。<br />
　11月に行われた提言型政策仕分けが理由でした。開業医と勤務医の「年収」が比較され、開業医は勤務医の1.6～1.9倍と示されました。だから診療報酬の総枠を引き下げて、配分さえ変えればよいという話が出てきたのです。<br />
　しかしこれは全く本質的ではない話です。例えば医療費全体で見れば医師の給与の占める割合は約12％で、看護職の給与の方が多く約25％を占めます。医療費の中には他にも材料費や施設整備費など色々含まれているのですから、医師の給与だけ比べて議論しても意味がありません。また勤務医の年収は給与の額ですが、開業医の年収は収支差額であり、そこから固定資産税や事業税の支払い、設備投資、借入金返済等を行うわけですから、そもそも比較できるものではありません。おまけにデータも、２年前の事業仕分けの時と比べると、例えば整形外科開業医の収支差額が4200万円から2100万円へ下がっていて、他の診療科でも似たようなことになっていました。サンプル数が少なすぎて信頼性に乏しいデータだったのです。<br />
　こんな仕分けを財務省が根拠にしていたので、私が事務局長を務める『適切な医療費を考える議員連盟』で逆仕分けをやりました。財務省や行政刷新会議、厚労省を呼び、記者もいる場でおかしな点を指摘しましたが、財務省は何も答えられませんでした。<br />
　そもそも民主党は、政権交代時の総選挙のマニフェストで「コンクリートから人へ」と掲げていました。土建国家から脱却し、人を育て、安心に対してコストを払う構造へ転換する必要があるという主張で、診療報酬はむしろ上げなければいけないはずです。<br />
　信頼性に乏しいデータに基づくマイナス改定など、絶対に許せません。議連や私が副座長を務める厚生労働部門会議で、プラス改定を求める決議を行い、それぞれ民主党幹事長室と前原誠司政調会長に提出しました。<br />
　ただし、今回の改定率の最終決定は実質的に首相官邸が仕切る形になっていて、官邸がどう判断するか次第でした。</p>

<p><u>医療介護は成長分野</u></p>

<p>　多くの関係者がそのことに気づいていたのでしょう、様々な方から「官邸関係者の連絡先を教えてほしい」と言われました。しかし私は、陳情合戦で改定が決まることは避けるべきと考え、「私から伝えます」とだけ答えていました。<br />
　12月20日夜10時、官邸のA氏に電話して30分ぐらいお話ししました。A氏は、「政策仕分けもあった。デフレ時代に医者の給料をなぜ上げるのかという世論もある。財政も厳しい」と言われました。<br />
　対して私は、産業育成の観点を伝えました。<br />
　2008年から2010年までの間、日本全体の雇用者数はほぼ横ばいでした。ところが医療・福祉分野だけは前年比で08年が18万人増、09年が23万人増、10年が32万人増と3年間で70万人以上も雇用が増えていたのです。製造業や建設業などは全然増えていません。<br />
　つまり、診療報酬や介護報酬を増やせば、雇用の受け皿にもなるわけです。一番伸びている分野に集中的にお金を入れて産業育成につなげるのは当たり前の考え方です。現状の財政が厳しくても、産業育成の種は播かねばなりません。雇用を生めば失業者が減り、生活保護受給者も納税者に変わります。<br />
「今までの日本は、財務省の言う通りにしてきましたが、その結果1000兆の借金ができました。言いなりに医療費や社会保障費を削ったら借金が増えたんです。社会保障費を支出としてしか見ていないからです」と言いました。<br />
　翌日、改定率プラス0.004%という答えが出ました。決まった１時間後、A氏に「だいぶ無理を言ってすみませんでした」とお伝えしたら、「ギリギリでまとめました」という返事が返ってきました。</p>

<p><u>連携に配分を</u></p>

<p>　このプラス改定を、マスコミは「民主党が日本医師会に屈した」と報道したので、大変がっかりしました。一昔前の診療報酬改定では「プラス改定」という主張の背後に、業界の利益追求という側面もあったと思います。しかし今回は、国全体の長期的視点で判断した結果であり、今まで通りの捉え方しかできないマスコミの報道姿勢はどうかと思います。今回のプラス改定実現に一番ビックリしているのは、実は日本医師会の方々でないかと思います。<br />
　当然のことながら、保険料が上がるという不安が国民の皆さんにあるかもしれないので、計算してみました。１人あたりの平均保険料で年間十数円の増額です。正直これについては、許していただきたいと思います。これだけの負担で、地域の救急医療など多くの医療機関が守られ、地域の雇用も活性化するのです。最終的には国民の皆さんの利益に必ずかなうと思っています。<br />
　今後の課題は、上がった診療報酬をいかに内部で配分するかという点です。<br />
　これから訪れる超高齢社会では、医療需要に対して供給が圧倒的に足りないことが予想されます。少しでも供給を増やすためには、医療機関の連携が大切になるので、それを促進できる報酬体系にすることが大切だと思っています。業界団体個別の意向ではなく、全体最適を最優先に考えていくべきと思います。<br />
　また医療現場が労働基準法に違反した状態というのは、安全面から見ても国民の利益に反するので、そこへの配慮も必要でしょう。<br />
　大事なのは、国民にどういうメリットがあるかです。その意味で本当に重要な決断をしなければいけない時のためにも、政治家は国民、患者さん、そして色々な医療関係者の方々と日頃から十分な意思疎通を図っておく必要があると考えています。<br />
</p>]]>
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    <title>研修医が見た米国医療20</title>
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    <published>2012-02-25T06:22:07Z</published>
    <updated>2012-05-02T04:50:11Z</updated>

    <summary>厳しい病院評価　質の向上に寄与？反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東京大学...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>厳しい病院評価　質の向上に寄与？</u><blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote></p>]]>
        <![CDATA[<p>「ジェイコが来た！！」<br />
　昨年11月のある朝、私が働く病院の全職員にこんなメールが一斉に流れ、病院内に緊張が走りました。皆さん、「ジェイコ」をご存じでしょうか？　それは病院を含めた医療機関を第三者的立場から評価し、合格した施設に認定証を発行しているNPOのことで、正式名称をThe Joint Commissionと言います。その目的は医療の質と安全の向上で、認定は3年に1度の更新制です。<br />
　多くの州でジェイコによる認定が国からの保険給付の要件になっていて、ジェイコの認定を受けないと国から保険が支払われません。日本でいえば、保険指定取り消し処分に相当します。皆保険制度を採らない米国でも、国の保険が効かないと診療を継続するのは困難です。従って、実質的にジェイコの認定は病院にとって必須なのです。<br />
　これにあたる日本の制度に、日本医療機能評価機構の病院機能評価がありますが、病院の参加は任意です。また不参加による罰則や認定による診療報酬加算などはありません。ジェイコは保険支払い認可の決定力を持つ点で、その影響力は段違いです。<br />
　評価の内容は多岐にわたります。病院のミッション、職員のコミュニケーション、感染対策から、職場の清潔度や机の配置まで、医療の質に関係あるのか？　と思うようなことまで細かくチェックされます。とても一研修医には把握しきれません。<br />
　日本の場合「この日に行きますよ」と事前通知があるようですが、ジェイコはいつ来るか分かりません。いきなり評価当日の朝に病院に連絡が来るようです。<br />
　従って、昨年が更新年だった私の病院では、早い時期から入念に準備を整える必要がありました。半年ほど前から研修医一人ひとりにジェイコ対策ハンドブックが配られ、審査官に何か質問されたらそれを参照するように教えられました。来訪期限が迫ると、毎週のように病院の管理者から「私たちならできると信じている！」といった趣旨の、研修医を鼓舞するメールが送られてきました。<br />
　そしていよいよ来訪期限直前の朝、彼らはやってきました。大名行列のような集団を想像していましたが、驚いたことに１人です。１人ずつ色々な部署に分かれていたようです。すると、なんと指導医から指名され、私が審査官に症例を提示することになりました。少し緊張しましたが、なんとか滞りなく終え、質問にも模範解答で答え、指導医も満足げでした。その後審査は１週間続き、緊張の時が過ぎていきました......。<br />
　結果的に病院は再認定され、評価も上々だったようです。かなりの心労と準備を要したジェイコ審査、現場から見ると「本当にあれだけの苦労をする価値があるのだろうか？」と思わされます。多くの病院がかけるコストに見合う結果が患者さんに還元されているのかどうか、実際のところよく分かりません。この認定作業が医療の質と安全の向上に本当に寄与していることを、心から祈るばかりです。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>がん⑪　代替療法の正しい使い方</title>
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    <published>2012-02-19T18:03:15Z</published>
    <updated>2012-02-19T04:49:58Z</updated>

    <summary>　代替療法は、最後の切り札か、あるいは単なる気休めか－－。代替療法が求められる理...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/77-1-1.JPG"><img alt="77-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/02/77-1-1-thumb-240x164-7520.jpg" width="240" height="164" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　代替療法は、最後の切り札か、あるいは単なる気休めか－－。代替療法が求められる理由と、その問題点を考えていきましょう。</p>

<p>監修／星野惠津夫　がん研有明病院消化器内科部長</p>]]>
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/77-1.1.JPG"><img alt="77-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/02/77-1.1-thumb-400x261-7522.jpg" width="400" height="261" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　代替療法とは「現時点では西洋医学的に有用性が証明されていないため、標準的治療として認められていない治療法」です。いきなり難しい定義を申し上げましたが、簡単に言えば、今のところ"エビデンス"（有用である証拠）がない治療法のこと。正式には「補完代替医療」と呼ばれますが、ここでは代替療法と呼ぶことにします。<br />
　代替療法の存在理由は、現在の西洋医学がすべての患者さんに満足される治療を提供できていない現実にあります。<br />
　実際、わが国のがん患者の２人に１人が代替療法を利用しています。ただ、その内訳としては健康食品やサプリメントが圧倒的に多く、それによって延命や奇跡の生還を期待する人が大多数です。<br />
　一方、欧米では国が専門機関を設立して様々な代替療法に関する情報収集や研究を行い、その結果、一部は私的な医療保険でカバーされています。また、欧米のがん患者では祈りや宗教的な癒しなどを治療に用いる人が多く、健康食品やサプリメントに大金を使う人は少数と報告されています。まさに日本とは対照的です。<br />
　特に米国では、実態調査に基づき、政府が出資して国立衛生研究所（NIH）の中に研究部門を創設し、代替療法の研究と普及を行ってきました。代替療法による全人的なサポートは、患者のためにも医療費抑制のためにも効果的と判断されたからです。<br />
　わが国では、漢方薬や鍼灸などの一部には健康保険が適用され、これらは代替療法ではなく正規の医療と位置づけられています。しかし、それ以外の様々な代替療法に関して、国はこれまで野放しにしてきました。そのため医師に匙を投げられた患者さんは、がんのバイブル本やインターネットで救われる方法を探し回った挙句、えてして有害無益な健康食品やサプリメントに大金をつぎ込むことになるのです。横行する詐欺やボッタクリに引っかかるケースも珍しくありません。政府が正面から取り組んでこなかったために、被害に遭う人が後を絶たないのです。</p>

<p><u>有効性と安全性はピンからキリまで</u></p>

<p>　これまでのところ、ほとんどの代替療法には医学的に有効という証拠はありません。漢方薬は医療現場でその効果が認められていますが、サプリメントの多くは、名前はよく知られてはいても、科学的検討で有効性が否定されたものが多いのです。<br />
　のみならず大抵は、正しい情報と十分な理解がないままに、販売業者の言うことを妄信して代替療法を用いています。しかも、多くの場合、主治医に内緒で代替療法を受けているのが現状です。<br />
　代替療法を用いるか否かは、患者さん自身が決めることですが、実際にはネット上に溢れる大量の情報に洗脳され、あるいは友人などからの無責任な勧めにも左右されます。<br />
　そこで、ご家族も含めて、様々な代替療法に関する情報を広く集め、その上で、自ら最善と考えられるものを選択するという心構えが重要です。<br />
　米国では1997年に「医療へのアクセス法」が成立しました。主治医は、自分では治療できない患者に対し、本人が希望した場合、代替療法を含むしかるべき医師や治療師に紹介する義務を負う、という法律です。日本でもこのような法律が制定されれば、患者さんを見捨てることなく、最後まで患者さんに寄り添った治療が行われ、「がん難民」は確実に減っていくはずです。<br />
=====<br />
<u>漢方医学で身体の様々な機能異常に対応。</u></p>

<p>　手術、抗がん剤、放射線などによるがん治療の副作用や後遺症に苦しむ患者さんが、「証」に合った漢方薬を飲むことで副作用が軽減し、後遺症が緩和されるケースも明らかになってきました。<br />
　西洋医学では、病名や症状に基づいて治療薬を決定します。しかし、病名が同じでも本来一人ひとり病態は異なりますし、同じ人でも体の状態は常に変化しています。そのため漢方医学では病名だけでなく、患者さんの体のバランスの崩れを総合的に評価して、タイプ分けして類型分類します。それが「証」です。<br />
　医師は患者さんを体の外から五感で診察し、投与した漢方薬に対する患者さんの反応に基づいて逐次修正を繰り返し、最適な治療薬を決定していきます。こうして証を決定する作業こそが漢方的診断なのです。そしてまた、証は投与すべき漢方薬の名前でもあります。<br />
　ただ、誤解されやすいのですが、漢方医学は本来、「オーダーメイド」医療ではありません。患者さんごとに生薬を組み合わせて一から新しい漢方薬を作るわけではないからです。言うなれば、「セミレディメイド」医療でしょうか。例えば紳士服量販店では、上着もスラックスもあらかじめ様々なサイズと素材のものが用意されています。非常に多くの組み合わせが可能で、結果として体にピッタリあった服を選択することができます。漢方医学も、すでに生薬の組み合わせが厳格に規定された様々な漢方薬の中から、患者ごとにぴったりあったものを選択するのです。<br />
　ちなみに、最先端の西洋医学ではゲノム解析による「オーダーメイド」医療をめざしています。最近決定された人間の全遺伝子（ゲノム）配列の情報をもとに、患者さん毎にゲノム解析を行って、将来どんな病気にかかりやすいか、どんな薬が有効か、どんな薬が副作用を起こすか、などが予測できると期待されています。<br />
　しかし、たとえ遺伝子配列が同じであっても、生活環境が違えば、人間の実際の状態（表現型と言います）を規定するタンパク質の現れ方は異なります。また逆に、遺伝子配列が異なっていても、表現型が同じ場合もあります。つまり、遺伝子ですべてが決まるわけではないのです。<br />
　そこに強みを持っているのが漢方医学とその治療方法というわけです。漢方は遺伝情報だけでは規定されない、身体のさまざまな機能異常に対応できるのです。</p>

<p><u>保険適用の漢方薬でがん治療をサポート</u></p>

<p>　現在わが国では、漢方薬の多くは健康保険でカバーされ、保険診療の中で広く利用されています。医師に漢方薬を処方してもらえば、高価なサプリメントや健康食品を使わなくても、体力を維持し、免疫力を高めて、治療の効果を増強することができます。<br />
　例えば、大建中湯は、大腸の動きを促進し、大腸がんの手術後の腸閉塞を予防する効果が知られています。実際、大腸がんの手術を受けた患者さんを、大建中湯を使用した群と使用しなかった群に分けて比較すると、開腹手術後と腹腔鏡手術後のいずれでも、大建中湯投与群では入院期間が短くなりました。<br />
　しかし胃がん手術後の患者さんの場合は、大建中湯を服用すると吐き気が起きて食欲が低下し、ひどくやせてしまうことがあります。<br />
　抗がん剤治療を受けている患者さんが漢方薬を服用すると、食欲低下、全身倦怠感、体力低下などの症状が改善することもよくあります。<br />
　また、免疫力を高めるとされる「補剤」と呼ばれる漢方薬の投与により、がんの進行が緩やかになり、がんと共存する患者さんも多いのです。 <br />
　がん治療に漢方が有用であることは、近年の学会や論文でたびたび発表され、漢方は西洋医学の中で、少しずつ認知されるようになりました。<br />
　ただ、漢方の併用を好まない医師もいますから、まず担当医と十分話し合う必要があります。2001年から医学部教育の指針であるコアカリキュラムの中に「和漢薬を概説できること」という項目が盛り込まれ、現在ではほとんどの医科大学で漢方について教育されるようになりました。将来は漢方にアレルギーを持つ医師は少なくなることでしょう。<br />
　なお、漢方薬でがんが治ることもないわけではありませんが、かなりまれな出来事です。一般的にはまず西洋医学的な治療が基本となります。そこに漢方をうまく組み合わせると、治療効果が高まり治ることもあると考えて下さい。<br />
　いずれにしても漢方薬の効果は、医師の診断能力、患者の個人差、がんの悪性度など、様々な条件に左右されるため、一定ではありません。漢方薬に有効性を発揮させるためには、飲食物に注意し、生活習慣を改善、またストレスを回避し、神仏や先祖に感謝して信仰心を持つなど、多くの努力が必要となります。<br />
=====<br />
<u>温熱でがんをコントロールする。</u></p>

<p>　もう一つご紹介するのが、がんの温熱療法「ハイパーサーミア」です。がん細胞が正常細胞と比べて熱に弱いという性質を利用したがんの治療法です。以前から、顔面の肉腫が丹毒という皮膚の細菌感染症による発熱で消失したり、あるいは自然治癒したがん患者さんの約３分の１で発熱が見られたとの報告があり、がんが治ることと発熱の間には何らかの関連がありそうだと言われていました。<br />
　実際、がん細胞は42・５℃以上になると消滅し始めます。ですから、がん組織を43℃程度に加温すれば、がんの治療が可能となるわけです。この温度では正常細胞は障害されません。これがハイパーサーミアの原理です。通常の治療法では治すことが難しい局所進行がんや再発がんの治療に応用されています。<br />
　しかし、体の中の大きながん組織全体を43℃に温めることは、実は大変難しいのです。加温を目的に、患者を熱い風呂に入れたり、あるいは赤外線装置を使う施設もありますが、そのような方法では皮膚表面から数cm以上離れた身体深部の温度は上がりません。血流などにより熱が体の全体に広がるためです。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/77-1.2.JPG"><img alt="77-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/02/77-1.2-thumb-400x368-7526.jpg" width="400" height="368" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　現在のハイパーサーミアの主流は、電子レンジの原理で、２枚の電極で身体を挟み、電磁波（800万ヘルツ程度のラジオ波）を当てる「サーモトロン」という装置を使うものです。針などを刺さずに深部まで加温することができ、1996年から健康保険が適用されています。<br />
　さて一方、41℃程度では、がんに対する直接的影響はありません。ですから以前は、サーモトロン等で温度を上昇させたがん組織の周囲や、病巣の加温が不十分な場合には、治療効果が得られないとされていました。<br />
　ところが最近、体温より少し高い41℃程度の加温でも、実は治療に役立つことが分かってきたのです。</p>

<p><u>各種がん治療の効果増強も</u></p>

<p>　体温より少し高い41度程度にがん病巣を加温すると、放射線や抗がん剤の効果を増強することができます。これは、温度が低いことから「マイルド・ハイパーサーミア」と呼ばれます。 <br />
　放射線治療との併用は、脳腫瘍、食道がん、乳がん、大腸がん、膀胱がん、軟部腫瘍等で試みられています。通常は放射線が効きにくいがんでも腫瘍抑制効果が得られ、また放射線の副作用を減らしたり、放射線治療後に残ったがん細胞を排除してその効果を高めること等も期待できます。<br />
　抗がん剤との併用では、加温により抗がん剤の腫瘍組織への移行が１・５～２倍に増加するとされています。腫瘍周囲の血管を拡張させて、抗がん剤の取り込みを強めるためです。抗がん剤を効かなくさせる物質の分泌を抑えることも明らかにされました。<br />
　その他、腫瘍に栄養を送る新生血管ができるのを抑制する効果も報告されています。</p>

<p><u>気持ちがいい温熱療法</u></p>

<p>　体を温めることは、昔から健康法の一つでした。そもそも風邪の時の発熱も、体温を上げることで生体防御反応の働きが加速されることから体が獲得した、目的にかなったシステムです。もちろん、体内の特定の部位を加温するハイパーサーミアは、風邪による発熱や温泉療法などとは異なる治療法ですが、体を温めて血流をよくすることで、免疫力が高まることは間違いなさそうです。<br />
　しかしやはり、がんは難しい病気です。進行がんに温熱療法を取り入れても、さほど大きな効果は期待できません。標準治療を優先させるべきことは当然ですし、温熱療法はあくまでも放射線や抗がん剤による治療の脇役です。<br />
　それでも、がんの治療はほとんどの場合で苦痛を伴うのに比較して、温熱療法は逆に気持ちがいいと感じる患者さんが多いことは特筆すべきでしょう。がん患者さんの多くは体が冷えています。お金のかからない簡易温熱療法としては、40℃程度のぬるめの風呂に朝夕20分ずつ、ゆったりと入ることをお勧めします。血行が良くなり、症状の改善が期待できるからです。<br />
=====<br />
<u>代替療法、利用する際の留意点。</u></p>

<p>　先にも申し上げたとおり、わが国で、がんの治癒目的の代替療法として最も多く用いられているのは、健康食品やサプリメントです。ほとんどは臨床試験による評価を受けておらず、医学的根拠もありませんが、患者さんのワラにもすがる思いから年間数兆円の市場と言われます。<br />
　その他に、細胞免疫療法、超高濃度ビタミンＣ静注療法、様々なワクチン療法、ホメオパシー、宗教パワー療法等も代替療法として一般的ですが、それらの有用性もほとんど証明されていません。<br />
　細胞免疫療法にも色々ありますが、採血の仕方や培養法に問題のある施設もあり、１コース数百万円と高額な割に有効率が低いのも問題です。<br />
　超高濃度ビタミンＣ静注療法は、大量のビタミンＣを点滴投与する治療法です。1970年代に米国で開発され、実施が容易なので日本でも爆発的に広がりました。しかし、標準的な投与法を遵守しない施設が多く、費用も１回２～３万円で週に２～３回と決して安くなく、がんが治る証拠はありません。<br />
　その他の代替療法も効果がないか、証拠不十分か、時には危険ですらあります。<br />
　「そんなはずはない。確かに効いた」という人や体験記が存在する理由としては、<br />
●販売会社が雇ったライターによる体験談やデータの捏造<br />
●副作用や後遺症の自然軽快（積極的ながん治療の副作用や後遺症が治療をやめたため軽快し、免疫力が発現）<br />
●プラセボ効果（効くと信じ込んでいると、偽薬でも一時的に症状が改善することがある）<br />
などが考えられます。　<br />
　どうしても試したい場合は、下の表でチェック後、次のことをかならず守ってください。<br />
①代替療法を利用するのが適切か否かについて、前もって主治医に相談する。（主治医が代替療法に否定的な場合は信頼できる人に相談する）<br />
②代替療法の施設には、友人や家族に一緒に行ってもらう。<br />
③その場では決して契約せず、説明を聞いてひとまず帰宅し、数日間よく考える。（しつこく契約を迫る場合は要注意）<br />
④通信販売で健康食品やサプリメントを購入する場合は、実際のがん患者にどのような効果があったかを確認し、主治医または信頼できる人に相談した後に購入を決める。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/77-1.3.JPG"><img alt="77-1.3.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2012/02/77-1.3-thumb-570x331-7524.jpg" width="570" height="331" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span></p>]]>
    </content>
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    <title>梅村聡の目⑪　火中のクリ生活保護改革　座長としてまとめました</title>
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    <published>2012-02-09T20:43:01Z</published>
    <updated>2011-12-22T06:48:45Z</updated>

    <summary>生活保護受給者が約206万人と過去最多に上り給付総額が膨張する一方で、不正受給な...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <category term="福祉" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="それゆけ！メディカル" label="それゆけ！メディカル" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <category term="生活保護" label="生活保護" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p>生活保護受給者が約206万人と過去最多に上り給付総額が膨張する一方で、不正受給など問題も絶えません。私が座長を務めた与党の生活保護制度改革ワーキングチームは報告書をまとめ、受給者の医療費の一部自己負担導入など制度改正を提案しました。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>　最近の報道によると、生活保護受給者は206万人を超えました。戦後の混乱期で過去最多だった1951、1952年度の204万人を初めて上回り、生活保護に関する給付額も今年はおそらく３兆４千億円ぐらいになると予想されています。国の税収の１割弱にも相当する額です。また、最近は不正受給の問題も大きくクローズアップされています。本当に生活保護が必要な方ですら、不正受給だモラルハザードだ、と言われてしまうおそれがあります。<br />
　モラルハザードや不正受給は「国民の道徳の問題」という意見もあります。しかし私は、むしろそうさせてしまう国の制度が悪いのだと思っています。<br />
　そもそも生活保護制度は戦後の生活困窮者を救うために作られた制度で、生活保護法の中身は制定された1950年以来ほとんど変わっていません。現代にマッチしているはずがないのです。例えば現在生活保護をもらっている方の約45％は65歳以上ですが、当時そんなことを想定していたはずがありません。法律も含めて抜本的に見直す時期が来ていると思います。<br />
　ところが、この話を厚労省にしてみたら、「この法律は60年間ほとんど変えていないんです。だから変えるには、相当大きな理屈が必要です」と本末転倒な返事が来たので驚きました。これはこれで相当深刻な問題だと思いました。<br />
　抜本的見直しを進めていくため、党の厚生労働部門会議の中に「生活保護制度改革ワーキングチーム」を作り、私が座長を務めました。先日取りまとめた報告書の中で、大きく五つの対策を提案しています。</p>

<p><u>皆やりたくない</u></p>

<p>　生活保護の問題には、これまでは誰も真剣にならず、抜本的な対策が取られずにきました。国会議員の誰もがやりたがらないことなのです。制度の歪みに乗じて甘い汁を吸っている人も大勢いるため、改革すると票を失うことになりかねないからです。<br />
　こんな火中の栗を拾うような改革の座長を私が引き受けたのは、大阪府選出だから。大阪市は18人に１人が生活保護受給者で、改革への反発は大変に強いと予測されます。その私が取り組むことで、他の国会議員の背中を押し、国を動かすことにつながるのかなと思いました。予想通り、会合の中で「与党が次の選挙に負ける」などと相当反発を受けましたし、抗議の電話も受けました。<br />
　全般に、国会議員は充実策しか出さず、リストラ策を出しません。支出増は票になるけれど、支出減は票にならないからです。だから民主国家の財政は赤字になりやすいのです。良い悪いの問題ではなく、そういうものです。最近のニュースで世界の民主国家がみな赤字になっているのを見ても分かると思います。私は、自分が国会議員になる前から、これが問題の元凶だと思っていました。<br />
　だからこそ、逆ネジを巻く国会議員が国の抜本改革には必要なのです。目の前の票を得るための行動ばかりでは、日本の将来につながりません。今回の五つの提案を党のトップが採用してくれるならば、かなり踏み込んだ改革ができると思っています。</p>

<p><u>当たり前の制度に</u></p>

<p>　では五つの提案を簡単に説明します。<br />
　一つ目は、不正受給とモラルハザードを防ぐための入り口対策です。現在は生活保護申請者の資産や収入を、自治体の福祉事務所が支給開始前に調べ切れていません。例えば預金に関して、すべての金融機関の口座を名寄せして調べ上げるべきです。報告書では、厚生労働省は金融機関団体と交渉して、全国調査できるような体制を作るよう求めています。できない場合は、法律改正して金融機関の回答義務を作るとしました。<br />
　二つ目は自治体への調査権限の付与です。悪質事例が疑われる場合などでは、場合によっては警察と連携して調査できるような仕組みを求めています。<br />
　三つ目は、悪質な事例を自治体が積極的に刑事告発できるような仕組みです。今は生活保護に関する刑事告発の基準がないため、自治体はおかしいと思っても慎重にならざるを得ず、日本全国で毎年30～40件程度の告発しかありません。国が刑事告発の基準を決め、自治体には粛々と進めてもらうということです。<br />
　四つ目。現在は不正受給が発覚しても不正した本人の同意がないと返還させることができません。こんなおかしな話はありませんから、同意なしでも返還させられるよう求めています。<br />
　最後に、現在は窓口自己負担ゼロの医療費を、一部自己負担してもらうことも提案しています。ただ、かなり賛否両論があったため、両論併記にしています。完全に無料だと、やはりモラルに影響すると思います。100円でもいいから窓口で自分の財布から払って医療を受けるようにした方がいいと思います。「払えるわけがない」との意見もありましたが、それなら受給する生活扶助費に医療費分を足したり、かかった窓口負担分を後で返還したりするなどして実質は負担がないようにすればいいと思います。お金を取ることが目的ではなく、医療そのもののコスト意識をしっかり持ってもらうことが狙いなのです。<br />
　厳しくするだけでなく、充実策も盛り込みました。現在の生活保護は、一度受給し始めると抜けられないというのが問題です。例えば貧困の連鎖を防ぐため、受給者の子供への進学支援を積極的に入れるべきとしました。また自治体を管轄する総務省とハローワークを管轄する厚労省が連携して就労支援に取り組む予算も付けるべきとしています。<br />
　今回の提案内容は、最初の一歩です。総合的には、雇用問題の解決のほか、基礎年金額と生活保護支給額と最低賃金額の整合性をとることも必要です。これらは一朝一夕にできることではないため、１年かけて議論すべきと書きました。<br />
　生活保護制度は、「もらわないと損」、「もらうのは恥ずかしい」という両方の意識がありますが、どちらの意識もおかしいのです。当たり前の制度設計とすることによって、不正受給を防ぎ、モラルハザードを起こさないようにしておくことが大事です。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>研修医が見た米国医療19</title>
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    <published>2012-01-25T04:50:51Z</published>
    <updated>2012-05-02T05:05:11Z</updated>

    <summary>保険に大きな格差　医療の内容を制限 反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東京...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="コミュニケーション" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="保険適用・診療報酬" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="日米" label="日米" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>保険に大きな格差　医療の内容を制限</u><br />
<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote></p>]]>
        <![CDATA[<p>　以前、米国の無保険者の現実について書きましたが、保険に入っていても受けられる医療に制限があることをご存じでしょうか？<br />
　外来でこんな患者さんがいました。その方は55歳で会社勤め、会社負担で医療保険にも入っています。ところが、最近勤め先の会社が保険会社との契約を更新し、保険プランが変更されました。すると、今まで使っていた高脂血症の薬が保険でカバーされなくなってしまったのです。高脂血症薬にはいくつか種類がありますが、その患者さんは少し値段の張る薬を使っていました。保険会社の通達によると、その薬は自己負担になるので、他の安い薬に変えてもらうか、特別その薬が必要な理由を医師から書いてもらい保険会社まで書類を提出するように、とのことでした。<br />
　米国診療では一般的な、高価な薬を処方する際に必要なこの書類、事前承認手続き（Preauthorization）と呼ばれています。安い保険だと、より多くの薬でこの手続きが必要となります。さらに、より煩雑な手続きを踏まないと保険の支払いが下りない薬、どんな手続きを取ってもカバーされない薬もあります。保険プランごとにそれらは大きく変わるため、医師はもちろんのこと、事務職員も誰一人として、どの薬がどのプランでカバーされるか明確に分かる人はいません。何かあるたびに保険会社に問い合わせて、どういう手続きが必要か訊くしか方法はないのです。患者さんが処方箋を薬局に持っていって初めて、保険が利かないと判明することもしばしばです。<br />
　医療保険が会社から提供されている場合、会社がプランの内容や値段を保険会社と交渉して決定します。被雇用者には選択権や決定権はほとんどなく、自分の会社と保険会社の力関係や財務状況よって保険プランは毎年変更されることがあり、上記のような事例がしばしば起こります。同じ系統の薬でもそれぞれ違いはあるので、薬を変えることで結果的に高脂血症のコントロールが悪くなったり、思わぬ副作用が起きたりすることも、稀ではありますが起こります。<br />
　不必要に高い薬が投与されていた場合、同様な効果のある安い薬に変えることで医療費が抑制されるように見えるかもしれません。しかしながら、手続きや確認に伴う時間的、人的コストは医療機関にはかなりの負担ですし、それは結果的に診察費用として患者さんに返ってきます。<br />
　日本は薬の承認が遅いから、米国並みに速くすべきだという議論があります。確かに、同じ薬を比較した場合、承認されるのは米国の方が早いです。しかし、それは必ずしも一般国民がその薬を使えるということを意味していません。なぜなら、新薬は高いので、良い保険を持っていない限り、その薬は保険でカバーされないからです。日本では基本的に薬の承認は保険でカバーされることを意味しますから、新薬が広く一般国民の手に届く時期を比べたら、場合によっては日本の方が早いこともあるかもしれません。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>がん⑩　こんなに多様な医療スタッフ</title>
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    <published>2012-01-19T21:22:31Z</published>
    <updated>2011-12-22T07:55:39Z</updated>

    <summary>がん治療、頼れるのは自分と家族とお医者さん......そう思っていませんか？　医...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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    <category term="スタッフ" label="スタッフ" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/76-1-1.JPG"><img alt="76-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/76-1-1-thumb-200x163-7508.jpg" width="200" height="163" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>がん治療、頼れるのは自分と家族とお医者さん......そう思っていませんか？　医療機関には、サポートしてくれる人たちが、皆さんの考えているよりずっと多くいます。<br />
監修／山口俊晴　がん研有明病院副院長<br />
　　　　榮木実枝　がん研有明病院看護部長</p>]]>
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/76-1.2.JPG"><img alt="76-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/76-1.2-thumb-570x351-7510.jpg" width="570" height="351" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
　ひとくちにがん治療と言っても、病気自体が多様であるのに加えて、検査、診断されてから入院での本格的治療が始まるまで、入院中、退院後のフォローといったように、様々な段階があり、起きてくる問題や悩みも当然に千差万別です。その多様な悩みを誰に相談すればよいか、すぐに思いつくでしょうか。<br />
　図をご覧ください。がんが疑われてから経過観察に至るまでの大まかな流れと、その間にお世話になる代表的なメディカルスタッフです。<br />
　それぞれの職種がどういうことを専門としてがん医療を支えているのか、次項から、順を追って見ていきましょう。<br />
=====<br />
<u>検査から治療まで</u></p>

<p>　まず、すべてのタイミングで患者さんを支援するのが、看護師です。<br />
　法律で、傷病者に対する「療養上の世話、又は診療の補助」を行うと規定されています。<br />
　具体的には、検温・測脈・血圧測定・問診・記録、点滴・注射、与薬と説明、食事・排泄・移動の介助、各種検査の説明、退院後の生活の教育・指導などなど、とても多岐にわたります。患者さんの精神的ショックや治療への不安を受け止めるのも重要な任務です。<br />
　患者さん一人ひとりの状況を総合的に把握しているのが看護師の強みです。最も身近で頼りになる存在ですね。患者さんを支援する人ですから、伝えたいことや相談したいことがあったら遠慮せずに話して下さい。<br />
　次項以降に説明する治療のあらゆる段階で、常に大活躍します。<br />
　なお、日本看護協会は、がん医療の深い知識を持ち、患者さんの状態を見極める判断力や高いコミュニケーション力でチーム医療の調整役になる他、患者さん、医療者、家族間の橋渡しも行う存在として、がん医療専門看護師を認定しています。また、領域ごとに認定看護師という資格も設けています。これら専門・認定看護師の知識や技術は、多くの看護師に共有されています。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/76-1.1.JPG"><img alt="76-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/76-1.1-thumb-570x434-7512.jpg" width="570" height="434" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span></p>

<p><u>分野ごとにいるスペシャリスト</u></p>

<p>　治療に流れに沿って説明していきます。<br />
　がんが疑われて最初に関わるのが臨床検査技師と診療放射線技師。臨床検査技師は血液・尿検査など裏方として、医師の迅速かつ適切な診断をサポートします。診療放射線技師は、Ｘ線やCT、MRIなどの検査を担当します。他にも、医療機器のスペシャリストである臨床工学技士や、がん細胞を見極める病理検査技師などがいます。<br />
　検査結果から、診断と治療方針が固められ、いよいよ治療に入ります。<br />
　がんの根治的治療の代表例が手術です。大がかりな機器を用いる手術の場合は、臨床工学技士が医師をサポートします。<br />
　昨今は、放射線照射も根治的治療として大きな割合を占めてくるようになりました。診療放射線技師が、医師の指示に従って照射機を操作します。医療機関によっては、放射線治療物理学を修めた医学物理士が機器や治療計画のチェックを行います。<br />
　薬による化学療法を支えているのが薬剤師です。特にがん専門薬剤師・がん療法認定薬剤師は、患者さんの状態を把握し、適切な薬物療法を安全に提供する責務を負っています。時には医師の薬物治療計画や患者さんの意思決定から関わり、合併症の治療、抗がん剤の副作用を軽減する治療、痛みへの緩和ケアに携わり、情報提供まで行います。<br />
　なお、栄養管理が大変重要だということは、<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2011/07/post_173.php">2011年７月号</a>で既にお伝えしました。管理栄養士や栄養サポートチーム専門療法士といった人々が活躍しています。<br />
=====<br />
<u>リハビリと苦痛軽減</u></p>

<p>　治療が一通り済んだら、リハビリテーション（回復訓練）が前面に出てきます。<br />
　理学療法士は、主に、ベッドから起き上がる、立つ、歩くなどの基本動作について指導します。寝返りや痰を出すなど些細な動作でも、がんの治療や進行によっては、痛みや困難、危険が伴うようになることもあり、リハビリは大いに役立ちます。また、緩和ケアとして、身体の不快な症状（慢性的な痛み、だるさ、むくみ、呼吸困難感など）の軽減や、体力維持・向上を図る際にも活躍します。<br />
　作業療法士は、食事や着替え、排泄や入浴、整髪などのリハビリを担当します。スプーンや箸を使う方法、ベッドから車いす、さらには便器へといった移動法を指導するのです。<br />
　言語聴覚士は、口の周りの言語機能と嚥下機能を改善するリハビリを担当します。がんによっては、食べる、話す、聞く、読む、書くといった機能に障害が生じることもあるからです。<br />
　歯科衛生士は、歯の清掃や薬物の塗布などを行います。私たちの口の中には、健康でも歯垢１mg中に１億～100億もの細菌がいて、がん治療などで免疫力が下がると、全身に循環していろいろな症状を起こします。しかし、例えば頭頸部がんの術前・術後に歯科衛生士が口腔ケアをしたところ、術後の合併症（傷口の感染や肺炎など）が４分の１まで抑えられ、口から食事ができるようになるまで７日間短縮されたという報告もあります。</p>

<p><u>痛みや悩みを小さく</u></p>

<p>　がんの進行度にかかわらず、心身の痛みや不快感を和げるのが緩和ケアです。<br />
　がんと付き合うとなれば、誰しも心身ともに大きなストレスを抱えるもの。臨床心理士は、チーム医療の一環として、心を支え、ケアにあたる専門家です。がんの治療やその経過に伴う孤独感、死への恐れ、悲観などの苦痛を和らげることが期待できます。患者さんだけでなく、その家族の心もサポートします。<br />
　身体面での緩和ケアでも、看護師やリハビリスタッフが大活躍しますが、特化した職種もあります。<br />
　例えば、手術や放射線治療の後遺症として、体内のリンパ液の流れに障害が起き、むくみが出て、慢性的な鈍痛やだるさ等に悩まされる「リンパ浮腫」の対策です。リンパ管をやさしく刺激し浮腫を改善する「リンパドレナージ」というマッサージが行われます。医療リンパドレナージセラピストは、NPOの認定資格で、理学療法士や看護師が取得して施術しているケースも多いようです。<br />
　ただ、以上で説明してきたようなリハビリや緩和ケアの歴史はまだ浅く、全国津々浦々で行われているとは言い難い状況です。すべてが健康保険でカバーされるわけでもありません（がんの種類によっても異なります）。より多くの患者さんが手軽に利用でき、より高いQOLを実現できるよう、制度や体制の変革も期待したいところです。<br />
=====<br />
<u>お金、仕事、家族　よろず相談</u><br />
　患者さんの悩みには、漠然とした不安だけでなく、より現実的なものも少なくありません。例えば、治療費や働けない間の収入といったお金の問題、仕事や家族の問題、さらには、転院先、退院後の療養先など日々の療養生活に直結する細かな事項も、意外と厄介です。そんなときに頼りになるのが、医療ソーシャルワーカー（MSW）あるいは相談員と呼ばれる人たちです。<br />
　MSWには国家資格である社会福祉士や精神保健福祉士が携わることが多いようです。関係機関・部門と連携や調整をしつつ、解決への道を一緒に探ってくれることでしょう。不安等が非常に強く、日常生活や治療に支障が出ている場合は、精神医療の専門家を紹介することもあります。<br />
　MSWや相談員を見つけられない場合も、精神的な動揺や不安にかられた時には、看護師や医師、その他のスタッフ、誰でも結構なので、まずは助けを求めてください。家族の悩みも同様です。スタッフどうしの連携で、ベストの相談相手まで行き着くことができるはずです。<br />
　以上、早足に様々な職種をご紹介してきました。直に接する機会の多寡はありますが、もし話す機会が持てたなら、それぞれの領域について気になっていることを積極的に質問してみてください。安心感が大きくなることでしょう。</p>

<blockquote><em>新しい医療、新しい職種</em>　医学の進歩を後押しするために設けられた職種もあります。▽臨床研究コーディネーター（治験コーディネーター）は、新薬などの臨床試験（治験）の開始から終了までスムーズに進むように、病院内の関連部署との調整や患者のサポートを担当。看護師、薬剤師、臨床検査技師が学会認定資格を得て兼任しています。▽認定遺伝カウンセラーは、遺伝医療を必要としている患者さんや家族に対し、適切な遺伝情報や社会支援体勢などについての情報を提供し、本人や家族の自律的な意思決定を支援します。▽医療の質を担保・検証するため、国際疾病分類（ICD）に従った診療録作成と保存を担当するのが診療情報管理士です。民間資格です。資格が必須というわけではありませんが、診療録管理に対しては診療報酬が発生します。</blockquote>

<blockquote>患者さんやその家族から寄せられる相談は、実に様々。例をいくつかご紹介しましょう。
●がんと診断後、治療開始にまでに何をしておけばいいか。
●治療費や生活費のやりくり。
●仕事を辞めるか休職にするか。
●入院が必要だが、親の介護や子供の養育のことが心配。
●在宅療養を希望しているがどうすればいいか。
●緩和ケア病棟への入転院や、最期を迎えるまでの過ごし方。</blockquote>]]>
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    <title>梅村聡の目⑩　受診時定額負担制度　許すわけにいかない</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2012:/archives//3.1634</id>

    <published>2012-01-10T06:13:17Z</published>
    <updated>2011-12-22T06:37:28Z</updated>

    <summary>医療機関に行くたび無条件で100円余計に払わなければならない「受診時定額負担」と...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="保険適用・診療報酬" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="患者の活動" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="福祉" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="仲介" label="仲介" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="加藤克彦" label="加藤克彦" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p>医療機関に行くたび無条件で100円余計に払わなければならない「受診時定額負担」という制度を厚労省が作ろうとしています。国民を甘く見たとんでもない制度なので、ぜひ皆さんに関心を持っていただきたいと思いますし、決して通すわけにいかないと思っています。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>　今年の６月30日に、「社会保障・税一体改革成案」がまとめられました。2015年度における財政目標と2025年度に向けた医療・介護サービスのグランドデザインが描かれています。政権が代わって、一つの方向性が示されたことは良かったと思いますが、問題は中身が玉石混淆なこと。中でも「スジが悪いもの」の代表格が受診時定額負担制度です。現在、みなさんが医療保険証を持って医療機関を受診した場合、かかった医療費総額の３割（高齢者の場合は１割か３割）を窓口で支払います。その窓口支払い金額にさらに定額（100円）を上乗せしようというのが今回の制度です。<br />
　過去の亡霊が蘇って来ました。</p>

<p><u>実は保険免責制度</u></p>

<p>　何が過去の亡霊かと言うと、この制度は実体として、過去に議論され否定された「保険免責制度」と何ら変わらないからです。診療報酬に１回100円上乗せしたうえで、その100円を免責しているだけのことです。<br />
　「上乗せ」した診療報酬分は、高額療養費の自己負担上限額引き下げに使われるという説明です。反対されるかもしれない受診時定額負担制度をスムーズに通すため、高額療養費制度の患者負担分を下げるという誰も反対しそうにないことと抱き合わせにしたのです。"人質"にされた形になった高額療養費の患者負担引き下げについても論点はあるので、後ほど述べます。<br />
　さて「保険免責制度」は、小泉純一郎元首相による"小泉改革"当時も導入が検討され、最終的に見送られました。日本の公的皆保険制度にはなじまないというのが大きな理由で、当時の与党の自民党も反対しています。そして健康保険法の附則に、保険給付は「将来にわたり100分の70を維持する」という文言が新しく書き加わりました。将来にわたり自己負担を３割以上には上げない、つまり免責制度も導入しないというタガがはめこまれているわけです。<br />
　しかし財政難にあえぐ財務省は免責制度を導入したいので、厚労省に「免責制に近い考え方の制度を作りなさい」と指令を出しました。そして出てきたのが今回の受診時定額負担です。「100円ぐらいいいじゃないか」という意見もあるかもしれませんが、そこは蟻の一穴。一度始めてしまえば200円や500円など、すぐに引き上げられてしまうでしょう。</p>

<p><u>保険の仕組みではない</u></p>

<p>　保険とは、加入者全員で、よりリスクの高い人を支えるという仕組みです。ところが今回の受診時定額負担は、軽い病気の人が重い病気の人を支えるおかしなことになっています。分かりやすく車の自賠責保険に例えると、加入者全員で支える仕組みの中に、物損事故に遭った人が人身事故に遭った人を支える仕組みも新たに設けることになります。おかしいですよね。歯科の場合はもっとヒドくて、高額なものには元々保険がほとんど効きませんから高額療養費の患者負担上限額が下がっても関係なく、物損事故に遭った人がどこかにお金を上納させられるようなものです。<br />
　もし高額療養費の患者負担上限額を下げたいのであれば、①税金投入　②保険料値上げ　③窓口３割負担以下の人たちの負担率を上げる　の三つが本筋です。私見では、税金や保険料などからのお金で基金を作って対応すべきと考えます。しかし財務省や保険組合、事業主に何も言えなかった厚労省は、一番文句の出にくいであろう患者さんの自己負担額に上乗せをしようと言うのです。<br />
　このやり方は、強いものには弱く出て、弱いものに強く出るという、役所としてあるまじき態度だと思います。国民も、ここまで舐められたことに怒らねばなりません。<br />
　そもそも高額療養費制度自体、患者さんの自己負担を大幅に下げるものです。例えば半年間以上、治療（支払い）が続くような方の負担上限額はさらに軽くした方がいいと思いますが、短期間の高額療養を受ける方（１～３カ月程度）の負担上限額までさらに下げなければならないのか、もっと議論すべきです。実際のところ１カ月か２カ月で終わる人も多いはずです。<br />
　そう思って、保険局に支払期間別の受診者数のデータを出してほしいと伝えたところ、「全国調査の結果はない」と和歌山県だけのデータを持ってきました。<br />
　データに基づいて議論するのが社会保障と税の一体改革なのに、数字が出てこないのは、深く考えて設計された制度ではない証拠です。こういう制度改正を立法府が許すと、次々におかしなものが出てきてしまいます。変な前例を作ってはいけません。</p>

<p><u>免責は真っ向議論を</u></p>

<p>　免責制そのものについては、今回のようなこっそりしたやり方ではなくて真っ向から議論すべきです。国民皆保険制度の根幹を問うものですから、国民的議論が必要です。議論の仕方としては明快で、パブリックコメントなどで国民に例えば次の３択を示します。①日本に保険免責制を導入　②混合診療を全面解禁　③税・保険料の負担増を多少我慢して国民皆保険制度を守る――③が最も多いのではないかと、私自身は感じます。<br />
　確かに免責制を導入すれば、短期中期的には医療保険の財政状況は良くなるかもしれません。しかし日本全体にとって本当に良い影響をもたらすかどうかは慎重な議論とシミュレーションが必要でしょう。<br />
　私自身は、お年寄りの幸福感は自分のお金を自由に使えるところにも由来すると思っています。医療機関に行くたびに100円余計に取られるようになれば、頻繁にリハビリに行く人などは月に2000円ぐらい軽く余計にかかってしまいます。お年寄りの財布の紐は固くなり、通院を制限してしまう人も出るかもしれません。景気の「気」は気分の「気」。短期的には良くても、ボディブローのようにじわじわと日本全体の景気に影響することでしょう。<br />
　いずれにせよ、今回の話には、いかに厚労省が国民を甘く見ているか如実に表れています。皆さんも、こうした情報にアンテナを張り行政を監視していただきたいと思います。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>がん⑨　がんワクチンなぜ効くのか</title>
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    <published>2011-12-19T21:20:23Z</published>
    <updated>2011-12-19T08:25:45Z</updated>

    <summary>感染症予防でおなじみのワクチン。しかし、がんは遺伝子の突然変異が本質のはず。その...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/75-1-1.JPG"><img alt="75-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/75-1-1-thumb-240x168-7502.jpg" width="240" height="168" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>感染症予防でおなじみのワクチン。しかし、がんは遺伝子の突然変異が本質のはず。そのワクチンとは一体どういうものでしょうか。<br />
監修／石井浩　がん研有明病院消化器内科ペプチドワクチン療法担当副部長<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>　ワクチンでがんを治療する、そう聞いて皆さんはどうお感じになるでしょうか。一瞬「あれっ」と首をかしげませんか？　ワクチンと言えば、インフルエンザなど感染症を予防する目的で注射するのがおなじみですよね。ですが、がんは、体の内外からのストレスで遺伝子が傷つけられたり、遺伝子のコピーミスが起きて生まれた異常な細胞。増殖を制御する仕組みが壊れていて、しかも免疫システムの網をかいくぐって生き残ってしまった時に、秩序なく勝手に増え続けるのです。となると、がんに対するワクチン療法は、どう理解すればよいのでしょう。</p>

<p><u>がん特異的に免疫力を高める</u></p>

<p>　ワクチンの考え方の基本は、特定の病原体が体内に侵入する前にその病原体に対する（＝特異的な）免疫力を高めておこう、というもの。そもそも「免疫」の「疫」は伝染病を意味していて、それを「免」れるために体に備わっているシステムを活用しようということです。<br />
　これまでの免疫特集（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/10/post-116.php">2010年10月号</a>）などを思い出してみてください。私たちの体の中では絶えず、「自己」でないもの（抗原）を排除する仕組みが働いています。なかでも免疫細胞の一種であるリンパ球は、病原体を１種類ずつ、特異的に認識して排除した上、その相手を記憶して、再び同じ病原体に出会ったときにすぐに認識・排除に移れるよう準備します（抗原抗体反応）。これをうまく利用したのがワクチンで、毒性を弱めたり死滅させた病原体を接種してリンパ球にあらかじめ記憶させ、襲来本番に備えるわけです。<br />
　さて一方、「がんを治すワクチン」という発想の始まりは、1991年にヒトのがんで初めて、「正常組織ではほとんど発現が見られず、がんでのみ発現が認められる遺伝子」が確認されたことに遡ります。この遺伝子をもとに生み出される物質を「がん抗原」として標的にすれば、抗がん剤や放射線治療と違って正常組織を傷害することなく、がん細胞のみを攻撃することが可能だろう、という考え方が出てきたのです。もちろん、副作用も起こりにくいことが予想されます。<br />
　そこで本来の意味からはちょっと逸脱しますが、抗原抗体反応のような特異的な免疫応答を人為的に作り出すという点で、「ワクチン」の言葉が使われるようになりました。<br />
　それまでにも患者自身の免疫力を高めてがん治療に応用する免疫療法はいろいろと試みられてきましたが、ナチュラルキラー細胞のように無差別に相手を攻撃する免疫細胞を活用するもので、効果もいま一つでした。がんワクチン療法は現在進行形で研究が進み、成果を上げつつあります。理想としてきた「がんに厳しく、患者にやさしい」治療法の実現へ、ようやく光が見え始めたと言えるでしょう。</p>

<blockquote><em>あれはがんワクチン？</em>　近年、子宮頸がんワクチンの接種が奨励されていますが、これは子宮頸がんを誘発するヒトパピローマウイルス（HPV）の感染を防ぐもの。HPVに感染しても通常は免疫力で排除されるのですが、感染が長期化すると一部で子宮頸部の細胞に異常を生じ、10年以上経って子宮頸がんに進行してしまうことがあります。そこでHPV感染を防いで子宮頸がんを防ごうというわけで、がん細胞に直接働きかけるものではありません。▽一方、40年近く前にがんの特効薬として噂が急速に広まった「丸山ワクチン」。特異的免疫応答でなく、免疫力全般を高めてがんを封じ込めようとする手法の典型例です。ただ、もともとは皮膚結核の治療薬で、抗がん効果も否定はできないものの、今も抗がん剤としての薬効は証明されていません。▽というわけで、どちらも現在注目を集めているがんワクチン療法とは別物ですのでご承知おきください。</blockquote>
=====
<u>抗原を注射するがんペプチドワクチン。</u>

<p>　がんワクチンには、がん抗原の素材として<br />
●患者さんのがん細胞そのものを放射線照射で死滅させたり凍結破壊して用いる<br />
●がん細胞に特異的なタンパク質を大腸菌などを使って作り、精製して用いる<br />
●がんタンパク質の断片（ペプチド）を合成して用いる<br />
といった方法があります。<br />
　このうち最も注目を集め、研究が進められてきたペプチドを使った方法をご紹介します。「がんペプチドワクチン療法」です。<br />
　前頁で、がんワクチンでは、「がんでのみ発現が高まっている遺伝子をもとに生み出される物質」を抗原として、リンパ球による特異的免疫応答を導く、とお話ししました。この抗原の実体こそ、「ペプチド」と呼ばれるもの。<br />
　まず、最も基本的な特異的免疫応答の仕組みを、順を追って解説させてください。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/75-1.1.JPG"><img alt="" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/75-1.1-thumb-300x218-7504.jpg" width="300" height="218" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　体に侵入した病原体などの抗原は、樹状細胞等の免疫細胞によって発見されます。樹状細胞は抗原に出くわすと、食いついて丸呑みにし、小さく分解します。細菌などの病原体も人間の体と同じで、要はタンパク質でできていますが、タンパク質はもともとアミノが数百～数千個、長くつながったもの。それが細かく断片化されると、アミノ酸８～10個の短い鎖（＝ペプチド）ができます。そのペプチドを、樹状細胞は自身の表面上に提示します。するとようやく、細胞傷害性Ｔ細胞（キラーＴ細胞）等のリンパ球が抗原の存在に気づき、その抗原特異的に攻撃を始める、というのが一連の流れです。<br />
　では、この特異的免疫応答を使ってがんを駆逐するとはどういうことでしょうか。<br />
　がん細胞内では、がん遺伝子から作られるがん抗原タンパク質が、絶えず合成と分解を繰り返しています。分解されてできた断片は、がん細胞由来に特有のペプチド（がん抗原ペプチド）ということになります。このペプチドのいくつかは、がん細胞表面に提示されることが分かっています。<br />
　これと同様に、がん細胞やがんタンパク質を樹状細胞が分解した場合も、樹状細胞の表面にがん抗原ペプチドが提示されます。あとはその情報を受け取った細胞傷害性Ｔ細胞ががんを排除する、というふうに、特異的免疫応答が立派に成立するのです。<br />
　というわけで、もうお分かりかと思いますが、この仕組みをそっくり使ったのがペプチドワクチン療法。がん抗原ペプチドをワクチンとして患者さんに注射し、特異的免疫システムを誘導してがんを封じ込めようとするものです。通常、人工的に合成されたペプチドが用いられます（次頁参照）。</p>

<p><u>臨床試験が各地で進行中</u></p>

<p>　実際、ペプチドワクチンは実用化に向けて様々な医療機関で臨床試験が行われています。<br />
　例えば現在、日本で開発が順調に進んでいるのが、「エルパモチド」（開発コードOTS102）です。効果が認められれば、世界初のがん治療用ペプチドワクチン誕生となる可能性もあります。当面、適応が予定されているのは、生存率が低く克服することが難しいすい臓がん。胆道がんの臨床試験も進んでいます。副作用はほとんどないとされ、その実力に期待がかかっています。（なお、エルパモチドは厳密には、がん特異的タンパク質を標的にしているのではありません。詳しくは特集の最終ページへ）<br />
　また、がん抗原ペプチドを１種類でなく複数、混合して用いる研究も進行中です。米国では10種類以上のペプチドを混ぜたワクチンの研究も行われています。<br />
　いずれにしても、ペプチドワクチンは皮下注射するだけで済むことや、人工的に合成できるので比較的安価に量産でき取り扱いも容易であること、何より、特定のがんに特異的に効くように作ることができるという期待から、広く臨床試験が行われています。患者さんとしても、比較的手の届きやすい最新治療法として望みが持てそうです。<br />
=====<br />
<u>効率アップを狙って樹状細胞に注目。</u></p>

<p>　前頁で登場した「樹状細胞」の働きをフルに活かそうというがんワクチン療法も研究が進んでいます。「樹状細胞ワクチン療法」です。<br />
　樹状細胞はその名の通り、長い突起をたくさん生やした姿をしています。がんを攻撃する細胞傷害性Ｔ細胞にがんの存在や情報を知らせる重要な仲介役ですが、がんペプチドワクチン療法では、体に注射したがん抗原ペプチドをうまいこと樹状細胞が見つけて食べ、抗原提示するかどうかは、出たとこ勝負でした。<br />
　それに対し、樹状細胞ワクチン療法では、まず、患者自身の樹状細胞を血液中からいったん取り出して、患者自身のがん組織や、がん細胞から調製したがん抗原タンパク質と混ぜ、取り込ませます。そうしてがん抗原ペプチドを提示させた状態で、その樹状細胞を再び体の中に戻すのです。<br />
　これにより、効率的に細胞傷害性Ｔ細胞にがんの特徴を覚え込ませ、がん細胞のみ狙って攻撃するよう導びこう、という考えです。実際には、こうして作製した樹状細胞ワクチンを、例えば２週間に１度の割合で５～７回、３～４カ月にわたって患者に注射します。</p>

<p><u>一筋縄でない合成ペプチド開発</u></p>

<p>　ところで、ペプチドワクチン療法はもちろん、樹状細胞ワクチン療法でも場合により、人工的に合成されたペプチドが用いられます。そこで注目されるのが、より多くのがんに共通して使えるペプチドの開発です。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/75-1.2.JPG"><img alt="75-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2011/12/75-1.2-thumb-400x323-7506.jpg" width="400" height="323" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　例えば、「WT1」というがん特異的タンパク質は、白血病などの血液がんも含む、ほとんどのがんで作られることが研究で明らかとなっています。ですから、その断片（９個のアミノ酸）である「WT1ペプチド」を用いることで、より多くのがん患者さんにがんワクチン療法の門戸が開かれる可能性が高まります。<br />
　しかし、まだ課題があります。ペプチド合成で重要になるのが、「白血球の型」とも言われるHLAです。<br />
　HLAは、白血球を始め、体のすべての細胞表面に複数見られる構造物で、細胞が抗原を提示するのに必要な"手"の役割を担っています。樹状細胞では、がんを分解してできた抗原ペプチドがその手に載せられ示されて初めて、細胞傷害性Ｔ細胞が抗原の存在を認識できるようになります。ですから人工抗原ペプチドも、このHLAとうまく手をつなげる（結合できる）構造でなければいけません。<br />
　日本人は約60パーセントがＡ‐2402、約20パーセントがＡ‐0201という型のＨＬＡを持ちあわせていることが分かっています。そこで、WT1などがんタンパク質のアミノ酸配列のうち、この２種類のＨＬＡに結合しやすそうな部分を予測、検証して抗原ペプチドを見つけてきました。それが機械で合成され、理論上、日本人のほぼ８割の患者さんに適合する人工抗原ペプチドとして、がんワクチン療法に使われてきています。<br />
　以上から、今のところ次の２条件に当てはまる患者さんは、がんワクチン療法により期待が持ちやすいと言えるかもしれません。<br />
●がん細胞にWT1が出ていること。<br />
●HLA-Aの型が、2402か0201であること。<br />
　もちろん他のタイプでも、医療機関や臨床試験によっては対応が可能なケースもあります。また、樹状細胞ワクチンの最近の研究では、樹状細胞にがん抗原ペプチドを混ぜたワクチンよりも、がん組織そのものを混ぜたほうが高い効果を得られたとの報告も一部あり、試行錯誤が続いています。いずれにしても検査も必要ですから、まずは主治医と相談し、あるいはセカンドオピニオンなども活用しながら検討してみてください。</p>

<blockquote><em>FDA承認ワクチン、実力は？</em>　2010年4月、前立腺がん治療用ワクチン「プロベンジ」（一般名シプリューセル‐Ｔ）が、FDA（米国食品医薬品局）により認可されました。臨床試験では、無症状または症状の少ない前立腺がんで、ホルモン療法（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2011/09/post_177.php">2011年9月号参照</a>）が効かなくなった患者さんの生存期間を4カ月以上延長しています。仕組みとしては樹状細胞ワクチンに似ていますが、使う白血球が樹状細胞に特定されません。▽これは、がんワクチン療法の承認第1号で、画期的と言えます。ただ、一般的にFDAの承認を得るには時間のかかる臨床試験が必要。その間にがん免疫療法は大きく進歩し、プロベンジも既に最新がんワクチンとは言えません。開発期間が延びたことで開発費も莫大になり、回収のためか、価格は3回投与で800万円以上と高額なのも悩ましいところです</blockquote>。
=====
<u>今後の課題と次なるワクチン。</u>

<p>　今回取り上げたがんペプチドワクチン療法、樹状細胞ワクチン療法、どちらもまだ臨床試験段階で健康保険の適用外ながら、日進月歩で研究が進んでいます。従来の抗がん剤のような副作用もほとんどなく、入院も不要で、実用化すれば多くの患者さんがQOLを大きく損なわずに治療を受けられるようになります。<br />
　とはいえまだ発展途上の治療法ですから、課題が多く残されているのも事実。<br />
　ペプチドワクチン療法は、人工抗原を皮下に注射するだけで済み、手技が簡単で費用低減も期待できます。ただ先述の通り、体内に入ってから実際、樹状細胞にうまく処理されるとは限りません。<br />
　他方、樹状細胞ワクチン療法は、あらかじめ樹状細胞に抗原材料を乗せてから投与されるので、理論上はより効率的なはず。しかし、特殊な培養施設や熟練した培養技術が必要で、実施機関もごくわずかです。<br />
　何より、どちらのワクチン療法も、その費用負担が問題になっています。たしかに、ペプチドワクチンの一部は｢高度医療｣認定され、公的医療保険の併用が可能になっています。しかし、医療機関によっては「自由診療」の名の下、高額な料金で実施していることも少なくないのです。１回に数万～十数万円も普通で、保険は使えないので総費用が100万円を超えることも珍しくないようです。<br />
　のみならず、万が一に薬害が起こったとしても、薬事法に基づいて承認されているわけではなく、被害者救済制度も利用できません。<br />
　いずれにしても、どのワクチン療法がどういうがんのどんな段階で有効に働くのかなどは、今後の臨床試験の結果を待つことになります。現在、臨床試験の対象となっているがんは、10種類以上。いやがうえにも期待が膨らみますが、実際に臨床試験に参加したいとお考えの方は、くれぐれも慎重に検討されることをお勧めします。</p>

<p><u>消える標的分子　次なる手は？</u></p>

<p>　最後に、まだ少し先の話になりますが、研究が進んでいるのでご紹介します。これまで見てきたがんペプチドワクチン療法や樹状細胞ワクチン療法は、「がんに特異的に発現しているタンパク質」が標的でした。次なるがんワクチンは、「がんの増殖に必須な分子由来のがん抗原」を標的としたものかもしれません。<br />
　がん特異的なタンパク質と一口に言っても、実際にはさらに２通りに分けられます。<br />
●がんになった結果として現れてきただけで、がんの増殖に必須ではない分子<br />
●がんの増殖に必須の分子<br />
　従来のがんワクチンは、この両者を区別せずに開発が進められてきました。しかし、がん特異的タンパク質は変異によって発現が低下し、傷害性Ｔ細胞の攻撃を逃れてしまうことがあり、それをコントロールするのは困難です。前者を狙ったがんワクチンだと、その場合、目印を失うことになります。一方、後者の「がんの増殖に必須な分子（由来のがん抗原）」を標的としたワクチンの場合、発現しなければがんも増殖できずに自滅してしまいますし、発現すれば細胞傷害性Ｔ細胞にやられることになります。<br />
　このように、がん細胞から標的分子が消えて細胞傷害性Ｔ細胞による治療効果が発揮できない事態がありえる、という従来のがんワクチン療法の短所を補う方法として、「がんの増殖に必須な分子由来のがん抗原」が注目されているのです。<br />
　そして実は、先にご紹介したエルパモチドも、同じく従来のがんワクチンの短所を補うことが可能です。というのも、がんそのものではなく、がんに栄養を供給するのに欠かせない新生血管に特異的なタンパク質を標的としたペプチドワクチンなのです。新生血管に対する強い免疫反応を誘導して、がんの増殖を妨げます。これならば、がん自体に変異が生じても標的が失われることはありません。<br />
　がんワクチン療法は今も大きく発展を続けています。外科手術、薬物療法（抗がん剤・分子標的薬）、放射線療法に次ぐ第４の治療法として、これからますます期待がかかりそうです。</p>

<blockquote><em>がんワクチンは効かない？</em>　「がんワクチンは効かない」という話を耳にしたことがあるでしょうか。だとすれば、それはおそらく2004年に、がん免疫療法の世界的権威であるスティーブン・ローゼンバーグ氏（米国国立がん研究所所長）が、がんワクチンでがんが小さくなる患者さんの割合は、ペプチドワクチン２％、樹状細胞ワクチン９％と発表したことから出てきたものと思われます。▽しかし、それまでの治療対象は、あらゆる標準治療が効かなくなった進行がんでした。その後の研究で、治療開始前に白血球中のリンパ球の割合が大きい症例ほど生存期間が長いことが明らかになっています。リンパ球は免疫応答の主役といっても過言ではありません。そこで現在では、強い抗がん剤治療の副作用でリンパ球を作り出す骨髄がボロボロになる前から、がんワクチン療法を取り入れるよう考え方が変わってきています。</blockquote>]]>
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