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    <title>医と健康のフリーマガジン「ロハス・メディカル Lohas Medical」</title>
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    <subtitle>首都圏基幹病院に配置のフリーマガジン「Lohas Medical ロハス・メディカル」。医療と健康に関する情報を発信しています。</subtitle>
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    <title>村重直子の眼13　大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員（下）</title>
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    <published>2010-09-01T23:34:04Z</published>
    <updated>2010-09-02T03:48:17Z</updated>

    <summary>大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員の最終回です。...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p>大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員の最終回です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>村重<br />
「ところで、ダンスはどういうきっかけで」</p>

<p>大西<br />
「2007年の４月、はりきってアメリカへ行ったのですが、当時ひとりもお友達はいませんでした。アパートは渡米前、ボストンにある日本語の通じるボストンにある不動産に連絡して、一応安全そうな所を決めました。不動産の方に、日本から寝袋かエアベッドのような寝具を持って来てくださいとか言われて、とても不思議に思いました。忘れもしないボストンのアパート初日、四角の箱のような部屋を紹介されて、『ここがあなたのお部屋です』と言われた瞬間、寝袋の意味が大変よく分かりました。だって、部屋には床と天井と壁しかないのですから。すぐにデパートに行って何かを買うわけにもいきませんし。車もないですし、どこにお店があるかも全然分かりませんから。ただ私はとても幸運で、同じラボに日本人の先生がいらして、私のベッドと机を確保して運んで下さったのです。なので床で寝ることはありませんでした。でも銀行のカードも作らないといけないですし、アメリカでの生活を始める上で、いろいろな手続きをしなければならなくて、日本で当然できていたことが、何もできない状態でした。またアメリカのアパートの電気は、日本のような蛍光灯ではないので、ホテルみたいに部屋はとても暗いのです。とうとう最初の１カ月は、すごいホームシックになってしまったのです。でもまだ１カ月で帰ってくるのはさすがにちょっと情けないと思って。でもホームシックになってどうしようと思ったんです。日本にいた時には夜の９時10時ってみんな働いているのが当たり前でしたけど、アメリカ場合みんなサクっと７時くらいで仕事を終えて、家に帰ってしまうのです。プライベートの時間を大切にするひとが多いので、飲み会なんて、めったにありませんし。夜は、本当に真っ暗なのです」</p>

<p>村重<br />
「帰り道が危ないですからね」</p>

<p>大西<br />
「そうなのですよ。ボストンは比較的安全な土地ですが、それでも危険な場所はたくさんあります。ラボも誰もいなくなっちゃう。土日は論文を読んだり、ラボにいって実験したりはするのですが、それでも仕事以外の時間が日本にいる時よりはあって、さらに孤独感が増してきたんですよ。どうしようかなあと思って、これじゃあまりにホームシックで精神的によくないなと思って、日本では昔からダンスをやっていたので、ここでもやってみようと思って、インターネットでダンスの教室を探したんですね。そしたらすごくたくさんあって、びっくりしました。それで決心して行った所がMITの学生さんとか関係者の溜まり場だったんですね。私は少しダンスの経験があったので、上手だねって褒められて。それまで何も褒められることがなかったのですよ、英語もあんまりうまくしゃべれないし実験も失敗ばかりで」</p>

<p>村重<br />
「初めてのことばかりですもんね」</p>

<p>大西<br />
「そうなのです。抑うつ状態になりました。、あれもできない、これもできない、何一つできない。言葉も通じない、意思が通じない、友達もいない、ここでは医者としても働けない。私に一体何ができるかなとかなりマイナス思考になっていました。でも、ダンスは経験があったので、結構褒められたんですよ。上手だねって。それだけが嬉しくて、初めてアメリカに来て褒められたと思って。その後、ダンスの先生が競技をやった方がいいって勧めるのですが、私は研究が忙しいし、競技のための練習時間がないですって断ったのです。最初にダンスのスタジオへ行った時に、踊っている人たちはプロのダンサーだと思ったんですね。キレイに踊ってるから、わあすごいダンサーがいっぱいいるなあと」<br />
=====<br />
村重<br />
「プロ並みのダンサーたちと一緒に踊っておられるのですね」</p>

<p>大西<br />
「プロか、プロをめざしている人かなと思っていたら、先生が『一緒だよ』って言うのですよ。踊っているダンサーはほとんど、MITやハーバードの学生さんや関係者の人たちだったんです。MITの教授も踊ってて、本当にびっくりしました。、みな一緒だから君もできるよって言われた意味がよく分かったのです。それで私もやってみようかなと、迷い始めました。それでも色々なやり方の違いがありそうですし、それにみんなと練習するにしても英語がよく分からないし、万が一グループのクラスで先生に質問されても、みんなは分かっても、私だけ何を質問されているのか分からないと恥ずかしいし。まず週に１回くらい個人レッスンを受けるということから始めました。半年ぐらい続けていたのですが、MITのチームのメンバーがチームに入ってくれというのを直接言いに来てくれて、決心して、じゃあ入ってみようかなと、それが始まりだったんですけど」</p>

<p>村重<br />
「そうだったんですか。ところで、チームって何ですか」</p>

<p>大西<br />
「MIT所属の競技選手を育てます。チームには、初心者から、中級者、上級者みたいなクラスがあって、MITの学校の中でいつも受けられるので、自分のレベルに合ったクラスに参加し、そのレベルの競技会に参加できるのです。チームのTシャツやジャケットもありますよ。月に一度、一般の人に公開しているダンスパーテイーもあります。MITの大きな講堂であるのですが、チームのメンバーは、受付や音楽、軽食の準備などの仕事をしなければなりません。そこでもいろいろな知り合いができますし、アメリカの文化を知ることもできますし、パートナーも見つけられます」</p>

<p>村重<br />
「その日その日、来ていた人と踊るのですか」</p>

<p>大西<br />
「クラスは、ふつうペアで参加している人が多いです。でもパートナーのいない人もいますから、その場合はそのとき誰かとペアを組みます。ただMITのチームに所属するには規則があります。MITの関係者は誰でも所属できるのですが、それ以外の場合でチームに所属するためには、競技ダンスができること、パートナーがMITの人という条件があります。ハーバードにもダンスチームはありますが、MITはチーム所属の先生が優秀なので、ハーバード関係者でMITに所属しているひともたくさんいます。でも、まあ１回入っちゃえば、パートナーが途中でいなくなることもあるので、所属は結構簡単に継続できます。私も前のパートナーと解消してから半年以上もパートナーはいませんでしたが、チームにいても誰も文句を言う人はいませんでした。それどころか、ちょっと離れていると『最近、どうしてムツコはいないの』なんて話になるのです」<br />
=====<br />
村重<br />
「ちゃんと溶け込んでらっしゃるんですね」</p>

<p>大西<br />
「MITのチームに入って、それから何か色々なことが楽しくなってきたんです。実験もまあまあうまくいくようになってきたし、ポジティブになってきました。専門分野も国籍も全く違いますが、いろいろな友達がいっぱい増えて。よくハーバードのカフェテリアでもチームのメンバーと会うこともあって、お互いダンスのイメージしかないで、研究所で会うのはちょっと恥かしかったりして」</p>

<p>村重<br />
「ダンスしながら、研究の話も」</p>

<p>大西<br />
「チームにはたくさんのロシア人がいます。驚いたことは、ロシアの同じ高校からきているのですよ。どうしてかな、と思ったら、物理や数学が優秀な生徒はハーバードが特別推薦でスカウトしているのですね。でも寂しいことに、卒業すると、みんなバラバラになってしまいます。だから、パートナーを決めてもずっとという感じじゃなくて、変えざるを得ないということもあります」</p>

<p>村重<br />
「人がどんどん入れ替わりますからね」</p>

<p>大西<br />
「そう。グラントが取れなければ、ラボも閉鎖になりますから」</p>

<p>村重<br />
「グラントが切れると人件費が切れますからね」</p>

<p>大西<br />
「そればっかり。特にPIはいつもグラントでキリキリしていて。正直、ラボの中、ときどき戦争みたいな感じもします。色々な国籍の人がいるから」<br />
=====<br />
村重<br />
「競争とか足の引っ張り合いとかもありますよね」</p>

<p>大西<br />
「そう。日本でもあったけど、アメリカでも同じだなと思いましたね」</p>

<p>村重<br />
「同じですよね。人間社会って」</p>

<p>大西<br />
「特に私たちのような外国人研究員はスポンサーがいないとラボにというかアメリカにいられないので、激しい競争が起こるのは当然かもしれません。誰かが去ればその研究を取っちゃいたいという考えの人もいます。例えば、ある研究員が２年間いるとしたら、その研究員は2年間でこの辺まで研究ができるなっていうことを推測して、その後を自分がやればいいやという結構ずる賢い人もいます」</p>

<p>村重<br />
「そうですよね。切磋琢磨しているのはいいんですけど、競争はシビアですからね」</p>

<p>大西<br />
「本当にそう思います」</p>

<p>村重<br />
「いや、しかし本当に頑張っておられて、着々と成果を挙げられていて。研究でもダンスでもね。楽しいですね」<br />
=====<br />
大西<br />
「私のPIのモハメド先生は、バングラディシュ出身の方ですが、バングラディシュの医学部を卒業してから長崎大学で研究されていて、その後渡米されハーバードでPIになられました。私は研究だけではなく、人生に対する考え方も、たくさんのことを教えていただいています。モハメド先生と、実験の議論をすることはもちろん楽しいのですが、物事の考え方や見方を教えていただくのが、私にとって本当に充実した時間となっています。すばらしい先生に出会えて、私はとても幸運と思っています。モハメド先生は、住みやすさとか色々なことを考えると、日本はとてもいい国と、いつもおっしゃっています。強い野心と目的のある人には、ハーバードの環境は最適と思いますが」</p>

<p>村重<br />
「若いうちは上をめざす、競争して切磋琢磨するのがいい面もあるのですけど、それが生活とか、歳を取って病気になった時のことを考えると、住みやすさっていうのは違いますよね」</p>

<p>大西<br />
「今は日本っていい国だなってすごく思いますね。アメリカアメリカって思ってたのですが、実際アメリカに行って、ああ日本ってやっぱりいい国だなと。食べ物はもちろん、伝統や文化、人々などいろいろな面で日本が大好きになりました」</p>

<p>村重<br />
「こんなに住みやすい国はないと思いますよ」</p>

<p>大西<br />
「実験のテクニックが日本人は非常に優れているので、日本人の研究員を募集しているPIが多いんですね。仕事は丁寧ですし、仕事に対する態度も礼儀正しいですし」</p>

<p>村重<br />
「日本人ばっかりとかアジア人ばっかりのラボもありますよね」</p>

<p>大西<br />
「そうそうそう。以前村重先生の経験から、アメリカがいいわけじゃないよという話は聴いてはいましたが、実際行ってみて本当によく分かりました。、やっぱり隣はよく見えるから。フランスから来た先生が言ってましたけど、フランス語にも隣の芝は青く見えるという言葉があるみたいですよ。その先生もアメリカはすごいと思って、フランスから移動されたのですが」</p>

<p>村重<br />
「どこの国も同じですね」<br />
=====<br />
大西<br />
「私は、アメリカにずっといる予定はありません。自分の目標というか目的を達成したら日本に帰ろうと思っています。本当に素晴らしい環境で勉強させていただいて、貴重な経験ができました。でも、私は日本に戻ることができるから、こうやって挑戦することができるのだ思います。本当に今回の留学をサポートしてくださっている方たちに、心から感謝しています」</p>

<p>村重<br />
「そうなんですよねえ。だから逆にアメリカ人って、このままこの生活を続けるのだろうかと思う時もありました。私は何年かしたら日本に帰ると思ってましたけど、アメリカの人たちは、ここに生まれてここに育って、ここにずっといて、この医療を受けるということを、どう思ってるんだろうと思ってました。医者どうしで一緒に働いていても、私はこんな所には入院したくない、もし入院が必要な病気になったら日本に帰ろうと思ってましたけど、アメリカの医療がどういう状況にあって、患者がどういう扱いを受けているかよく知っている医療者たち、自分たちがまさにやっている人たちが、自分が病気になったら、こういう所に入院するんですよ。それをどう思いながら医療しているんだろうと。アメリカ人だから疑問をもたないのでしょうけど」</p>

<p>大西<br />
「アメリカ人のお友達は、若いうちにお金を稼いで、老後は田舎に行ってリラックスしたいって。、ボストンは平均年齢が20代と言われているので、とても賑やかで活気はありますが、すごく特殊な街と思います」</p>

<p>村重<br />
「大学中心の街ですからね」</p>

<p>大西<br />
「大学卒業後、別の場所に移動し、どんな人生を歩んでいくのかなと疑問に思うこともあります。アメリカの学生さんたち、結構日本に興味があるのですよ、MITのチームのメンバーで何人も日本に訪問したお友達がいます。、日本ってすごいよねって。ダンスの練習場に行ったら、すごい高齢の人まですごく上手に踊ってるからどうしてなんだろうと思ったって。あと経験が評価されますよね。、フレッシュなことは大事だし、奇抜なアイデアとかもいいけれど、失敗して色々と学んでいることもあるじゃないですか。そういった経験はとても大事だから、日本の社会では豊富な経験のある人とか技術のある人は活躍できる場所がたくさんあるので。、アメリカ社会から学ぶこと、本当にたくさんありますが、日本の伝統的な考え方も、大切に守っていくべきと思います」</p>

<p><br />
（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/09/13.php">この記事へのコメントこちら</a>）</p>]]>
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</entry>

<entry>
    <title>村重直子の眼13　大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員（中）</title>
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    <published>2010-09-01T00:12:25Z</published>
    <updated>2010-09-01T05:06:41Z</updated>

    <summary>大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員の２回目です。...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p>大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員の２回目です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>大西<br />
「異動したモハメドラボでやっている研究は、がんとは全然関係ないマウスを用いた実験なのですが、本当にいろいろな勉強になります。私、実は日本では、動物実験の経験は全くなかったのです。慣れるまで最初は大変だったのですが、すぐに環境に慣れて、研究が本当に楽しくなりました。ところで動物実験のシステムも、ハーバードってすごくしっかりしています。とくに動物実験室の、テクニシャンの方たちが、人数的にも能力的にもとても充実しています。また、とても陽気な方が多いので、私が実験に失敗して落ち込んでも、テクニシャンの人たちと話しをすると、すぐに前向きになれます」</p>

<p>村重<br />
「関わっている人数がものすごく多いですよね」</p>

<p>大西<br />
「実験動物室の管理がとてもしっかりしている。私は、日本で動物実験の経験がないため、日本の詳しい状況は知りませんが、知り合いの話を聴くと、日本は研究者が動物の管理をしないといけないようです」</p>

<p>村重<br />
「研究者が、ケージのお掃除から、試験管を洗うことまで、何から何まで自分でやるのが当たり前になってしまってますよね」</p>

<p>大西<br />
「アメリカの場合はテクニシャンの仕事がしっかりしているので、それぞれの動物室に関しては一人のテクニシャンの責任で管理されています。なので、研究者は自分の研究に集中できます。システムがすごく研究しやすくなっている」</p>

<p>村重<br />
「研究者を支える人たちの雇用人数がすごいですよね。病院の臨床現場も、コメディカルの雇用人数が多いという点で同じだと思いますけど」</p>

<p>大西<br />
「で、私は基礎研究のシステム自体も学びながら、自分の研究もするという感じです」<br />
=====<br />
村重<br />
「コホート研究にはお金がたくさんあるから人もたくさん雇えるというお話でしたけど、もちろん政府のグラントも取っていると思いますが、それだけで回し切れるんでしょうか。寄付金とかもかなり入ってるんじゃないですか。大学自体もたくさん寄付金を集めてますよね。たぶん研究所もそうじゃないかと思いますが」</p>

<p>大西<br />
「あまり詳しくないのですが、アメリカは私的な寄付金がたくさんあるようです」</p>

<p>村重<br />
「そうですね、政府のグラントに限らず、民間からのグラントもたくさんあれば、オプションがたくさんありますよね。複数のグラントを取って１個の事業をやったりしますものね」</p>

<p>大西<br />
「そうそう、研究所の建物の名前の由来が、多額な寄付された方の名前のこともよくあるじゃないですか。私的な寄付金で、研究所ができてしまうのですから、寄付金が多いことは間違いないと思います。ところで、ハーバードはNIHからのグラントだと60％ぐらい大学が取れるみたいです。税金みたいに」</p>

<p>村重<br />
「そんなにたくさん取るんですか」</p>

<p>大西<br />
「大学側としては、NIHから取ってほしい、60％は大学に入るから」</p>

<p>村重<br />
「えっ、民間からのお金は大学に入れなくていいんですか」</p>

<p>大西<br />
「民間からのお金はどうなってるか分からないけど、大学側にいくら払うのか、60％はないと思います」</p>

<p>村重<br />
「民間のグラントほうが、大学に納める"税金"は安いのですね」<br />
=====<br />
大西<br />
「PIの給料は自分のグラントの中からやり繰りして出さないといけないから、日本とグラントのシステムは全く違うって思いましたね。あとラボの実験台や机なども、ハーバードにお金を払って借りているみたいです。ハーバード大学のあらゆるシステムはとても充実していますが、その維持や向上ためには多額の資金が必要と思います。したがって、常に優秀な人材とお金が必要なのだと思います」</p>

<p>村重<br />
「むしろ、納める実力がないと大学にはいられないということですね」</p>

<p>大西<br />
「アメリカのラボの経営は随分日本と違って、本当に驚きました。教授になっても、グラントがとれなければラボは閉鎖しなければなりません。教授は職と地位を失います。たとえグラントがとれても、額が減れば、人件費を減らさなければなりません、すなわち研究者たちは自分で新しいラボを探さなければならないのです。なので、PIはいつもグラントのことを考えています。研究者は、いつ自分が職を失うかわかりませんから、転職を考えざるえません。ハーバードでは、いつも、よりよい転職の仕方というセミナーを開いています。これにはびっくりしました。日本は会社内で、部下たちによい転職法の勧めなんていうセミナーはありませんよね。教授になるシステムも、日本とアメリカでは全く違います。日本では、教授を決めるために選挙がありますよね。アメリカでは、グラントがあれば研究員からPIになれます。例えば、新しいPIは、最初の５年のスタートアップというグラントをNIHからもらいます。その5年間に業績が出れば、次のグラントを申請して受理されます。でも業績がでなければ、また研究員に戻ることになります」</p>

<p>村重<br />
「いやあ厳しいですね。色々な意味で」</p>

<p>大西<br />
「今は特にグラントの申請が厳しいみたいで、やっぱりお金がなくなると心も狭くなってくるというか。研究者どうしのけんかもあります。殴り合いではありませんが、人間の憎しみや嫉妬という感情は、大変恐ろしいものと思いました」</p>

<p>村重<br />
「そうなんですよね。みんな余裕がなくなると、すごいキリキリ、ギスギスしてきて」</p>

<p>大西<br />
「その辺の人を引きずり落としたくなってくるみたいで」</p>

<p>村重<br />
「ニューヨークの臨床もそうでした」</p>

<p>大西<br />
「やっぱり」<br />
=====<br />
村重<br />
「医者どうしも、他のコメディカルも、スタッフはたくさんいるんですけど、それこそみんなギリギリ精一杯の所で生きているので余裕がなくて、患者さんに優しくなれないんですよ。患者の立場からすると日本の方が絶対にいいですよね。私が日本人だからそう思うのかもしれないですけど」</p>

<p>大西<br />
「私は、アメリカの医療は、かなり病院による格差があるように思います」</p>

<p>村重<br />
「もちろんありますよね。周辺の病院から送られてきた患者さんを診て、びっくりするようなこともありました。患者にとってはアクセスが悪いんですよね。アメリカのほんの一部はたしかに実験的で先進的で進んでいる医療を受けられる、そういうものが存在するのは確かなんですけど、じゃあどれだけの国民がそこにアクセスできるのかって言ったら、ほとんどがアクセスできないうちに一生を終えるんじゃないでしょうか。日本のようにアクセスが良いのと、どっちがいいのかと思いますよね、本当に。でも、日本の歴史や国民性に合わせてできてきたものなので、日本人にとってはその方がよいのでしょうね。アメリカ人とは求めるものが違うから」</p>

<p>大西<br />
「本当に情報も分からないし。隣の州に行ったら」</p>

<p>村重<br />
「違う国みたいですもんね」</p>

<p>大西<br />
「そう、ラボのメンバーも次々と変わっていきます。遠くに移動してしまうと、引き継ぎは大変難しくなります。アメリカにきて、決別という言葉の本当の意味を知った気がします。私が日本を離れた日は、帰国すれば必ずまたみんなに会えると思っていましたし」<br />
=====<br />
村重<br />
「あまり入れ替わりが激しいと、お互いにどこの馬の骨か分からないみたいな、普通私たちが日本で暮らしていて当たり前だと思っているベースラインの信頼みたいなものさえ、お互いに持てなくて、余計にギスギスしてきますよね」</p>

<p>大西<br />
「だからアメリカの医療の評価はとても難しいと思います。差が激しすぎます」</p>

<p>村重<br />
「診断も雑なところがあって、例えばサンプルのクオリティによって診断の精度にも影響するじゃないですか。血液内科で、日本では胸の真ん中にある胸骨から骨髄採取しますけど、アメリカでは普通、腰の腸骨からしか取らなかったんですよ。胸骨から取ると貫通しちゃうことが、すごく稀にあって、訴訟リスクが高いアメリカではやらないんですけど、診断の精度はたぶん胸骨の方がいいんですよね。腸骨より胸骨の方が造血機能が多く残っているので。でも、一人ひとりの診断や治療をしっかりすることよりも、全体の訴訟リスクが高くなると、余りにも稀なことなのに、そのリスク回避の方が優先される。じゃあどっちがよいか分からなくて、日本でも胸骨を貫通しちゃう事故は起きているけれど、みな知らないでいるだけで、どっちがよいのか本当に分からないですよね」</p>

<p>大西<br />
「私の前のダンスのパートナーだった人、神経内科のお医者さんなのですが、彼が話していたのは、ランキングに出るようなドクターというのは、リスクの多い手術をしないから有名になるけど、僕たちは違うって。ランキングを上げるには失敗が許されないから、末期の患者さんとかは診ないみたいです。もちろん素晴らしいドクターがたくさんいらっしゃると思いますが、情報の解釈って難しいなって思いました」</p>

<p>村重<br />
「最後まで診ないですよね。患者さんも入院期間が短くて入れ替わりが激しいですし、そういう転院や次の施設を探すなどの調整がどうしても必要になります。それにアメリカの医者は、訴訟リスクがあるので自分の専門領域以外の患者さんは診ません。色々な意味で、ひとつの病院の中でできるものとできないものがあるんですけど、その調整をどのレベルまで医療側が背負うのか、患者さんに背負わせるのかっていうことの程度の違いなんだろうと思っています。日本はもう完全に医療者側が背負うのが当たり前みたいな感じですが、患者さんはたぶん気づいておられないですよね、これが当たり前だと思ってて。でもイザ直面してみると本当に大変な思いをされている人もたくさんいらっしゃると思うんですけど、それでも、そうなってしまう確率とか度合いとかはアメリカの比じゃないですよね。アメリカの患者さんは本当に放り出されて、なかなか治療も受けられないし」<br />
=====<br />
大西<br />
「社会の中にいろいろな差がありすぎて、国が広すぎて全体が見えないので、一部の人だけの話だけ聴いて、アメリカはこうなんだと言うのは大きな間違いと思います。社会はピラミッドみたいになっているので、トップだけではなく、一般の人たちははどうなっているのかを総体的にアメリカという国を評価した方がいいかなって思いました」</p>

<p>村重<br />
「アメリカに行って帰ってくる日本人って、普通に仕事を持っていて一定期間向こうにいて、それで帰ってくる、割と恵まれたというか、少なくともちゃんと仕事を持って働いている人たちが多いですよね。そういうコミュニティで暮らして、そういう所の情報しか日本に入って来ないように思いますけど、臨床をやっていると、例えばＥＲ（救急外来）でホームレスから何から色々な人を診るのです。それは日本でも臨床をしていれば同じだと思いますけれど。日本人の外国に行って戻ってきた人の話とか、日本で聴く、外国はこうですよという情報は、そういう意味ですごくバイアスがかかっているなと。ある意味、当然のことなんですけど、そういうバイアスがあるんだと思って聴かないと、それが全部その国のことだと思ったら危険だと思いますね」</p>

<p>大西<br />
「そうなんですよね。本当に、正しい情報知る、伝えるということは難しいなと思いますね。最近、アメリカの外国人研究員が減ってきたようですが、ひとつは研究費の削減、もうひとつは中国やインドからの研究員が母国に帰るようになったことが原因みたいですよ。アメリカも、今後は優秀な人材の確保が問題になってくるかもしれませんね」</p>

<p>（つづく）</p>]]>
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    <title>村重直子の眼13　大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員（上）</title>
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    <published>2010-08-31T08:13:35Z</published>
    <updated>2010-08-31T09:35:31Z</updated>

    <summary>　元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談してい...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/100811ohnishi.JPG"><img alt="100811ohnishi.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/100811ohnishi-thumb-120x184-4262.jpg" width="120" height="184" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/100811murasgie.JPG"><img alt="100811murasgie.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/100811murasgie-thumb-120x184-4264.jpg" width="120" height="184" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していく好評のシリーズ。今回は、大西睦子・ハーバード大学歯科医学校研究員です。一体何がキラリなのかは本文を読んでのお楽しみですが、彼女はアメリカでは、ちょっとした有名人なのだそうです。私はこの対談を聴いて以来、加工食品を買う際に必ず食品表示を確かめるようになりました。今回も３回に分けてお伝えします。（担当・構成　川口恭）<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>村重<br />
「アメリカに行かれて３年の間に随分と論文も書かれて、メディアにも取り上げられたとか」</p>

<p>大西<br />
「今は、高リン酸が全身にどのように影響するかということを研究しています。最近FASEBというジャーナルに高リン酸が老化を招くということを報告しましたら、それが結構ヒットしたのです。メディアにたくさん取り上げられて、FOXテレビでもハーバードのグループがとか紹介されて、すごくビックリしました。PI（Principal investigator＝ボス研究者）のモハメド先生が広報してくれたのですよ。高リン酸が老化に影響を与えるということを発見しましたという感じにです」</p>

<p>村重<br />
「アメリカでも、一般の方の関心が高いテーマなのですね」</p>

<p>大西<br />
「リン酸の高い食べ物は何ですかっていう質問がたくさんあったのですが、燻製食品とコカ・コーラみたいなソーダ類が結構リン酸が高いのです。最近、予防医学がすごく注目されていまして、食生活で何か気をつけられることがあれば、病気の予防のために改善したいと思っている方がとても多いのです。なので、私たちの報告が多くの方の反響を呼んだのかと思います。ただし、私の研究は動物実験ですから、実際ヒトがどれ位ソーダ類を飲むと、全身に影響を及ぼすのかはまだ分からないのですが。慢性腎不全の方は、リン酸のレベルが高く、皮膚、筋肉の症状や血管の石灰化が起こったりします。原因はまだ分からないことが多いのですが、そういった症状は、高リン酸がひとつの原因ということをマウスを用いた動物実験で証明したというのが今回の論文の趣旨になると思います。高リン酸の状態のマウスを作ると、血管の石灰化が認められ、寿命が短く、肺気腫、皮膚や筋肉の委縮など全身の症状が認められるのです。それが本当に高リン酸だけの影響かというのは、これから確かめていきたいのですが」</p>

<p>村重<br />
「高リン酸のマウスは、どうやって作るんですか」</p>

<p>大西<br />
「クロト-（klotho）変異マウスというさまざまな老化類似症状をもつマウスをモデルに使っています。クロトー変異マウスでは血清中のカルシウム、リン酸, ビタミンDがとても高いのです。クロトー変異マウスは、テキサス州サウスウエスタン医科大学の黒尾誠教授らが樹立され、　この原因遺伝子を生命の糸を紡ぐギリシャ神話の女神の名前に因んでクロトーと名付けられました」</p>

<p>村重<br />
「ノックアウトマウスということですか」</p>

<p>大西<br />
「そうです。クロトーは長寿の作用がある抗老化ホルモンなのですが、クロトーをノックアウトすると、早期に老化現象が出現します。また、クロトーノックアウトマウスは、腎臓のナトリウム依存性リン酸トランスポーターの発現が亢進し、腎臓でリン酸の再吸収が増加して、生体内のリン酸のレベルが高くなるのです。ただし、このマウスは、カルシウムやビタミンDのレベルもとても高いので、老化類似症状がリン酸だけの影響かどうかは分かりませんが」<br />
=====<br />
村重<br />
「色々なものが少しずつ影響している可能性もありますよね」</p>

<p>大西<br />
「まったくその通りなのです。私たちは、クロトーノックアウトマウスにビタミンＤのノックアウトマウスと掛け合わせて、クロトーとビタミンDのダブルノックアウトを樹立いたしました。このダブルノックアウトマウスは、ビタミンＤ、リン酸、カルシウムの値が正常あるいはそれ低下し、とても驚いたことに老化現象が改善して、ほぼ正常のマウスと同様になりました。ただ、まだこの時点では、リン酸とカルシウムとビタミンＤのどの毒性が老化類似症状の原因かわかりません。そこで、私たちは高リン酸だけの毒性を証明するために、ビタミンDとカルシウムの影響を取り除くことを考えました。今度はナトリウム依存性リン酸トランスポーターとクロトーとダブルノックアウトを樹立したのです。このダブルノックアウトは、リン酸のレベルだけが下がって、カルシウムとビタミンDは高いままでした。ところが大変驚いたことは、このダブルノックアウトマウスは老化現象が改善したのです。つまりカルシウムやビタミンDが高くてもリン酸の値が正常化すると、老化現象が改善し、ほぼ正常のマウスと同様になったのです」</p>

<p>村重<br />
「面白いですね。結果が出てくると、すごくポジティブになれますよね」</p>

<p>大西<br />
「全くその通りです。とくに今回の結果は、多くの方からの反響があり、とても感激いたしました。でも実際、日々の研究生活、シンプルに結果がでないことが多いです。とにかくいつも前向きに、マイペースで少しずつ前進しようと心がけています。趣味のダンスでストレスを発散しながら、頑張っています」</p>

<p>村重<br />
「そのダンスの方でも全米ランキングのトップ50に入られたとか」</p>

<p>大西<br />
「私も驚いたのですが、ランキングが、ダンスの競技に参加すると出るのです。競技ダンスは、各国でシステムが多少違うのですが、アメリカでは、アマチュアのダンサーは、ビギナー、ブロンズ、シルバー、ゴールド、オープンというレベルに分かれています。競技に参加すると順位によって点数が付くのです。点数がたまると、レベルがあがっていきます。例えばゴールドレベルのダンサーが、ゴールドの試合で何回か好成績をおさめると、ポイントが貯まりオープンレベルのダンサーになるのです。オープンになると全米で順位が出るのです。アメリカでは、最近競技ダンスの人口がものすごく多いのです。テレビでダンスの番組をたくさんやっている影響かもしれませんが」<br />
=====<br />
村重<br />
「では先生は、もうオープンに出てらっしゃる」</p>

<p>大西<br />
「そうなのですよ。ゴールドまでは決められたステップで競技をします。でもオープンレベルのダンサーは、ステップは自由になります。かなりレベルの高いダンサーが多くいますよ。世界チャンピオンをめざすダンサーや、プロになるような人たちもたくさんいます。私の場合楽しみのためにやっているのですけど。ダンスを通して、たくさんのすばらしいお友達ができ、いろいろな国の文化や考え方の相違を知ることができました」</p>

<p>村重<br />
「ペアで出るのですか」</p>

<p>大西<br />
「ペアで出るのです。私はMIT（マサチューセッツ工科大学）のダンスチームに所属していますので、そのチームのパートナーがいます。日本では、一度決まったパートナーは変わることはあまりないと思いますが、アメリカは簡単にパートナーが変わります。私がアメリカに３年間いる間に５人もパートナーが変わりました。みんな、少しでも上位になることを考えていて、ペアで上達しようっていうよりは、個人が上位に行きたいという考え方ですから。趣味もすごい競争社会だなと」</p>

<p>村重<br />
「ペアを組み換えながらランキングが上がって行くのですね」</p>

<p>大西<br />
「そうです。日本の競技ダンスのシステムでは、男性だけがA、B、C級などのクラスを持っています。女性は自分のクラスはもてず、リーダーの男性のクラスに依存することになります。例えばリーダーがA級ならパートナーもA級になれます。アメリカは男性も女性も同じです。個人の成績のポイントから個人のクラスが決まります。なのでダンス歴に、前はこの人と踊ってたって、そのときはランキングは何位だったというように記録されるのです」<br />
=====<br />
村重<br />
「お国柄が表れていますね。ところで一度話を戻しまして、どうしてアメリカへ行こうと思われたのか教えていただけますか」</p>

<p>大西<br />
「私は元々血液内科医で、とくに幹細胞移植を中心に臨床医として働いていました。大学院の時の研究は、臨床検体を用いて移植後の免疫回復を調べるというテーマでした。実際、臨床検体を集めることがかなり大変だったのです。そういう点で、アメリカは臨床研究を行うシステムがかなり進んでいて、私はボストンのハーバード大学が推進しているナースヘルスというコホート研究を勉強させて頂きました。30年以上も続いている世界最大規模コホート研究ってどうやってサンプル集めるのかなとか、インフォームドコンセントをどうやって取るのかなって、アメリカのような広い国でどうやって長期にフォローアップしているのかという点がとても興味があって、きっかけはそれでボストンへ行ったんですけど」</p>

<p>村重<br />
「日本とどんな所が違いましたか」</p>

<p>大西<br />
「かなり違っていました。私は特に、インフォームドコンセントや同意書は、具体的にどの程度厳密にどのような文章で得ていて、データマネージメントはどうなっているのかとても興味がありました。驚いたことに、インフォームドコンセントや同意書はとてもシンプルで、超大規模コホート研究に参加するための、みんなが理解できるようなシンプルでわかりやすい承諾書に、しかも時代が変わっても通用するような内容でした」</p>

<p>村重<br />
「それは血液検体を集めるコホートなんですか」</p>

<p>大西<br />
「血液だけじゃなくて、口腔内粘膜や尿のサンプルも集めます。さらにコホート追跡中、対象者にがんが発症したとき、インフォームドコンセントに同意を得られた方から、病歴、病理記録および病理組織を集めます。ナースヘルスコホート研究では、健常者ボランテイアの看護師さんを対象としていて、２年に１度アンケートにて食生活、喫煙、服薬歴等の日常生活習慣などを調査します。例えばミルクは何％のミルクを1日どのくらいの量飲んでいるかなど、どのような野菜や果物をどのくらい食べているか、どんな薬をどのくらいの期間服用しているかなど、かなり細かいアンケートです。でも対象者が看護師さんなので、アンケートの必要性や意味を十分に理解して、丁寧に質問に答えて頂くことができます。そしてアンケート調査によって得られたライフスタイル等のデータと病気の関係を総合して統計解析し、病気の予防法を検討しています」<br />
=====<br />
村重<br />
「スタッフの数が充実しているのでしょうね。承諾書を取る人、調査票を作ってそれを回収する人、という風に人数がたくさんいそうですよね」</p>

<p>大西<br />
「そうそう。大規模ですが、携わっているすべてのスタッフが自分の役割を十分に把握し、責任を持って研究を進めています。このコホート研究を推進しているボストンのハーバードメディカルエリアにあるチャニング研究室には、毎日最大10,000通におよぶアンケート調査の結果がコホート対象者から送られてくるそうです。これらのアンケート調査の膨大なデータは、チャニング研究室のコンピュータ・データベースに追加、管理されています。まだまだ日本のコホート研究では、がんが発症した対象者からサンプルをいただくことはできません」</p>

<p>村重<br />
「血液のサンプルをもらうということですか」</p>

<p>大西<br />
「何でもいい」</p>

<p>村重<br />
「後からもらえるということですか」</p>

<p>大西<br />
「がんと診断されたときに、もう一度同意書を得るのですが、ほとんど100％の人ががんのサンプルの提供を了承して下さるそうです。どんな研究に使ってもいいですよという内容の同意書です」<br />
=====<br />
村重<br />
「ナースヘルススタディって結構有名な、公開されているデータベースですよね。データベースをダウンロードして誰でも自由に解析して研究できる状態になっているので、国民の、というか全世界の財産みたいな巨大なデータベースですよね」</p>

<p>大西<br />
「私も、本当にこのコホート研究のシステムには驚いています。また、コホート研究に参加されている方々のボランティア精神にとても感激しています。30年以上も続く中、結婚、離婚などのため移動される方もたくさんいらっしゃると思いますし」</p>

<p>村重<br />
「引っ越す人も多いので、その後まできちんとフォローできるというのは、ものすごいマンパワーですよね」</p>

<p>大西<br />
「アンケートの返信が来ない場合は、直接電話をかけてアンケートを出してくださいって催促するようです。インターネットによるアンケートにすると、インターネットが使えない場合もありますから手書きのアンケートで続けているみたいです。また目の不自由な人には、字の大きなアンケートとか色々工夫して継続しているので、ものすごい配慮だなと驚いています。お金がたくさんあるから、人もたくさん雇えて、充実したシステムを用いて世界最大のコホート研究を30年以上も継続できるのだと思うのですけど。最近は男性の医療従事者を対象としたコホート研究も始まっています」</p>

<p>村重<br />
「そうですね。ナースと言っても半分くらい男性ですよね、アメリカは。まあ年齢層によるかもしれませんけど」</p>

<p>大西<br />
「以前私が所属していたラボは、コホート追跡中に得られたがんの病理組織を用いて、最新テクノロジーで遺伝子異常およびたんぱく質の発現異常を網羅的に解析し、これらの癌組織の分子異常あるいはさまざまな遺伝子多型(SNPs)と、アンケート調査によって得られたライフスタイル等の病因データとの関係を総合して統計解析し、がんの予防法を検討していました。実際の研究室での仕事は、ベルトコンベア式に研究者の役割分担をしていていました。すばらしいシステムと思いました。私は、１年間のコホート研究を勉強した後、日本に帰る前にさらに基礎的な研究と基礎研究をすすめていくためのシステムを、ハーバード大学で学びたいという強い気持ちを持ち始めました。、それで、友人の紹介で、同じハーバード大学のモハメドラボが研究員を募集していることを知り、モハメドラボに異動しました。そこでの研究が、最初に説明したような老化とかミネラルバランス、高リン酸がどういう影響を全身に与えるかといった研究でした」</p>

<p>（つづく）<br />
</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>国立がん研究センター、患者の口腔ケアで日歯と連携</title>
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    <published>2010-08-31T06:30:26Z</published>
    <updated>2010-08-31T08:52:56Z</updated>

    <summary>　がん患者が抱えやすい口腔内トラブルを解消してがん治療の質を高めるため、国立がん...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/嘉山孝正理事長（右）、大久保満男会長-4259.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/嘉山孝正理事長（右）、大久保満男会長-4259.php','popup','width=642,height=500,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/嘉山孝正理事長（右）、大久保満男会長-thumb-250x194-4259.jpg" width="250" height="194" alt="嘉山孝正理事長（右）、大久保満男会長.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　がん患者が抱えやすい口腔内トラブルを解消してがん治療の質を高めるため、国立がん研究センター（嘉山孝正理事長）と日本歯科医師会（大久保満男会長）は31日、がんに関する講習を受けた歯科医が同センターから紹介を受けて患者の歯科治療に当たる医療連携を始めると発表した。当面は手術を受ける関東圏の患者約4000人を対象に始める予定で、各地域のがん診療連携拠点病院による全国展開も視野に入れている。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　抗がん剤治療は細胞にダメージを与えるため、口腔内の炎症による腫れや出血、嚥下困難などを起こす口腔粘膜炎や、唾液の分泌量の減少により虫歯を多発させる口腔乾燥症などのトラブルを抱えやすい。また虫歯や歯周病などがある状態で外科手術を受けると、口腔内の状態が悪化するだけでなく、術後の回復の遅れや合併症の発生につながるとされている。<br />
　経口摂取できないことによる活力の低下や衛生面の問題など、生活の質の面からも口腔ケアの重要性は言われてきたが、医療機関の人員や知識の不足、歯科医療機関のがんに関する知識の不足などから、がん患者が適切な口腔ケアを受けられないとして問題視されていた。</p>

<p>　今回の同センターと日歯の医療連携では、がん治療などに関する講習を受けた日歯会員の歯科医が同センターから患者の紹介を受け、歯科治療に当たる。患者は入院中も担当歯科医のアドバイスに基づいた口腔ケアを病棟看護師から受けることができ、退院後も同センターや担当歯科医療機関で引き続き指導を受けられる。<br />
　医療連携の開始は年明け以降の予定で、同センターで外科手術を受ける患者約4000人が対象。来年度以降に化学療法や緩和ケアを受ける患者にも対象を広げるとしている。当面は千葉、埼玉、東京、神奈川、山梨の関東圏で始めるが、2011年度以降は各地域のがん診療連携拠点病院でも同様の連携を開始するとしている。</p>

<p>　嘉山理事長は同日行った日歯との医療連携合意書調印式で記者会見し、「がん患者についてはこの数年で抗がん剤の効果が世界的に出てきて、従来の治療成績に比べると５、６割、がんの種類によっては９割以上のキュアの時代になった。次に我々が目指すところは急性期治療が終わった後の患者さんの職場や社会復帰をなるべく短時間で行い、質を良くして患者さんを社会に返す事」と述べ、国内のがん診療連携拠点病院のモデルケースとして実施していくと語った。</p>

<p>　日歯の会員は約6万5000人。会員向けの講習は山梨を皮切りに９月末から始まる予定。</p>

<p><br />
<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2366.php">この記事へのコメントはこちら</a></p>

<p>　</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>「女性という『性』を失う」子宮頸がん‐癌研公開講座で患者会の穴田佐和子氏</title>
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    <published>2010-08-30T12:00:54Z</published>
    <updated>2010-08-30T12:53:04Z</updated>

    <summary>　子宮頸がん予防ワクチンの接種に適した年代の子供達への普及啓発を図るため、癌研究...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/anada-4255.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/anada-4255.php','popup','width=265,height=316,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/anada-thumb-160x190-4255.jpg" width="160" height="190" alt="anada.jpg" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　子宮頸がん</a>予防ワクチンの接種に適した年代の子供達への普及啓発を図るため、癌研究会は30日、中高生向けの公開講座を癌研有明病院（東京都江東区）で開いた。患者会の穴田佐和子代表は、抗がん剤の副作用による苦しみだけでなく、「女性という『性』を失うというメンタルな面」でのつらさも抱えるとして、子宮を摘出して子供が産めなくなったことなどから交際相手と別れたり、出産を諦めたりする女性もいると語った。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　講座には約５０人が参加した。「らんきゅう　子宮がん・卵巣がん患者による患者のためのサポートグループ」の穴田代表が自らの体験を語ったほか、同病院レディースセンターの宇津木久仁子医長や大妻嵐山中学高校（埼玉県嵐山町）の小林節校長が講演した。宇津木氏は子宮頸がんの概要について説明し、「ワクチンで防ぎ切れなかった病変を検診で発見する」と、予防にはワクチン接種とがん検診の両方が必要と述べた。小林氏は同校で今年春に実施した子宮頸がん予防に関する授業について話し、中高生の年代に知識を広げる事の必要性を強調した。<br />
　癌研の土屋了介顧問は今回の講座の趣旨について「通常中学生などでは、ご父兄や中学校の先生にお話しするというのが一般的で、その方達に十分な理解を頂く事も大事だが、やはりワクチンは受ければ痛いということもあるし、場合によってはそれ以外の副作用もあるので、お受けになるご本人が納得した上で、受けるべきというのが私達の基本的な立場」と述べ、今後も中高生に向けた講座を出前で実施していきたいと語った。<br />
　<br />
　以下は、穴田氏の発言内容。<br />
　<br />
　<br />
---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------<br />
　<br />
らんきゅう患者会の穴田と申します。私は子宮頸がんの患者です。子宮頸がんは誰でもなるＨＰＶ（ヒトパピローマウイルス）というウイルスでかかりますけども、その中で私は前がん病変からがんとなり、とても大変な思いをしてきました。でも、こうして選ばれたのも何かの仕事を与えられたのだと思って、こうして講演会をさせて頂く事を有り難く思っています。<br />
　<br />
らんきゅう患者会というのは卵巣がんと子宮がんの患者会です。2005年に子宮頸がんを経験した私と、卵巣がんを経験した友人と立ち上げた、小さな患者会です。岩手県の宮古市というところの病院で私達は出会い、そこで患者会を立ち上げました。小さな会ですので、病院で月に一回の講演会を開いたり、お話会をしたり、先生たちのお話を聞いたりして、勉強しています。<br />
　<br />
私の病気の経験について、私は2002年に子宮頸がんになりました。当時はまだ20代で、夫と3歳になる娘がいて、3人暮らしでした。病気の徴候としては、半年ぐらい前に少量の出血がありまして、おりものに少し血が混じった程度だったんですけども、そういうことが1回か2回かありました。気になって産婦人科を受診したのですが「排卵とかホルモンのバランスが悪い」ということで説明を受けまして、当時まだ28、9歳ぐらいだった私は何の疑いもなく「ああそうなんだ」と気持ちを切り替えて生活していました。一応婦人科は定期的に行っていたのですが、半年ぐらい経ったとき、突然大出血したんです。これはどうもおかしいなと思ったんですが、当時二人目の子供をほしいなと思っていた時期でしたので、もしかして流産してしまったのではないかなと考えました。ですが、病院での受診の結果、分かった事は子宮頸がんということで、とてもショックを受けました。私がその時感じたことは、自営業で仕事を持って忙しくしておりましたので、普通に忙しく働き、家庭を持ち子供を育てながら過ごしてきた、普通の日常がある日突然命にかかわる病気だと宣告され、病院に入院することになるのですが、その現実にとてもギャップを感じました。<br />
=====<br />
私の経験したことについてこれから少しお話ししたいと思います。まず検査を受けまして、私のがんはとても大きく、もし骨盤とか膀胱とかに達していた場合には手術ができないだろうという先生の判断でした。私はこの時色々な説明を受けまして、「先生、もし手術ができなかったらどれぐらい私は生きられるんでしょうか」と聞きました。そうすると先生は、「まあ半年ぐらいかな」という答えで、とてもショックを受けました。検査の結果私は何とか手術を受けられることになったのですが、結局その後半年にわたって大学病院に入院することになりました。「ああ、もう二度と子供を持つ事ができないのか」とか「卵巣もリンパ節も取って、女性である事もかなわないのか」という思いがやはり頭の中に浮かんできたんですけれども、さすがに私の命がかかっているということで、気持ちを切り替えて手術を受ける事にしました。<br />
　<br />
私が受けた手術というのは広範子宮全摘出術というとても大きな手術で、膣の上部、子宮、両方の卵巣、子宮の周りの基靭帯という筋肉、そして骨盤内にあるリンパ節をすべて取りましたので、骨盤内をごっそりと取る大きな手術でした。手術は先生にして頂いて無事終わったのですが、手術の結果リンパ節を30個とったうちの4つに転移が見つかったということで、その後の治療も引き続き行われることになりました。<br />
　<br />
私が受けた治療は、手術のほかに抗がん剤と放射線という治療なんですけども、抗がん剤では色々な副作用が出ました。まずよくイメージとかでもあると思うんですけど、髪の毛がどんどん抜けていきました。これは薬による作用で、その薬を終了したら生えてくるということだったので気持ちを切り替えたんですけども、お風呂に入るたびに抜けるんですね。朝髪を梳かしても、抜けてしまう。それがとてもみじめに思えて、病院の１階に床屋さんがあったので、そこに行って私は「じゃあいっそのこと剃ってしまおう。つるつるにしてしまえば抜ける悲しみもないし、気持ちもさっぱりするんじゃないかな」と思って床屋さんに行きました。そして「ぴかぴかに剃ってください」と言いまして、生まれて初めて剃刀で髪の毛を剃ってもらいました。床屋さんの技術はとても確かなもので、泡立てて頂き、フォームを塗ってもらって、見事な剃刀さばきで綺麗に剃って頂いて、最後に「お姉さん、いい頭の形してるね」とお褒めの言葉を頂いて、そして勇気を持って病室に帰ってきました。そうするとみんなが「よくやった！男前だね」と拍手を頂いて、みんな同じような経験をしているので、涙ながらに拍手を頂いて、応援を頂きました。<br />
　<br />
ほかに、抗がん剤で私が一番つらかったのは、吐き気です。抗がん剤を点滴していくんですけど、大体４日間には二日酔いの激しいような、カプセルに入れられてぐるぐる回転させられたような、めまいと嘔吐とだるさと、目がくるくるぴかぴか回って、耳鳴りがして、先生の仰る事も全て何度も何度も同じ言葉に思えるような症状が出ました。私はとても辛かったので、ベッドの周りのカーテンをぐるりと引っ張って、布団をかぶって、ずっとその４日間を耐えました。先生は「時間が解決してくれるからね」という言葉をくれましたけど、その時の私は何も考える事ができず、じっと時間がだけが経つのを待っていました。カーテンをぐるっと引っ張っているんですけども、となりのおばあちゃんがそっとカーテンを持ち上げるんですね。そこから細い手が出てきて、私の背中をゆっくりゆっくりと温かい手でなでてくれるんですよ。おばあちゃんはずっと５年以上、がんが再発して何度も何度も同じような経験をしてるので、何も言いはしなかったのですけど、その温かい手に、私は泣きながら吐き続けました。<br />
=====<br />
もう一つ、放射線治療も受けました。リンパ節に転移があるという事は、リンパ節は体の免疫をつかさどる、循環しているものの関所のようなものですから、数か所見つかったということは、全身に転移がある可能性があると判断されまして、その後の放射線治療も追加されました。骨盤内に照射する治療と、傍大動脈という大動脈の周りにある手術で取り切れなかった部分に放射線を当てました。毎日１回数分間大きな機械の中に寝そべって、何も痛くもかゆくもないんですけど、このような治療を１、２カ月と続けました。初めのうちは何も感じなかったんですけども、放射線治療を続けていくうちにだんだんと普通の便だったのが下痢になり、口から食べたものがそのまま便として出てくるという未消化便という状態になりまして、それにも悩まされました。放射線療法と抗がん剤療法を同時に受けていましたので、上から吐いて下からくだしてという、とても大変な時期でした。<br />
　<br />
後遺症としては、今でも排尿障害を抱えています。子宮頸がんは膀胱に近い部分にあるもので、そこの部分を手術する時にいじってしまったため、神経が一部麻痺したような状態になりやすいのだといいます。私達は手術後に導尿というトレーニングを受けるのですが、自分でお手洗いに行ってもなかなか尿を出す事が出来ない状態です。それをストローみたいな導尿の管で、お腹の中の膀胱に溜まってしまった尿を出して、それを繰り返して、自力で出して、出せなかった分をストローで出して、というのを繰り返して自分で出せるようになるのをトレーニングします。私は比較的上手にできたのですが、そのときのコツとしていくら力んでもうまく出なかったのですが、鼻をかむとどうやら出るらしいという事が分かりまして、いつもトイレでは鼻をかむようにしました。今でも、鼻をかんでいます。今でもほとんど無意識のうちに日常となっていますので、何も不便は感じないんですけど、普通の尿の感覚とは違い、腹部の張りですとか、時間でトイレに行くとかでコントロールしています。<br />
　<br />
もう一つ、私が抱えているとても大きな後遺症はリンパ浮腫です。手術をしたり、放射線を受けたりして、リンパ節にダメージを受けたために私の中の循環器系が狂ってしまったのか、よく起きる後遺症なんですけども、片足だけ右側だけ左足よりも10センチぐらい周計が太くなっています。初めのうちはこれについて何も分からなかったんですけども、だんだん自分で調べるうちにこれがリンパ浮腫だと分かりまして、治療法を見つけ、そして今はきつい圧迫着衣という、弾性ストッキングというのを履いて過ごしています。「たかがむくみだろう」と昔先生は仰ったんですけども、「命が助かったんだからしょうがないんだよ」と言われたんですけども、生きていく患者にとってはとても大きな後遺症で、ほっておくとどんどんむくんでいってしまいます。感染とかも繰り返して皮膚に炎症ができたりすると発熱して、何度も入院しないとけなくなりました。こういうことを何度も繰り返していくと片足が２０キロ３０キロとなる人たちも出てきます。今はそこまでの方はいませんが、まだまだ治療は行き届いていないと思っています。<br />
=====<br />
その他、私がとても感じることは、後遺症とは言えないかもしれませんが、心の問題を抱えます。私達は卵巣を取ってしまえばホルモンが全部出なくなりますから、自律神経系も乱れてしまうんですけども、いきなり２０歳３０歳でがんで手術をした後からホルモンが出なくなりますから、更年期障害の症状になってしまいます。ホットフラッシュが起きたり、暑くなったり寒くなったりを繰り返して、汗が止まらなくなったり、心が不安定になったりします。その他にも手術を受けたり生活が変わるということで、仕事、家庭、お金の問題、その他にも女性という性を失うというメンタルな面でも体的な部分でもそういう問題、そして何より再発転移という命の問題も抱えることになります。私の患者会の中でも鬱になってしまったり、とても思い悩んでおられる方が多くいます。これはとても大きなことなんですけども、私は自分が悩んだことからどうしたらよくなるんだろうと考えて、いろんな患者会に自分から行ってみました。いろんなところで話すと、話をしているだけで、すごく楽になるんですね。心の薬というのはないですけども、話をする事、聞いてもらう事、同じ仲間と分かち合う事、その大きさをとても感じています。<br />
　<br />
色々私の感じてきた事をお話ししましたけども、今色々思う事を、私は詩に書いています。二つ詩に書いたんですけども、皆さんに聞いて頂きたいと思います。一つは「ママ」という詩です。私には当時３歳になる娘がいまして、仕事をして元気にしていた生活からいきなり大学病院で半年を過ごすことになりました。３歳の娘はその時とても不安だったと思うんですね。ママががんになってしまった事、ママが死んでしまうかもしれないと思った事、とてもとても不安に思ったと思うんです。その時の詩です。今日皆さんの前に立つということで、鏡を見ようかなと自分のポーチを取り出したらですね、なんとこんなの（カブトムシの模型）が入っていまして（笑）、朝娘が仕込んだものと思われますが、３歳だった娘が今は１１歳になっています。今は元気に過ごしていますが、当時まだまだ小さかった娘が、私ががんになってしまったということで、その時私は色々悩んだんですけれども、娘にはほとんど全てのことを話しました。ママはがんになってしまった、だから治療しなければいけない、だけれども元気になってえみちゃんのところに帰ってくるからねという話を何度も何度もしました。私は話さないという選択も考えたんですけども、まだ３歳の子供にとってがんという言葉は未知の言葉です。そしてがんという言葉は「ママはがんになってしまった」ということでいろんな人から耳にするだろうと思われたんです。だから、ママはがんなんだね、とか、ママは死んじゃうの？　とか余計な事を娘の耳に入れられる前に「ママはがんだけど、ママは治療して帰ってくるんだよと、ママは全部えみちゃんに教えてあげるよ、だけど大丈夫だよ」というふうに言おうと思ったんです。その時の詩です。<br />
　<br />
<strong>「ママ、ママが早く病院に帰ってくれますように」。そう小さくつぶやいた言葉に、私は驚いてしまいました。「神様にお祈りしてたの」と言う小さな娘は、「えみがママと会ってると病気治せないから」と恥ずかしそうに笑いました。本当はもっと一緒にいたいくせに、少しの間、離れている間に小さな胸を痛めていたのかと思うと、たまらなくなって思わずぎゅっと抱きしめる。イヤイヤをして「ママは死んじゃうの？」と小さく私につぶやいた。「ママは大丈夫だよ。早くよくなってえみのところに帰ってくるからね」と言ったら、「分かった。バイバイ！」とすたすたと駅に向かって歩き出す。一緒について来てくれた母がすかさず後を追うと、いきなりえみが振り向いて、「ママー、ママー、死んだらいやだー」と私に向かって駆けてきた。母は黙ってバタバタと暴れる娘を抱いて、こちらを一度振り向いて頷くと、そのまま駅に歩いて行きました。ごった返す新幹線の改札口の階段に、いつまでもいつまでも娘の声が響いていました。ごめんなさい、小さいえみちゃん、そしてお母さん。ママのせいで悲しい思いをさせてしまって。私のせいでつらい思いをさせてしまって。絶対元気になるからね。ママは死んだりしないから。きっと負けたりしないから。あの日の事、あの日の思い、私は絶対に忘れちゃいけない。</strong><br />
=====<br />
もう一つ、私は半年の間ベッドの上で、いつも死について考えていました。私は手術ができるかどうか分からなくて、転移もあったということで、５年生きられるかどうか、そういうことを色々頭の中に描きながら治療していたのですが、その時の詩です。<br />
　<br />
<strong>生きている事、死ぬ事。四角い天井を見て考えていた。私は何でがんになってしまったんだろう。何が悪かったんだろう。そしてこれからどうなってしまうんだろう。あり余った時間の中で死というものについて静かにゆっくり考えていた。生きるということは何なのか。死ぬということは何なのか。もしかしてこのまま死んでしまうんだろうか。そう思った時に見えたのは、真っ暗な闇じゃなくてキラキラ輝く生だった。おしゃべりする事、本を読む事、誰かとけんかできる事、街を散歩する事、髪を切りに行く事、物思いに耽られる事、うたた寝できる事、娘を抱きしめられる事、何でもない事が失くしてしまうかもしれないと思ったとたんに、全てはかけがえのないものだという事が、気が付いた。何でもないものが美し過ぎて、空を吹く風や山や鳥や雑踏やスカートや、石ころさえも、感じ聞き、触れることさえできなくなるかと思うと、悔しくて、いとおしくてたまりませんでした。病院を抜け出して、私はゆっくり街を歩く。地面をゆっくりと踏みしめ、吹雪の中を傘もささずに歩く。雑踏の中を抜け、心の赴くままに歩くと、冬の空気は冷たくて、突き刺すような痛み。体を凍らし、心を凍らし、ああ、痛みを感じてることすら生きてることなのかと、そう思ったら胸が熱くなって苦しくなって、涙がこぼれた。今感じてるこの痛みを忘れちゃいけない。</strong><br />
　<br />
という詩です。<br />
さて、拙い私の経験だけの話でしたが、あなたはワクチンを受けようと思うでしょうか？<br />
検診を受けようと思いますか？<br />
　<br />
　<br />
子宮頸がんは唯一なくす事のできる病気です。私はこの事を知った時にとても大きな喜びと衝撃を受けました。もう私には子宮頸がんのワクチンは必要ありませんし、検診も必要ありませんが、この経験を基に伝えることによって、これからの子供たちが少しでも元気を取り戻してくれるんだったら、できることをやっていきたいなと思っていました。子宮頸がんはヒトパピローマウイルスというありふれたウイルスということで、今までは偏見もあり、なかなか壇上に出る人も少なかったのですが、誰にでもあることです。そして、誰がかかってもおかしくないということは、女性だけでなく男性にも意味があるワクチンだと思っています。そして一部の人だけでなく、全ての人がワクチンと検診で「ゼロ」という目標に向かって進んだ時に、日本から子宮頸がんをほぼゼロにできるんだと思っています。<br />
=====<br />
私達女性から子宮を奪わないで、命を奪わないで、ということなのですけども、私はたくさんの仲間を見送らなければなりませんでした。まだ結婚もしていないのに、子宮を取らなくてはならない、同病の同室の友人もいました。彼女は彼がいたんですけども、何度も何度も先生と話をして、子宮を取らないといけない事、卵巣を取らないといけない事を彼と聞きに行ったんですけど、結局命にかかわるということで決断をして、子宮と卵巣を取りました。その後、彼は去り、彼女は睡眠薬をよく飲んでずっとベッドで寝るようになってしまいました。その他にも私と同じ３歳の娘がいた患者さんがいました。彼女は末期で、座ってしか寝る事ができなかったんですが、小さな小さな娘を残して旅立って行ってしまいました。他にも０期（子宮頸がんの進行は、最も早い段階の０期からⅣ期まで）の患者さんだったんですけども、赤ちゃんができたと思って喜んで産婦人科に来たらがんが見つかり、赤ちゃんを諦めなければいけなくなったと泣いていらっしゃる方もおられました。残された子供や家族や、そういう方たちの涙もたくさん見なくてはなりませんでした。<br />
　<br />
日本では毎日10人もの方が子宮頸がんで亡くなってしまいます。これはとても大きな数字です。年間１万5000人もの方が新たに子宮頸がんにかかって、そのうち3500人が亡くなっています。その理由は、日本でワクチンの普及が遅れているという事、先進国では当たり前になされていて、日本での認可は100番目だと言います。そして検診率がとても低いという事、アメリカでは82.6％の方が10代の頃から検診を受けています。それが日本ではたった23.7％です。<br />
　<br />
このような思いをもうこれ以上、涙を流す女性が増えないように、未来の子供たちが守れますように、どうぞ皆さんも何かの形で動いて頂けたらなと思います。<br />
　<br />
　<br />
（この記事へのコメントはこちら）</p>]]>
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    <title>子ども亡くす親の気持ち分かり合える機会が減ってきた―細谷亮太聖路加国際病院副院長</title>
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    <published>2010-08-26T05:26:17Z</published>
    <updated>2010-08-26T05:04:44Z</updated>

    <summary>　子どもの死亡率の低下は、子どもを亡くす親の数が減るという事も意味するため、悲嘆...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
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        <![CDATA[<p>　子どもの死亡率の低下は、子どもを亡くす親の数が減るという事も意味するため、悲嘆の気持を共有できる機会も減る。近年まで「不治の病」と言われた小児がんの治療が飛躍的な進歩を遂げる一方で、子どもや親を取り巻く状況も変わりつつあるようだ。聖路加国際病院の細谷亮太副院長（小児総合医療センター長）が24日、中野在宅ケア研究会（東京・中野区）で講演した。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/hosoya-4239.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/hosoya-4239.php','popup','width=292,height=368,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/hosoya-thumb-170x214-4239.jpg" width="170" height="214" alt="hosoya.jpg" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span></form>　中野在宅ケア研究会は中野区の在宅医療や福祉関係者らの集まり。代表の宮地三千代氏（宮地内科医院院長、中野区医師会幹事）らは、在宅で重症児と暮らす母親の集まりを支援するなどの活動も行っている。この日は細谷氏を招いた講演会を行い、区内外から在宅ケアの医療福祉関係者や重症児を持つ母親らが集まった。</p>

<p>　講演テーマは「小児がんの子どもたちに携わった40年を振り返って」。以下は、細谷氏の講演内容の一部抜粋。</p>

<p><br />
-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド１-4242.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド１-4242.php','popup','width=693,height=503,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド１-thumb-250x181-4242.jpg" width="250" height="181" alt="スライド１.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>最初は小児がんについてお話します。小児がんは昔から大体同じ数で起こっています。診断技術が進歩したので発症頻度が増えているように感じますが、死亡数は確実に減ってきました。大人の場合は、がんはごくごく普通にある病気で2、3人に１人はがんになるので珍しい病気ではありません。ただ、20歳までに起こる小児がんは珍しい病気で、子どもを1万人ぐらいずっと見ていると、1年間に1人ぐらいぽこっと小児がんが発生します。500人ぐらい小学校があったとして、そこの保健の先生が20年ぐらい見ていると当たるかもしれない、保健の先生を一生していても小児がんに当たるかどうかは分からないというぐらいに珍しい病気です。<br />
　<br />
小児がんは大人のがんとは全然違って、種類が違うんですね。大人のがんは大腸がん、肝がん、肺がんとか臓器ごとにがんが発生して、たとえば食道に発生するがんとして扁平上皮がんなどいろんながんの種類が発生します。でも子どもにはそんながんはほとんどない。子どもに肺がんが起こるのは小児がんのうちの0.数％。大人と同じ胃がん、大腸がん、卵巣がんは数％で、99％近くは肉腫と呼ばれるような筋肉、骨、血液から出るような種類です。<br />
　<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド2-4245.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド2-4245.php','popup','width=621,height=499,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド2-thumb-250x200-4245.jpg" width="250" height="200" alt="スライド2.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>大人のがんと子どもを比べると、大人はポリープがだんだん育って、発がんを促進するような、食べている物の種類とかで遺伝子変異が起こります。多くの遺伝子変異を必要として大人のがんは起こります。いろんながんがあるし、増殖スピードが非常に遅い。みなさんは、がんは早く増殖してあっという間に人の命を取ってしまうと思いがちだと思いますけど、乳がんなんかは一つの細胞が悪化して１センチになるのに5～10年かかるんですね。そのぐらい経ってゆっくり大きくなってから、近くのリンパ節に飛んで、他のところに転移していきます。だから大人のがんは切れば治っていたんです。外科でちゃんと「取る」というのが大人のがんの治せるポイントで、うまく取れない場合は、内科の化学療法が出てきます。ただ、ある程度伸びることには伸びるのですが、最終的にはそんなに長くなくまたがんが発生していく。<br />
　<br />
=====<br />
<big><strong><br />
■小児がん治療の劇的な進歩</strong></big><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド3-4248.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド3-4248.php','popup','width=874,height=605,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド3-thumb-250x173-4248.jpg" width="250" height="173" alt="スライド3.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>そういうのに比べると小児がんは遺伝子変異が多くなくて、生まれつきあるところに遺伝子変異があって、そこにヒットが１つ２つあっただけで起こってきます。論文の中には4歳ぐらいまで全く何もなかった子が１回風邪をひいてがんになったというようなことが言われたりしています。増殖スピードがものすごく速くて、その子の命を取るまでに4カ月ということもあります。子どもはもともと死んではいけない人たちなので、そういう人たちのがんは最終的には治るようになっていたんですね。治癒率が8割9割ぐらいまで上がり、治せるようになってきました。取れなくても治せますと。ただ、予防が困難なのでなったのを治すことしかできないです。大人の場合は予防することはできます。例えばたばこをやめるとかで、大人の肺がんは10人中７人が起こらずに済むと言われています。みんなでたばこをやめれば、煙草を日本の国が売らなくなったら医療費ががんの治療代だけでなく心筋梗塞とかも含めて3兆円。4、5兆円の医療費が削減されると言われます。でも売っています。売っている利益はせいぜい1兆円から2兆円の間なのですごくいいのに、そうしないのはどうしてでしょうと思います。<br />
　<br />
小児がんは薬を使い、大人のがんは外科療法を使います。それは転移が最初からあるかないかの違いです。小児がんは最初から飛んでるのが分かってましたので最初は治せなかったんです。私が生まれるこの年まで、治す手立ては全くありませんでした。一つのターゲットとして、白血病を治せるようになるとしたら他のがんも治せるだろうとパイオニアの人たちは考えていました。そういう単純な発想が大事だと思いますが、最近はそういう単純な発想がだんだんなくなっていっているように思います。子どもに一番多い急性リンパ性白血病を治せるようになったら他のものも引っ張られて治るようになるんだろうと考えられ、みんながこれにかかって治そうとしたんです。その結果、1990年ごろにはもう8割近くが治るようになってきました。それに引っ張られるように他の小児がんも治るようになってきて、全体で７、８割の病気が治るようになってきました。でもなかなか治らないのは脳腫瘍、これはまだまだ難しいところにあります。でもそのうち治ってくると思います。<br />
　<br />
小児がんは進んでいても、全部腫瘍を取りきれなくても治すことはできます。私達が研修を受けていたところ、その頃僕の先生は「お気の毒に。お宅のお子さんの病気は残念ながら治すことはできません。一時的に良くなることはあるけども、最終的にはだんだん治らなくなって亡くなっていきます。でも交通事故であっという間に連れていかれるのに比べたらずいぶん余裕があって、その間にどんなことができるというのを評価して、何とか頑張って下さい」という話をしていました。でも今私達は、「７、８割は治せる病気だから、とても大変だけど頑張って治しましょう」という話をお母さんお父さんに言えるようになりました。それが何のおかげかというと、1948年にハーバードにいた小児がん治療のパイオニアのファーバーという医師が、抗がん剤を使って小児がんを治そうと思ったのが始まりです。（中略）それから10年に１回ぐらい、エポックメイキングな小児がんの薬ができるようになります。どんどん成績も上がりました。<br />
=====<br />
<big><strong>■「治らない子どもには福祉が必要」</strong></big><br />
1948年に治療を始めたファーバーはえらい人で、「治らない病気なら患者さんを支える必要がある」ということを1940年代からちゃんと考えていました。でも、大人についてはそういうことは考えられませんでした。大人は歳をとったら死んでいくものだと思われていました。1940年代のアメリカでさえ、大人が死んでいくというときにトータルに面倒を見ようと言う人は多分いなかったです。でも子どもは死んではいけない存在なので、病気で天寿を全うできない子どもたちのために、ハーバーはトータルケアをやろうということを1950年代から言い始めました。治らない病気にかかった子どもたちには福祉を考えてあげないといけない。輸血や感染症コントロールなどいろんな合併症に対して面倒を見ないといけないし、精神衛生面のメンタルなケアや家族の経済的なケアなんかも全部やって、面倒を見ようということを1960年代に確立されていました。<br />
　<br />
<big><strong>■「日本で不治の小児疾患をみられるか」</strong></big><br />
そこでトレーニングを受けた、ファーバーの弟子だった西村昴三先生が1960年に日本に戻ってこられました。西村先生がどう思ったかというと、1960年代に「我が国のように経済的に余裕が少ないところでかかる不治の小児疾患に対し、精神的にも経済的にも負担の多い治療を試みる事が果たして社会的に受け入れられる否かは現状では微妙な問題だろう」と言っておられました。今から約50年前に、卓見だと思います。それから論文で、1948年に論文を書いて以来1500人近い患者さんを治療してきたけど、治った人は１％しかいなかった、5年以上生きた人は１％いなかったということを、1960年代半ばに書かれていました。実際、1970年ぐらいに日本はどうだったか。僕が大学を卒業するぎりぎり前ぐらいです。日本全体で、白血病で5年ぐらい生きていいた人は24人しかいませんでした。それが10年経って150人近くになり、それから30年経ったら聖路加だけで150人ぐらいの白血病の患者さんが治って生きています。この間にものすごい進歩があって、治る病気になってきたんですね。すごい勢いで白血病や小児がんは治るようになってきました。<br />
　<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド4-4251.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド4-4251.php','popup','width=644,height=461,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/スライド4-thumb-250x178-4251.jpg" width="250" height="178" alt="スライド4.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>子どもが命を落とす原因についてちょっと見てみると、０歳代の子ども子たちの死因第1位は先天奇形で、1000人ぐらいの人が亡くなります。保育園などで問題になっている乳幼児突然死症候群（SIDS）は200人ぐらいになります。1年間に生まれる人は100万人で、1歳までになくなるのは2000人足らず。乳児死亡率は1000分の２です。私が生まれたのは団塊なので昭和22、3年の時代には1000人の赤ちゃんが生まれると、1歳になるまでに死ぬ人は大体100人近くいました。私の母親の年代には1000人の赤ちゃんのうち150人は1歳を迎えるまでになくなりました。<br />
=====<br />
<big><strong>■乳児死亡率減＝子どもを亡くす親も減る</strong></big><br />
年間に150人や200人の赤ちゃんを失うということが起こると、日本人全体の感覚がどうなるかというのをちょっと考えてみて頂くと分かると思うんですけど、お母さんが10人いると、1歳までに子どもを亡くしたことがあるお母さんが2人いるわけですね。実際に自分が子どもを亡くした時に、「その気持ちが良く分かる」と言ってくれる人が身の回りに結構いるんです。でも今は1000人のうち２人しかなくならないのは、いいことなんですけど、1000人に２人というのはほとんど死なないという事です。子どもをSIDSで急に失ってしまって、気付いた時には死後硬直が起こっていたという両親が赤ちゃんを救急室での不審死ということで警察に電話して、監察医務院に連れていく。お父さんお母さんも監察医務院に行って、警察で取り調べを受ける...、ということで誰も「子どもが亡くなって大変ですね」ということを言ってくれる人がいないです。そういう中で子どもを亡くさなければいけないという時代が、現在の時代です。<br />
　<br />
<big><strong>■高齢出産と羊水検査</strong></big><br />
先天奇形というのも、たとえば21トリソミー、ダウン症という病気があります。ダウン症は400人に1人はなると言われ、40歳を過ぎて初産で赤ちゃんを産む場合は40分の1の確率でダウン症候群の子を授かります。そうすると産婦人科の先生たちは、「ダウン症の子を育てるのに大変だと思うから、羊水の検査をしますか」ということを20週ぐらいの時にお母さんに聞いたりするわけですね。そうするとお母さんはものすごく難しい選択を迫られる。私達の研修医の業績発表で、学生の頃からダウン症の子どものサポートをしている人たちがいました。彼らは、高齢出産が多いので、40歳以上で羊水穿刺の検査を受けるお母さん達にダウン症の子どもたちが生き生き暮らしているビデオを見てもらってから、もう一度羊水検査を受けるかどうかを決めてもらおうというリサーチを作り上げたんです。でもうちの研究審査委員会は「このビデオはあまりにダウン症の子が生き生きし過ぎている、でももっと大変だということを考えてもらわないと、間違った方向に偏ったことになると思うので、よく考えなさい」と、一回差し戻されました。でもダウン症の子を支えながら生きているお母さんたちは、みんなの仲間だという感覚を持って子どもたちと暮らしています。そういう感覚が、羊水穿刺で検査して早くに中絶するということになると私達の感覚から抜け落ちてきます。<br />
　<br />
<big><strong>■「人間は生き物として死んでいかないといけない」</strong></big><br />
そして死因について1歳を過ぎると、悪性新生物が顔を出すようになって、3位までをキープし続けます。最大の命を脅かすのは悪性新生物で、治るようになったと言っても小児がんはこういうところにいます。10歳を過ぎると不慮の事故や自殺が入りますが、やっぱりとても大変なんです。治らなかったのが治るようになってきてしまった小児がんなので、治らない人がいるというのが、さっきの1歳までに赤ちゃんを失ってしまうという人がいるのと同じ感覚で、亡くなる人たちのことを分かってくれる仲間がいなくなったということなんですね。その分医療者は頑張らないといけない。今から薬が作られた1948年から100年ぐらい経ったら「病名は小児がんです。でも薬を飲んだら治ります」ということになるかもしれません。でもまだまだそういうことになるまでには時間がかかるし、人間は生き物として死んでいかないといけないということを、医療者は一般の人が忘れている分、すごく深く刻まないといけないんだというふうに思います。私達がやらないといけないのは、小児がんに特化しないで、どんな病気でもなかなか難しい病気になった時と、治癒を目指して治療できるんだったら治療している間、治った後、それからもし治らないなら治らない人たちをちゃんと見ないといけないということをつくづく思います。<br />
（中略）<br />
科学がどんなに進歩しても人間の力には限界があります。医学がどんなに進歩しても私達が治せる病気には限りがあります。頑張っても治せない病気が世の中にはまだまだたくさんあるのです。これは本当に真理なので、これを忘れがちになるのは困ったことだと思います。<br />
　<br />
（以下略）<br />
　<br />
（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2364.php">この記事へのコメントはこちら</a>）</p>]]>
    </content>
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    <title>何か足りない、「ドラッグ・ラグ」の議論</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/news//2.1376</id>

    <published>2010-08-25T22:11:51Z</published>
    <updated>2010-08-26T11:02:54Z</updated>

    <summary>海外で使われている薬が国内で使用できない「ドラッグ・ラグ」の解消に向け、厚生労働省は8月25日の中医協で、薬事法上の承認がない薬でも健康保険での支払いを認める&quot;近道&quot;を提案し、全会一致で了承されたが、何かが足りない。（新井裕充）</summary>
    <author>
        <name>新井裕充</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療課新体制の中医協0825-4236.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療課新体制の中医協0825-4236.php','popup','width=500,height=342,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療課新体制の中医協0825-thumb-250x171-4236.jpg" width="250" height="171" alt="医療課新体制の中医協0825.jpg" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　海外で使われている薬が国内で使用できない「ドラッグ・ラグ」の解消に向け、厚生労働省は8月25日の中医協で、薬事法上の承認がない薬でも健康保険での支払いを認める"近道"を提案し、全会一致で了承されたが、何かが足りない。（新井裕充）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　「抗がん剤など未承認薬の輸入は、安心・確実な○○まで」─。</p>

<p>　インターネット上では、抗がん剤だけでなく違法な薬物も個人で輸入できるサイトがひしめいている。日本で正式に承認されていない薬でも、個人の判断で気軽に使用できる時代。<br />
　しかし、費用はもちろん全額自己負担。重篤な副作用など、何か健康に異常があっても自己責任。「それでもよければどうぞ」という話になっている。</p>

<p>　つまり、「お金と度胸があれば......」という世界。医師に相談する患者もいるかもしれない。しかし、100％完璧な医療はない。医師だって分からない。高額な拠出をして、なおかつ治療効果がある場合、あるいは「ほんの数か月延命できた」という場合もあるかもしれない。生き方、死に方は人それぞれ。いろいろな考え方があるだろう。</p>

<p>　これに対し、国民皆保険制度の下で、「病院に10年間行ったことがない」という健康な人々などから集めた保険料や税金で治療費の一部が支払われる場合は別。<br />
　国がきちんとルールを決めて、副作用被害があった場合の救済制度も整備した上で、「これは保険で支払ってもいいでしょう」という手続きを経る。日本はこの手続きがガチガチなのか、役人が悪いのか、製薬企業が儲け主義なのか、他の国に比べて遅い「ドラッグ・ラグ」が問題になっている。</p>

<p>　前置きが長くなった。今回、中医協で承認されたドラッグ・ラグ解消のための"近道"は、「薬事承認＝保険適用」という現行ルールを緩和して、正式な薬事承認がなくても厚労省の検討会議で事前評価を終えれば保険適用を認めるもの。　すでにテレビや新聞などで報道されており、この日の中医協にもテレビカメラの頭撮りが入った。</p>

<p>　今回、中医協で承認された新しい枠組みでやれば、従来よりも9か月程度の短縮が図られるらしい。素晴らしいことではないか。<br />
　今まで自己負担だった治療費が保険で支払われるようになれば、患者にとって良い話。製薬企業の売上もアップするかもしれない。高額な薬剤をたくさん使用する医療機関にとっては収益増につながるかもしれない。良いことばかり......なのだろうか？<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■ 未承認薬をどうするか</strong></big><br />
　</p>

<p>　「ドラッグ・ラグ」という場合、主に２つのケースが挙げられる。１つは、海外ですでに承認されている薬が日本ではまだ承認されていないケース。医療関係者らが「未承認薬」と言う場合、たいていこれを指している。</p>

<p>　２つめは、ある病気に対する効能や効果があるとしてすでに国内で承認されているが、別の病気などに対して承認されていないケース（適応外）。<br />
　例えば、肺がん治療薬として承認されているが乳がんには使えないような場合を「適応外」と呼ぶ。今回の中医協で"近道"が認められたのはこの「適応外」の薬。</p>

<p>　ここで、ちょっと疑問がある。ドラッグ・ラグを本気で解消しようとするなら、未承認薬も適応外と同様の扱いにするほうが一貫するのではないか？<br />
　この日の中医協でも診療側委員からこのような要望が相次いだが、中医協の公益委員、支払側委員は否定的だった。医療費との関係だろうか。</p>

<p>　しかし、未承認薬はマーケットが小さくて不採算になるがゆえに製薬企業が乗り気ではないとの声もある。未承認薬も適応外も医療費への影響がさほどないなら、未承認薬だけを今回の枠組みから外す理屈が分からない。有効性や安全性の問題だろうか。<br />
　「アメリカ人と日本人は足の長さも肌の色も違うんだから、未承認薬は厳しく審査しなきゃ」<br />
　厚労省がこう考えているかは分からない。<br />
　</p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■　医療費は増えるか</strong></big><br />
　</p>

<p>　新しい枠組みの下、早ければ8月30日から保険適用になる医薬品はわずか５品目。この先、「適応外」をどんどん認めたとしても、投入される公的医療費は大したことないという判断だろうか。会議終了後、厚労省の担当者もそういう説明をしていた。</p>

<p>　今後、どのぐらいの数の適応外薬が薬事承認前の段階で保険適用になるかは分からないが、お金で買える"生命の値段"と公的拠出の必要性とのバランスをめぐる議論があってもいい。<br />
　ある製薬企業の関係者は「あと数か月生きることができるか、そういうところでしのぎを削っているのが現状」と言う。</p>

<p>　今年1月、公益側の関原健夫委員（日本対がん協会常務理事）が高額な「重粒子線治療」を全国に普及することに反対した。設備の維持管理などに多額の費用が掛かることを挙げた上で、「人のお金を使って治療を受けるわけだから」などと語気を強めた。</p>

<p>　8月25日の中医協でも、公益側の森田朗委員（東京大大学院法学政治学研究科教授）が同様の指摘をした。<br />
　「薬事承認を『早くする』という点は私も全く同じ意見だが、これは本来、1号(支払)側がおっしゃるべき意見かもしれないが、ここで問題になっているのは要するに、『承認されていない薬に対して保険を適用するか』という話。保険の原理がまた別にあるわけだから、みんなで拠出してリスクを分散して保険適用するわけだから、『どう保険を適用するか』という基準の話がまずあると思う」</p>

<p>　なお、この日の議題に「医療費の動向」が挙げられていたが、時間が押していたこともあり遠藤久夫会長（学習院大経済学部教授）は「すでに公表されている資料ですので」と次回に繰り越した。<br />
　しかし、未承認薬・適応外薬の問題と医療費は密接な関係があるだろう。保険で認めるべき範囲の設定はいかなる原理・原則に基づくのか、国民に見える客観的な基準の策定を期待したい。</p>

<p><br />
<strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■　医師の裁量権を拡大するか</strong></big><br />
　</p>

<p>　ドラッグ・ラグと医療費との関係で問題になるのが、医薬品の処方に関する医師の裁量権を保障した「55年通知」との関係。<br />
　日本医師会の武見太郎元会長はかつて、「医師のプロフェッショナル・フリーダム」を提唱していたと伝え聞くが、このように現場の判断で自由に使える薬を認めていっていいのかという問題がある。</p>

<p>　官僚による徹底した医療統制を目指す厚労省が「55年通知」の活用に後ろ向きであることは当然で、今後もこうした姿勢は容易に変わらないだろう。<br />
　ただ、診療側の安達秀樹委員（京都府医師会副会長）、嘉山孝正委員（国立がん研究センター理事長）を中心に、厚労省をどう突き崩すことができるかが今後の見所かもしれない。</p>

<p>　現在の医療課は7月の人事異動でほとんど「全取っ替え」という新メンバー。回答に窮する場面もあり、雰囲気に慣れていないせいか頼りない。<br />
　会議終了後のブリーフィング（記者説明会）で厚労省の担当者は「特定機能病院という言葉は法律にもどこにも書いていない」と答えるなど、記者らがドン引きするような状況でかなりヤバイ。</p>

<p>　診療側が一気に攻め込むなら今がチャンスかもしれない。</p>

<p><br />
<strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■　患者に不利益はないか</strong></big><br />
　</p>

<p>　「55年通知」の裏側にある問題として、「医者もいろいろ」という意見が一般国民の間にあることは否定できない。近時、「インフォームド・コンセント」という言葉をよく耳にするが、医療に精通していない一般国民は医師の説明を鵜呑みにするケースもあると聞く。</p>

<p>　デパートの商品説明と違って、医療の場合には「とりあえず説明は聴いた。あとはお任せ」という場合もある。詳しいことは患者には分からない。</p>

<p>　しかし、実は医師にも分からないらしい。池上直己・慶應義塾大医学部医療政策・管理学教授は「医療問題」（日経新聞社）という著書の中で、「経験と勘で決める医療サービス」と指摘している。</p>

<p>　確かに、医師はしばしば「エビデンス」とか、「科学的証明」という言葉を好んで使うが、医療事故の問題になると手のひらを返して「誰にも分からない」「100％はない」と言い切る。　<br />
　当該治療は本当に効果があるのか、患者も医師も完全には分からない中で、医師の裁量にどこまで委ねるか。</p>

<p>　一方、国がハシの上げ下げまで指図して現場に介入し、窮屈で硬直化した医療になっていないか。そうした問題についても、少し議論があっていいだろう。</p>

<p>　医療は、結果良ければすべて良し。患者も、「お金を掛けたかいがあった」と喜べる。しかし、「ドブに捨てた」ということもあり得る。いや、ドブに捨てるだけならいいが......。</p>

<p><br />
<strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p>=====</p>

<p><big><strong>■　副作用被害を防止、救済できるか</strong></big><br />
　</p>

<p>　「医者もいろいろ」という声は至る所で耳にする。これを臨床現場の医師が読んでいたら誠に申し訳ない。ある病院のベテラン看護師が「これまで出会った中で、尊敬できた医師は......」などと嘆いていたことがある。<br />
　また、事務職員が「当院は9対1です」と苦笑したこともある。看護配置ではない。「素晴らしい先生が1人で......」という話だった。</p>

<p>　この日の中医協で、副作用被害が起きた場合の救済について勝村久司委員（連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員）から質問があった。<br />
　厚労省の担当者は、今回のスキームで保険適用が認められた医薬品についても副作用被害救済制度の対象になるとしながらも、「抗がん剤は除外」という現行ルールを説明した。</p>

<p>　薬害事件などを担当する弁護士の中には、現在の救済制度が不十分であるため、拡大・強化を求める声もある。現行制度は製薬企業にちょっと気を使っているのだろうか。</p>

<p>　もし、「ドラッグ・ラグの解消」という方向に一気に舵を切るなら、未承認薬も適応外薬と同等のスキームで短縮化を図り、同時に救済制度の拡大・強化を進めるべきとの考え方もあるだろう。</p>

<p><br />
<strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか</p>

<p><br />
=====</p>

<p><big><strong>■　ドラッグ・ラグは解消するか</strong></big><br />
　</p>

<p>　「ドラッグ・ラグ」が解消されない原因として、「二重審査の仕組みが問題」との指摘もある。現在、医薬品の承認は厚労省医薬食品局が所管する「薬事・食品衛生審議会」の各部会で行われている（非公開）。</p>

<p>　この会議の事務局として、厚労省の関係機関であるPMDA（医薬品医療機器総合機構）の職員がかり出されている。資料作成など、そのための事務的な負担が相当なものらしい。</p>

<p>　現在のルールでは、製薬企業からの申請をまずPMDAが審査した後、さらに厚労省の「薬事・食品衛生審議会」に諮る。この二重審査の仕組みが最大の渋滞原因であるという。そこで、「審査をPMDAに一本化したらどうか」という意見もある。</p>

<p>　その一方で、「副作用被害などの責任を負うのが国（厚労大臣）ならば、審査機関は厚労省内に必要」という意見もある。</p>

<p>　どっちもどっちに思えるが、実は医薬品の審査をする厚労省の「薬事・食品衛生審議会」が実質的な審査機能を持っているのか疑わしいという。<br />
　確かに、ほんの20人程度の医療者や学者が新薬の有効性や安全性を実質的に審査できるのだろうか。もし、そんなことができたらスーパーマンかもしれない。ただの「お墨付き会議」であるなら、やはり無駄ではないか。</p>

<p>　医薬品は使ってみなければ分からないという面がある。むしろ、市販後の調査や情報公開、被害救済などに力を注いで、事前審査はできるだけスピードアップを図るという考え方もあるだろう。</p>

<p>　25日の中医協で厚労省は、共和薬品と大洋薬品が製造販売する「テオフィリン製剤後発品」が自主回収に至ったことを報告した。<br />
　後発品の品質の問題も含め、診療側委員から激しい突っ込みが入ったことは言うまでもない。<br />
　<br />
　<br />
　<br />
　<br />
　（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2362.php#comments" target="_blank">この記事へのコメントはこちら</a>）</p>

<p></p>

<p><strong>【目次】</strong><br />
　P2 → 未承認薬をどうするか<br />
　P3 → 医療費は増えるか<br />
　P4 → 医師の裁量権を拡大するか<br />
　P5 → 患者に不利益はないか<br />
　P6 → 副作用被害を防止、救済できるか<br />
　P7 → ドラッグ・ラグは解消するか<br />
</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>救急車のAED、一般市民用が２％</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/20130911.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/news//2.1375</id>

    <published>2010-08-20T04:09:11Z</published>
    <updated>2010-08-20T05:11:08Z</updated>

    <summary>　国内の救急車が装備しているAEDの中に、救急隊用ではなく一般市民向けの仕様のも...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>　国内の救急車が装備しているAEDの中に、救急隊用ではなく一般市民向けの仕様のものが２％あったことが総務省消防庁の調査で分かった。同庁の担当者は「財政的に厳しい自治体が一般向けAEDを使用している」との見方を示しており、今後各自治体に向けて救急車には救急隊用AEDを積載するよう促していくとしている。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p>　AEDには、救急隊が使用する「半自動対外式除細動器」と呼ばれるものと、一般市民向けに開発された「自動体外式除細動器」の2種類がある。一般向けAEDは使用者が機械の判断に従うシンプルな仕様で、使用中に医療的判断を要さない。公共スペースなどに広く設置されているのもこのAEDだ。一方の救急隊用AEDは医療者向けで、モニターで心電図を確認でき、除細動の実施について判断できるなど患者の状況に応じて使うもの。AEDが一般市民用と"プロ用"に別れていることはあまり知られていない。国は今年3月に各自治体に対し、救急救命士は救急隊用AEDを使用するよう、AEDの適切な配置を求める通知を出していた。</p>

<p>　消防庁は今年4月に、消防機関のAEDに関する全国調査を実施。20日に開いた救急搬送に関する有識者会議に結果を報告した。救急車に積まれている5423台のAEDのうち、106台が一般用AEDだった。担当者は「救急自動車には救急隊用が使われていると勝手に思っていたが、２％で一般市民用が使われていた」と述べた。<br />
　消防車には2478台のAEDが積まれており、1211台と約半数が一般向けだった。これについて坂本哲也部会長（帝京大医学部救命救急センター教授）は、救急救命士が乗らないことのある消防車については、どのAEDが適切か検討していく必要があるとした。<br />
　同庁は今年度に開催する作業部会で、一般向けAEDと救急隊用AEDの特徴の違いを踏まえた上で、各AEDの適切な配置場所について検討していくとしている。救急隊用AEDの不具合事例についても情報収集し、AEDの改良につなげたい考えだ。</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>患者の本音　主治医と仲良しですか？</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/18000117.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/news//2.1374</id>

    <published>2010-08-17T15:01:17Z</published>
    <updated>2010-08-15T07:32:52Z</updated>

    <summary>　ロハス･メディカル誌９月号には、創刊丸５年を記念した特別企画として、日本慢性疾...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／従事者" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="医療／患者・国民" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="人間関係" label="人間関係" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="患者" label="患者" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="本音主治医" label="本音主治医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>　ロハス･メディカル誌９月号には、創刊丸５年を記念した特別企画として、日本慢性疾患セルフマネジメント協会のご協力のもと、患者さん50人に普段医療者には言えない本音を教えていただくアンケートを実施し、その回答を掲載しています（Ｐ16～19）。質問項目の中に「主治医と仲良しですか」というのがあり、その自由記述が非常に面白かったので、患者さんの個人情報は一切削除したうえで全員分をご紹介します。（川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>・主治医と10年以上の付き合いになるので頼りにしています。 また、メールでいつでも質問に応じてくれる先生がいて、どんなことにもまた週末でも、メールで答えてくれるのですごく助かっています。</p>

<p>・ 仲良しという表現が当てはまるかどうかわかりませんが、尊敬しています。 </p>

<p>・何でも話せる主治医です。診察時間が短いので聞きたいことはメモにして行ったり、言いたいことは言ってきます。</p>

<p>・意外と何でも話せる。先生の考えていることと自分の考えていることに違いがあっても、自分の考えていることを伝えられる。そういう雰囲気を先生も出してくださるからでしょうが、病気に関することばかりでなく、いろんな話をしている。</p>

<p>・過度な期待もせず、無力感を感じているわけでもなく、淡々とそれぞれの役割をこなしているという関係です。</p>

<p>・私の性格上、言いたいことは言うし、聞きたいことも聞くので、主治医も何でも話してくれるし色んなことを質問してくれます。ときには、親子喧嘩みたいにもなったりしますが、大抵主治医が折れてくれます。私の年齢と、主治医の子供の年齢と近いせいもあって、私の主治医は（過去の主治医含め）いつも父親みたいになってしまいますが、それもまぁいいかな～とは思います。</p>

<p>・ざっくばらんとしていて、話しやすい主治医です。</p>

<p>・既に通い始めて7年目ですが、基本、３分診療のため、親しくもなれず。</p>

<p>・治療法（病気を良くすると言う意味で）がない病気ですから、あくまでも、私の意見を尊重して、過ごしやすくするためアドバイスをくれること。（もちろんコントロールが、そこそこの条件ですが）。合併症や、他の病気など、先生でわかることの検査を、しっかりＷATCHしてくれてる所。患者がすべき所、先生が支えてくれる所、住み分けが、凄く心地いいので、お互い認め合いながら、受診できる所。だから、その他の生活や趣味などの話も、気軽にできるようになりました。</p>

<p>・初めて大学病院に行った日から20年以上のつきあい、主治医が地方病院に転勤し、その後開業してからも、３時間以上の通院時間をものともせず、"追っかけ"をしている。誠実、公平、冷静、患者の利益・負担を優先に考えてくれる、丁寧な説明、手先が器用（縫合がアート！）、こちらの複合的な病状や性格も熟知しておられること、勉強熱心、......病気になってよかったと思える出来事の一つに、主治医との出会いがあり、目下の悩みは、もし悪化し大学病院に入院が必要になった場合に診てもらえなくなること。主治医に看取ってもらいたかったのに......。 </p>

<p>・内科なのですが、癌を見つけていただきました。 早期に分からなかったら今の私はいなかったことです。 主治医には、感謝しています。</p>

<p>・以前の主治医が急に転勤になり、２人目の主治医ですが、前の主治医と比べるととても話しやすく、質問したことには何でも丁寧に答えてくださるので、感謝してます。友人のように仲良しかと聞かれると違うような気がしますが、信頼関係は築けていると思います。 </p>

<p>・主治医は年齢的にずいぶん年上で、仲良しと言えるほどは親しくないですが、 患者会の旅行や行事に主治医が参加されるので、一緒に飲んだりもします。少なくとも他のお医者さんとは違います。 困ったらいつでも電話ができるくらいの関係ですので、仲良しなんでしょうね。  </p>

<p>・主治医とは受診時のわずかな時間に関わるだけですが、聞きたいことがあればいつでも何にでも答えてもらえるという安心感はあります。</p>

<p>・お２人の主治医ともとてもお話しやすく、自分のこと以外に患者会のこともお話して相談すると、しっかり聞いてくださいますし、アドバイスもいただけてありがたいと常々感謝しています。</p>

<p>・取り立てて仲が良いわけではありませんが、よく話も聞いていただけるし、それに対して意見やアドバイスも言っていただいているので、コミュニケーションは上手く取れていると思います。</p>

<p>・身体に関すること、近況などはある程度話していたし、分からないことや不安なことなども色々と聞いていたので、関係性は良かったと思います。9月から主治医が変わることになるとのことで残念ですが、今度の主治医とも関係性をうまく築けたらと思います。</p>

<p>・気さくな先生なので、いろいろ質問すると楽しそうに教えてくれます。 リンパ節が腫れていて、心配ですと言ったところ、「いや、大丈夫だよ」と模型を使って説明してくれました。「次は8月の終わりかな？　薬の飲み方上手だから頑張ってね！」と受診の目安とほめ言葉をくれるので励みになります。 <br />
=====<br />
・主治医の先生とは18年位になります。データーを見て良く頑張ったネとか少し食べ過ぎとか運動してますか等と色々励ましてくれます。セルフマネジメントのことも紹介してもらった。</p>

<p>・歳は同じくらいだが、必要事項以外は話しにくい感じなので仲良くなる機会がない。</p>

<p>・息子さんの顔まで知っています！</p>

<p>・とても信頼していますが、仲良しではないと思います。</p>

<p>・私の主治医は、自分の気分で患者やスタッフを振り回さないので、長く通院すればするほど、すごくいい先生だなぁと思う。</p>

<p>・自分では仲良しだと思っているのですが、仲良しかどうかは、相手方の先生にも聞いてみないとわかりません。仲良しの秘訣は、主治医を信頼すること、そして、主治医にはっきりと症状を伝えるなど患者側も努力することだと思います。</p>

<p>・私が看護師であると知っているということもあって、何でもざっくばらんに話をしてくれます。私も何でも思ったことを話しています。医師にとってはやりにくい患者かもしれません......。</p>

<p> ・どうだろうー。1年以上の付き合いになるので、気安い口はききますが、 私のことを他の病気の人と勘違いしたり、色々覚えていないので、カチンと来ます。</p>

<p>・自分よりも主治医がつらそうに見えることがあり、たわいもない話をすることが よくあります。</p>

<p>・病気になって以来ずって診ていただいてるので、結婚、出産の際には色々相談しましたが、異性なのであまり込み入ったことは話せません。 </p>

<p>・主治医が私の自主性を尊重して接してくれるのでありがたいです。一時的にコントロールが悪くなっても、私の自己分析や改善アイディアに耳を傾け、アドバイスを下さるので、プレッシャーを感じず前向きにやっていく力になります。</p>

<p>・仲良しというのは、自分の思い込みですが。</p>

<p>・親しい方がだが仲良しというのはあたらないように思う。元同僚でもある。</p>

<p>・診療科によって、微妙に、医師・患者間の距離が異なります。 A先生の場合、病院の食堂で昼食を取っていたら、偶然目の前に、先ほどまで診察していただいていた先生がお盆を持って座られて、「あらーー！！」「今日は、昼食の時間がとれて、良かったですね～」などという会話がありました。廊下でぱったり出会って、話し込んだこともありました。C先生とは、そういえば院内で出会ったことは、一度もありませんでした。しかし、 治療方針の希望を話して、怒らせてしまったが、先生がこちらの希望に添ってくださったこと、先生と本気でけんかしてしまったことなどがあったためか、初診時より無表情だった先生の顔の表情や口調が少しずつほぐれてきて、よく笑うようになりました。よく、医師との相性が大切と言いますが、その判断はとても難しいと思いました。C先生の第一印象は、パソコンを見ているだけで無表情と、決していいものではありませんでした。しかし、一定以上の期間お付き合いしていると、他の先生以上に患者の状態に関心を示すこと、コミュニケーションは不器用だけれども非常に熱心な診療姿勢であることが、強く伝わってくるようになりました。</p>

<p>・入院中は、私の個室は、主治医・看護師・看護助手の息抜きの場になっていました。「コーヒーか紅茶が出てきそう」とよく言われ、退院の時は師長さんから「いつもスタッフを癒してくれて、ありがとう」と言われビックリしました。 </p>

<p>・最近仲良くなってきた気がします。</p>

<p>・先生と体調についてメールでやりとりが出来るので安心して暮らしています。</p>

<p>・２人の主治医ともコミュニケーションは良好です。</p>

<p>・昨年、転院をしました。理由は病院の治療方針と医師に対する違和感からでした。転院してよかったと思います。</p>

<p>（この記事へのコメントこちら）</p>]]>
    </content>
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    <title>村重直子の眼12　本田美和子・国立国際医療研究センター病院医長（下）</title>
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    <published>2010-08-16T15:43:35Z</published>
    <updated>2010-08-16T23:15:34Z</updated>

    <summary> 誌面連動企画の『村重直子の眼』。本田美和子医師の（下）です。...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[<p> 誌面連動企画の『村重直子の眼』。本田美和子医師の（下）です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>村重<br />
「毎年改訂するのですね」</p>

<p>本田<br />
「そうなんです。初版が出たのが2008年の冬、それが大体２万部くらい。去年の９月に改定版を出して、それも２万５千部くらい販売されたと聞いています。今回改訂について話し合ったとき、経年変化を記録できるようにしようという提案があって、本当にうれしかったですね。ぜひ、やりたいと思い続けてきたことでしたから。今回の大きなテーマは『経年変化を書きとめる』ということで、自分の生活や健康について、5年分の記録ができるようになっています。からだについての履歴書みたいに使っていただけるとうれしいなと思っています」</p>

<p>村重<br />
「生活の中で気になった時に書きとめるということですか」</p>

<p>本田<br />
「そうですね。この頃から便秘になったとか、ちょっとお腹が痛いような気がするとか、体重が減ったとか、何でもいいんです。からだにまつわる出来事を、いわゆる医者が書くカルテみたいに時系列で書いていただくページを設けました。それから、今は人間ドックを受ける機会がある方も多いので、健康診断の記録を書いておくページも５年分つくりました。がんなどを早めに見つけるための、スクリーニング検査の項目も、効果がすでに確立しているものを厳選して、リストアップしました。詳しく作っていけばいくらでもできるんですが......」</p>

<p>村重<br />
「それじゃ分厚くなってしまうのですね」</p>

<p>本田<br />
「そうなんです。きりがないので、たとえばがん検診では、検診の有効性が根拠をもって有効だと見なされている疾患にとどめました。また、感染症の検査についても、その人の今後の健康を大きく左右する可能性のある病気に絞りました。ＨＩＶとあとＢ型・C型肝炎などですね。あとは、これまで受けたワクチンの記録です」<br />
=====<br />
村重<br />
「こういう情報があるのとないのとでは、診断に大きく影響しますからね」</p>

<p>本田<br />
「最初の手帳ができあがったときに、使ってみた方にご意見を伺ったんですけど、自分のことを知らないことにすごくビックリしたとおっしゃる方が多かったですね。特にワクチンを受けた記録というのは全然分からないよとおっしゃる方がたくさんいらっしゃいました」</p>

<p>村重<br />
「そうですよね」</p>

<p>本田<br />
「日本には母子健康手帳という、子供の健康を守るための素晴らしいシステムがあります。これは大人の母子手帳のように使っていただきたいんですというと、すごくわかりやすいみたいです」</p>

<p>村重<br />
「経年変化を入れて大人の母子手帳のようにというのは、スタッフの気持ちが一つになったからできたのですね」</p>

<p>本田<br />
「本当にありがたいことです。それから、糸井さんはwebサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』を主宰していらっしゃるので、インターネットを通じて、ここが良かった、ここが悪かったというご意見を、それはそれはたくさんいただくんです。webサイトでの通信販売だけだと手に入れにくいという声があると、じゃあその他の入手方法もということで、全国60店舗ほどある雑貨店のロフトで取り扱ってもらえるようになりましたし、あとは東京の聖路加国際病院や、千葉県の鴨川市にある亀田総合病院、また長野県の佐久総合病院などの病院の売店にも置いてもらっています。最近では、病院内のコンビニエンスストアの、ホスピタルローソンでも一部の店舗で取り扱っていただけることになりました。実際に手に取っていただける機会がふえてきていることを本当にうれしく思っています」</p>

<p>村重<br />
「ちょうど病院に行って、ご自分の健康が気になりだしたぐらいの方たちが手に取っていただけるようになっているんですね」<br />
=====<br />
本田<br />
「最初売り出した時はどういった方が買ってくださるか全く分からなくて手探りだったんですけど、実際に販売してみると、一人で複数冊買ってくださる方がものすごくたくさんいらして、例えば自分と夫とそれぞれの両親に全部で６冊買いましたというように、自分の身の回りの人たちの健康を気にかけたいと思っている方が、自分で買って直接渡してくださっているんです」</p>

<p>村重<br />
「嬉しいですね」</p>

<p>本田<br />
「初版は病気のことを書くところが多かったんですけど、それだと、健康な人は何も書くことがない、名前と住所を書いておしまいということではつまらない、という御意見をいただきました。では、もっと自由に書き込めるページを増やそう、というように、使ってくださる方のご意見をそのまま翌年の改定に反映されていくフットワークの軽さがあります」</p>

<p>村重<br />
「いいですね。インターネットと紙で手に取って使えるものがリンクして動いているのですね」</p>

<p>本田<br />
「そう思います。本当にありがたいことです」</p>

<p>村重<br />
「いつ頃出るんですか」</p>

<p>本田<br />
「９月１日です。９月１日には発売できるように８月はじめには印刷所へ送ることになっていて」<br />
=====<br />
村重<br />
「１冊おいくらかお聞きしてよろしいですか」</p>

<p>本田<br />
「400円です」</p>

<p>村重<br />
「じゃあ、家族の分も買って帰れますね」</p>

<p>本田<br />
「私たちが思いもよらなかった使い方を工夫してくださった方もいらっしゃいます。先日聞いて驚いたのは、開業医の先生が、この健康手帳の裏表紙にご自分の診療所の受診カードをシールにして貼って、手帳全体を診察券にしてくださっている、というんです。急に具合の悪くなられた患者さんが、別の病院の救急外来などにいらっしゃる時に、万が一自分に連絡がつかなくても患者さんの情報を伝えられるように使うことにしたと伺いました。患者さんにも評判がいいとのことで、本当に嬉しく思いました」</p>

<p>村重<br />
「確かにそうですよね。今の方たち、特に普段は健康であまり病院にかからない人たちは、その時々でどこにかかるかあまり深く考えずに、たまたま通りがかった所とか、勤めている場所から便利な所とか、以前かかった病院とは違う所を受診されるんでしょうけれど、実はこういう情報が全く分からないままなんですよね」</p>

<p>本田<br />
「そうですね。もったいないですよね。近くの病院にいらっしゃるというのは全然問題じゃないので」</p>

<p>村重<br />
「生活の中で気軽に行ける所へ行くのは当然ですし、それができるなら患者さんにとって良いことだと思いますが、必要な情報はなんとか伝わるようにしていただきたいですね。そのためにも健康手帳が役に立ちますね」<br />
=====<br />
本田<br />
「初めてこの手帳ができたときに、『これは画期的だ』と言われたことがあって、それにものすごくビックリしました。これは「患者さんからは病気のことを詳しく聴きましょう」と、何十年も前から医学部で必ず最初に教えていることを形にしただけのもので、新しいことなんてどこにもないのに、それがこんなに新しいものだと受け入れられたということは、たぶん私たちが一般の方にお伝えすべきだったことが届けられていなかったということなのかなと思いました。あなたの病気についての問題を解決するために、こういうことを私たちは知りたいと思っているんですよ、という、私たちの手の内を分かっていただくための手段としても使えるといいなと思います」</p>

<p>村重<br />
「そうですねえ。よく患者さんとの情報の非対称とかギャップとか言いますけれど、何を伝えれば診断に結びつくのかとか、病状の変化や過去の病気の何が重要なのかとか、そこから伝えていかないといけないのですね」</p>

<p>本田<br />
「医師は、こういうことをお伺いしたいと思っていますということを、まず多くの方にお届けしておくと、今お困りの体の問題もきっと、もっと早く解決に向かっていくだろうなと思います。手帳に書き込むことで自分のからだを知ることと同時に、医者とのコミュニケーションにも役立てていただけると嬉しいなと思っています」</p>

<p>村重<br />
「使っていただけると嬉しいですよね。できあがるのが楽しみですね」</p>

<p>本田<br />
「はい。楽しみにしています。それから最近、任天堂のコンピューターゲーム機ＤＳiでも使えるようになったんです。発表になったときに任天堂の社長の岩田聡さんと糸井さんと私で座談会をしたんですけれど、任天堂もゲーム機が色々な人の色々な生活の場面で役に立つものであってほしいと思っていると、岩田さんは話してくださいました。自分のゲーム機で、個人の健康も管理できるといいなということなんだそうです。DSi版の健康手帳は無料でダウンロードできて、ＤＳiをお持ちの方はどなたでもお使いになれます。糸井事務所の方々もそうだし、任天堂の方もそうですが、分野の違う方面で御活躍の方々が、同じ『健康であること』に興味を持ってくださって、それぞれの得意な分野で力を貸していただけるということは本当にありがたいと思っています。今回のように、ロハス･メディカルに健康手帳をご紹介いただけることになったのも、ものすごく感謝しています。というのも、健康手帳を使っていただきたい方がたくさんいらっしゃる場所のひとつである病院に、たくさん置かれている雑誌だから。健康に興味がある方に、こういうものがあると知っていただける機会をいただいて、しみじみ嬉しく思っているんです」</p>

<p>村重<br />
「任天堂ＤＳiは、紙の手帳とは少し違った年齢層の方に使っていただけそうですね。先生の元々のお考えが、健康のことをできるだけ多くの方に知っていただきたいということですものね」<br />
=====<br />
本田<br />
「どなたも、健康で長生きしたいなあと思っているわけですよね。でも、普段自分の健康に無頓着で、めちゃくちゃなことをしていた方が、病気になってしまった時だけ専門家に会いに行って、あなたは専門家なんだから病気を治してちょうだいねと一方的に頼むような、病気の専門家に自分を丸投げして、よくならなかったら許さないよという風潮は何とかしなければいけないと思っています。元気なときから自分のことに注意を払っておくことが今後ますます大切になると思いますし、実際、とても役に立ちますからね。健康手帳が自分を大事にするという気持ちを育むためというか、自分を大切にするための道具として使っていただければいいなと思います」</p>

<p>村重<br />
「自分のことを知るというのが自分のことを守ることなんですよね」</p>

<p>本田<br />
「そうなんです。今そういうことを理解しやすい土壌が、楽観視し過ぎかもしれませんけれど、少なくとも５年前と今とを比較すると、こういう話が届きやすくなっていると思います。世の中少しずつ変わっていくと思いますし、そんな時代にお役に立てるようになれば嬉しいと思いますね」</p>

<p>（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/12_2.php">この記事へのコメントこちら</a>）</p>]]>
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    <title>村重直子の眼12　本田美和子・国立国際医療研究センター病院医長（上）</title>
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    <published>2010-08-15T15:03:31Z</published>
    <updated>2010-08-16T01:30:51Z</updated>

    <summary>　元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談してい...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/100723honda.JPG"><img alt="100723honda.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/100723honda-thumb-120x184-4229.jpg" width="120" height="184" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/100723murasi.JPG"><img alt="100723murasi.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/100723murasi-thumb-120x184-4234.jpg" width="120" height="184" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　元厚生労働省大臣政策室政策官の村重直子氏が在野のキラリと光る人たちと対談していく好評のシリーズも12人目になりました。お相手は、国立国際医療研究センター病院でHIV診療などを担当している本田美和子医長。本田医師は、患者自身が自らの記録を付けていく大人版母子手帳のような『ほぼ日の健康手帳』を考案しました。なお今回は、初めて誌面とも連動します。webにはいつものように対談の全文を２回に分けて、誌面の方にも抜粋したエッセンスを９月号のＰ12～14に掲載します。（担当・構成　川口恭）</p>]]>
        <![CDATA[<p>村重<br />
「『ほぼ日の健康手帳』も３年目だそうですが、どういう内容で、なぜ作ろうと思ったのか教えていただけますか」</p>

<p>本田<br />
「臨床医として患者さんにお目にかかる時には、大抵みなさんおからだの調子が悪くていらっしゃっているわけですが、医師は患者さんから色々とお話をお伺いして、こういう事情のある方だったら、こういう既往のある方だったら、こんな病気の可能性があるというように、お話を聴きながら問題を絞っていくというトレーニングを受けて医者になっているわけです。ですから、そういうお話を私たちは伺いたいんだけれど、患者さんが、たとえばお腹が痛いので今日は来ましたとおっしゃるとき、そのお腹が痛いのは、本当は５年前の盲腸の手術が原因になっているかもしれない。また、どんなお薬を飲んでいるかや、ご家族にどんな病気の方がいらしたかというようなお話を伺うことで、その方の症状の背景を知ることができて、診断に早く結びつけることができます。でも、このようなことをお訊きしても知らない方が結構いらっしゃいますよね。知らないことが悪いんじゃないけれど、そういうことを知っているのがどれほど自分の身を守るかということについて、誰もお伝えしたことがないから」</p>

<p>村重<br />
「ないですよね」</p>

<p>本田<br />
「そう、だからご存じでなくて当然だと思う。なので、これまでの健康の歴史とかご家族のご病気ことなどを知っていらっしゃるというのは、今の自分のからだの問題を解決するのに本当に役に立つことなんですよというのをお伝えしたいという思いが研修医のころからあったんです。自分がお目にかかる患者さんには直接そう申し上げることができるけれど、その数には限りがあるし、もっと多くの方々にお伝えできる機会があればいいな、とずっと思っていました。私、アメリカでしばらく仕事をしていましたけれど、救急外来にいらっしゃった患者さんのお話をお聴きしていると、私はジゴキシンというお薬を0.125ミリグラムずつ毎日飲んでいる、なんておっしゃるおばあさまがいらっしゃるの、全然珍しくないんですよね。」</p>

<p>村重<br />
「アメリカには、ご自分で言える方いらっしゃいますよね」</p>

<p>本田<br />
「そう、だから日本の人が言えないというのは慣れてないだけで、こういうことを聴きたいのです、とあらかじめお伝えしておけば、日本の人は絶対にそれができると思うんです」</p>

<p>村重<br />
「日本人は結構まじめにやってくださると思いますよね」<br />
=====<br />
本田<br />
「そうなんですよ。それをお伝えする方法があった方がいいなとずっと思いながら、日本に戻り働いていました。５年ほど前に、医療に興味のある人たちが集まって勉強する東京大学の医療政策人材養成講座というのが開かれていて、行ってみることにしました。そこには、医療に関する仕事をしている医療従事者、医療政策を作っている方、メディアの方、患者さんあるいは患者さんを支える活動をしている方、の４つのグループの人たちが集まっていました。この講座では講義を受けながら、１年を通じて何かプロジェクトをしなければいけなかったのですが、これだけ色々な分野の人が集まっているのだから、ここで多くの人の知恵をお借りして、私がずっと作りたいと思っていた自分を守るための記録をつけるノートを作れないかと思いました。声をかけたら、歯科医師、医療ソーシャルワーカー、健康雑誌の編集者、それから消費者センターで一般の方からの相談を受けていらっしゃる相談員、弁護士という様々な分野でご活躍のかたが集まってくれました。このチームで、自分のからだのことを知って、大切にするための道具としての健康手帳を作ることになりました。　健康な暮らしを支えるために知っていると役に立つ、と自分たちが考えていること、病気に関する記録はもちろんですが、食生活の組み立ての考え方や、医療保険の使い方、遺言の作り方など多岐にわたる内容をおさめました」</p>

<p>村重<br />
「一冊の本になるぐらいのものだったそうですね」</p>

<p>本田<br />
「はい。ファイルになって、色々書き込むようになっていて、自分のことを前のページから順番に書いていくと、一番最後のページを書いていく時には、あなたの人生の健康に関することや今後気をつけておくと良いことなどはすべてこの中に入っている、というようなものでした。既往歴、飲んでいるお薬や日常生活で役に立つ高齢者機能評価まで網羅していて、内容的には自信をもっていました」</p>

<p>村重<br />
「生まれてから人生ずっとみたいな感じですね」</p>

<p>本田<br />
「そうなんです。で、できたのはいいのですが、実際に手に持ってみると、ワープロで打って穴を開けて綴じたバインダーは厚くて大きくて、デザインも無骨で全然かわいくないし、書き込むのが楽しいとは言い難いものになってしまっていました。これを多くの人に使ってもらうにはどうしたらいいかなあと考えているうちに、医療政策人材養成講座というのは終わっちゃって、みんなも解散して、厚いファイルと私が残されたわけです」<br />
=====<br />
村重<br />
「それをどうなさったんですか」</p>

<p>本田<br />
「私は、1999年から糸井重里さんのwebサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で健康についてコラムを書いていたので」</p>

<p>村重<br />
「連載されていましたよね」</p>

<p>本田<br />
「それで糸井さんのご意見をお伺いしてみようと思いました。『じゃあ、一度現物をもって来てみて』とご連絡をいただいたので厚いファイルを持っていったら、糸井さんはスタッフの人たちをたくさん集めてくださっていて、10人ぐらいの方を前に健康手帳についての説明をすることになりました」</p>

<p>村重<br />
「そんなに大勢集めてくださったんですか」</p>

<p>本田<br />
「ええ。とても感謝しています。わたしの長い長い説明が終わった後で、この健康手帳が私にとってすごく大事な友達だというのは分かったけれど、その良さを多くの人に分かってもらうには、すこし工夫が必要だと思う、と、糸井さんはおっしゃいました。この中で必要な部分だけを抜粋してみて、それからもう一度考えようと言うことになりました。２カ月くらい経ったところで連絡があって、厚いバインダーがこうなったんだけど、これでいいなら進めたいとおっしゃった。私は見せていただいて、『よろしくお願いします』と即答しました。私は、自分の健康を守るために必要なことは全部カバーできるようにしたいという思いがあって、どんどん内容を詰め込み過ぎていたんですけれど、現実問題としての使い勝手の悪さが問題となっていました。抜粋された内容は、ほんとうにコンパクトになっていて、自分のこれまでの病気、飲んでいる薬、家族の病気と、病院にかかったことがあればその記録と、あとは病気や健康に関するコラムが残りました」<br />
=====<br />
村重<br />
「エッセンスは残されていたということですね」</p>

<p>本田<br />
「はい。私はこれで十分満足でした。とにかく驚いたのは、とてもかわいくなったんですよ」</p>

<p>村重<br />
「もうデザインがついていたんですね」</p>

<p>本田<br />
「すごいの。医者のわたしが作った内容に対して、編集者、デザイナー、イラストレーター、と専門家の力がどんどん反映されていて、手帳そのものに愛着がもてる仕上がりでした。また、糸井さんから、手帳のテーマとなる詩を谷川俊太郎さんにお願いしようと思うんだけど、どうだろうかとお話をいただきました。もちろん、ぜひお願いいたします、と申し上げました。とてもうれしかったですね。自分が作りたい手帳に、谷川俊太郎さんが詩を書き下ろしてくださるなんて幸運を想像したこともありませんでしたから。手帳の表紙の裏にある、谷川さんの『カラダと仲良く』というタイトルの詩です」</p>

<p>村重<br />
「手帳のコンセプトをうまく表していて、素敵な詩ですね。それに、イラストもかわいく、キレイにできてますよね」</p>

<p>本田<br />
「そうなんです。それからもうお一方、日野原重明先生が小さな勉強会を主宰していらっしゃって、参加させていただいているんですが、そこで伺う日野原先生のお言葉いつもとても胸に染みるので、日野原先生にもご相談申し上げることにしました。そうしたら日野原先生は二つのことについてお話しくださいました。まずはそれぞれが自分のカルテを作ることがどれほど大事かということ。つまり、たとえ３分診療しか時間がなくても、自分の体のことを十分に知っていてそれを伝えることができれば、その３分間はとても有意義だということをお話しくださいました。あともう一つは、ピカピカの無傷の健康があればそれがいいけれど、すべての人がそれを手にすることはできないですよね。ですから、『病気があるにもかかわらず』とか、『寝たきりにもかかわらず』とか、何でもいいんですが、『にもかかわらず』私は今日一日を気持よく過ごせたし、朝起きた時には今日１日何をしようかなと計画を考える、といった、日野原先生は健康感とおっしゃいましたけど、何か病気があっても何があっても人は健康な気持ちを持ち続けることができるんだよ、という素晴らしいメッセージをいただきました。そうして、谷川俊太郎さんの詩と日野原先生のお言葉を毎回入れることになりました」</p>

<p>（つづく）</p>]]>
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    <title>「標準医療の底上げで、救える命を救う」森臨太郎氏インタビュー③</title>
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    <published>2010-08-10T03:15:00Z</published>
    <updated>2010-08-10T03:38:46Z</updated>

    <summary>　森臨太郎氏（東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授）インタビューの最終回で...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／国" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>　森臨太郎氏（東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授）インタビューの最終回です。国民全体の医療を向上させるには、先端医療の開発よりも今ある医療を標準化し、底上げすることが必要と伺いました。今年度から始まった戦略研究で、森氏は実際に標準医療の底上げに取り組み始めています。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p><strong>■インタビューの<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/06140556.php">第１回</a>、<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/09181548.php">第２回</a>。記事中に出てくるガイドラインの説明は<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/07/28105152.php">こちら</a>、ガイドラインは<a href="http://plaza.umin.ac.jp/~jspn/J-PrePguidline.pdf">こちら</a></strong><br />
　<br />
<big><strong>■情報共有の限界知った制度設計を</strong></big><br />
熊田<br />
「そうですね、<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/09181548.php?page=5">そこ</a>が変わらなかったら、政権が変わったとしても、誰が何をしようとしても変わらないですね。でも、そう変わるためには何が必要になってくるのでしょうか？　どのポイントが変わると自分たちでやっていこうという意識に変わるのでしょうかね」<br />
　<br />
森<br />
「そこは自分の一番大きいテーマです。日本の医療現場で一番変わらないといけないのは、全体のガバンナンス意識がまずあると思います。これは医療だけでなく全ての分野においてですが、日本という国が次の新しい段階に行く時、政局だけで物事が変わるのではなくて政策で変わるようになっていかなければいけません。医療の政策は残念ながら専門家にしか分からない世界です。じゃあ全ての情報を国民で共有できたら変わるんじゃないかとも思いますが、それには限界があります。医療という少し込み入った世界の話について、全ての一般市民の方と完全な情報共有することは残念ながら難しいと思った方がいいです。もちろんできるだけ努力はすべきですが、どこかに限界があります。限界があると思った上で制度設計をする必要があります」<br />
　<br />
熊田<br />
「確かにそうですね、全部を共有するというのは難しいと思います。でも、どんなふうなシステムが考えられるのでしょうかね」<br />
　<br />
森<br />
「一つ面白いのは、スウェーデンでは地域ごとに医療の予算が決まります。予算を決めるのは何かというと、地域の自治体や国ではなくて、住民が直接選挙で選ぶ『医療委員会』です。そのメンバーが非常に強い権限を持っていて予算を配分します。赤字になれば当然彼らは糾弾されます。持っている財源の中でやらなければいけません」<br />
　<br />
熊田<br />
「そんな委員会があるのですね」<br />
　<br />
森<br />
「彼らになぜこんな強い権限があるのかというと直接選挙で選ばれているからです。ただ、彼らは強い権限といっても政治家ではありません。国の中には経済、金融、医療、福祉、教育などの様々な分野があって、それぞれに問題があります。でも一人の政治家が全ての知識を把握できるわけがありません。地方の議員も同様です。そうしたら今度は新しい方法として、地域の人が医療だけの議員を選ぶというのは一つの在り方なんじゃないかと思います。『私には情報がないから決められないけど、あの人は信用できるからあの人に私の事を決めてもらおう。でも変な事をしたら絶対投票しないから』ということで、緊張感もあります。これは面白い方法だと思います」<br />
　<br />
熊田　<br />
「なるほど。委員自身にはどんなメリットがあるのですか？」<br />
=====<br />
<big><strong>■集金配分と提供システムの権限を集約し、改革を</strong></big><br />
森<br />
「大きな仕事したいと思っている人はいるので、フルタイムでしないといけない仕事なら、給料を保障していく事などが考えられますね。日本の場合は、保険という「集金」と、診療報酬の「分配」という集金と配分のシステムがありますが、そこと医療提供体制を担当する部門が大きく違っています。この権限が分断されていると大きな改革はできません。その時にやらないといけないのは、保険の集金配分システムと提供システムなどの権限を集約させるという事です。この地域における医療提供体制や予算配分含めて、一度権限を同じところに戻さないといけません。日本はあちこちに権限があるので、こちらを動かそうとするとあちらもと、同時に動かせないんです。それが日本の今の医療提供体制の問題点です」<br />
　<br />
熊田　<br />
「でも、権限が集約されるともっと怖い気もしますけど......」<br />
　<br />
森<br />
「権限を集約すると暴走する可能性があるので、そうしないためには国民の直接選挙による監視が必要です。そのシステムを埋め込みながら、権力を集約させる事が必要かと思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「どこに集約されることになるのでしょうか？」<br />
　<br />
森<br />
「日本でこれをやろうとすると多分道州ごとなんです。例えば近畿州があるとして、その政府下に保健委員会のようなものを置きます。保健委員は政府からは独立していて、その委員を皆で選びます。委員会は保険者と被保険者をまとめ、医療提供体制などにも権限を持ちます。そうするとお金の出方と入り方も変わってすごい権力になるので直接選挙にします。それぐらいの単位で見ていくという事ですね」<br />
　<br />
熊田<br />
「道州制にする理由は何でしょうか？」<br />
　<br />
森<br />
「優秀な人の数はそんなにたくさんいないということと、道州より小さくすると都道府県になりますが、それでは現在の生活感覚から言うと狭いです。医療圏は生活圏になるわけですが、その生活圏で考えると大体は関西や関東という枠で皆捉えていて、一つの都道府県に収まっていません。一般的な人が一生そこで過ごそうという生活圏と考えると、道州制は理にかなっています。国や地域によって事情が違うとなると、エキスパートの人が必要になります。実務の人も要るので、官僚が必要ですが」<br />
　<br />
=====<br />
<big><strong>■保険者と被保険者を一致させ、当事者意識を</strong></big><br />
熊田<br />
「なるほどですね、それぐらいの単位が考えやすいと。今は当事者意識と言いますか、『社会＝自分』と考える意識が薄いように思います。それが例えば、今問題になっている教育とか農業とか食とか、どの分野でも共通した問題だと思います。みんなが参加していく意識ができてこないと、どんなに政権が代わろうと、日本は変わらないと思っています」<br />
　<br />
森<br />
「納税者の視点を持たないと、事業は膨らむだけで話になりません。未来の子供に負担を圧しつけているだけで、社会保障は重くなる一方です。ですからさっきお話しした、保険者と被保険者をグループとして一致させないといけません。そうでなければ当事者意識は生まれません。日本国だと広がり過ぎだから、見える仕掛けにするためにもある程度地方に降ろさないといけません。投票行為として参加しているところがないといけないです」<br />
　<br />
熊田<br />
「イギリスでは医療の中でどの分野にどれぐらいお金を投資するのか、そういうのは決められていたりするのですか？」<br />
　<br />
森<br />
「ある程度はありますが、医療は縦と横の割り方があるのでそう単純ではないですね。横軸に制度やシステム、医療提供体制があります。そして縦軸に小児や高齢者......など、トピックごとにあります。これはマトリクスなのでこうお金を使うとはなかなか言えません。もちろん国として政治判断で、子どもを大切にとか、高齢者を大切にとかはあるので、予算をその方向にシフトするというのは当然あります。日本でもそうですよね」<br />
　<br />
熊田<br />
「日本はその時話題になっているものとか、予算が付きやすいところに付くようになっていると思います。ただ、その時々の情勢に左右されるやり方では限界がありますし、お金さえあれば医療を尽くせるようになっています。でも財源は限られていて、国民は医療にどこまで求めていくのか、医療界はどこまでやっていくのかと、考えていかないといけないと思います。なかなかできないとは思うのですが」<br />
=====<br />
<big><strong>■「新しいものは要らない」</strong></big><br />
森<br />
「地球規模の考えではほぼ常識化しつつあることですが、国連の『ミレニアム開発目標』があります。乳幼児死亡率の削減や、妊産婦の健康の改善などが目標になっていて、それを達成するためにどうするかを考えるのが私の本業ですが、そこでは『新しいものは要らない』という考え方です。効果がはっきり分かっている診療行為や公衆衛生行為がありますが、そこにアクセスできる人はすごく少ないから、ちゃんと広げようということです。新しいものではなく、すでにあって、よく分かっていて利く良いものを広げていく。それにお金をかけようという話をしています」<br />
　<br />
熊田<br />
「医療提供体制を全世界でボトムアップしていくのですね。新しいものにつぎ込むのではなく、すでにある良いものに手が届いていない人たちをバックアップする」<br />
　<br />
森<br />
「日本では医学がどんどん進んでいます。良い事かもしれませんが、よくよく考えると高齢者も子供も地域や受ける病院によって、ずいぶん受ける診療行為が違っています。分かっている標準的な診療を７０％でも皆に届くようになっただけで、日本の国民の健康度はもっと上がります。そっちのほうがよっぽど大事です。新しいものを１００％求めようとして新しい技術や臓器移植などを求めるのもいいけども、そうではなく『ボトムアップの方向にお金をかけましょう』というのがあるべき姿ではないでしょうか」<br />
　<br />
熊田<br />
「今ある命を守るということではそうだと思います」<br />
　<br />
森<br />
「今は地球規模の健康政策として、英国や米国でも、医療の不平等やアクセスというものを充実しようと考えられています。医療を受けられないというバリアなくし、貧困層がアクセスできるようにしようと。『社会的弱者の人もこうやったら健康度が上がります』という話になりつつあります」<br />
　<br />
熊田　<br />
「世界的にはそういう潮流にあるわけですね。日本は迷走しているような気がします......」<br />
=====<br />
<big><strong>■標準医療のボトムアップを国の戦略研究で</strong></big><br />
森<br />
「周産期に話が戻りますが、今度厚労省の戦略研究のメンバーに加わることになりました。厚労省が周産期医療に大きなお金を付けてくれたのですが、現在そこで検討している研究で私達が考えているのがこの考え方です。総合周産期センターは今、７７施設ありますが、かなり診療内容に差があります。各施設のデータを取り、どんな診療行為をやっているのか見てみると、それぞれの施設はどういう診療行為が得意か不得意かが見えてきます。そうすると、中には全国から見るとこんなのは当たり前という事がされてないという施設もあるでしょう。それが『常識ですよ』という事を教えるだけで、かなり良くなると思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「なるほど。まさしく周産期医療の均てん化、標準医療をボトムアップしていくことですね」<br />
　<br />
森<br />
「『22、23週の早産の赤ちゃんへの治療をどんどん開発していくにはどうしたら』という方向も良いですが、一方でボトムアップをすることで死亡数をもっと減らせるはずです。日本ではある地域や医療機関でやっている事が、隣に行くとあまりに違うということがあります」<br />
　<br />
熊田<br />
「確かに、同じ地域であっても医療機関の特徴や医師の違いで全然違うということはありますね」<br />
　<br />
森<br />
「僕の新生児科医としてのテーマは、救えるはずの赤ちゃんが救えていないとすればどうするかということですが、その差を解消して皆で共有してボトムアップすれば、かなりの赤ちゃんが救われるんじゃないかと思っています。それが次のステップだと。戦略研究として、全体のデータベースを解析し、ある施設の中での得意不得意分野を見出し、それに対してのガイドラインをワークショップして皆さんにお伝えして、フォローアップして、改善してもらう。それをいろんな施設でやります。得意不得意分野をテーラーメイドして介入していく。こんな研究が実現できればと思っています。学者としては新しいことが生まれるわけではないので、つまらないかもしれないですけどね（苦笑）」<br />
　<br />
熊田<br />
「国民の一人としては、そうしてもらいたいと思います。自分の通う病院と隣の病院でされる医療が全然違うというのは、知ったらショックです。知ることすらできないのが今の日本かもしれませんが」<br />
=====<br />
<big><strong>■「先」より「後ろ」を引き上げる</strong></big><br />
森<br />
「僕らは進んでいく『先』じゃなくて、『後ろ』をできるだけ引き上げてあげる方が今は大事だと思います。それをやってから初めて先の話ができると思います」<br />
　<br />
熊田　<br />
「他の診療科もそうできるところはありますよね。例えば、がん拠点病院やエイズ拠点病院とかも、あまりにも地域差や格差がありすぎると思います」<br />
　<br />
森　<br />
「がん拠点病院も何百とありますが、かなり診療内容に差がありますし、一部地域では当然の緩和ケアも他ではなかったりします。それってなんだろうと思います。それをどうにかしようとしたいと思うと、公衆衛生的視点からなんとかしようということになります」<br />
　<br />
熊田　<br />
「医療界もですが、国民全体でこういう事を考えるようになるには、どうなっていくとよいでしょうかね」<br />
　<br />
森　<br />
「社会がもっと余裕を持たないといけないと思います。何のために生きているのか、幸せになるってどういう意味か、共生するってどういうものなのかと。そう思っていかないといけません。自分がそれを生きてやっているという自己責任の意識、それがないといけないと思います」<br />
　<br />
　<br />
（終わり）</p>

<p><a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2358.php">この記事へのコメントはこちら</a><br />
</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>医療政策に総意形成プロセスを－森臨太郎氏インタビュー②</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/news//2.1366</id>

    <published>2010-08-09T09:15:48Z</published>
    <updated>2010-08-09T09:49:21Z</updated>

    <summary>　森臨太郎氏（東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授）インタビューの第2回で...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／国" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>　森臨太郎氏（東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授）インタビューの第2回です（前回は<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/06140556.php">こちら</a>）。今回は、<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/07/28105152.php">このガイドライン</a>の作成過程に関する考え方が医療政策全体に通じるというお話を伺いました。エビデンスの取りまとめや納税者の視点に立った費用対効果分析、医療者と患者の情報交流にもつながる総意形成手法といった部分にポイントがありそうです。（熊田梨恵）</p>]]>
        <![CDATA[<p><big><strong>■学会丸投げは患者視点失う</strong></big><br />
熊田<br />
「NICEでもその総意形成の方法は根付いたのですか？」<br />
　<br />
森<br />
「全くエビデンスがない部分とか、そういうところは総意形成で作らざるを得ませんし、しっかりと方法論として根付いています。日本も『話し合いを基に総意形成をしていきましょう』と言っているのですが、そういうガイドラインはほとんどありません。こういう部分が作成過程における問題点ではありますが、もう一つ、日本のガイドラインは学会が作りますよね」<br />
　<br />
熊田<br />
「そうですね。大体どこかの学会が作成しています」<br />
　<br />
森<br />
「学会は専門家集団なので、当然偏りが出ます。それは当然で、新生児科医だけが集まれば新生児科医に有利なものになります。例えば、小児の中耳炎のガイドラインで、小児科医と耳鼻科医の作ったもので内容が違うということがありました。患者さんにとってはそれでは困りますよね。それぞれの医師には違う意見があるわけですけど、患者さんは自分の状態にとって最も適切な一つの事をされたいので、それぞれの違う意見はどうでもいいのです。NICEの場合は、学会から独立しながらも、一緒に作ります。帝王切開をどういう手法で、というのは学会がやります。でも、もう少し一般的な、発熱したらどうするかとか、正常出産をどう扱うかとか、そういった幅の広いものは学会に関係なく国がお金を出して作ります。日本は学会丸投げなので偏りが生じてしまうのですね。そこも日本のガイドラインの問題点だと思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「なるほど、国が請け負う分野と、学会が担う分野が別れているのですね」<br />
　<br />
森<br />
「もう一つは、英国は国策でやっているので、ガイドラインを作ると国中にそれを導入する形になります。ガイドラインは法律ではないので100%遵守する必要はないですが、どれぐらい遵守しているかは監視され、予算に関係します。だからみんな一生懸命遵守します。作った後、導入されたことによってコスト削減になり、質が上がったかというシミュレーションも地域ごとにできるようなツールも作ります。中身をプレゼンテーションして使用しやすいようにスライドのセットにしたものも作成して配布しますし、遵守したらどうなるという評価指標もセットで作ります。日本のガイドラインは作って本を出して終わりで、守られているかどうか分からないですよね、それが大きな違いです」<br />
　<br />
熊田<br />
「導入から評価指標のツールまで考えられているとは、『作って終わり』ではないわけですね。ところでちょっと気になるのですが、『ガイドライン』というものは『マニュアル』とは違うんですか？」<br />
=====<br />
<big><strong>■「ガイドライン」と「マニュアル」は違う？</strong></big><br />
森<br />
「そこは微妙な話です。違うと言えば違うのですが、ガイドラインは非常にグレーなものです。100％守らないといけないのは法律です。100％守らなければいけないわけではないけど『こうやった方がいいよね』というものはすべてガイドラインに含まれても悪くはありません。ガイドラインは法律ではなく、そこからずれるものです。ガイドラインがどこを対象にするのかというと、ある事柄について施設間格差や診療行為に大きな差があって、なおかつ強いエビデンスがあって、『こっちかあっちか』と、方向性が専門家の中であるにもかかわらず非常にばらつきがあるところ、そういうところに焦点を当てます。そういうのはマニュアルじゃないですよね。マニュアルは『こういう時にはこのシリンジを使おう』とか、そういう話ですよね。それは約束事であって、ガイドラインからするとどうでもいい話なので、ほとんど扱われません。診療やアウトカムに影響する事柄なら、ガイドラインで扱うかもしれないですけど」<br />
　<br />
熊田<br />
「私も今まで、ガイドラインとマニュアルの差がよく分かっていなかったのですが、ガイドラインがあると、現場の医師の思考がストップするんじゃないかと思っていたのです。何かあった時に考えないでそれに頼るようになってしまい、考える力をなくすことにつながるのではないかと。でも、その考えでいけば、ガイドラインであれば思考ストップという話じゃないですよね」<br />
　<br />
森<br />
「ただ、正直英国でも同じ問題があって、多少思考停止に陥っていくことはあります。若い研修医の中では『NICEの言うようにやっていれば問題にならないから』となってしまって。考える力が少し弱くなり、『従うだけの若い人が増えちゃったよね』という不満は実は出てきていました。それはあながち間違いじゃないし、おそらく日本でもそうなる可能性はあります。ガイドラインの目的はそういうことではもちろんないのですが、副産物としてそういうものがないわけではないですね」<br />
　<br />
熊田<br />
「ガイドラインが言ってるのは、あまりに施設間格差があるとかそういう治療や予防などについて『こうする方が国の経済的にもいい』とかそういうところなんですね」<br />
　<br />
<big><strong>■費用対効果を超える「価値観」</strong></big><br />
森<br />
「ところが、NICEがそれをやりすぎて失敗したと言われているのが、抗がん剤なのです。新しい抗がん剤は、古い抗がん剤に比べていくつかのメリットはあるのですが、それを大きく凌駕する効果は示せないことも多く、しかしながらとてもコストが高いです。費用対効果分析をしても費用対効果が出ないことがよくあります。でもそれを使うか使わないかは一人ひとりの患者さんが考えると、また別の問題でしょう。多少費用対効果がなくても、国全体の価値観として、納税者の視点としてこれだけ払う価値があるとしたら、それで多少捻じ曲げることはあるわけです。完全に白黒はっきりできるものではないし、僕らが見ているのは費用効果だけではないわけです。どれぐらいプラスマイナスがあって、という文脈を含めて『社会の価値観』として捉えています」<br />
　<br />
熊田<br />
「今回の未熟児動脈管開存症のガイドラインですが、先生は作成過程そのものを計画されました。その時に難しかった部分はどういうところでしたか？」<br />
　<br />
森<br />
「このガイドラインではもっとも基本であり基礎である『しっかりとした科学的根拠に基づくこと』を守ることに労力を費やしました。ただ、これはシステマテックレビューの部分のことで、現状では費用対効果分析はできないと思いました。特に未熟児の動脈管開存症という医療従事者の間の狭い世界の話になりますしね。なので、その分コンセンサスを入れるとか、一般患者さんの声を拾い上げる事に留意しました」<br />
　<br />
熊田　<br />
「確かに費用対効果分析は難しそうです......」<br />
=====<br />
<big><strong>■医療者と患者が認識の違いを理解</strong></big><br />
森<br />
「もう一つは、ガイドラインのプロセスをどれだけちゃんとやっても、学界の権威主義になってしまっては意味がありません。エビデンスの世界でつきつめていっても権威主義や利益相反は乗り越え難いことがありますが、そこはちゃんと乗り越えたいと思いました。そのためには若い人たちを入れる事かなと。特にガイドラインはこう作成していくという考え方や、こういう考えに基づいてやっているのだという教育の現場にもしたかったのです。若い先生たちに実際に作成するプロセスの中で勉強してもらうという事が、私達が工夫したところでした」<br />
　<br />
熊田<br />
「なるほど、若手の教育の場にもなったということだったんですね。その総意形成、先程デルファイ法のお話もありましたが、今回のガイドラインのどこに必要だったんですか？　エビデンスの弱い部分ですか？」<br />
　<br />
森<br />
「今回はすべての項目で総意形成法を使用しています。どれだけエビデンスが強くても、『実際の現場の視点で考えるとこう』というのはあって、完璧じゃないんです。効果はあっても、副反応はどんな薬にもあります。それをどう捉えるかは、両方含めて考えないといけません。この両方含めて考えることは人でしかできないことです。エビデンスがないところだけに総意形成するのでなく、全ての項目が総意形成で叩かれています」<br />
　<br />
熊田<br />
「そうだったのですね。でも、このガイドラインの内容は専門的で難しすぎて、ご家族の方では判断が難しいところもありませんか？　実際、私にも意味が分からない項目が多いです」<br />
　<br />
森<br />
「そこが難しいところで、NICEでも『一般患者さんに科学的根拠や推奨などの内容が分かりにくいじゃないか？』と話題になります。そこで、今回はカンファレンスに入る前に、一般患者さんには別の時間を取って説明をしました。ただ、会議の中で医療者同士のの話し合いに対して、患者さんから『それはどういう意味なのか』と、投げてもらうのも一つのプロセスなわけです。『患者さんはそこが分からないんだ』という事が、医療者たちも議論が白熱すると忘れがちです。会議の中で患者さんにとって何が分かって何が分からないという事を医療者が理解するという事も大事です」<br />
　<br />
熊田<br />
「患者さんにとっては、実はこんなにも根拠があいまいだったり、医療が完全じゃない、ということが見えるということですね」<br />
　<br />
森<br />
「どんな診療行為でも、医療者同士だと技術的な話になって、専門家の自己満足の話になってきます。そこで患者さんに質問されると、『患者さんにできるだけ健康になってもらうことが目的なんだ』と改めて気付いて考え方が変わり、話を原点に戻すことができます。そういう視点を投げてもらう事も大事だと思います」<br />
=====<br />
<big><strong>■「診断」は通過点</strong></big><br />
熊田<br />
「今回、診断に関する項目を除外されたということですが？」<br />
　<br />
森<br />
「診断を導き出すためだけの項目は除外した、ということです。ガイドラインの目的は診断の精度ではありません。例えば未熟児動脈管開存症を診断するのに、超音波を使うのと、聴診器とでは、どちらが精度高いかというと超音波に決まっています。医学の世界では多くの場合侵襲的な検査ほど精度が高い傾向にあります。しかしながら、侵襲的な検査をすることによって患者さんにとっては不快なことや有害な影響もありますよね。ある検査をすることによってどれだけ診断精度があり、さらにその結果がどういう治療方針に影響するかという事、そこまで含めて考えた上でどうするか、ということなのです。『こっちの検査の方が精度が高いからよかった』と言うなら、突き詰めていくと患者さんが亡くなって病理解剖をすれば最も正しい診断ができるということになってしまうでしょう。そうすると、患者さん中心の視点が崩れていきます」<br />
　<br />
熊田<br />
「患者が何を望んでるかとか、治療のゴールをどこに置くかとか。QOLを考えると、治療法も変わってくるかもしれないですよね。そうなると、診断は患者さんがよくなるための過程であって、それが目的になるものではないということでしょうか。診断に重きを置いた日本のガイドラインが滑稽に見えますね」<br />
　<br />
森<br />
「結果ありきですからね。診断からスタートして治療行為があり、そのプロセスを経て結果まで行って初めて、『こちらがいいね』ということになるわけですから。あくまで診断は目的じゃなくて通過点なんですね」<br />
　<br />
熊田<br />
「今回のガイドラインはとても画期的だと思います。他の診療科にも参考になるところがあると思うのですが」<br />
　<br />
森<br />
「新生児医療はご存知のように、日本の医療の中でも端っこの端っこにあるので、このガイドラインを作ったから参考にして下さいとは口が裂けても言えません（笑）。皆様がどう捉えるかですよね。私達としては、社会実験としてこういうものを提示しましたと。それについてその後どう思うかは日本の医療界の皆さんがお考えになったらいい事です。私達は私達でできることを発信していきます。参考にされたいなら喜んで共有します。それはどう捉えるかは、医療界の皆さんがどう考えるかではないかなと思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「医療界自身がこのガイドラインをどう捉えるか......」<br />
=====<br />
<big><strong>■政局でなく政策で変わる日本に</strong></big><br />
森<br />
「ガイドラインや医療行為に限らず、日本に一番欠けているのはこういうプロセスです。政権が変わっても、ステークホルダーの押し合いへしあいの政策に なっています。これは根源的には全く一緒の問題です。ある一つの医療政策についてしっかりエビデンスをまとめ、納税者の視点も含めて費用対効果を考え、なおかつ国民の皆さんの総意形成をする、という策定プロセス。これがないから今の日本の医療政策は誤りで、迷い込んでしまっているのです。力強い人が 勝つ"相撲"のようなものです。力が強い人が勝つなら社会的弱者といわれる人を救うためにある医療は負けてしまいますが、それではいけないです。日本は政局でなく、政策で変わっていくようになっていかなければなりません。だからこそ、誰が何と言おうとも科学的根拠を中心に話し合いを進め、国民の皆さんの総意形成をし、そういう視点が必要です。そういう意味で、このガイドラインの作成過程よりも、作成の裏にある考え方を日本の医療が学びとってくれたら嬉しいなとは思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「これはどこの業界もそうだと思います。一部の声を大きい人たちの利権で動いている。医療もそうなっているから崩壊したり、子どもや障害者とか、マイノリティにとって厳しい社会になってしまっているわけですね。この考え方が広がって、患者や家族の声とか、そういったものが中に入っていくと変わっていくのではないでしょうか。日本はどうしても医師は『先生』と呼ばれる存在だし、患者との情報の非対称性がありますよね」<br />
　<br />
森<br />
「実際英国でもそういう傾向はあります。ただ、英国でそういうガイドラインの作成が終わった後に感想を聞くと、『自分にとって勉強になった。患者がどう考えているか普段分からないので、考えさせられていい経験になった』と言われます。少ない人数の教育かもしれないですけどね」<br />
　<br />
熊田<br />
「この作成プロセスが広がると、医療の情報の非対称さが少しずつなくなっていくかなと思います。これまでは、医療界だけが情報を独占しがちで、患者には医療界がどうなっているのかが見えません。すると、医療はいくらでもやってくれるものという誤解が出てくると思います。でも今回のように、実は医療者もこういうところで悩んでるとか、根拠があいまいなんだと分かると、患者自身も自分が何を考えて情報を得ていけば、と自律して考えられるようになりますよね」<br />
　<br />
=====<br />
<big><strong>■「皆で決める」ための情報共有</strong></big><br />
森<br />
「こういうのを英国では『シェアド デシジョン メイキング（Shared Decision Making）』と言います。『インフォームドコンセント』と言われてきましたが、例えばアメリカだと『これだけのオプションがあります。さあどれを選びますか』と言われます。でも患者は『そんなこと言われても』と困るわけです。僕らは『シェアド』、つまり情報を全部共有した上で、決めるのは私たちなんです。みんなで決めるんです。一般の方への情報が偏っているのは事実ですが、それを偏らせないには翻訳が必要です。その翻訳する機構がいくつもいりますけど、その限界を知った上でどうやってみんなで方向決めていくのか、という事じゃないかなと思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「結果としての選択肢がたくさんあって『どれにする』、ではなくて過程そのものに参加できるというのが大きいと思います」<br />
　<br />
森<br />
「確かにそうです」<br />
　<br />
熊田<br />
「日本のガイドラインは利権構造の中で生み出されているものに見えます。その治療なりで有名な医師の名前で作ったり、権威づけとかに使われたりしている気もします」<br />
　<br />
森<br />
「ガイドラインの世界だけでこの考え方がおさまっているようでは変わらないと思います。大事なのは、裏にある考え方ですよね。英国では『診療ガバナンス』と呼びますが、診療におけるガバナンスのあり方、それが一番大事ですよね。ガバナンスを突き詰めていくから根拠に基づく医療になるのであって、根拠に基づく医療だからガバナンスになるというわけではないんですよ」<br />
　<br />
　<br />
（<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2357.php">この記事へのコメントはこちら</a>）<br />
</p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>本来の「根拠」と「総意」に基づくガイドラインとは？－森臨太郎氏インタビュー①</title>
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    <published>2010-08-06T05:05:56Z</published>
    <updated>2010-08-09T09:45:22Z</updated>

    <summary>インタビュー 森臨太郎氏 （東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授） 　日本...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／国" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="医療／学会・団体" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="医療／患者・国民" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="新生児医療" label="新生児医療" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/森臨太郎先生-4213.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/森臨太郎先生-4213.php','popup','width=256,height=357,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/森臨太郎先生-thumb-170x237-4213.jpg" width="170" height="237" alt="森臨太郎先生.jpg" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>インタビュー<br />
<big>森臨太郎氏</big><br />
（東大大学院医学系研究科国際保健政策学准教授）</strong></p>

<p>　日本未熟児新生児学会が先ごろ公表した『<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/07/28105152.php">未熟児動脈管開存症のガイドライン</a>』は、患者家族の参加や、総意形成と根拠の検証へのこだわりなど、今後の日本のガイドラインの在り方に一石を投じるものになりそうです。背景には、英国政府組織でガイドライン作りに携わってきた森臨太郎氏による、ガイドライン作成過程の計画がありました。森氏に取材すると、日本のガイドラインの問題点は医療政策の問題構造に通じているという興味深い話を聞くことができました。3回の連載でお届けします。（熊田梨恵）<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p><strong>（略歴）</strong><br />
兵庫県西宮市出身。1995年岡山大学医学部卒業。岡山大学大学院博士課程修了。ロンドン大学公衆衛生学熱帯医学大学院修士課程修了。淀川キリスト病院などで小児科新生児科勤務後、オーストラリア・アテレード母子病院・新生児科中級専門医、キャンベラ総合病院・新生児科コンサルタントとして新生児科診療と周産期医療システムに携わり、その後ロンドン大学熱帯医学大学院で途上国の母子政策研究に関する指導教官をしながら、英国国立医療技術評価機構（NICE）を舞台にブレア政権保健医療改革の一端としてガイドライン作成を含めた母子医療政策策定に携わる。日本小児科学会専門医。2007年英国小児科学会フェローに推挙・選出される。大阪府立母子保健総合医療センター企画調査室長、WHOテクニカルオフィサーを経て現在に至る。<br />
　<br />
　<br />
熊田<br />
「今回、日本未熟児新生児学会が作成した<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/07/28105152.php">未熟児動脈管開存症のガイドライン</a>は画期的だったと思います。特に根拠の検証と総意形成の方法は日本のガイドラインが参考にすべき可能性を感じました。森先生はこのガイドライン策定の「手法」を計画されました。イギリスの政府組織でそういった経験がおありだと伺いましたが、これまでの経緯をお伺いできませんか」<br />
　<br />
森<br />
「私は日本で研修を終えた後、2000年にオーストラリアに渡って、3年間普通の小児科の臨床医として働いて、その後イギリスに渡りました。オーストラリアではネパールの医療活動支援など途上国の活動もしていたのですが、色々な国を見ていると、一人一人の赤ちゃんが救われる時に医療システムの力も大きく、一方で、一人ひとりのお医者さんの力では限界があるのだなという事も感じてきました。それで赤ちゃんがもっと救われるには医療政策や公衆衛生なども重要で、もっと勉強したいと思ったのです。世界には3大公衆衛生学校と言われる、アメリカのジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院とハーバード大学公衆衛生大学院、ロンドン大学公衆衛生学熱帯医学大学院があります。そこでロンドンに渡って勉強し、公衆衛生の修士を勉強しました」<br />
　<br />
熊田<br />
「どうせやるなら最高峰の機関でということですね。でもどうしてその後、政府組織に関わるようになられたのですか」<br />
　<br />
森<br />
「修士を卒業する前に、その後もしばらく医療政策や公衆衛生を実践したいと思いました。そのうち、英国国立医療技術評価機構（NICE）で公衆衛生のバックグラウンドをもった周産期医療や小児医療をできる人を求めていることを知り、卒業前にそこに就職する形で以後イギリスの医療政策に携わるようになりました。NICEは1999年の設立なので、私が入った2004年はちょうどNICE自体が模索しながらも、なんとかやろうとしていたことができるようになってきていた第一段階の時期と言われる時代でした」<br />
　<br />
熊田<br />
「当時は医療費増額や医療従事者増員を進めたブレア政権の医療制度改革の真っただ中の時期ですね。先生はイギリスの中枢で英国の医療再建を見ておられたのですね」<br />
　<br />
森<br />
「NICEはブレア政権の目玉の一つだったので、追い風も向かい風も受けていました。その中で、周産期の分野はかなり先進的に進んでいました。特に根拠に基づく医療を牽引（けんいん）するコクラン共同計画は周産期の分野から始まったので、NICEの中でもこの分野においては比較的先進的な試みがされていました。そこから周産期や小児医療の政策に携わるようになったわけです。英国ではガイドラインは政策の一つとしての位置付けで、それで携わるようになりました」<br />
　<br />
熊田<br />
「どんなガイドラインを作られたのですか？」<br />
=====　<br />
<big><strong>■作成時に費用対効果分析を実施</strong></big><br />
森<br />
「プロジェクトマネージャーとして出産のガイドラインを作りました。同様に小児の尿路感染症のガイドラインも作りました。後者は英国の小児科学会が初めてNICEと一緒になって作ったものでした。その二つのガイドライン策定が、私のイギリスの医療政策にかかわった大きな経験です」<br />
　<br />
熊田<br />
「ガイドラインというのは、一般的に決まった作り方というのがあるのでしょうか」<br />
　<br />
森<br />
「ある程度の"お作法"というのはあります。最先端でやってきたのがNICEですが、ガイドラインの作成過程のお手本のようなものは作られていますので、ある程度それに沿ってやります」<br />
　<br />
熊田<br />
「一般的に、どんなふうに作られていくのですか」<br />
　<br />
森<br />
「最初の数週間は、ガイドラインがどれぐらいのどの分野でどれぐらいの範囲までを扱うかを示します。それを一般に公表し、広く皆さんの意見を問います。それが最初の３～６カ月。終わったらこれを基にそれぞれ臨床上の疑問となる項目を20個ぐらい作り、それに対して『系統的レビュー』を行います」<br />
　<br />
熊田　<br />
「すみません、『系統的レビュー』とは何ですか？」<br />
　<br />
森<br />
「『システマテックレビュー』というのですが、テーマに関連した質の高い研究をすべて整理してまとめるという作業です。英国では、1992年にイギリスの国民保健サービス（National Health Service: NHS）の一環としてコクラン共同計画が始まりました。世界中の臨床試験を集めて質を評価し、統計学的に統合して、その結果を医療従事者や医療政策の立案者、国民に届けて合理的な意思決定につなげていくものです。その作業をして一つ一つの項目にエビデンスが集まりまとまると、皆さんに集まってもらって、『こういうエビデンスがあったが、出産のこういう行為に関しては、どうしましょうか』と話し合ってもらいます。最終的には総意に基づき推奨を作ります。中には、これに関しては費用対効果分析をした方がよいのでは、という項目が出てきます。新しい技術も検討されますので、お金がかかるけど国としてやった方がいいのか、という客観的判断が必要ということです。こういった場合には費用対効果分析をします」<br />
　<br />
熊田<br />
「どこまでお金をかけるかという費用対効果について、ガイドラインを考える時点で取り入れているんですね」<br />
　<br />
森<br />
「NICEを有名にした項目の一つが技術評価の一要素である費用対効果分析です。エビデンスを集めて、次にシミュレーションします。例えばＡとＢのサービスの手法があるとして、Aだとこういう効果が出て、こういうマイナスが出る。Bではどうか、というのがエビデンスで集まります。そして全部含めて皆さんトータルで健康度はどれぐらい上がるのか、それに対してどれぐらいの投資が必要なのか、どれぐらいの投資をしたらどれぐらいの効果が上がるのかというシミュレーションをします」<br />
=====　　<br />
<big><strong>■国策だから納税者の視点が入る</strong></big><br />
熊田<br />
「そこまでやっているんですね。ガイドラインは国策で、経済活動の中に医療が入っていて、どれぐらいお金かけるか、と考えられている。日本はその辺り全くなくて、『良いことだからやろう』という感じがします。どれぐらいそこに投資する価値があるかを相対的に考えないですね」<br />
　<br />
森<br />
「国策なので納税者の視点があるわけです。英国の医療は税金で賄われていて、アメリカのように保険制度ではないので、税金を出す側の意識が重要です。国民の貴重なお金をどこに投資するのかという点です」<br />
　<br />
熊田<br />
「確かに、もっともな納税者の視点ですね」<br />
　<br />
森<br />
「その費用対効果分析されて集まったものもエビデンスの一つなので、集まった段階で会議をします。推奨が総意形成の中で煮詰められていって最終的に『根拠と総意に基づく推奨』となったら、ガイドラインを一般に公開して意見の公募（Public Consultation）、日本で言うパブコメを募集します。大量にコメントがきますから、それに対して一つ一つ答えます。私の時にも何千のコメントが来ましたがそれぞれ一つ一つに答えます。いい意見だから採用しようとかいうこともよくあります。こういった場合、再度会議をしてから草案ができます。そして現場に導入する際に役立つツールも開発します。こういったプロセスとなります。一般的には１～２年ぐらいだと思いますが、出産のガイドラインは３年かかりました」<br />
　<br />
熊田<br />
「ガイドラインを作成するということ自体に、現場への導入のことまで含めて考えられているわけですね。導入のツールまでガイドライン作成チームが作るんですか」<br />
　　<br />
森<br />
「導入ツールを作成する専門のNICEの技術的チームがあり、いろんなチームが作成者側と一緒にやります。全部私達がやるわけではないです」<br />
　<br />
熊田<br />
「そのガイドライン作成チームは、どんな構成ですか？」<br />
　<br />
<big><strong>■患者参加が法定</strong></big><br />
森<br />
「メンバーは各ガイドラインで違いますが、原則として患者さんや一般の方の代表が入ることが、ブレア政権下で定められた法律で定められています。各分野の人が入りますが、NICEなど組織側に所属している人間が３分の１。そのテーマの専門家が３分の１。そして患者や一般の方の代表です。出産のガイドラインでは、どういう人が集まれば、妊娠している女性にとって最も適切に価値観を反映できるのかなと考えました。それで産婦人科の医師を大中小規模の施設からそれぞれ３名。助産師もハイリスク施設から中規模施設、開業助産所からの代表で３名。そして麻酔科医、小児科医一名ずつ。患者一般代表としては、自然分娩を推奨するグル―プ、また出産がトラウマとして残っている方たちで、産科麻酔を使ってほしいという方のグループなどに入って頂く構成になりました。メンバーは多ければいいというものではないです。100人いると話し合いはできるけど、決まらない。少な過ぎると決められるけど、様々な分野から人を集められない。集団力学でも10～15人ぐらいが適切だと言われています。私達のガイドラインでは12人ぐらいにして、メンバーは公募で集まりました」<br />
　<br />
熊田<br />
「患者側が入る事が法律で決まっているんですね。日本は大体医療者だけですね......」<br />
=====　　<br />
<big><strong>■価値観で根拠の捉え方が違うから、総意形成をする</strong></big><br />
森<br />
「あまり日本について悪く言いたくはないのですが、日本のガイドラインは、先程お話したような作成過程それぞれの段階で非常に弱く、多くの問題点があります。我が国には、厚労省の肝いりで開始した２３の主に成人の医療に関するガイドライン事業があり、どれもそこそこの予算が組まれ、作成支援も受けて作られ、『根拠に基づく』ことをうたっています。ですが、途上国を含めた多くの国で行われている『根拠に基づく』こと、つまり科学的論文を網羅的に検索して、しっかりと吟味した上で、必要に応じて高度な統計手法を用いて結果を統合する系統的レビューの手法は用いられておらず、『なんとなく』で行われているのが現状です。今もこの現実は変わりません。ガイドラインについては、完全なガラパゴス化していると言わざるを得ない状況です」<br />
　<br />
熊田　<br />
「『根拠に基づく』とは言われているものの、実態は『なんちゃって』なわけですね」<br />
　<br />
森<br />
「中国には10年以上も前に先程お話したコクラン共同計画のコクランセンターができ、お隣の韓国にもコクラン支部が存在しているのにもかかわらず、我が国にはいずれも存在せず、我が国からコクランレビューに貢献している著者数は英国の１％の約50名でしかないことを考えても明らかです。コクランレビューは系統的レビューの代名詞的存在です。患者さんへの直接情報提供をうたい、平易語訳をすべてのレビューにつけているコクランレビューの存在を知っている患者さんは日本では一体どれくらいおられるかなと思います」<br />
　<br />
熊田<br />
「私も知らなかったです」<br />
　<br />
森<br />
「日本はこの状態なので、『システマテックレビューを基に作りました』と言ってもそうできるような状況にはありません。そんなしっかりした方法論で作られているわけがないので、そこがまず弱く整備されていません。残念ながら日本でこういった分析をできる人はそう多くいません。今までの診療ガイドラインで費用対効果分析がされた研究はないと思います」<br />
　<br />
熊田　<br />
「確かにそんなことは聞いたこともないですね」<br />
　　<br />
森<br />
「そして総意形成についてです。費用対効果のシミュレーションをするにしても人間の思いや価値観はシミュレーションできるものではありません。私は出産のガイドラインに携わった時に新しく実践した事があるのですが、それが総意形成の部分です。それまでは根拠に基づくガイドライン策定の方法は『根拠に基づく』事が強調されてきましたが、『根拠に基づく』だけでなく、皆さんに受け入れられないと話にならないですよね。その根拠をどう認識するか、捉えるかは、人々の価値観の問題です。それがガイドラインのプロセスに欠けていると思ったので、私の関わったガイドラインでは主導していきました。声の大きい人の意見ではなく、客観的な意見が通るように工夫しました」<br />
　<br />
熊田<br />
「社会がその治療法や診断なりについてどう判断するか、どう思うか、という事が大事なわけですよね。それが総意形成の方法に反映されてくると。ただ、具体的にするには難しいところだと思います。どんなふうにするのですか？」<br />
=====　　<br />
<big><strong>■マイノリティの声を反映させる</strong></big><br />
森<br />
「多少変えて使いましたが、『デルファイ法』を使いました。客観的に示すために、一つ一つの項目に対して『１～９』の数字を振ります。『１～３』を『賛成』、『４～６』を『どちらでもない』、『７～９』は『反対』とします。もっとも強い『反対』は９から下に、もっとも強い『賛成』は１から上に、とグレードをつけます。ある程度ディスカッションをして草案ができてくれば、メンバーに個々の項目について『１～９』をつけてもらいます。それを計算することで、客観的にどこに賛成のピークがあり、ばらつきがあるというのが分かります。コメントも出してもらいます。今度はコメントに応じて内容を変えてみるのですが、そうすると賛成度が移動して悪くなったら、『総意形成が遠のいた』となります。それでまた変えたら『上がった』と。そういうプロセスを繰り返していくわけです」<br />
　<br />
熊田　<br />
「なるほど。面白いですね」<br />
　<br />
森<br />
「世の中に全員賛成するような事柄はそうありませんよね。なので、その項目に関する意見を反映するであろうとするグループに集まってもらった中で、どこが賛成度が高く、どこがばらつきが一番小さいのか、いうところをこういうプロセスの中で客観的に示すことができます。それを基に推奨を作るわけです。今までの総意形成のやり方だと、会議をハイジャックするような声の大きい人の意見が通ってしまいます。患者さんでも発言できる方もいますが、できないことの方が多いですしね。また反対するにしても、どういう理由で反対したのかということがあるでしょう。さらに客観性を持たせるため、１回会議を開くことにしました。そこでどうして反対、賛成かというのを言ってもらうと、『なるほど、こういう意見だからこうなんだ』と理解できます。そして、もう一度そのプロセスを繰り返していくわけですね」<br />
　<br />
熊田<br />
「日本のガイドラインだと考えられない総意形成の方法ですね。先生が考えられたのですか？」<br />
　<br />
森<br />
「いえ、以前からあるもので、外資系の会社だと役員会での総意形成などに使っているようですね。席に『１～９』のボタンが付いていたりして。それを今回のガイドラインに組み合わせた、ということでは新しかったかもしれませんけども」<br />
　<br />
　<br />
（<a href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/09181548.php">次回に続く</a>）</p>

<p><a href="http://lohasmedical.jp/blog/2010/08/post_2356.php">記事へのコメントはこちら</a></p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>搬送先決まらない2次患者を運ぶ「東京ルール」、年間実績１万732件</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/news/2010/08/05165759.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/news//2.1365</id>

    <published>2010-08-05T07:57:59Z</published>
    <updated>2010-08-05T09:01:15Z</updated>

    <summary>　東京都は4日、２次救急病院が患者の搬送先を選定する「東京ルール」について、制度...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／学会・団体" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="医療／既存の法・制度" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="厚生労働省" label="厚生労働省" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>　東京都は4日、２次救急病院が患者の搬送先を選定する「東京ルール」について、制度が始まった昨年8月末から今年7月末までに、1万732件の実績があった事を公表した。都は「救急医療機関の意識も向上してきている」との評価を示しており、今秋にも医療機関側と救急隊側の受け入れに関するマッチング調査を行って検証を進める予定だ。（熊田梨恵）<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/東京ルール実績-4204.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/東京ルール実績-4204.php','popup','width=529,height=799,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/東京ルール実績-thumb-250x377-4204.jpg" width="250" height="377" alt="東京ルール実績.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>　東京ルールは、国内で相次ぐ救急受け入れ困難の問題を解消するため、都が昨年８月末から始めた独自の搬送システム。受け入れ困難なケースは重症度の高い患者よりも、２次救急レベルの患者に多いとされることに着目したシステムだ。<br />
　都内を１２地域に分け、各地域に搬送コーディネートを行う２次救急病院の「地域救急医療センター」を配置。ルールが実施されるのは、救急隊が２次救急レベル以下と判断した患者で、医療機関への受け入れ照会を５回以上行ったか、搬送先選定に２０分以上かかったケース。救急隊がセンターに連絡して調整を依頼し、調整担当医師が地域内での受け入れ調整を行う。地域内で受け入れられなかった場合には、東京消防庁にいる搬送コーディネーターが地域間での調整を行う。それでも受け入れ先が決まらなかった場合は、患者がいる地域のセンターが受け入れる。センターでの受け入れは、通常の受け入れと、夜間や休日などに一時的に患者を受け入れて翌日に転送する「一時受け入れ」の形がある。<br />
 <br />
　昨年８月末から今年７月末までの間、東京ルールが運用されたのは１万732件で、１日平均32.1件。このうちセンターが受け入れたのは7343件と、約７割を占める。センターでの受け入れは通常の受け入れが6609件で、「一時受け入れ」は734件。センター以外の病院が受け入れたのは2965件だった。<br />
 <br />
　患者の年齢層を見ると、70歳以上が3729人（34％）と最も多く、60歳代が1576人（15％）、40歳代が1357人（13％）と続く。性別は男性が6353人（59％）、女性が4379人（41％）。<br />
　事故の種別は、「急病」が7243件（67％）、「一般負傷」が2201件（21％）、「交通事故」が368件（3％）、「加害事故」が185件（2％）、「自損」が101件（1％）など。<br />
　病院で初診時に「軽傷」とされたのが5301件と50％を占めた。「中等症」は4379件で41％、「重症以上」は364件で3％だった。<br />
　救急隊が認識した患者の特徴としては、「高齢者」が3409件（32％）、「アルコール」が1392件（13％）、「精神」が938件（9％）、「住所不定」が361件（3％）、「薬物中毒」が316件（3％）、「常習者」が203件（2％）、「結核」20件などだった。<br />
　 <br />
　また、５回以下の照会で受け入れられていたケースが、ルールが実施されていた地域では昨年９月からの半年間で19万460件（97.5％）と、一昨年同時期の18万997件（96.2％）に比べて増加していた。また６回以上のケースは、昨年９月から半年間で4843件（2.5％）と、一昨年同時期の7140件（3.8％）に比べて減っていた。都はこれらの数字を示した上で、「救急医療機関の意識も向上してきている」と、周囲の2次救急病院も協力的になってきたとの見方を示した。<br />
 <br />
　ただ、都が同日開いた東京ルールに関する検討会で、濱邉祐一委員（都立墨東病院救命救急センター長）が「何がどうなったから『良かった』と言えるのかというコンセンサスが取れていない」と述べるなど、運用実績の評価方法については疑問の声もあった。<br />
 <br />
　また、濱邉委員は「東京ルールで一番大変なのは翌日。自分たち（医療機関）が苦労するのではなくて、福祉保健局がやってくれるというのがルールだったはず」と、野宿者や精神疾患のある患者などを一時受け入れした場合、個々の医療機関がその後の福祉サービスとの連携などに苦労しているとも指摘。都は取材に対し、各地域で開かれるルールに関する会合に「区市町村の人達にも声をかけて入ってもらう事もやっていく」と話し、福祉行政担当者への理解を求めていくとした。また精神科病院関係者も会合に参加してもらうなどして、精神科救急医療との連携も視野に入れていくとした。<br />
　検討会の有賀徹会長（昭和大学病院副院長）は取材に対し、「段階的に、まずは今までなかなか受け入れられなかった患者さんを『一時受け入れ』であっても受け入れるようにする仕組みを作ったのがこの東京ルール。この次に福祉との連携に関する、仕組みを作っていく」と話し、福祉行政との連携が次の課題になるとした。<br />
 <br />
 <br />
　都は救急医療体制と東京ルールについて検証するために、搬送患者に関する救急隊側と医療機関側のマッチング調査を今秋にも行う予定だ（<strong>調査票（案）、下</strong>）。全ての搬送を対象に１週間調査し、東京ルールに該当するケースのみ２週間行う。約１万3000件が対象になるとみられ、搬送にかかった時間や患者の社会的背景、受け入れられなかった理由、患者の転帰などについて調べる。年内に速報値を出すとしている。<br />
 <br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療機関記入用紙-4207.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療機関記入用紙-4207.php','popup','width=560,height=793,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/医療機関記入用紙-thumb-250x354-4207.jpg" width="250" height="354" alt="医療機関記入用紙.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/救急隊記入用紙-4210.php" onclick="window.open('http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/救急隊記入用紙-4210.php','popup','width=561,height=795,scrollbars=no,resizable=no,toolbar=no,directories=no,location=no,menubar=no,status=no,left=0,top=0'); return false"><img src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/救急隊記入用紙-thumb-250x354-4210.jpg" width="250" height="354" alt="救急隊記入用紙.JPG" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><br />
 <br />
 </p>]]>
    </content>
</entry>

<entry>
    <title>村重直子の眼11　薗部友良・ＶＰＤを知って子供を守ろうの会代表（下）</title>
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    <published>2010-08-03T15:44:45Z</published>
    <updated>2010-08-02T06:48:19Z</updated>

    <summary>薗部友良・ＶＰＤを知って子供を守ろうの会代表の（下）です。...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="医療／従事者" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="ワクチン" label="ワクチン" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/news/">
        <![CDATA[<p>薗部友良・ＶＰＤを知って子供を守ろうの会代表の（下）です。</p>]]>
        <![CDATA[<p>村重<br />
「定期接種と任意接種を合わせて、医学的に必要なものという観点でＶＰＤの会で接種スケジュールを作っていただいてます。このスケジュールをもっともっとお母さんたちに知っていただきたいですね」</p>

<p>薗部<br />
「感染研のスケジュールも大変素晴らしいものです。ただし、あくまでも定期接種と任意接種を分けざるを得ないのだと思います。今後は日本版ＡＣＩＰ（予防接種実施諮問委員会）で作っていただきたいですね。」</p>

<p>村重<br />
「日本版ＡＣＩＰは、役人に委員の任命権を握られてしまうか否かがカギですね」</p>

<p>薗部<br />
「我々のようにニュートラルな立場の者は、定期接種と任意接種の区別無しに，時系列にそってきれいに並んだものを作ることが可能なのです。便利ですので、ご利用者も多いと感じております。感染研のスケジュールも昔とは随分変わって、たとえばＢＣＧは３種混合（ＤＰＴ）を２回終わってからになってます。私どもと同じで、結核の発生率が低く、それよりは流行っている百日咳を含んだＤＰＴワクチン２回接種を優先させています。怖い細菌性髄膜炎も、生後３か月からＤＰＴ、ヒブ、小児用肺炎球菌ワクチンの３種類の同時接種を勧めております。これは接種のために医療機関を訪れる回数を少なくするためのものと思います。ＶＰＤの会は、細菌性髄膜炎の重大さから、生後２か月からお勧めしております。また、水痘やおたふくかぜの２回接種を、米国同様に勧めております」</p>

<p>村重<br />
「複数のデータが出てきて、色々なたくさんの意見が出てくることによって、ちょっとずつお互いに切磋琢磨して改善していくというのが、医学の進歩ですから」</p>

<p>薗部<br />
「基本的には地域ごとの状況があまりにも違うし、いくら私たちがどんなに良いと思っても、周りの先生が誰もやってないとなればやりにくいので、最終的にはかかりつけ医とよくご相談されてスケジュールを決めてくださいとしています。最短で接種を完了するためには、こういうものがあるということで、参考になると思います。苦労して皆で考えてつくりました」</p>

<p>村重<br />
「これを初めて見た時、本当に感動しました。アメリカで臨床していた頃、小児科ではなかったのでそんなに詳しくはないですが、とにかくワクチンが日本は少ないなあと凄く感じていたので、これを見て日本にもこんなに素晴らしいものがあると」</p>

<p>薗部<br />
「これにロタウイルスワクチンと、正しい疫学的データのもとでの検討が必要ですがＡ型肝炎とが入れば、ワクチンの種類として世界標準に近づきます。ただし、あくまでもインフルエンザワクチンを含めて、総ての子どものワクチンは定期接種で、接種回数はおたふくかぜと水痘は２回接種が必要です。今の日本のＢ型肝炎の母子感染予防法は世界と随分ズレています。開始当時は、新生児にワクチンを接種するということを全く考えていなかったようですから、日本では、低開発国を含めて世界の９０％の国で行っている誕生日接種とずれた、母子感染予防でも生後２カ月からになってしまっているのです。水平感染（別名父子感染）も多いし、慢性化しやすいジェノタイプＡの流行もありますので、一日も早いＢ型肝炎の誕生直後からのユニバーサル接種の導入が急務ですね」<br />
=====<br />
村重<br />
「ワクチンで国の賠償責任を問われて負け続けてきたので、役人は腰が引けるのは分かるんですけど、同じことを繰り返しているだけだから、定期接種と任意接種の線引きが変わらない、定期接種が増えないんですよね。そこを打開するには、無過失補償や免責が必要です。日本の法制度が誰かの過失を規定しないと被害を受けた人の救済ができない仕組みになっているから、とにかく過失にしちゃうのです」</p>

<p>薗部<br />
「それを改正するには、どこがポイントになるんでしょう。司法そのものなのか、厚生労働省の法律の作り方なのか」</p>

<p>村重<br />
「法制度全体がそうなってると思います。だから、どこか一つだけ、厚労省が変わればとか司法が変わればという話ではなくて、明治政府からほとんど同じ考え方でやってきているものを一個大きく変えるには、それだけの国民のコンセンサスが要ると思うんですね。やっぱり議論して、みんなが知って、みんながこっちの方がいいよねということになれば、そういう国民の声を受け止めるのは役人ではなく国会議員なので、選挙で選ぶこともできるでしょうし、国民から政治家へ声が届くことで変わると思っています。フランスの無過失補償の長官にお話を聴いたことがあるんですけど、元々は裁判をして誰かの過失を認めさせないと患者さんは補償されない状態だったそうです」</p>

<p>薗部<br />
「日本と同じだったのですね」</p>

<p>村重<br />
「はい、そこで患者さん側が補償される権利を主張した、と。過失がどうのこうのではなくて、被害に対して、不自由な生活をするんだから、それに対して補償される権利があると主張したことがきっかけになったと仰ってました。やっぱり国民の側から、過失の追及が重要なのではない、目の前で困っている人たちを皆で助け合おうというように発想の転換ができれば、変えることは十分に可能だと思います」</p>

<p>薗部<br />
「スウェーデンでもやっぱり無過失補償という話を聞いているのですが、世界の先進国はそういう方向へ来ているんですか」</p>

<p>村重<br />
「私が調べた範囲ですけど、過失責任を問うシステムは限界があるという論文もあって、今アメリカとフランスの例を出しましたけど、ニュージーランドはそもそも裁判する権利を認めてないんですね。アメリカとフランスは裁判する権利も今まで通りあって、プラスアルファのものとして無過失補償のお金を受け取ったら裁判しない、どちらか選びなさいという風になっているんですけど、ニュージーランドは全部補償するかわりに裁判する権利がない。対象が本当に幅広くて、スポーツの事故から家で転んで後遺症が残った場合まで、全部含めて税金で補償するんです。税金という形ですけど、互助の精神でみんなで出し合ったお金で補償するので、福祉・介護のように困っている人の生活を支えようという考え方ですね。お金を出すから、その代わり誰かの責任追及はダメよとなっています。このように国によって、いろいろな制度の作り方があって、どこの国をまねればいいということではなくて、日本人はどうしたいんですかということだと思います。今までの日本の制度と合うものでいい、でも発想の転換が必要です。日本の制度の中でうまく回るやり方を考えていかないといけない。やり方はいろいろあると思います。その前に概念として過失を問うても皆が不幸になるばかりだから、皆で助け合いましょうという発想が持てれば、じゃあ次どうしましょう、どうやって財源を確保して範囲はどの程度でという話が出てくると思うんです」</p>

<p>薗部<br />
「そこはとてもよく分かるのですが、たとえばニュージーランドで接種後に脳炎が起こったという場合に、これはワクチンのせいだというようなものを認定する委員会はあるのでしょうか。アメリカには因果関係は抜きにして、ある一定の期間内に、ある重い症状が出たらと補償するという規定がありますね。」<br />
=====<br />
村重<br />
「ニュージーランドでは2005年の法改正で、医療事故の補償において過失を探すための調査をしなくなり、他の「無過失」補償のスキームに並んだということなので、因果関係についてもゆるい認定なのかもしれません」</p>

<p>薗部<br />
「グレ－ゾーン症例の場合が難しいですね。最新の科学のエビデンスを認定基準に用いるのか、それとも昔のままの緩い基準を継続するのか、悩むところですね」</p>

<p>村重<br />
「補償金を払うかどうかというときの因果関係の判断には、社会的な要因が大きく影響しますよね。因果関係のグレーゾーンは、どこまで行っても科学的にはグレーゾーンなので、パチっと線引きするのは社会的な要因で決まってるわけですよね。そういう時にどちら側に判断が傾きやすい周りの環境（社会的要因）を作ってあげるかだと思います。無過失補償・免責制度があれば、因果関係がグレーゾーンであっても幅広に認めて補償金を払ってあげていいわけです。日本の現状は、過失を前提としていて、免責制度がないので、補償金をもらってもさらに裁判で誰かの責任を追及しようということになり得るのが問題なのではありませんか。補償金をもらうのと、裁判で賠償金をもらうのと、両方はダメよ、どちらか一方にしましょうという国民の合意形成ができればよいのですが」</p>

<p>薗部<br />
「原因がワクチンであれ、そうでないであれ、重い症状が出た方々が不幸であることには違いありません。アメリカから帰国した小児科医によると、科学的に認められるものは当然に認められて、アメリカでも科学的に認められないものでもある程度の重篤性があれば認めるというのがあるそうです。問題は、日本でもそういう方をどこまで認定するかというのは議論することが大切ですが、認定された方の中にはグレーゾーンの方々が含まれているということを皆が知るようになれば、ワクチンの安全性の誤解が少し解けると思います。ワクチン訴訟の判決を含めて、成熟した社会にあった報道になってほしいと願っています」</p>

<p>村重<br />
「データをきちんと出させないといけませんね。現状では、線引きできない所を社会的な要因で無理やり線引きしているにもかかわらず、そこに科学の仮面をかぶせて、まるで科学的に線を引いたかのような、そういうメッセージが国民に伝わってしまっています。情報の公開の仕方をかなり気をつけないといけないですね」</p>

<p>薗部<br />
「そういうものがあれば、実際の副反応は少ないんだということが言いやすいです。しかし今の日本では接種後の有害事象を医師に無理矢理判断させて、医師が否定出来ないとしたもの（常識的に言えば関係ないもの）も総て副反応として記載されます。世界中どんな医師でも、ショックや局所反応以外の症状は、真の副反応かどうかの判断は不可能なはずです。添付文書に記載するに当たって、科学的に正しい真の副反応以外は、アラート（警告）として、このような有害事象報告があるが、実際に真の副反応かどうか不明であるので、今後の発生数の動向などから判断していくと記載してほしいと思っています」<br />
=====<br />
村重<br />
「これは見てきた印象なんですが、国の行政や政策を決めるのはエビデンスがない所に線引きしなければならないじゃないですか。本来ならば、それは国民のコンセンサスがここにあるだろうというのを、国民の声を受ける政治家が決めればよいのだと思います。政治家の判断で決めると言えば、国民の皆さんも科学的にどうこうではなくて皆のコンセンサスで、あるいは政治家のリーダーシップで決めたんだなというのが分かると思うんです。でも今は会議も、補償制度や報告制度も、ほぼ完全に役人が運用していて、あたかも役人が全部責任を取るかのような思いでやっていると思いますけれど、その弊害が大きいのです。政治家ならばこの辺がコンセンサスであろうとバシっと線を引いて、でも間違っていれば違ってた人が入れ替わって、他の人が作り直すということができるわけですけれど、役人が決めてしまうと、その判断に対して責任を取らない認めない、官僚の無謬性が優先されます。過去の過ちを認めないので、改善していくことができないのです」</p>

<p>薗部<br />
「官僚は先輩の間違いを絶対に認めないと言いますね」</p>

<p>村重<br />
「それは官僚が替わらないからです。ローテーションはしても、同じ役所の人間で人事を握られている立場です。変わることを認めない人たちが、決められるはずのない線引きを無理に決める、だから科学の仮面を被せたいんですよね。自分たちが責任を取りたくないから。そのために、審議会や検討会で一応専門家の先生方が出席して、専門家が了承してくれたという事実をもって科学の仮面を被せますが、実は社会的な判断をしているんですね。だからこの構造にある以上、自由な専門家の意見とか、本当に科学的な判断とか、データなどは、線引きに反映されないんですよね。どちらかというと、本当は科学でないものに科学の仮面を被せるのに都合よく使われてしまっている。この構造をいずれは何とかしないといけないと思っています」</p>

<p>薗部<br />
「そのことも含めて、免責の中に厚労省の方の免責も入れてあげないと、結局責任ばっかり問われるとなれば取る行動は決まってきますね」</p>

<p>村重<br />
「人間ですからね」</p>

<p>薗部<br />
「だからそういうものに対しては、本当に一生懸命やっていて、たまたまその時に携わっただけの人に責任を押し付けるということ自体が大きな問題ですね。厚労省に限らず、お役人の方が本当に国民のために動けるシステムづくりをしてあげない限りはいつまでたっても続きますね」<br />
=====<br />
村重<br />
「そこを役人が抱え込んで自分たちだけで何とかしないといけないと思って情報公開しないとですね、いつまでも同じことを繰り返すのです。そうではなくて、情報を全部公開して、国民がデータを見て議論して、みんながハッピーになるような制度の概念を皆さんが持っていただければ」</p>

<p>薗部<br />
「免責と言うと、責任逃れだと日本の国民やマスコミでは誤解される可能性があるのですが、そこの所をどのように伝えていったら理解されるのでしょうか」</p>

<p>村重<br />
「そこも情報公開して考えていただくことでしょうか。調べていただいたようなデータを出して、病気の頻度がこれだけ、有害事象の起きるのがこれだけという確率の問題だから、こっちを取った方がハッピーでしょう、ベネフィットの方がこんなに大きいんだよというのを分かっていただかないと。その上で、その背景にどういうボトルネックがあって今はワクチンをあまり打ててない結果として、病気になってしまっている、命を落としてしまっている子供たちがこんなにいることをまず理解していただいて、それで次にどうしましょうということですね。ボトルネックが役人の責任逃れにあって、その結果子供たちの命が危険にさらされている現状を多くの方に知って考えていただければ、皆で助け合い十分補償すれば誰の責任も問わない、問う必要がなくなる、という免責の考え方にたどりつくのではないでしょうか。その結果、子供たちの救える命を救えるのですから」</p>

<p>薗部<br />
「厚労省に悪いことをしようと思って入った人はいないと思います。現実問題として、私が厚労省に入ったとして同じ問題がきたら、やはり同じことをしてしまうと思います」</p>

<p>村重<br />
「誰がやってもそうなります。周りの環境がそうなってますから」</p>

<p>薗部<br />
「百年河清を待つのでは遅いので、そこのところをどうやって直していくかが問題ですね。結局、上の方が保護する気を見せてくれないならば、国民が保護するか、国会議員が保護するかしかないでしょ。これに大きく関係するのがマスコミの方々だと思います。でもそういうのがない限りは国民の不幸が続きます。これこそ悪循環ですから。でも、こういうことがオープンでみんな議論される世の中になってほしいというのが私の願いです」</p>

<p>村重<br />
「結論ありきで始めるのではなく、みんなで考えていただきたいですね。現状のデータを見てですね」<br />
=====<br />
薗部<br />
「日本の法体系というのは、やはりもう一度見直すべきというのは思います。明治のドイツ式を守れば良いのではなくて、法律は国民のためにあり、法律のために国民が存在するのではないということですね。それから予防接種法において何が大切かといえば立法の精神です。ＶＰＤ患者を減らすためには良いワクチンを取りそろえて、総てを無料で接種できる定期接種化して、予防接種率を高める総ての方策を取りそろえることだと思います。立法の精神が下位の法律に行き渡らないといけないのに、下に行けば行くほど接種しにくい体制になっています。また疑わしきは罰せず、多くの真犯人を取り逃がしても１人の冤罪者も作らないというのが司法の根本の精神のはずなのに、ワクチン関係ではそれが守られてないのが現実だと思います」</p>

<p>村重<br />
「仰る通りです。でも、国民の皆さんが、法律は国民が作って、自分たちが生活しやすいように変えていくんだという意識を持っていただかないと。お上が動くのを待っているとか、お上の作った法律だから守らなきゃいけないとか、それは違うんですよ。おかしいものはおかしいと言って、法律は人間が作ったものですから、どんどん変えればいいと思います」</p>

<p>薗部<br />
「成熟した民主主義になってほしいですね」</p>

<p>村重<br />
「まず情報を開示して知っていただいて、それから国民に考え声を挙げていただくという、いい循環ですよね」</p>

<p>薗部<br />
「昔、古井厚生大臣がポリオワクチンの緊急輸入をして、治験無しで投与して、幸いうまくいってポリオが撲滅できた、というものすごく良いことありました。あれも杉並のお母さんたちが最初に立ちあがったのがきっかけだったとも聞いております。最終的に全国のお母さんたちに広がって、ＮＨＫをはじめマスコミも皆で応援したから、国民の声にこたえて古井厚生大臣が蛮勇とも言えるような凄いことが出来た訳です」</p>

<p>村重<br />
「それが国民と政治家が動く本来の仕組みですよね。政治家の判断を左右するのは国民なので、ぜひ声を挙げていただきたいですね」</p>

<p>薗部<br />
「それにも、まず情報ですね。当時ポリオがこんなに流行しているというのが伝わって、新聞を読まない人でも周りであの子がポリオになったと聴けば、それは何とかしたいと思うのが当たり前の話ですね。現在、実際は多くの子どもがＶＰＤで不幸な目に遭っていても、昔ほどの大流行する病気がないので、その不幸が伝わっていきませんね。また、医学が進歩したから何とかなると思っていることが多いと思います。しかしＶＰＤは罹患してからではよい治療法がないのです。だからこそ、皆でワクチンを守っていかないと、結局みんな最後に損しますよって」</p>

<p>村重<br />
「国民みんな損しますからね」</p>

<p>（この記事へのコメントこちら）</p>]]>
    </content>
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<entry>
    <title>研修医が見た米国医療４</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/08/post-111.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/archives//3.1371</id>

    <published>2010-08-25T05:56:00Z</published>
    <updated>2010-08-15T06:02:37Z</updated>

    <summary>外来主治医とホスピタリスト 反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="日米" label="日米" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>外来主治医とホスピタリスト</u></p>

<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote>
]]>
        <![CDATA[<p>　前回述べたように、外来主治医が全ての入院患者さんを診ることには、入院診療が濃厚なケアを必要とする点から、やや無理がありました。<br />
　それを解決するために登場したのが、日本でいう勤務医、ホスピタリストという存在です。彼らは病院に雇われ、主に病棟主治医として働きます。外来の主治医は自分が入院中も主治医となるか、彼らにケアを任せるかを選ぶことができます。<br />
　これによって患者さんは、ホスピタリストが診る場合と、外来主治医が診る場合に分かれることになります。<br />
　研修医からすれば、これは新規入院患者さんを受け持つ際に一番初めにチェックする大事な項目です。それによって対応が大きく異なるからです。<br />
　ホスピタリストが診る方が、研修医にとってはありがたいです。なぜなら、彼らは基本的に病院内にいますので、連絡がつきやすく、方針の確認が容易なためです。また、彼らは研修医の教育も担っているため、私たちの考えを聞き、診療方針を議論して決めるなど、研修医の意見を積極的に取り入れようとしてくれます。研修医からは身近な存在であり、与し易しといった感じでしょうか。<br />
　逆に気をつけなければいけないのが、外来主治医が患者さんを持つ場合です。彼らは患者さんを長い間診ており、患者さんとの信頼関係も構築されていますので、基本的には彼らの意見は絶対です。研修医のその場の判断より、患者背景までしっかりと把握している主治医の意見が正しいことも多いのも事実です。しかし中には個性の強い医師や、自分のやり方を持った医師がいて、広く認められている治療法と異なる方針が採られることもあります。よほど患者さんの安全が脅かされる場合を除き、その方針には従わなくてはいけません。アメリカは誰とも対等に議論することが推奨される国というイメージを持っていましたが、意外とそうでもないのです。<br />
　研修医が意見を述べても無駄に終わることが多く、意思決定の蚊帳の外にいるように感じ、その患者さんに対する責任感は欠落していきます。患者さんの訴えを聞いても、それに緊急性がない限りは、自分で対処しようという気が起こりません。後で主治医の先生に聞いてください、ということになります。これは研修医にとっても患者さんにとっても望ましいことではありません。また緊急性がないように感じた小さな訴えが、実は大きな問題の始まりということもあり、それを見落とすことにもつながります。<br />
　オフィスでも病院でも働くことができ、患者さんを継続して診ることのできる仕組みは医師からすると魅力的で、日本でも最近導入されてきています。しかしながら、それが必ずしも効率的で良い医療につながるわけではなさそうです。アメリカが逆に勤務医と開業医を区別する日本式のシステムに近づきつつあることが、何よりの証拠です。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>毒か薬か　アルコール</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/08/post-110.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/archives//3.1370</id>

    <published>2010-08-19T15:46:53Z</published>
    <updated>2010-08-20T01:43:01Z</updated>

    <summary>『百薬の長』という呼び名があるお酒。でも、お酒で体を壊したなんていう話もよく聞き...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="消化器疾患（胃腸、肝臓など）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="生活習慣病（高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボなど）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="アルコール" label="アルコール" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="休肝日" label="休肝日" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="依存症" label="依存症" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="傾向と対策" label="傾向と対策" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/59-1-1.JPG"><img alt="59-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/08/59-1-1-thumb-240x167-4218.jpg" width="240" height="167" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>『百薬の長』という呼び名があるお酒。でも、お酒で体を壊したなんていう話もよく聞きます。一体何が正しいのか、健康との関係を確認しておきませんか。<br />
監修／四柳宏　東京大学病院准教授<br />
<small>（＊誌面では講師となっておりましたが、既に昇進されていました）</small><br />
　　　　松田浩一　東京大学医科学研究所准教授</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>酔いと二日酔い</u></p>

<p>　毒や薬について、医療者にとっては常識だけれど一般の人にはあまり知られていない概念があります。それは、毒も薬も体に何らかの影響を与えるという意味では同じもの。同じ物質が、濃度によって薬として作用する時もあり、毒になる時もあるということです。つまり濃度や量を無視して、毒か薬かを議論してもあまり意味はないのです。それから、ある物質が体に与える影響には、急性のものと慢性のものがあるというのも重要です。<br />
　なぜ、わざわざこんな話を冒頭に書いたかというと、お酒も全く同じだということに、皆さんご納得いただけると思うからです。体質的に全く受け付けないというのでない多くの人にとって、お酒は少しならおいしくて気持ちよいものだけれど、量が過ぎると気持ち悪くなったり、翌日に頭が痛くなったりしますよね。それから、お酒で体を壊したというのも、一度にたくさん飲んだ場合と長年にわたって飲み続けた場合とがあります。<br />
　さて話を始めるにあたって、学生時代に化学で習ったであろうことを復習します。お酒のアルコールは、エタノールでしたね。１回酸化されてできるのがアセトアルデヒド、さらにもう１回酸化されると酢酸になり、最終的には水と二酸化炭素になります。<br />
　名前の出てきた物質のうち、私たちがお酒の作用として認識しているような現象を引き起こすのは、主にエタノールとアセトアルデヒドの二つで、それぞれ体への影響は分けて考える必要があります。<br />
　端的に言うと、エタノールによって、もたらされるのが酔い。エタノールには中枢神経（脳）を抑制する働きがあり、適量なら一種の精神安定剤と考えることも可能ですが、過量だと毒になります。対してアセトアルデヒドの方は、適量という考え方が成立しないほど、微量から毒として作用します。気持ち悪くなるのも、動悸がするのも、頭が痛くなるのももっぱらアセトアルデヒドの仕業。要するに二日酔いの原因です。ちなみに「酒臭い」熟柿の匂いも、アセトアルデヒドに由来します。<br />
　体内に取り込んだエタノールは主に肝臓で酵素の助けを借りて酸化処理（代謝）されます。エタノールを代謝する酵素と、アルデヒドを代謝する酵素は別々で、遺伝子の多型（本誌連載『あなたにオーダーメイド医療を』４回目など参照）によって、それぞれ働きに強い弱いがあると知られています。酵素の働きが極端に弱い人が、「体質的にアルコールを受け付けない」人です。<br />
　両方の酵素の強い人は、大量に飲んでもケロリとしていることになります。ただし、それはあくまでも物質の濃度を低く抑えられているだけで、肝臓や消化器に負担がかかっていないというわけではありません。<br />
　エタノールを代謝する酵素が強くてアセトアルデヒドを代謝する酵素が弱い人は、アルコールの気持ちよさをあまり感じられないのに、アルデヒドの毒は長時間感じることになるので、恐らくあまりお酒を好きではないはずです。自分にウソをつかず、ほどほどの量にしておくのが、体のためにもいいでしょう。<br />
　逆に、アルコールを代謝する酵素は弱いけれど、アルデヒドを代謝する酵素が強いという場合、ちょっとのアルコールで気持ちよさが持続し、しかも二日酔いにはなりにくいという、お得な体質と言えるでしょう。ただし依存症に気をつける必要はあります。<br />
　両方とも弱い人は、説明するまでもありませんね。<br />
=====<br />
<u>何が薬で、何が毒か</u></p>

<p>　まず、お酒の中のエタノールが体に与える急性の影響を見ていきましょう。若者向けの雑誌であれば、ここを最重点に解説していくところですが、人生経験豊富な方も多いと思いますので、軽く確認だけにとどめます。<br />
　アルコールは脳の活動を抑制します。その程度によって、薬とも毒ともなりえます。<br />
　アルコールの血中濃度が低いうちから抑制されてくるのが、脳の中でも主に理性を司っている大脳新皮質です。相対的に、本能や感情を司っている大脳辺縁系の働きが活発になるので、楽しくなりますし、リラックスできるということになります。普段は言いにくいことが言えたりするという効用もあるでしょうか。血管が広がって末梢循環もよくなります。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/59-1.1.JPG"><img alt="59-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/08/59-1.1-thumb-570x114-4222.jpg" width="570" height="114" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/59-1.2.JPG"><img alt="59-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/59-1.2-thumb-570x235-4224.jpg" width="570" height="235" class="mt-image-center" style="text-align: center; display: block; margin: 0 auto 20px;" /></a></span><br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/news/images/59-1.3.JPG"><img alt="59-1.3.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/assets_c/2010/08/59-1.3-thumb-320x205-4226.jpg" width="320" height="205" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></a></span>　ただし楽しいと感じていられる濃度は狭い範囲（表参照）。あっという間にオーバーして、気が大きくなったり、怒りっぽくなったりしてきます。これを自覚した所で飲むのをやめられればよいのですが、残念ながら、飲むのをやめようと自制する大脳新皮質は既に麻痺しています。<br />
　この後は、飲めば飲むほど抑制される脳の領域が広がって、酩酊、泥酔、昏睡と進み、下手をすると急性アルコール中毒で死に至ります（表参照）。死なずに済んだとしても、頭痛や嘔吐、下痢などを伴って、翌日は大変な二日酔いに襲われます。<br />
　ほとんどの方が、お酒を飲み過ぎてヒドイ目に遭ったという経験をお持ちと思います。無理やり飲まされてという場合だけでなく、楽しく飲んでいたはずなのにという場合もあるはずです。なぜそうなってしまうのか、次項で改めて考察します。<br />
　次に、お酒が体に与える慢性の影響を見てみましょう。健康という観点からは、こちらの方が重要ですね。<br />
　まず『百薬の長』の言葉を裏付けるような疫学データとして、全くお酒を飲まない人よりも少しお酒を飲む人の方が死亡率が低い、しかし大量の飲む人は飲まない人より死亡率が高いというＪカーブ現象が知られています。<br />
　死亡率低下に働いた要因として、適量の飲酒は、心筋梗塞などの<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2008/08/post-17.php">虚血性心疾患（08年８月号特集参照）</a>リスクを低くさせると言われています。<br />
　一方で、飲酒によって発症リスクが上がるものも多々あります。<br />
　最も直接的なのが、アルコール代謝の際に細胞が傷めつけられる肝臓など消化器に疲労が蓄積され、だんだんと機能が落ちてくるものです。特に肝臓は自覚症状の出にくい臓器であるため（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/01/post-88.php">10年１月号参照</a>）、気づいた時には大変なことになっているという例も少なくありません。これは代謝酵素の強弱によらず、処理するアルコールの量に大きく左右されることなので、酒に強いという人こそ、十分に注意してください。<br />
　また、舌、咽喉、食道など上部消化器の発がんリスクが上がるようです。脳機能低下や性機能低下といった悪影響も知られています。<br />
　さらに中枢神経に作用する薬物と切っても切れない関係にある悪影響として<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2007/06/post-126.php">「依存症」（07年６月号参照）</a>もあります。依存症の場合、適量に済ませることが不可能になるため、あらゆる病気のリスクが跳ね上がります。</p>

<blockquote><em>肝臓いたわるタンパク質と水</em>
　アルコールやアルデヒドの処理には、水が欠かせません。水が不足していると、処理されずに残ったアルデヒドのため二日酔いで苦しむことになるので、コマメに補給しましょう。また、処理の過程で壊れた肝細胞修復にはタンパク質が必須です。一緒に食べながら飲みましょう。</blockquote>

<p>=====<br />
<u>なぜ適量で済ませられないのか</u></p>

<p>　ここまでのことから健康に関して教訓を引き出そうとするなら、要するに適量にしましょうということに尽きます。ただ、そんなことは皆さん言われなくても分かっていますよね。なぜ飲み過ぎてしまうのか、原因をきちんと把握して、一つひとつ丁寧に対処した方が建設的です。<br />
　まずは、アルコールの量を自分で把握するのが意外と難しいという問題です。家などで瓶や缶から飲んでいる場合は別ですが、外で飲んでいる時など、頼りになるのは自分の感覚だけという場合もありますよね。<br />
　ところが、飲酒してから酔いが回ってくるまでには、アルコールが胃腸から吸収され、肝臓を経由して脳に到達するというまでの時間として、30分から１時間かかります。逆に言うと、酔いが自覚されない飲み始めのうちに、自制のタガが外れてしまうくらいの量を飲んでしまっている可能性もあるわけです。<br />
　今まさに真夏ですから、そんな飲み方ができるわけないだろうとの声も聞こえてきそうですが、あえて申し上げるならば、最初の１時間かけてゆっくり「適量」飲むということを心がけてみると、飲みすぎずに済むかもしれません。<br />
　時間差とは別に摂取総量が増える要因として、薬剤耐性の問題もあります。他の薬と同様、アルコールについても、常用することによって効き目が悪くなることが知られています。<br />
　つまり、快感を得るための最低限の量が多くなってしまうのです。効き目が悪いからといって代謝する負担まで低くなるわけではありません。<br />
　耐性は、下手をするとその先にアルコール依存症が待ち受ける危険な状態です。耐性が出てこないように上手に飲む必要がありますが、そのためには常用しないことが必要で、つまりやるべきは、週に何日か休肝日を作るということになります。単に肝臓のためだけでなく、いろいろな意味で大切なんですね。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="59-1.4.JPG" src="http://lohasmedical.jp/news/images/59-1.4.JPG" width="210" height="194" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>　このほか、いったん心地よい酔いの状態に入ると、その楽しさを維持しようとして杯を重ねてしまうというのも、ありがちなパターンだと思います。これを防ぐには、肝臓がアルコール処理できるスピード（表）をよく把握して、それ以上のペースで飲まないということを心がけましょう。<br />
　標準男性を例に上手な飲み方を具体的に示すならば、ほろ良い期を超えてしまわないように、飲み始めの１時間に日本酒なら２合まで（ご自分の『適量』については、前項の換算式を参照してください）。その後は１時間につき日本酒0.5合のペースとなります。現在の飲み方より随分遅いと思いますが、とにかくゆっくりが王道です。<br />
　なお、ゆっくり飲むと時間を持て余すからと喫煙するのは論外です。様々な発症リスクを一気に１ケタ上げてしまいます。要は、喋ったり、食べたりしていれば、自然とゆっくり飲むことになるわけですから、できるだけ知人・友人と一緒に楽しく食事しながら飲むというのがいいですね。</p>

<blockquote><em>薬飲んだら酒飲むな</em>
　肝臓は、体内にアルコールが入ってくると、最優先で処理します。他に肝臓で処理されるべきものがあった場合も、それは後回しにされるため、トラブルが起きる可能性もあります。最も危険なのは、肝臓で代謝されるはずの薬が処理されすに残り、血中濃度が高くなってしまう可能性です。
　同様に、スポーツをした後も、本来であれば筋肉修復の材料を血中に供給しなければならない肝臓がアルコール処理に回るため、材料が足りなくなって筋肉が十分に修復されない（ケガしやすくなる）ということが起こり得ます。運動後３時間は飲まない方がよいでしょう。</blockquote>]]>
    </content>
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    <title>患者自ら立つ20</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/08/20.php" />
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    <published>2010-08-15T04:35:00Z</published>
    <updated>2010-08-15T05:05:44Z</updated>

    <summary>パーキンソン病　檜垣朋子さん（48歳） ＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマ...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="心と脳・神経の疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="患者の活動" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="セルフマネジメント" label="セルフマネジメント" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="パーキンソン病" label="パーキンソン病" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="患者" label="患者" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="慢性疾患" label="慢性疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/tatu20higaki.JPG"><img alt="tatu20higaki.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/08/tatu20higaki-thumb-120x151-4220.jpg" width="120" height="151" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>パーキンソン病　檜垣朋子さん（48歳）</strong></p>

<p><strong><small><small>＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ（ＷＳ）を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317</small></small></strong></p>

<p>４年前にパーキンソン病と診断された檜垣さん。誰よりも心配し支えてくれた父親が２年前、より進行の早いパーキンソン症候群に襲われ、患者の気持ちと家族の気持ち、両方が分かるようになりました。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>　ショーウインドーに映る自分の姿にハッとしたのは、04年の夏ごろのことだったと言います。大学時代は体育会テニス部の副キャプテン、社会人になってからも休みの日には山歩きをして、週に１度のバレエレッスン。脚力には自信があったのに、ウインドーに映った姿は、なぜか左足を引きずっていたのでした。そのまま冬になり、朝のゴミ出しの時に左腕が全く動いていないことに気づいて、またハッとしました。思い返すと１年ぐらい前から左肩に痛みがありました。<br />
　一体何だろうと気にはなりましたが、始発で出勤してさらに残業しても休日出勤が必要になるというほど仕事が忙しかったこと、加えて、もし悪い病気だったらと怖かったことから、受診せずにいました。<br />
　06年になって数カ月咳の止まらないことがありました。また、複数の親しい人たちから「左足をどうしたの？」と続けざまに尋ねられ、ようやく決心がついて３月に近所の総合病院を受診しました。最初は内科、ついで脳外科、神経内科と順々に巡り、パーキンソン病という病名を聞かされたのは８月、住んでいる神奈川県鎌倉市で『ぼんぼり祭』が開かれていた日でした。<br />
　パーキンソン病は、脳の細胞が変性して、脳細胞で作る神経伝達物質のドーパミンが足りなくなり、体が震えたり、こわ張ったり、動かなくなったりする原因不明の進行性難病です。<br />
　たまたま母方の祖父も患者で若干予備知識があったため、ショックを受けるよりはホッとしました。薬を飲めば何とかなるだろうと思ったからです。しかし医師は、いずれドーパミン補充薬は効かなくなるので、治療を始めるには若すぎる、とビタミン剤しか処方してくれませんでした。<br />
　誰にも打ち明けないまま、同じように若年でパーキンソン病を発症した米俳優マイケル・Ｊ・フォックス氏の自伝『ラッキーマン』など関連の書籍を読みあさりました。フォックス氏の病を前向きに受け容れる態度に感銘を受けた反面、自らの先行きを示されたように感じて、気分は落ち込み、食欲がなくなりました。足の痛みも日に日に強くなりました。</p>

<p><u>父に導かれ、友の会へ</u></p>

<p>　１人で隠して生活していくのは無理だと悟り、上司に報告しました。また、父の修三さん（78）には言わないでと頼んで、母親に打ち明けました。かつて損害保険会社に勤務していた修三さんは、檜垣さんが就職活動するのを嫌って勤務先の関連会社に就職させたほどの人。檜垣さんの病を知れば、何か行動を起こすに決まっていました。さしあたって上司や母の勧めもあり、「違う病気であってほしい」と一縷の望みを託して順天堂大学附属順天堂医院を受診しました。しかし、診断が変わることはありませんました。<br />
　子供の一大事を母が父に隠し通すはずもなく、修三さんは１人でパーキンソン病の猛勉強を始め、あちこちにコンタクトを取っていたようです。患者会である<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2009/05/post-60.php">「全国パーキンソン病友の会」（09年５月号参照）</a>に入るよう勧めてきました。でも朋子さんは、病状の進んだ人を見てショックを受けたくない、と頑なに拒み続けていました。<br />
　しかし、何度も勧められるうち、徐々に心境に変化を兆していた檜垣さんは、翌07年３月、修三さんと２人で県の難病相談・支援センターに友の会役員でもある女性を訪ね、話を聴いてみることにしました。友の会創設メンバーだった夫を支え続け看送ったその人の話を聞いているうちに、なぜか涙が溢れてきて、自分でも驚きました。その女性から誘われて、７月に初めて友の会の交流会に参加しました。病歴の長い人たちも明るく過ごしているのに接して、ショックをうけるどころか逆に元気づけられました。ここに来れば心の支えになってくれる人がいて、自分の病気のことを気軽に話せる仲間がいるんだと思ったら、気持ちが明るくなってくるのを感じました。<br />
　翌月、交流会で知り合った人から、いきなり「友の会県支部の役員になってほしい」とメールが来ました。若年の女性の声を会に反映してほしいとのことでした。会のことなど何も知りませんでしたが、交流会で感じた気持ちも後押しして、１週間ほど考え抜き、引き受けることにしました。<br />
　同じころ勤務先の社内報で、障害者向け音楽コンクールのボランティアを募集していると知り、それにも応募してみました。生まれながらに障害があったり、幼いころか難病を抱えて生きている人たちの、やはり前向きな姿に接して、またも感銘を受けました。さらに、その時のボランティアのチーフから、イギリスではセルフマネジメントプログラムが有効に使われているという話を聴かされ、興味を持ちました。<br />
　　<br />
<u>司会の勉強狙ってワークショップへ</u></p>

<p>　友の会役員としての最初の仕事は、９月の交流会の手伝い。そして、すぐに11月の友の会文化祭の企画運営と出展でした。何も分からないまま少しでも役に立ちたいとやり遂げた時、思いがけず患者である会員や役員からお礼を言われ、仕事では感じたことのない充実感を覚えました。<br />
　しかし相変わらず仕事は忙しく、友の会の活動に十分な時間が取れません。また、仕事を以前と同様に続けるにはどうしても薬の量を増やしていかざるを得ず、このままで大丈夫だろうかと不安もよぎりました。そこで08年６月、大学を卒業して以来23年続けてきた勤めを思い切って辞め、友の会の活動に専念することにしました。<br />
　前後して友の会交流会のグループミーティングで司会進行の難しさを痛感、今後のためにも勉強をしたいと思い、セルフマネジメントプログラムのワークショップ（ＷＳ）を受講することにしました。<br />
　ＷＳは09年３月、東大で開かれました。ただし、ＷＳを受けたからといって、司会進行に関して何か特別な技術を修得した気はしないと言います。むしろ、自分がセルフマネジメントをできていないことに気づかされ、病気との付き合い方を考え直せたことが大きな収穫でした。<br />
　また、友の会には同年代の患者がほとんどいませんでしたが、ＷＳで同年代の様々な疾患の患者たちと知り合い、自分とは異なる疾患を持つ人の苦しさや、逆に共通する悩みを持っていることを知り、さらに病気との折り合いの付け方が様々あると分かったことも発見でした。</p>

<p><u>父まさかの発症、介護する側へ</u></p>

<p>　檜垣さんに立ち直りのきっかけを与えてくれた修三さんでしたが、実は08年夏ごろからパーキンソン病とよく似た症状が出てきました。受診した結果は脳梗塞性パーキンソニズムといって、血管が詰まって脳細胞が死滅した結果として、ドーパミンが不足する病気でした。<br />
　パーキンソン病よりずっと進行が早く、檜垣さんの状態を、あっという間に追い抜いていきました。今では足が出ない、嚥下がうまくできないという状態になっており、檜垣さんは自分が介護される側から、修三さんを介護する側になりました。<br />
　こういう状態になってみて、患者も苦しいけれど、家族も苦しいんだということを心の底から実感したと言います。友の会で、今後は家族を支えるような活動もできたらいいなと考えています。<br />
　そして、いつかは『ラッキーマン』のような自伝を書きたいと、日々感動したことを書き留めています。<br />
　「私は、苦しんでいる時に助けてくれる人が多くて、本当に恵まれていました。助けてくださった人たちへの、感謝の気持ちを忘れたくないのです」</p>

<blockquote><strong>ワンポイントアドバイス（近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授）</strong>　ワークショップでは、慢性の病気があっても運動をすることが重要であると学びます。運動は工夫次第でだれにでもできることです。体に無理なく、座ったまま、もしくは寝転んだままできる運動もあります。大事なことは、運動をする回数や程度、１日に運動する時間を考え、自分にあった適度な運動の計画を立てることです。目標としては、1日30分間の自分にとって無理なくできる運動を1週間に3 ～5日（1週間に120分程度）できるようになることですが、最初は1時間に1分の運動から始めることもできます。運動の程度が適度であるかを調べる方法や運動能力の向上を知る方法についても学びます。</blockquote>]]>
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    <title>研修医が見た米国医療３</title>
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    <published>2010-07-28T01:10:46Z</published>
    <updated>2010-07-28T01:25:04Z</updated>

    <summary>&quot;かかりつけ医&quot;が入院後も診療継続 反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東京...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="日米" label="日米" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>"かかりつけ医"が入院後も診療継続</u></p>

<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote>
]]>
        <![CDATA[<p>　日本では、病院で働く医師は勤務医、自分自身の診療所を持つ医師は開業医と呼ばれ、はっきりと区別されています。勤務医は病院に雇われ、給与はすべて病院から支払われます。開業医は診療所を独立採算で経営します。<br />
　しかし米国ではそのような区別ははっきりしていません。<br />
　米国ではほとんどの医師が自らのオフィスを持ち、そこで週に何日かは自分の患者さんを診察します。これが外来診療にあたります。それと同時に、病院でも働きます。多くの場合は一つの病院と契約を結んでおり、自分の患者さんがその病院に入院している間は主治医として診療を継続することが可能です。<br />
　どちらの場合でも、米国の医師はドクターフィーと呼ばれる、自分の診療行為に対する代金を患者さんに直接請求することで収入を得ます。これが採血やレントゲンなどの検査料、ベッド代など他の代金と完全に区別されていることが、日本との大きな違いです。<br />
　医師の収入が医療行為そのものに対して独立して確保されることで、医師が場所に縛られない診療体系が可能になるわけです。<br />
　この制度の良いところは、一人の医師が外来から入院まで診療を継続できることです。患者さんは、主治医が提携する病院に入院すれば自分のことをよく知る先生が入院中も診てくれるため、安心して治療を任せられるという側面があります。<br />
　しかし一方で、入院中は濃密なケアが必要にもかかわらず、主治医が常に病院にいることができないというデメリットもあります。また、入院中は週末も継続して診る必要がありますが、生活の質を重視する米国の医師が毎週末病院に来るはずもありません。<br />
　そこで必要となるのが、研修医と週末のカバー体制です。研修医は常に病院にいますので、患者さんの訴えや容態の変化への細かい対応をします。外来主治医は一日に一度病院に来て大まかな流れをチェックし、研修医に翌日の指示を出すだけで良いのです。大きな変化が生じたり、重要な決断を迫られたりする場合には、研修医が電話で外来主治医に連絡を取り、判断を仰ぎます。週末は主治医が来ることもありますが、多くの場合他の医師がカバーします。<br />
　米国では医師同士が診療グループを作っており、週末や休暇をお互いにカバーし合います。医師にとっては非常に効率的なシステムで、過重労働することなく、きちんと休みを確保することが可能です。その一方で、継続的な診療はしづらくなり、研修医としても誰が誰をカバーしているか分からず、主治医との連携が取りづらくなるという問題があります。<br />
　中には病院にあまり来ない主治医や、連絡がつきにくい主治医もいて、診療に支障を来たす場合もあります。この問題を解決するために登場したのが、ホスピタリストと呼ばれる職種です。これは日本の勤務医に近いものなのですが、その詳細は次回に。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>不規則な生活　なぜ悪い</title>
    <link rel="alternate" type="text/html" href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/07/post-107.php" />
    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/archives//3.1347</id>

    <published>2010-07-19T15:07:01Z</published>
    <updated>2010-07-19T05:35:36Z</updated>

    <summary>健康には、規則正しい生活が大切ということ、皆さんもよく耳にすると思います。 当た...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="内分泌疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="心と脳・神経の疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="生活習慣病（高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボなど）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="血液・全身の病気" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="体内時計" label="体内時計" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="睡眠障害" label="睡眠障害" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="精神疾患" label="精神疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/58-1-1.JPG"><img alt="58-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/07/58-1-1-thumb-240x168-4169.jpg" width="240" height="168" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>健康には、規則正しい生活が大切ということ、皆さんもよく耳にすると思います。<br />
当たり前すぎることではありますが、その理由まで考えたことありますか？<br />
監修／谷川武　愛媛大学教授</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>寝不足を招く</u></p>

<p>　そもそも規則正しいとは、何がどういう状態になっていることでしょうか。こう書き起こしておいて何ですが、医学的に厳密な定義は、どうやらないようです。<br />
　一般に思い浮かべられるのは、日常の生活リズムが一定ということですよね。日常の中で区切りとなる行為は、睡眠（起床・就寝）、食事、主たる活動（通勤・就業・家事）、運動のあたりでしょうか。<br />
　この中で、今回は睡眠に着目してみます。脳が睡眠でしか疲労解消できないこと、体の補修に働く「成長ホルモン」も睡眠中にしか分泌されないことから、睡眠が健康に直結していることは間違いありません。<br />
　現代社会は刺激に満ち満ちています。やりたいことが多すぎて、１日が24時間では足りないと感じている方も多いことでしょう。あれもやりたいこれもやりたいと欲張れば、そのしわ寄せが睡眠時間に及ぶことは、火を見るよりも明らかです。ありがちなのは、平日は睡眠時間をギリギリまで削り、休日多めに寝て帳尻を合わせるというパターン。<br />
　せっかくの休日が勿体ないなどという話は置いておくとして、こういうパターンは１週単位では規則正しくとも、１日ごとに見た場合は明らかに睡眠時間が不規則になっています。何が問題でしょう。<br />
　考え方としては、たとえば飛行機を飛行ごとにコマメに点検整備するのか、１週間飛ばし続けてからまとめて点検整備するのかというものに近いかもしれません。１週間後には両方とも同じ状態かもしれませんが、週の間は随分と差がありますよね。<br />
　ましてや、もし週単位で帳尻を合わせきれなかった場合、脳の疲労や体のガタが、どんどん蓄積していくことになります。体のガタは言わずもがな、脳の疲労だって解消しきれなければ不都合が色々と起きてきます。<br />
　ここまでは言われなくても分かること。ただ、だったら睡眠時間さえ確保していれば、寝る時間や起きる時間が不規則だって別に構わないじゃないかという意見も出そうです。残念ながら、そうは問屋が卸しませんよというのが、今回の特集のお話になります。<br />
　前提として知っておく必要のあるのが、私たちの体には１日単位で動く時計のようなものが備わっているということです。腹時計のことではありません。ウソのような話ですが、植物・動物を問わずほぼすべて生物に、時を刻む「時計遺伝子」というものが備わっており、哺乳類でも20種類ほど見つかっています。<br />
　それから、睡眠の基礎知識も知っているに越したことはないので、<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2006/09/12-1.php">06年９月号の特集</a>を読み返していただくと、さらに理解が深まるでしょう。 <br />
=====<br />
<u>体内時計に逆らうストレス</u></p>

<p>　私たちの体では、①遺伝子発現②自律神経の興奮③ホルモン分泌という体の状態を制御する３系統すべてが、ほぼ１日周期で、波のように上がったり下がったりを繰り返しています。このような上がったり下がったりを制御しているのが「体内時計」です。ほとんどすべての細胞に時計があって、親時計は脳の視床下部というところにあります。<br />
　あまりピンと来ないと思うので、思い切り簡略化して述べます。遺伝子の観点から見ても、自律神経の観点から見ても、ホルモン分泌の観点から見ても、私たちの体は１日の中で波のように変動していて、時間帯によって状態が異なるということです。極端な言い方をすれば、朝のあなたと夜のあなたは、中身が少し違うということになります。<br />
　これは、何かを楽にこなせる時間帯と、骨の折れる時間帯があるということでもあります。当然、楽に眠れる時間帯と、なかなか寝つけない時間帯も存在します（コラム参照）。<br />
　体内時計は、完全に内発的に刻まれるのではなく、外界の影響によって日々ズレが生じていきます。環境の変化に速やかに適応できるよう、体内時計も調節可能になっていると書いた方が正確かもしれません。<br />
　ともあれ、毎日同じような時間帯に同じようなことをしていると、体の方でも適応して、そうした行為を楽にこなせるような状態になってくれることになります。ただし、そうした単調な生活を現代人の脳が快く感じるかという問題は残ります。<br />
　一方、日によって行為の時間帯や行動そのものが変わると、体は適応しきれないので、何かと骨が折れ、言うなればストレスにさらされた（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/05/post-101.php">10年５月号特集</a>参照）のと同じ状態になります。ヒドイ場合には、体内時計がグチャグチャになって３系統バラバラに動いてしまったり、上下動の振幅が小さくなったりすることもあります。<br />
　体内時計は、人類が発生してからに限っても200万年もの途方もなく長い期間、太陽が出て明るくなれば活動する、太陽が沈んで暗くなれば休息するというサイクルに適応して発達してきています。<br />
　夜間に活発に動く現代人の生活そのものが、体内時計の観点から言うと、知らず知らずにストレスを蓄積させるようなものだ、ということはお分かりいただけると思います。<br />
　で、実は卵と鶏のような関係として、睡眠の取り方と体内時計の健全さとの間にも強い関連性があります。体内時計の親玉が睡眠でしか疲労解消できない脳に存在しているからであり、体内時計の調節に光が大きな役割を果たしているからでもあります。<br />
　そして、体内時計が狂うと睡眠障害や自律神経失調や内分泌系の疾患、そして精神疾患などが現れやすくなると知られています。</p>

<blockquote><strong>眠気が来るのは起床後15時間</strong>
　睡眠は、体内時計と疲労物質蓄積量の二つの要素で制御されています。特筆するような疲労がない場合は、主に体内時計に睡眠が制御されることになり、起床から15時間後に眠気がやってきます。その２～３時間前は逆に目が冴えて眠れない時間帯です。昼近くまで寝ていると、その夜なかなか寝つけず、次の週のスタートから睡眠不足に陥ることになります。睡眠の質も悪くなりがちで、いわゆる睡眠障害が目前です。</blockquote>

<p>=====<br />
<u>時計を制御する光と食事</u></p>

<p>　前項で、体内時計に合わせて生活する方が、体へのストレスは恐らく軽いだろうという話をしました。卵が先か鶏が先か、規則正しく生活をしている人は、ほぼその活動に適した時計になっているはずです。<br />
　人間の体内時計は、概ね25時間周期で動いていることが知られています。季節ごとに日照時間が変化する自然環境に適応するには、24時間カッチリ刻むより、少し長めのものを毎日リセットしていく方が都合良かったと考えられています。<br />
　放っておけば１日に１時間ずつズレていくところ、暗い所にいた後で目に強い光を浴びるとリセットされ、ほぼ24時間周期になります。毎晩きちんと暗くして眠り、朝起きて太陽の光を浴びるとちょうどよいことになります。<br />
　ただし夕方以降に似たようなことが起きると、逆に１時間延びて26時間周期になってしまいます。夜中にコンビニエンスストアなどへ行くのは要注意です。同様に夜中にパソコンや携帯電話をいじりすぎるのも考えものです。また、食事の摂取も時計に影響を与えることが知られています。<br />
　さて、結論です。<br />
　まずは毎日、きちんと一定の睡眠時間を確保しましょう。休日に平日より２時間以上長く寝ているような人は、普段から寝不足になっています。睡眠時間を削って眼先の何かをこなしても、体を壊しては元も子もありません。大体、睡眠不足のボーッとした頭より、ぐっすり眠った後の頭の方が何でも効率よくできるのではありませんか？<br />
　分かってるけど眠れないんだという場合は、まず無理してでも眠りたい時刻の15時間前に起床すること、運動などをして眠りやすい状態に持っていくのが有効です。アルコールに頼るのは、睡眠の質が悪化して循環になるので、絶対にダメ。そんなことをするくらいなら、医師に相談して睡眠導入剤を処方してもらいましょう。最近は副作用の軽いよい薬が出ています。<br />
　<br />
<blockquote><em>夜勤と疾病リスク　</em>就寝や起床の時間が一定しないと疲れが溜まりやすいだけでなく、疾病のリスクも高くなるのでないかという見方が有力です。<br />
　まず、複数の研究報告があり、ほぼ間違いなさそうと考えられているのが、乳がんの発症リスク上昇です。勤務する時間が一定せず、昼に働いたり夜に働いたりするような人は、昼間だけ働く人に比べて、50％発症リスクが高いようです。WHO（世界保健機関）国際がん研究機関も、一日のリズムを妨害する夜間交代勤務は、「恐らく発がん性がある」と判定しています。<br />
　また日本人を対象にした文部科学省研究班の疫学研究でも、24時間操業の工場や鉄道、ホテルなどの交代制職場で働く男性は、主に昼間働く日勤職場の男性に比べ、前立腺がんになる危険性が3.5倍、心筋梗塞などの虚血性心疾患で死亡する危険性が2.8倍高いというデータが出ています。</blockquote></p>]]>
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    <title>患者自ら立つ19</title>
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    <published>2010-07-14T15:06:53Z</published>
    <updated>2010-07-15T03:08:35Z</updated>

    <summary>潰瘍性大腸炎　池田愛さん（34歳） ＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジ...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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    <category term="セルフマネジメント" label="セルフマネジメント" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/tatu19ikeda.JPG"><img alt="tatu19ikeda.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/07/tatu19ikeda-thumb-120x155-4158.jpg" width="120" height="155" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>潰瘍性大腸炎　池田愛さん（34歳）</strong></p>

<p><strong><small><small>＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ（ＷＳ）を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317</small></small></strong></p>

<p>就職直後に難病を発症した池田愛さんは、自分が社会や周囲の人に迷惑をかけていると、何年間もひけめを感じていました。今は違います。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　自営業を営む両親の長女として生まれた池田愛さんは、大学卒業までずっと京都市に住んでいました。大学時代は探検部に入って、日本アルプスの縦走をしたり、四万十川や吉野川、保津川の川下りをしたり、活動費を稼ぐため三重県鳥羽市のテーマパーク『パルケエスパーニャ』でアルバイトをしたり、たくましく過ごしてきたのでした。<br />
　そんな元気な池田さんを異変が襲ったのは、上京してシステムエンジニアとして就職した１年目の冬のことです。粘液に鮮血の混じった便が頻繁に出るようになっていました。痛みはあまりありませんでしたが、便意を感じると我慢できず、電車を途中で降りてトイレに行ったり、出社と同時にトイレに行ったりという生活でした。<br />
　しかし、池田さんは、「痔だろう」と思い込もうとして、仕事を控えたりしませんでした。そのころ知人の紹介で、後に結婚することになる剛さん（41）と知り合いましたので、深刻に考えず得した面もありました。<br />
　半年ほど経っても治らず、近所の開業医を受診しました。バリウム造影検査では病名不明、「もう少し様子を見ましょう」で終わりでした。<br />
　それから１年経ち、やはり症状が変わらないので、今度は肛門専門のクリニックをインターネットで調べて受診しました。そこで大腸内視鏡検査を受けて、『潰瘍性大腸炎（IBD）』の病名を告げられたのです。大腸粘膜に激しい炎症が継続的に起きるこの病気は、国内に10万人ほど患者がおり、原因が分かっておらず根治不能です。薬などで症状をコントロールできない場合には、大腸を切除してしまうという手術が行われることもあります。</p>

<p><u>結婚式の直前まで入院</u></p>

<p>　病名を聞かされても、池田さんには難病の実感がありませんでした。医師もほとんど経験がないようで、文献を参考にしながら手探りでの治療になりました。最初に炎症抑制薬を服用したところ咳が止まらなくなり、１カ月ほど後のレントゲン写真で肺が真っ白になっていました。以降、薬はステロイドのみ、仕事もできるだけ頑張るという期間が２年ほど続きました。<br />
　03年２月、38度ほどの熱がずっと続いて会社に行ける状況でなくなり、ついに３週間入院しました。ステロイド量を大幅に増やし、いったん症状は落ち着きましたが、１年かけて少しずつステロイド量を減らし間もなく離脱というところで再燃、再入院となりました。この時はもっと大用量のステロイド投与が行われ、髪が抜けたり、ステロイドを再び減らしていく過程で情緒不安定になったりもしました。<br />
　翌05年５月に結婚。同時に退職したのですが、その時もステロイドの離脱がうまくいかず、結婚式の10日前まで入院していました。精神的に治療に耐えられず、飲んでも飲まなくても再燃するなら、もう飲まないと医師に言って薬をやめました。<br />
　義理の両親が心配して、東京都済生会中央病院を受診するよう勧めてくれました。そこで初めてIBDを専門とする医師に出会ったのでした。再度ステロイドを飲むように言われ再開しました。それから２年、春先になると症状が悪化して入院するという生活を繰り返しました。<br />
　08年、サイトメガロウイルスによる感染症を発症。その治療も兼ねて慶応大学病院に紹介されました。その頃は、もう死んだ方がマシじゃないかと思うような状態だったと言います。１日に20回も30回もトイレに行き、毎回下血しました。痛み止めを点滴してもらっているのに、ひたすらお腹が痛いのです。慶応へと言われた時も、何をされるのか分からず不安に感じ、もうこのまま死んだ方が楽かもと思ったのでした。<br />
　慶応大学病院で、抗ウイルス治療をした後、当時まだ保険適応外の治療薬だったシクロスポリンという免疫抑制剤を頸部から３週間持続注入しました。うまくいかなかったら大腸切除手術を行うという話になっていました。医師たちの事前のカンファレンスでは、発症から８年も経過しているので薬物療法を試さずに最初から大腸切除した方がQOLはよいのでないか、という意見が多かったそうです。主治医はそれを説明したうえで池田さんにどうしたいか尋ね、池田さんがシクロスポリンを希望したのでした。この時に自分の意思を尊重してくれたことがありがたく、この先も信頼していこうと思えたと言います。<br />
　幸いシクロスポリンは効きました。08年５月に退院後、１年くらいで状態は落ち着き、ステロイドも完全に抜けました。以後、再入院することもなく月１～２回の通院のみで済んでいます。</p>

<p><u>期待は大きく、でも拍子抜け</u></p>

<p>　症状が落ち着いてくると、そろそろ何かしないといけないなと思うようになりました。ただ、いきなり働くのはハードルが高すぎます。そんなある日、病院でセルフマネジメントプログラムのワークショップ（ＷＳ）のチラシを見つけたのです。医師とのコミュニケーションがうまくいくとか、自分で病気をコントロールできる、といったキャッチフレーズが書いてありました。<br />
　そんなことが本当にできるなるなら受けてみたいと思う一方、変な団体だったらどうしようと警戒心も抱きました。そこで、傍から冷静に見ていてほしいと、剛さんにも一緒に行ってもらうことにしました。<br />
　そして09年３月にＷＳを受けてみて、正直拍子抜けとしたと言います。受ければ魔法のように病気をコントロールできるようになる、と期待していましたが、そんなことはありませんでした。自分なりに一つ一つやっていくうちに、そのうちそういう風になるのかなあという程度の感想でした。<br />
　でも、受講仲間とＷＳ終了後も３カ月おきに会っているうちに、自分も他の人たちも考え方が徐々に変化していることに気づきました。最初は自分の病気がいかに大変かというのを言い合っていたのが、病気の経験を生かす方法について話し合うようになっていたのです。池田さんも、他の患者会に参加したり勉強会にも行ったりするようになって、そこでは自分の経験が他の患者さんの役に立つということに嬉しい驚きを感じていました。<br />
　それまで、病気は苦痛でしかなく、社会の迷惑になっていると自分のことを否定していました。<br />
「でも、だからこそ役に立つこともあるんだと分かって、本当にそれが嬉しかったんです。やっとたどり着けた感じでした」<br />
　今年２月には、今度は１人でＷＳを再受講しました。続けてリーダー研修も受けるつもりです。</p>

<p><u>気持ちを言えるように</u></p>

<p>　主治医には、ＷＳを受けたことを特に伝えてはいません。でも確実にコミュニケーションが上手になったと感じます。ＷＳを受ける前は、もし主治医に聴き入れてもらえなかったらパニックになりそうで、怖くて希望を伝えることができませんでした。でも、「今は無理でも、この先できる時にという入れ物があることを知ったから、こういう不安を持っているとか、こういうことをしてみたいと普通に言えるんです」。そろそろ妊娠したいという希望を伝え、１年以内をめどに免疫抑制剤を止める予定です。<br />
　打ちこんできた探検には、トイレの不便があるので行けなくなりました。学生時代の仲間たちから飲み会などに誘ってもらっても、食事制限があって他の人の好きな店に行けないのが申し訳ないと、足が遠のいていました。でも、今年もお花見に誘われ、思い切って、自分が足手まといになっているんじゃないかと申し訳なく思う、こう伝えたら、「探検部の仲間やし、会いたくて誘ってるんだから、そんなに気兼ねすることないよ」と言ってもらえ、長年の胸のつかえが取れました。</p>

<blockquote><strong>ワンポイントアドバイス（近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授）</strong>ワークショップは、参加すればすべてが解決する「魔法の薬」ではありません。多くの自己管理の技術を学びますが、人によって役に立つものは違います。自分にできることから一つずつ試して、自分に合う技術を見つけられたら素晴らしいです。
また、ワークショップでは、知識や技術を学ぶ以外に「お互いに助け合う」体験をします。問題解決のアイデアを出し合ったり、お互いの話を聞いたり、人の役に立つことができます。慢性の病気があると、いつも人に迷惑をかけていると思いがちですが、それは違います。どんな人でも他者を助けることができ、その実感が自信につながっていきます。</blockquote>
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    <title>禁煙なぜできない</title>
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    <published>2010-06-20T02:33:15Z</published>
    <updated>2010-06-20T12:52:52Z</updated>

    <summary>今回の特集は、たばこを吸っていることに罪悪感のある方、身近な人に禁煙させたいなと...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/57-1-1.JPG"><img alt="57-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/05/57-1-1-thumb-240x155-4055.jpg" width="240" height="155" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>今回の特集は、たばこを吸っていることに罪悪感のある方、身近な人に禁煙させたいなと思っている方のお役に立つかもしれない情報です。</p>

<p>監修／磯村毅　リセット禁煙研究会代表　</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>喫煙は悪いのか</u></p>

<p>　５月31日は、世界保健機関（WHO）の定めた世界禁煙デーで、そこから１週間の禁煙週間です。このような日が設けられていることからも分かるように、喫煙が健康に害を与えると、先進国では一定のコンセンサスができています。<br />
　具体的には、肺がんなどのがん（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2006/11/14-1.php">06年11月号など参照</a>）、慢性閉塞性肺疾患（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2008/11/post-1.php">COPD＝08年11月号参照</a>）、動脈硬化に起因する生活習慣病（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2005/12/post-19.php">高血圧＝05年12月号参照</a>、<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2006/01/post-25.php">糖尿病＝06年１月号参照</a>）と心血管疾患（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2007/10/post-91.php">脳卒中＝07年10月号参照</a>、<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2008/08/post-17.php">虚血性心疾患＝08年８月号参照</a>）、歯周病（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2007/09/post-100.php">07年９月号参照</a>、付随して口臭が強くなります）などリスクを上げると指摘されている疾患は枚挙に暇がありません。妊娠の際のリスクも上げると言われていますね。<br />
　そして近年は、本人だけでなく周囲の人の健康にも害を与えるとの報告が相次いでいます。最も確度が高いのは、公共の場での喫煙を禁止した世界各地のデータを総合したところ心臓発作を起こした人が約25％減っていたというもの。受動喫煙で心臓発作リスクの上がることが示唆されます。妊娠中に喫煙していた母親の子供は、多動など行動障害を発現するリスクが高まるという研究もあります。さらに、タバコの煙の残留物から新たな毒性物質が発生し、煙が消えてから部屋に入った人にも悪影響を与えるという「三次喫煙」なる仮説も、世界的に注目されるようになってきています。<br />
　ただ、喫煙者の方々は、ここまでに書いてきたようなことは恐らくかなりご存じのはず。「悪い、悪い」でやめられたら苦労しないよ、と思っていますよね。<br />
　さて、本題に入ります。禁煙した方がよいでしょうか。<br />
　４年前から禁煙指導とそのためのニコチンパッチ使用などに健康保険の適用が認められていますが、受診していったん離脱した人の７割が半年後には再び喫煙しているというデータもあり、「お医者さんに行けば簡単に禁煙できる」というのは幻想です。むしろ再喫煙が自尊心を傷つけて、いっそう禁煙を難しくするという悪循環も起こり得ます。本当に禁煙したいのか、じっくり考えてから取り組みましょう。<br />
　まず発想を逆転させて、誰にも受動喫煙させず、リスクを承知して個人の嗜好として嗜む場合に、どういうよいことがあるのか考えてみたいと思います。そのメリットが禁煙のメリットを上回るならば、無理にやめる必要はないと判断するのが合理的です。逆の時に初めて禁煙した方がよいという話になります。<br />
　さて、喫煙のメリットって何でしょう。吸っている方は心の中で挙げてみてください。<br />
　気分転換？　リラックス？　おいしい？　ストレス解消？<br />
　表現は色々あるかもしれませんが、大体こういった感じのところに落ち着くのではないでしょうか。<br />
　次に、これらのメリットは、他のことでは代替できないのか考えてみてください。<br />
　喫煙している人といない人とで大きく異なるのは、恐らくこの質問への回答です。<br />
　喫煙している人は、とんでもないと思うでしょうし、してない人は、他にも同じ効果の得られそうなことはあるなと思うはずです。<br />
　この違いは、一体何なんでしょう。</p>

<p>=====<br />
<u>体と心の二重依存</u></p>

<p>　タバコの煙に含まれる成分のうちニコチンには、脳の神経系に働きかけて、脳内快感物質のドーパミンを強制分泌させる作用があります。吸うとドーパミンが出るので、リラックスできたり、ストレス解消になったりするわけです。<br />
　ただし、ここに罠があります。<br />
　ニコチンによる強制分泌は、ドーパミンが足りている人の幸福感を増幅するようなことはありません。足りない人の欠乏を補うだけです。生まれて初めてタバコを吸った時に「おいしい」と思いましたか？　思いませんでしたよね。むしろ不快だったはずです。脳内に薬物を入れられて無理やり物質を分泌させられるわけですから当然です。<br />
　ところが、ニコチンによってドーパミンを強制分泌させられ続けると、神経系の働きが弱ってきて、むしろ普段のドーパミン量は欠乏気味になることが知られています。ニコチンの存在に体が適応してしまうのです。これが、ある時期を境に、「おいしい」と思うようになるという現象の正体で、その時期というのが体の依存の成立した時になります。<br />
　体の依存が成立すると、何が起きるでしょう。<br />
　何とも恐ろしいことに、ニコチンなしの日常生活で幸福感が薄くなるのです。そして、ニコチンを補給した時だけ、人並みに幸せを感じることができるようになります。吸わないと不幸な感じがするわけですから、禁煙がつらいことは想像に難くありません。<br />
　一度こうなってしまうと、ニコチンを補給せずにはいられませんし、徐々にニコチンに対する耐性ができて、どんどんタバコの本数が増えるようになります。喫煙者の皆さん思い当たりますよね。ニコチンを軽いのにしたから、とか言い訳をしても、その分、肺いっぱい吸い込んでいるはずです。<br />
　ただし、問題がこれだけなら、医療で100％近く治せます。人間の体には適応能力がありますから、依存にはまり込んでいった過程を逆に回せば、徐々にニコチン量を減らしていって、最終的には不要の状態に持っていくことができるからです。<br />
　これが現在の禁煙指導の背景にある考え方で、現実に３割の人は半年後も禁煙を続けられています。<br />
　ところが、せっかくニコチンによる体の依存を抜いたのに、再び喫煙してしまう人が７割いるのも厳然たる事実。その原因になっているのが、心の依存です。<br />
 <br />
=====<br />
<u>アメとムチの二重洗脳</u></p>

<p>　これまで禁煙を困難にする心の依存として、禁煙によって本人がヒドイ目に遭うというムチの部分が主に注目されてきました。<br />
　前項で、実はムチの正体が、体の依存に伴う幸福感の欠如だということを説明しました。そして、そもそも幸福感欠如の原因になっているのが、ニコチンの薬理作用なので、ニコチンを抜かない限り救われないということもお分かりいただけたと思います。ムチに対抗するには、医療的アプローチが極めて有効です。<br />
　ただし依存性の薬物に共通することですが、一度タバコの味を覚えてしまった人は、たとえ体からニコチンを完全に抜いたとしても、ちょっとしたきっかけで、たやすく依存状態に戻ります。魔が差したり、本当にやめられたか試してみようしたりして、うっかり１本吸ったら、あっという間に元の木阿弥。禁煙するからには、二度と吸わない決意が必要というわけです。<br />
　どうして魔が差してしまうのかと考えてみると、タバコによって得られるメリットもあると本人が信じているからだと気づきます。アメもあるのです。改めて、最初の項で挙げたメリットについて考えてみます。<br />
　気分転換とかリラックスとかの効用は、他のことで代用しましょう。ガムを噛んだり、お茶を飲んだり、音楽を聴いたり、散歩したり、考えればいくらでも方法は思いつくはずです。<br />
　問題になるのは、「ストレス解消」です。<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/05/post-101.php">前号</a>で特集したように、ストレスは、要因である「ストレッサー」と主体である「あなた自身」の相互作用で発生します。喫煙によって平常時のドーパミンが減り、打たれ弱い状態になっていたら、ニコチン補充したくなるのも当然です。<br />
　あれ？　何かおかしくないでしょうか。<br />
　そもそも打たれ弱くなっていたのは、タバコのせいでした。それなのに、さらにタバコを吸ってその状況に追い討ちをかけていく。<br />
　例えるならば、借りる必要のなかった高利貸しから借金をして、その返済のため身も心もボロボロにして家族にも心配をかけながら借金を繰り返すようなものです。<br />
　もう一つ。ニコチンを補給したら、本来対処すべき「ストレッサー」は消失するでしょうか。<br />
　しませんよね。もしタバコにより解消するストレッサーがあるとすればたった一つ。分かりますか？　「ニコチン切れ」、これだけです。<br />
　しかも禁煙開始後３～７日でニコチンは体内から排泄され「ニコチン切れ」というストレッサーはなくなります。<br />
　ただし、再喫煙により、速やかに再登場してきます。<br />
　例えるならば、夏にクーラーを使って気持ち良かったから、冬も気持ち良いだろうと使って風邪をひいてしまい、熱が出たので結果としてクーラーの冷気が気持ち良い、というような関係です。<br />
　これって、本当にメリットなんでしょうか？<br />
　来年も再来年も吸い続ける。そんな決心をしている人にも、実は禁煙により、健康やお金の問題ばかりでなく、ドーパミンが正常化することで、人生は今より楽しくなる可能性があるのだ、と最後に指摘しておきたいと思います。</p>

<blockquote><strong>きちんと理論武装するなら</strong>
　今回の特集で、「へー」と思って禁煙にチャレンジしてみようかなと思った方、少し待ってください。医療は極めて有効ですが、しかし本文中でも述べたように、気持ちが定まっていないとロクなことになりません。心が負けないよう、禁煙外来を訪れる前に、覚悟と理論武装としておくことをお勧めします。
　この特集の監修者である磯村毅医師が書いた『二重洗脳』（東洋経済、1500円・税別）をじっくり読むと、成功がぐっと近づくでしょう。</blockquote>
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    <title>患者自ら立つ18</title>
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    <published>2010-06-15T01:51:11Z</published>
    <updated>2010-06-15T06:06:01Z</updated>

    <summary>１型糖尿病　溝尾圭緯子さん（35歳） ＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネ...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/tatu18mizoo.JPG"><img alt="tatu18mizoo.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/05/tatu18mizoo-thumb-120x155-4053.jpg" width="120" height="155" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>１型糖尿病　溝尾圭緯子さん（35歳）</strong></p>

<p><strong><small><small>＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ（ＷＳ）を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317</small></small></strong></p>

<p>短大１年の時に１型糖尿病を発症した溝尾圭緯子さんは、病気を受け止めきれず、ほぼ２年に１度のペースで、教育入院を繰り返してきました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　神戸市で自動車整備工場を経営する父と専業主婦の母との間に生まれ育った溝尾さんは、母親に勧められて短大の栄養士コースに進みました。<br />
　しかし短大１年生の８月、やけに喉が渇き、だるさを感じているうちに意識を失って救急車で病院へ運ばれました。１型糖尿病でした。生死の境をさまよい、３カ月入院してから退院しました。<br />
　病名に実感がわかず、生活の参考になればと思って患者会に入りましたが、幼いうちに発症した子供たちが多くて、なじめませんでした。<br />
　発症の翌冬に阪神淡路大震災に遭遇し、インスリンが手に入らず苦労したということもありました。<br />
　お世辞にも模範患者とは言えず、食べ過ぎて、でも見合った量のインスリンを注射することができないという状態が続きました。いけないことは分かっていましたが、罪悪感が余計に過食を呼ぶという悪循環でした。<br />
　短大を卒業する時に３カ月の教育入院したのを皮切りに、ほぼ２年に１度ずつ教育入院を繰り返しました。</p>

<p><u>クリスマスの出会いから</u></p>

<p>　患者会からは遠ざかっていましたが、一人だけ近所に同じ１型糖尿病患者の友人がいました。その友人が、わざわざ東京女子医大まで受診しに行き、それが縁で同大学で開かれる１型患者たちのクリスマスパーティーに誘われるようになりました。<br />
　それほど気乗りしていたわけではないものの、たまたま28歳の時に行ってみたらとても楽しく、翌年も続けて行きました。そこで東京勤務の友人ができ、彼女からセルフマネジメントプログラムのことを知らされたのです。<br />
　とかくマイナスの方に傾きがちな自分の感情を吐き出したいと強く思っていたので、そういう自分の感情を何とかしてくれる場なんじゃないか、と非常に興味を覚えたと言います。08年９月に兵庫県尼崎市でワークショップ（ＷＳ）が開催された時、土日には取りづらい休みをやりくりして受講しました。<br />
　でも、実際に参加してみたら予想と違っていました。感情をコントロールするテクニックは確かに教えてもらえて、これは悪くはないなと感じると同時に、思ってた以上に内容が難しく、１回では十分にこなしきれないなということも感じました。<br />
　WSの内容から、特筆するほど何かを得たということもありませんでしたが、貴重な出会いはありました。リーダーが、同じ病を抱える神内謙至医師（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/02/14.php">10年２月号参照</a>）で、ちょうどインスリンポンプを使ってから１年ほど経ち、ホノルルマラソンに挑戦しようとしているところでした。<br />
　ポンプの存在は知ってはいましたが、カテーテルが詰まったり、皮膚がかぶれたりするのでないかと不安に感じていました。しかし神内医師に尋ねて、機械の性能が向上し快適に使えていることを知りました。<br />
　ちょうど、その12月に子宮筋腫が見つかりました。外科手術後の傷の治りをよくするには血糖値のコントロールが欠かせないということもあり、少しだけ悩んでポンプを導入することに決めました。<br />
　09年３月にポンプを導入して以来、どうしても10を切れなかったHbA1cの数値が、８ぐらいで何とか落ち着くようになりました。心のゆとりがいい方へ向いたのか、過食もゼロではないけれど、以前に比べると量や回数は減ったと言います。</p>

<blockquote><strong>ワンポイントアドバイス（近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授）</strong>　ワークショップから得られるものは参加者によって異なります。ワークショップでは6週間でたくさんのことを学びますが、そのすべてをマスターしなければいけないということではありません。自分にとって必要なことを1つでも得られたら、それは大きな進歩です。
　多くの参加者が良かったと言われることに、様々な病気の方との出会いがあります。同じ病気や異なる病気の人、若い人から年配の人までいろいろです。病気に関して言えば、2009年度は全国のワークショップに78の異なる病気の方が参加されています。そうした出会いをきっかけに、自分にとって役立つ情報を得る方法を知り、ひとりでは思いつかなかったアイデアを得られることもあります。</blockquote>
]]>
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    <title>研修医が見た米国医療２</title>
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    <published>2010-05-25T01:03:30Z</published>
    <updated>2010-05-27T01:09:44Z</updated>

    <summary>労働週80時間まで　質の向上は限定的 反田篤志　そりた・あつし●医師。07年、東...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="日米" label="日米" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>労働週80時間まで　質の向上は限定的</u></p>

<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote>
]]>
        <![CDATA[<p>　米国の研修医には「80時間ルール」があります。これは03年に導入された制度で、研修医は週に80時間以上働いてはいけない、としたものです。<br />
　それ以前の米国では現在の日本のように、研修医の総労働時間に制限はなく、24時間当直や、当直明けで日常勤務を行う36時間連続勤務も普通に存在していました。長時間労働で疲れ切った研修医が致命的な判断ミスをする確率が高いという研究結果により、この制度の導入が決まりました。<br />
　本制度の導入以降、研修医の労働状況は大きく改善されました。多くの病院で24時間勤務を避けるため夜間シフトの研修医を置くようになり、最低週に１日は休みを取れるようになりました。私の病院では、24時間勤務は月に１度程度、週平均労働時間は65～70時間程度です。日本では上級医でさえ月3～4回の当直業務が課せられている現状に比べると、非常に恵まれています。<br />
　一見すると良い制度のように思えますが、いくつか問題もあります。まず、医療の質を改善するために開始されたものの、その効果は集中治療室など特殊な環境を除き、現在のところはっきりしていません。なぜでしょうか？<br />
　研修医の働く時間が減ると増えるのが、研修医同士の引き継ぎです。ほとんどの場合患者さんごとに担当の研修医が決まっていますが、その研修医が働いていない時間帯は他の研修医がその患者さんをカバーすることになります。カバーしている研修医はその患者さんの全体像を把握していないので、例えば容態の悪化につながる初期の変化が起こった時に対処が遅れる可能性があります。80時間ルールの導入で、眠気で判断能力の低下した医師によるミスは防げるものの、患者さんを良く把握していない医師によるミスが増えることになります。また、患者さんに対する責任感は相対的に低くなりますので、患者さんやその家族への病状説明や、細かい問題への対処が疎かになり、患者さんの満足度は低下する傾向にあります。<br />
　研修医にとっても良いことばかりではありません。労働時間が減ることで、１人の患者さんを継続的に診ることができず、症例から学ぶ機会が減ります。研修医は、自分の治療行為により生じた臨床的転帰を体験することにより、経験を積み、次に同様な症例に遭遇した時の正しい対処法を学びます。自分で投与した薬により患者さんが良くなったかどうかを見て、時には苦い経験をしながら、臨床医として成長します。シフト制の中では自分の治療行為の結末を自分の目で見る機会が減るので、その成長が遅くなることになります。<br />
　日本で休みもなく月に10回当直していた時は、論文を読んだり、一つ一つの症例を詳しく振り返ったりする余裕もなく、週80時間制度を羨ましく思ったものでしたが、今から見ると、その激務にも意味があったのだなと感じます。<br />
</p>]]>
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    <title>あるのに使えない５</title>
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    <id>tag:lohasmedical.jp,2010:/archives//3.1312</id>

    <published>2010-05-21T00:53:58Z</published>
    <updated>2010-05-21T01:10:06Z</updated>

    <summary>アナキンラ 開発してもらえない　CAPSに効く薬 このコーナーでは、様々な原因で...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
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        <category term="免疫疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><big><strong>アナキンラ</strong></big></p>

<p><u>開発してもらえない　CAPSに効く薬</u></p>

<p><strong><em><small>このコーナーでは、様々な原因で医薬品や医療機器のラグ・ギャップに悩む患者の方々に、どういうことで苦しんでいるのか、直接書いていただきます。</small></em></strong></p>]]>
        <![CDATA[<p>　CAPS（クリオピリン関連周期性発熱症候群）という病名をご存じですか？<br />
　初めて耳にされた方がほとんどだと思います。発症は100万人に１人、日本には50名ほどしか確認されていない、とても珍しい病気です。お医者さんにも、まだあまり知られていません。<br />
　遺伝子の変異などにより乳児期から発症し、炎症物質が絶え間無く作られます。この炎症物質が体内を巡ることにより、体中のいたる所で炎症や障害を引き起こし、進行していきます。<br />
　症状は、毎日40℃に及ぶ高熱、じんましん様発疹、慢性無菌性髄膜炎、激しい頭痛や嘔吐、進行性難聴、視力障害、低身長、関節の変形や強い痛みなど。炎症が長く続くことで臓器にも障害を起こし、生命的な予後もあまりよくありません。<br />
　そのような重篤な病気に対して、炎症物質を抑え、障害の発生を抑える事ができる「アナキンラ」という薬があります。元々は成人用のリウマチ薬としてアメリカで2001年に承認されたものですが、CAPSの子供たちに劇的な効果がありました。毎日皮下注射をすると、それまで痛みで泣き叫んでいた子供たちが、普通に日常生活を送れるようになるのです。<br />
　しかし、大変悲しいことに日本では承認されておらず、使うことができません。<br />
　世界では患者数の少ない疾患へは適応拡大で使われることも多いため、アナキンラをCAPSの薬として承認している国はありません。そのような薬は日本の現在の制度での承認がとても難しくなっており、製薬会社も『採算が取れない』などの理由から開発に乗り出してくれないのです。<br />
　とても効果のある薬が存在するのに、使うことができないのです。副作用などの問題ではなく、患者数が少ないからという理由なのです。<br />
　毎日、高熱や痛みを訴える我が子に何もしてあげることができず、ただ見守ることだけしかできないのは、耐えている子供もそれを看病する家族もとてもつらく、非常に残酷です。<br />
　アナキンラを日本で使うことができたら、と強く願わずにはいられません。<br />
　家族にとっては、かけがえの無い一つの命です。たとえ患者数が少ない病気であっても平等に薬を開発し、大切な命を見捨てないでいただきたいのです。<br />
　CAPSの患者の多くはまだ小さな子供たちです。現在は「難病・特定疾患」に認定されていないこともあり、この子たちの将来はどうなるのだろうかと不安は増すばかりです。<br />
もしアナキンラが開発され承認されたとしても、患者数が少ないために相当高い薬価になると予想されます。患者・家族の経済的負担という新たな問題が生じる可能性が高いのです。<br />
　このような薬の開発問題・薬価の問題は、希少疾患の患者にはとても大きな壁となっております。<br />
　一日も早くすべての患者が必要としている薬を、よりよい環境で使えるようになる日が来ることを願って、私たちは活動しております。<br />
<strong>（CAPS患者・家族の会　嶋津恵美）</strong></p>]]>
    </content>
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    <title>ストレスなぜ悪いのか</title>
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    <published>2010-05-20T02:59:03Z</published>
    <updated>2010-05-20T03:23:22Z</updated>

    <summary>現代の日本はストレス過多だと、よく言われます。 ストレスって何でしょう。 なぜ、...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="免疫疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <category term="予防" label="予防" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="傾向" label="傾向" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="受診" label="受診" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/56-1-1.JPG"><img alt="56-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/05/56-1-1-thumb-240x154-4019.jpg" width="240" height="154" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>現代の日本はストレス過多だと、よく言われます。<br />
ストレスって何でしょう。<br />
なぜ、どのように、悪いんでしょう。</p>

<p>監修／小原圭司　日本精神神経学会英文誌事務局長</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>生命の本質</u></p>

<p>　ここのところ毎号同じ話から始まって恐縮ですが、大事なことなので、お許しください。<br />
　私たちは、外から飲食物を取り込みながら、また逆に老廃物を排出しながら、体の組織の分解と再構築を繰り返して、体温や血圧、体液の浸透圧やｐＨなど、体内をほぼ一定の状態に維持しています。このように生命が、ゆれ動きながらほぼ一定の状態に保たれていることをホメオスタシス（生物の恒常性）と呼びます。<br />
　恒常性が保たれるのは、何か状態に変化が起きた時、すかさず元へと戻そうとするフィードバック作用が働くからです。このフィードバック作用を主に司っているのが、脳の視床下部というところで、その指令を全身に行き渡らせているのは自律神経やホルモンです。後で再度ここに戻ってきます。<br />
　さて、私たちの状態に変化が起きるのは、どんな時でしょう？<br />
　そう、環境が変化した時ですね。この場合の環境とは、必ずしも体の外部だけに限りません。自然環境は常に変化していますし、私たちの心や体も自分ではどうにもならないくらい急激に変化することがあります。<br />
　いよいよストレスの出番です。いきなりサラっと定義してしまいますと、環境の変化によって生じた定常状態からのズレを「ストレス状態」、適応しようとする動きを「ストレス反応」と呼んでいます。<br />
　抽象的過ぎるので、ゴムボールを例に説明しましょう。踏んづけると抵抗を感じます。足を離すと、歪んだ状態から元の球形へと戻ります。この歪みがストレス状態。戻ろうとする力がストレス反応です。ちなみに、踏んだ力（環境の変化）のことはストレッサーと呼びます。もっとも現在では、この辺りの用語を区別せず「ストレス」と総称するのが一般的ですね。<br />
　この例えで、ボールがない時には「ストレス」もないということお気づきでしょうか。また、ゴムボールの代わりに野球ボールがあったら、つぶれないで場合によっては足の下から外れるだろうということも推測できますね。<br />
　さあ、ここまで読んで、ストレスの何が悪いのか、分かったでしょうか。<br />
　ご安心ください、分かるはずありません。<br />
　世界は常に変化していて、一瞬たりとも定常状態になる（停止する）ことはありません。生きている限り環境変化はあり、それに適応しようとする働きがあり、ストレスもあるのです。要するに、ストレスがあるということは、生きているということとほぼ同義で、そこに良いも悪いもないのです。</p>

<blockquote><strong>ストレスの始まり</strong>
　カナダの生理学者ハンス・セリエが1936年、刺激（環境変化）の種類に関係なく、その刺激に適応していく時の反応とプロセスは同様というストレス学説を発表して、この言葉が使われ始めました。「悲しみ」でも、「喜び」でも同じ反応プロセスをたどってその刺激に適応していくという画期的な発見でした。

<p>　この学説では心の働きには、あまり着目されていませんでしたが、その後、アメリカの心理学者リチャード・ラザルスが「環境の要求とその認知、対処能力の認知との複雑な相互作用からもたらされる過程」と、心に重点を置く形で定義し直しました。</blockquote><br />
=====<br />
<u>改めて何が悪いのか。</u></p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="56-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/images/56-1.1.JPG" width="374" height="311" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>　前項でキツネにつままれた気分になったかもしれません。ストレスが原因で体を壊すとか心を病むとか、そういった情報が世の中に多く流布されています。あれは一体何なんだと思いますよね。<br />
　もちろん、そういった情報はウソではありません。ここからは、そのメカニズムを説明していきます。<br />
　環境の変化に適応するというのは、きちんと適応できる限り、人生の楽しみと言っても過言ではありません。だって何も変化がない人生を想像してみてください。退屈で仕方ないはずです。<br />
　しかし、前項のゴムボールの例えで、足を離さず、ずっと踏んづけっ放しにしたら、どうなるでしょう。変形したまま戻らなくなったり、下手をすると空気が抜けてしぼんでしまいますよね。<br />
　これと同様に、私たちも環境変化の程度が耐えられる限界を超えてしまうと、対応しきれなくなり、心身に不調を来たすようになります。<br />
　ところで、ストレスを心の問題、気の持ちようの問題と思っていないでしょうか。その認識は間違いではありませんが、すべてでもありません。というのも、ストレスの多い状況に置かれると、体は無意識のうちに、ストレッサーと闘うか逃げ出すかの準備を始めるからです。これは「闘争・逃走反応」と呼ばれます。自律神経が緊張し、あるいはアドレナリンなどのホルモンが分泌され、心拍数、筋肉への血液流入量、呼吸数、血圧、代謝などが増加するのです。免疫の活性も変わります。<br />
　文明が発達する以前は、生命の危険も日常的にあったはずで、この反応は極めて重要だったと思われます。しかし現代社会では、攻撃したり逃げ出したりという短絡的な行動は許されません。準備するだけ損です。<br />
　しかも、もしストレッサーが慢性的に強く作用しつづけると、これらの反応が持続することとなり、平時の状態に回復する機会を逸しますので、体の各部に器質的あるいは機能的な障害が引き起こされます。このような状態が心身症です。<br />
　ストレス状態と心身の不調とが悪循環を引き起こしてしまうこともあります。</p>

<blockquote><strong>PTSDと身体表現性障害</strong>
　日常のストレスよりはるかに強く、生命の危機に瀕するような事態でのストレスに対する反応は特殊なものとなります。これを心的外傷後ストレス障害(PTSD)とよんでいます。日本では、阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件などが、このような外傷性ストレスの例と考えられています。

<p>　また、身体表現性障害とは、一般身体疾患を示唆するような身体症状の訴えがありますが、適切な検査をおこなっても、症状を裏付けるような所見が認められない場合の診断名です。ストレスが背景にあると考えられています。いわゆる不定愁訴や自律神経失調症と呼ばれているものの多くは、身体表現性障害の可能性が高いと思われます。</blockquote><br />
=====<br />
どうすればよいのか。</p>

<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><img alt="56-1.2.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/images/56-1.2.JPG" width="349" height="484" class="mt-image-right" style="float: right; margin: 0 0 20px 20px;" /></span>　まず大前提として、自分ではどうしようもない苦痛を感じたら、速やかに病院や診療所に受診してください。何か病気の隠れている可能性もありますので、最初は症状の出ている部位の担当科で結構ですし、落ち込みや睡眠障害が自覚されているのであれば、精神科や心療内科からスタートするのが賢明です。<br />
　受診の結果、特に疾病はなくストレスだけが問題と分かれば、対処方法は色々あります。医師などからもアドバイスがあるはずなので、まずはそれに従ってください。ただし、ストレスの問題の場合、ストレス反応を起こしているのは自分であって、ストレッサーではありませんので、医師に任せて一件落着ではなく、自分自身を振り返ってみる必要もあります。<br />
　まず、ストレスをもたらしている原因を見つけてみます。適応できないほど強いストレスの場合は逃げるというのが、生理学的には正しい対応です。ただ現実問題として簡単ではないでしょうし、逃げないからといって生命身体に危険が及ぶわけでもないでしょうから、自分の方で工夫して適応できないか知恵を使ってみましょう。<br />
　冒頭の、ゴムボールと野球ボールの話を思い出してください。同じストレッサーでも、その人の素地によって感じるストレスは異なります。<br />
　気分転換したり運動したりして、ストレスへの耐性を下げない（喫煙＝次号で特集します＝や過度の飲酒は、ストレスへの耐性を大幅に下げます）ことは大事です。<br />
　また、ストレッサーをどのように捉えるかという「認知の仕方」も重要です。<br />
　この２点の違いによって、ストレスに強い人と弱い人が出てくるのを私たちは日常的に見ています。例えば、目標や期限をバネにして頑張る人のいる一方で、同じ目標や期限を、仕方なく果たさなければならないノルマ、迫り来る締切と感じて苦しむ人もいます。決して能力だけの問題ではありませんよね。<br />
　ストレッサーから逃げられないのは現代社会に生きる宿命。でも文明社会ならではの武器もあります。医療のサポートを受けて、向精神薬や漢方薬などを使うというのは、時代に適応した賢い手ではないでしょうか。<br />
</p>]]>
    </content>
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    <title>患者自ら立つ17</title>
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    <published>2010-05-15T06:00:12Z</published>
    <updated>2010-04-17T06:10:29Z</updated>

    <summary>関節リウマチ、乳がん　甲斐由美子さん（55歳） ＊このコーナーでは、日本慢性疾患...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
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    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/tatu17kai.JPG"><img alt="tatu17kai.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/04/tatu17kai-thumb-120x155-4004.jpg" width="120" height="155" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>関節リウマチ、乳がん　甲斐由美子さん（55歳）</strong></p>

<p><strong><small><small>＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ（ＷＳ）を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317</small></small></strong></p>

<p>　神戸市の主婦・甲斐由美子さんはＷＳを経て、共に病と闘う同志を得ました。受講仲間であり、ご家族です。<br />
</p>]]>
        <![CDATA[<p>　製菓業やジュースの小売業など手広く事業を興した祖父を持つ甲斐さんは、両親がその手伝いに忙しくしていたので、おとなしく手のかからない、おばあちゃん子として育ちました。<br />
　そんなつもりではなかったのですが、短大の時に実習に行った公立幼稚園の魅力的な園長から熱心に誘われ、卒業後そこの教諭になりました。疲れきって遅く帰ってくる娘に、両親は良い顔をせず、口を開けば「早く辞めて結婚しろ」と言いました。４年経ち、そろそろ異動で園長とも別の職場になりそうだったので退職し、それから３年は、お茶、洋裁、エレクトーン、手芸、レザークラフト、書道、料理......。稽古事と旅行に明け暮れ、たまにアルバイト、まさに青春を謳歌しました。<br />
　27歳の時にお茶の先生の紹介で、公務員の夫、和則さんと結婚。長女が中学生で登校拒否になったことが最大の試練だったというぐらい、順調で健康な日々が続きました。<br />
　ところが50歳の誕生日を目前に控えた秋、なぜだか肩が痛い、首も痛い、しばらくじっとしていても治まらないという状態になりました。それが半年ぐらい続き、ある朝目覚めてふと気づくと、手の指が左右対称に腫れていました。<br />
　和則さんがネットで調べ「リウマチと違うか？」と言いました。しかし、強い痛みがあるのに血液検査ではハッキリせず、10カ所くらいの整形外科、漢方医や内科医をグルグルと回りました。やっと診断がついた時には、次の年の秋になっていました。<br />
　思い返せば、発症した頃は自宅で幼児教室を開いていて、保護者との間に少しトラブルがありました。また、母親が人工股関節の手術を受けたので、介護に役立つかなとヘルパー資格を取り、そのままヘルパーとしても働き始めていました。少し頑張りすぎたことが発症のきっかけになったのかもしれません。</p>

<p><u>２年後に今度は乳がん</u></p>

<p>　２年後の07年11月、今度は乳がんが見つかりました。その半年前の市民検診では「異常なし」でしたが、胸のしこりが大きくなっているような気がして、念のため受診したらドンピシャだったのです。ただし非常に初期での発見だったために部分切除だけで済み、追加のホルモン治療も放射線照射も要りませんでした。<br />
　がんが見つかってしばらくは不思議なことにリウマチの痛みがなくなりました。医師は「神経が自己防衛したんだろう」と言いました。このまま治るのかと期待しましたが、そのうちまた常にどこかしら痛みがある状態に戻ってしまいました。<br />
　やはり痛みとずっと付き合っていかないといけないのだなと覚悟を決めた08年はじめ、何か面白そうな市民講座はないだろうかと眺めていた新聞で、慢性疾患セルフマネジメントのワークショップ（ＷＳ）が開かれることを知りました。<br />
　それまでも市民講座は好きで、あれこれ通っていましたし、病気とうまくつきあっていきたいと考えていたところでしたので、字を見た瞬間にやろうと決めていました。驚いたのは、我が道を行くタイプで由美子さんと一緒に何かするなどということのなかった和則さんが、自分も受けると言い出したことでした。<br />
　どうやら甲斐さんが病気になってから少し反省し、サポートの仕方を模索していたようでした。そんなことを考えてくれていたのかと、とても嬉しかったと言います。<br />
　ＷＳを受けて、「病気を受け入れないと次の良い一歩が踏み出せないな、と改めて認識しました。先のことばかり見ずに今できることを着実にと思うようになりました」と言います。<br />
　元々楽観的な性格でしたが、以降くよくよと落ち込むことがほとんどなくなり、そして学んだことに背中を押されるように、新しい治療法である生物製剤に09年７月からチャレンジしたところ劇的に楽になりました。<br />
　日々の心の支えになっているのは、ＷＳで出会った仲間たちです。同じような慢性疾患を抱えていても頑張って生きてる人が大勢いるんだな、と大変に感動しました。ずっと昔からの知り合いのような気がしていると言います。和則さんも同じようなことを感じていたようでした。<br />
　「講座の細かい内容は半年ほどで抜けちゃって元の木阿弥になったかな。でも、あの時に感じた、独りじゃないんだという確信はいつまでも残っています」</p>

<blockquote><strong>ワンポイントアドバイス（近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授）</strong>　慢性の病気は完治することはまれですが、医学の日進月歩によって新しい治療法や新薬が常に紹介されています。また、慢性の病気をもっていると、友人や知人から様々な民間療法を薦められることもあり、情報過多で混乱してしまいそうです。ワークショップでは、聞いた情報を評価し、新しい治療法を始めるかどうかを決断するために考慮すべき事柄について教えます。それは「どこからの情報か」、「成果を挙げているといわれている人と自分との比較」、「新しい治療法に伴うリスクや費用、精神的な負担は」等々です。このようなプロセスを踏むことで、新しい治療法を始めるときの心構えができます。</blockquote>]]>
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    <title>研修医が見た米国医療１</title>
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    <published>2010-04-25T01:10:53Z</published>
    <updated>2010-05-27T01:20:06Z</updated>

    <summary>日本と違うところ　報告していきます。 　皆さんこんにちは。 　米国はニューヨーク...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="教育" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="反田篤志" label="反田篤志" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="日米" label="日米" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="研修医" label="研修医" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><u>日本と違うところ　報告していきます。</u></p>

<p>　皆さんこんにちは。<br />
　米国はニューヨークのベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修をしている反田篤志（そりた・あつし）と申します。07年に東京大学医学部を卒業、沖縄県立中部病院での2年間の初期研修を修了し、09年7月から米国で研修を始めました。日本で生まれ育った私は、日米の医療制度の大きな違いに驚きと戸惑いの連続です。いったいどんなところが違うのか、現場での体験をもとにお伝えします</p>]]>
        <![CDATA[<p>　その違いを理解してもらうために、まず日本の医療の現状から説明します。<br />
　日本の病院は、基本的に主治医制です。患者さんごとに主治医が決まっていて、24時間365日主治医が治療の責任を持ちます。研修医も同じで、担当の患者さんを持ち、責任を持って治療にあたります。したがって、休みの日はほとんどありません。夜中に担当患者さんに何か起こると、当直でなくても、たとえお酒を飲んでいようと、電話で呼ばれます。ですから、仕事が終わってもあまり遠くへは行けません。私の働いていた沖縄県立中部病院は少し違って、夜中は当直の医師が全ての患者さんに対応していましたが、その代わり十分な当直医師数を確保するため、3日に一度の当直がありました。<br />
　研修医の担当患者数に特に制限はありませんが、一般的には10～20人です。研修医は病棟での仕事がほとんどで、外来診療をすることは稀です。働き方は病院によって異なり、主治医の補佐役として働く場合もあれば、診療の主役として働く場合もあります。多くの場合、主治医の先生は外来診療や会議、内視鏡や心臓カテーテルなどの検査で病棟を空けることが多いため、病棟で起こる細かなことに対処したり、書類作業をしたりするのが研修医の仕事です。<br />
　日本の医療現場の多くは人手不足です。なので、医師、看護師が雑用から何からすべてこなします。病棟への電話を取る、血液検体を運ぶ、検査結果をカルテに挟む、血液で汚れた部屋を掃除する、おむつを取り替える、患者さんを搬送する、これらすべて看護師か研修医の仕事です。とにかく日本の看護師はとてもよく働きますし、残業は当たり前です。ちなみに研修医には労働時間の制限はなく、残業という概念はありません。<br />
　患者さんの社会的問題に対処するソーシャルワーカー（MSW）が不足しているのも日本の特徴です。例えば、急性期病院からリハビリ専門病院に転院する場合に、病院同士の連携のためにMSWが必要になります。受け皿となる専門病院が少ないという問題もありますが、手続きに時間がかかり、転院に１、２週間かかることは普通です。その間患者さんは必要なリハビリが十分受けられず、急性期病院の病床が転院待ちの患者さんで常に埋まることになります。<br />
　概して、日本の病院は少ない人手で皆が残業しながら働き、専門性を必要としない仕事も専門職が行っています。病院の医師は気の休まる時がなかなかありません。一方、米国の医療現場はだいぶ事情が違うようです。さて、どうなっているのでしょうか？</p>

<blockquote><strong>反田篤志</strong>　そりた・あつし●医師。07年、東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、09年７月から米国のベスイスラエル・メディカルセンターで内科研修中。</blockquote>
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    <title>あるのに使えない４</title>
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    <published>2010-04-20T15:26:27Z</published>
    <updated>2010-04-20T03:01:44Z</updated>

    <summary>フローラン 命綱なのに、高価ゆえ量に「制限」 このコーナーでは、様々な原因で医薬...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="循環器疾患（心臓など）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="患者の活動" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="pah" label="PAH" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
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    <category term="肺高血圧症" label="肺高血圧症" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><big><strong>フローラン</strong></big></p>

<p><u>命綱なのに、高価ゆえ量に「制限」</u></p>

<p><strong><em><small>このコーナーでは、様々な原因で医薬品や医療機器のラグ・ギャップに悩む患者の方々に、どういうことで苦しんでいるのか、直接書いていただきます。</small></em></strong></p>]]>
        <![CDATA[<p>　肺高血圧症は100万人に数名とも言われる希少難病です。心臓から肺へ血液を送る血管に何らかの原因で異常が起こり、心臓に負担がかかってだんだん正常に機能しなくなる、命にかかわる疾患です。 <br />
　男女の性別に関係なくあらゆる年代で発症します。医学書も「発病から数年で命を落とす大変に予後の悪い病気」等と記載されていて、診断された患者は、絶望感に打ちひしがれるのが常でした。でも、正しくは「ただし治療をしなければ」という言葉を付け加える必要があります。治療薬はあるのです（治療をしない場合の生命予後は、発病から５年で40～50％と言われております）。<br />
　発病から数年で大多数の患者が命を落としていた希少難病の生命予後を飛躍的に改善し、患者に生きる希望を与えたのが、83年に英国で開発され、その後米国で投与方法の改善が行われた『フローラン』という治療薬です。現在、使用している国内の患者は約300人おります。<br />
　患者の予後を大幅に改善した米国式フローランの投与方法では、肺高血圧症の病態が進行性であることから、個々の患者の病態によって、フローランの投与量を増量しています。つまり通常患者が長く生きればそれだけフローランの投与量は増え続けることになります。<br />
　フローランはわが国でも99年、「使用量に上限のない保険薬」として承認されましたが、承認当初の薬価が何と米国の10倍であったために、1人の患者の使用するフローラン代は、1カ月で５百万円、年間７千万円以上に上る例も頻発しました。保険財政を圧迫するとの理由で、支払い機関から全国各地で減額査定が繰り返され、結果として患者は十分な量を使うことができず、命を落とし続けております。<br />
　何故このような薬価設定がされてしまったのかですが、国内でフローランを開発した担当者が、「少量使用して、容態が改善したら離脱して、当時国内で承認されていた経口薬に切り替えるための承認申請であった」と語っていたことと密接に関係があるようです。つまりメーカーは「少量使用・離脱」という開発意図でしたが、同剤の米国式「継続・大量投与法」は、既に承認時よりわが国の臨床現場に浸透しており、以後メーカーの意図した投与法は行われてきませんでした。<br />
　加えて、高額なフローランは近年開始された包括払いの制度（ＤＰＣ）にも含まれてしまっており、「患者の病状にあった同薬の大量投与」はますます難しい状況になってきております。<br />
　肺高血圧症は命にかかわる疾患です。厚労省もフローランに関して「一日の使用量に上限を定めない保険薬」と通達文（02年）に明記しています。この内容を守ってください。<br />
　幸い、フローランは特許切れして後発品が承認され、これから薬価が決まるようです。後発品も高すぎるなどということのないよう、薬価が高いとの理由で、私たち肺高血圧症患者の命を摘み取ることのないように心より願っております。<br />
<strong>（NPO法人PAHの会理事長  村上紀子）</strong></p>]]>
    </content>
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    <title>運動不足　なぜ悪いのか。</title>
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    <published>2010-04-17T07:56:33Z</published>
    <updated>2010-04-17T06:34:36Z</updated>

    <summary>  これまで個別の疾病を取り扱った特集で、最後に必ずといっていい程、「適度な運動...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="がん" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="循環器疾患（心臓など）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="整形外科疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="生活習慣病（高血圧、糖尿病、脂質異常症、メタボなど）" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="リスク因子" label="リスク因子" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="疾病" label="疾病" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="運動" label="運動" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/55-1-1.JPG"><img alt="55-1-1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/04/55-1-1-thumb-240x165-4007.jpg" width="240" height="165" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span>  これまで個別の疾病を取り扱った特集で、最後に必ずといっていい程、「適度な運動を」という文言が出てきたのを覚えていらっしゃるでしょうか。<br />
今回は、その運動に着目してみます。<br />
監修／久住英二　ナビタスクリニック立川院長</p>]]>
        <![CDATA[<p><u>再構築には刺激が必要</u></p>

<p>　ＷＨＯ（世界保健機関）によれば、世界の成人の６割以上が運動不足に分類されるそうです。先進国である我が国はもっと大変かもしれません。<br />
　適度な運動が病気の予防に役立ち、逆に運動不足だと病気を招くというのは、今や常識と言っても過言でないと思います。その効用をくだくだ説明せずとも、運動した時の爽快感や身の周りの元気な人の様子を思い出していただくだけで納得がいく所はあるでしょう。<br />
　ただ、「運動」と聞いた時にスポーツを連想していないでしょうか。もちろんスポーツも素晴らしいのですが、対象をスポーツだけに限定してしまうと、心理的な障壁が上がってしまい、やらなきゃと思いつつ三日坊主になりがちです。<br />
　また、続けた時にどういうご利益があるのか、明瞭にイメージを描けないと、やる気も失せますよね。<br />
　そこで今回は実践につながるよう、あえて根本のところから科学的根拠を再確認することにしました。<br />
　まず大前提の１。私たちは外から飲食物を取り込みながら、また逆に老廃物を排出しながら、体の組織の分解と再構築を繰り返しています。再構築後は分解前と全く同じ状態になるのではなく、取りこんだ物質（摂取した栄養）の質・量・バランスや刺激の質・量・バランス、体の状態に応じて、少しずつですが大きくなったり小さくなったり（あるいは強くなったり弱くなったり）することがあります。刺激や栄養、休養などが不足すると、分解前より組織が小さく弱くなります。刺激をもたらす行為の最たるものが運動です。<br />
　次に大前提の２。人類は過去からずっと、栄養不足の中で自らの体を使いながら生きてきたという歴史があります。つまり、もっと生存競争の厳しい時、それなりに運動の刺激がある状態で勝ち抜いた人々の子孫です。私たちの体やその機能を司っている遺伝子は、自分の体をそれなりに使う状態に適合していると思われます。<br />
　脳は後天的に柔軟に環境順応をするので、現代社会を異常と感じることはないようです。むしろネコ科の動物を見ているとよく分かるように、基本的に動かなくて済むなら動かない「省エネ」に快感を覚えるのが脳の本質なのかもしれません。本能だけに任せていると、健全な組織の再構築に、刺激が足りなくなる可能性は大いにあります。<br />
　と、ここまでの大枠をご納得いただけましたら、いよいよ運動不足がなぜ健康に悪いのかという各論に入りましょう。<br />
 <br />
=====<br />
<u>個別の理屈、色々あります</u></p>

<p>　運動不足が健康に悪い理由の代表例として、以下のようなものが挙げられます。<br />
①筋肉が衰える<br />
　刺激や栄養、休養が足りないと再構築の度に筋肉が細っていきます。その重要性を今さら説明する必要はないですよね。心臓だって筋肉でできています。筋肉が衰えるということは、全身の機能が衰えることに近いものがあります（ただし特に心肺の悪い方は、短絡的に運動を始めないでくださいね）。<br />
　加えて筋肉は、体の部位の中でも消費エネルギーの大きい部位なので、筋肉が減れば消費エネルギー量（基礎代謝量）も減ってきます。結果として、摂取カロリーが同じでも食べ過ぎ（<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/03/post-96.php">10年３月号参照</a>）たのと同じことになります。<br />
②骨がもろくなる<br />
　骨の重要性も言うまでもないでしょう。骨がもろくなると、体を支えられなくなるので、さらに運動不足の悪循環が起きます。転んで大腿骨頸部骨折や腰椎の圧迫骨折でもすれば、寝たきりにつながりかねません。また、常に骨の再構築よりも分解の方が多い状態だと、神経細胞などの活動に決定的に重要な役割を果たすカルシウムの体内貯蓄が足りなくなります。<br />
③動脈硬化が促進される<br />
　運動をすることによって、血管の内側を修復するようなホルモンが出てくると分かっています。ホルモンの出が悪いと、血管の内側にカスが溜まって老化が早まります。動脈硬化は、心臓発作や脳卒中などを引き起こす大きな要因です。<br />
④インスリン抵抗性が出る<br />
　糖分を血中から細胞内に引っ張り込むホルモンのインスリンは、運動した時の方が効きがよいと知られています。効きが悪くなると、その分たくさんのインスリンを分泌しなければならなくなって、膵臓のベータ細胞がへたってくるので、２型糖尿病に近づいていきます。糖尿病の先には、さらに致死的な疾患がつながっています。<br />
　<br />
　このほか、運動によって上がったり、下がったりするという仮説があって健康状態に影響を与えそうな因子は、下の表をご覧ください。<br />
<span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/55-1.1.JPG"><img alt="55-1.1.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/04/55-1.1-thumb-570x243-4009.jpg" width="570" height="243" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span></p>

<blockquote><strong>介護保険と運動</strong>
　要介護状態になることを防ぐ、あるいは遅らせるため、「要支援」の方々を対象に行われる「介護予防給付」の中に運動療法が含まれています。
　認定を受けてからでは予防にならないという批判の声も時折聞かれますが、実は、元気な高齢者を対象に運動の機会を提供することも「地域支援事業」として認められています。ただ市町村によって取り組みに差がありますので、詳しくはお住まいの役所の介護保険担当にお尋ねください。</blockquote>

<p>=====<br />
<u>毎日歩く、それでよいらしい</u></p>

<p>　前項で理屈を色々と並べましたが、人間の体は非常に複雑で、本当のところはよく分からないことの方が多いのです。この前提に立ち、現代医学では理屈があろうがなかろうが、大勢の人間を対象に検討した疫学的データが出てきて初めて真実らしいと認められる、という話は<a href="http://lohasmedical.jp/archives/2010/02/post-93.php">前々回の特集「病気とは何か</a>」に記した通りです。<br />
　それでは、運動不足が健康に悪いという疫学データはあるのでしょうか。<br />
　この観点で探してみると、定期的に運動をするとリスクが下がるという逆の言い方（ポジティブ・シンキングですね）の研究データは、90年代以降、性別に関係なく次から次へと発表されています。<br />
　一番直接的なご利益では、定期的な運動で死亡率が下がるという疫学データがいくつかあります。研究ごとに幅はありますが、下がる率は30～40％といったところで、バカになりません。<br />
　その亡率に影響を与えているであろうものとして、いくつかの疾患の発症リスクが下がるという研究も多くあります。<br />
［がん]<br />
　意外かもしれませんが、リスク軽減率の高いものとして、まず最初に腸や子宮、肺、乳、前立腺などのがん発症が挙げられます。効果の少ないもので10％、多いものではなんと70％下がるというデータが出ています。<br />
[心血管疾患]<br />
　続いて、前項の理屈からすぐに連想される心血管疾患の発症リスクも下がります。念のために補足しておきますと、心血管疾患とは動脈に何か異常があって起きる心臓発作や脳卒中の総称です。10～30％程度下がるようです。<br />
[糖尿病]<br />
　もう少し上流にさかのぼると、２型糖尿病の発症リスクも20～30％程度下がります。<br />
[その他]<br />
　他に、骨粗しょう症や転倒外傷、精神疾患の発症リスクが下がるのでないかという研究もあります。</p>

<p><u>「運動」の定義がまだでした。</u></p>

<p>　ここまで皆さんの一番知りたいであろうことを説明せずに来ました。様々なリスクを下げる「運動」とは、いったいどの程度のものなのでしょう。それが分からないことには、実践しようもありませんよね。<br />
　でも、実は研究によって、どの程度の運動で線を引くかの基準がバラバラ（お国柄などもあります）。運動強度と効果の関係についても諸説あって、なかなか明確に示すのが難しいのです。<br />
　何事も過ぎたるはなお及ばざるが如し。既に疾患を抱えている方は、必ず医師と相談してから始めてくださいね。</p>

<blockquote><strong>適度な運動とは</strong>
　既に疾病を抱えている方々にとって、力んだり、踏んばったり、スピードが速かったり、はたまた勝敗を競ったりするような運動は、かえって体に毒となる可能性があります。
　ハッキリと言えるのは、楽に感じる程度のものでよいので、できるだけ毎日続けた方がよいということです。具体的に言えば、歩くことになるでしょうか。
　１月末には、日本の成人全員が毎日３千歩ずつ（２km、30分程度）余計に歩くと、医療費が年1600億円ないし2700億円減るという研究も報道されました。自分の健康に役立って、国家財政の助けにもなる、素晴らしいではありませんか。</blockquote>]]>
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    <title>患者自ら立つ16</title>
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    <published>2010-04-15T08:07:47Z</published>
    <updated>2010-04-17T05:58:17Z</updated>

    <summary>うつ病　田口むつみさん（30歳） ＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメ...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
        <category term="心と脳・神経の疾患" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
        <category term="患者の活動" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
    
    <category term="うつ病" label="うつ病" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="セルフマネジメント" label="セルフマネジメント" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    <category term="患者" label="患者" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#tag" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/archives/">
        <![CDATA[<p><span class="mt-enclosure mt-enclosure-image" style="display: inline;"><a href="http://lohasmedical.jp/archives/images/tatu16taguti.JPG"><img alt="tatu16taguti.JPG" src="http://lohasmedical.jp/archives/assets_c/2010/04/tatu16taguti-thumb-120x154-4002.jpg" width="120" height="154" class="mt-image-left" style="float: left; margin: 0 20px 20px 0;" /></a></span><strong>うつ病　田口むつみさん（30歳）</strong></p>

<p><strong><small><small>＊このコーナーでは、日本慢性疾患セルフマネジメント協会が行っているワークショップ（ＷＳ）を受講した患者さんたちの体験談をご紹介しています。同協会の連絡先は、03-5449-2317</small></small></strong></p>

<p>　田口さんは、つい最近仕事を辞めました。会社は慰留してくれましたが、焦らずまずきちんと病気を治そうと、ＷＳを経て思えるようになっていました。</p>]]>
        <![CDATA[<p>　留学と専門学校で学んだ英語を生かして貿易関係の仕事をしたいと思っていた田口さんでしたが、就職氷河期に当たってしまったこともあって、希望の職種に就くまでに営業販売職１年、派遣社員３年、その間に資格専門学校に通って通関士の資格を取得、と苦労しました。<br />
　念願かなって入社した海産物を買い付ける商社では、オーストラリアに出張に行かせてもらうこともあり、楽しくやり甲斐を持って働いていました。しかし、10カ月ほど経った時に直属の上司が突如辞職して部署が解体されるなど状況が一変。同時に祖父が他界しました。そのショックに耐えて仕事をし続けたことが影響したのか、気づけば、だるい、頭がくらくらする、朝起きられないという状態になり、辞めざるを得なくなりました。気持ちの問題と思っていましたが、ひょっとすると既にうつ病を発症しかけていたのかもしれません。<br />
　チャーター船で貨物輸出を代行する会社に転職したら元気が戻ってきて、現地とのやりとりから荷主向けの営業まで何でもやりました。<br />
　しかし１年ほど経ったころ、過呼吸が出ました。直後に前の商社の同僚からセルフマネジメントのワークショップ（ＷＳ）に誘われました。その日にできないことは次に回せばよいという問題解決法に目からウロコの落ちるような思いがしたり、苦手な人がいて当然、その人にどう対処するのかというコミュニケーション法に「これは仕事でも使える」と思ったりしました。<br />
　ただ、そうこうしているうち08年11月ごろから、何をしても楽しくない、疲れやすい、人と話をしたくない、ちょっとした判断ができない、朝起きられないという状態になってきました。<br />
　その時も自分が怠けているだけと必死に心に鞭を当てていましたが、翌09年の８月に過呼吸発作も重なって、ついに出社できなくなりました。ふと目にとまった刃物で「死ねたら楽になるかな」と考えている自分に気づき、ようやく近所の心療内科を受診したのでした。<br />
　その日のうちに「うつ病」と診断され、休職しての投薬治療が始まりました。頭が朦朧としていて、病名が他人事のようでした。幸いに薬がよく効き、３カ月ほど経ったころ、ようやく自分は病気なんだと自覚しました。</p>

<p><u>話をしたら自分が見えた</u></p>

<p>　以前からファッションに興味があってよく雑誌を読んでいたのに、そのころは何か情報に接するだけで不安になってしまい、人と会うことはおろか、テレビを見ることすらできずに、ただ寝ていました。<br />
　そんな中で９月から２回目のＷＳが始まりました。ダウンする前の７月に、やはり元同僚に誘われて申し込んでいたものでした。自分が病人だとは思っていませんでしたが、前回いろいろと発見があって、でも細かいことは忘れてしまっていたので、再チャレンジしようと思ったのでした。<br />
　第一週目の会場へ行くのが本当に大変でした。しかし参加者たちに自分の症状を話した時、ふっと気が楽になるのを感じました。客観的に自分の置かれている状況が見えてきて、病気を受け入れられるようになったのでした。<br />
　この時に教わって最も役に立ったのは気を紛らわせる方法だったと言います。眠れない起きられないという症状に神経が集中して追い詰められるところを、深刻にならずに済みました。同じ方法を使って過呼吸発作も起こさず済むようになりました。<br />
　田口さんの病気を会社も理解して、治るまで休んでいてよいと言ってくれました。しかし、心苦しいのが半分、焦って再発しないようにきっちり治すことが大事だなと思えたのが半分で、今年１月に退職しました。冷静に考えを切り替えられ、うつ病の進行も抑えられたのは、間違いなくセルフマネジメントプログラムのお陰だったと振り返ります。<br />
　そうこうするうち、段々とまた服装に関心が向くようになり、日々の生活の中にも楽しいと思えることが出てきました。<br />
　11月から、調子の良い時はセルフマネジメントの事務局まで出かけて、ボランティアで手伝うようになりました。家にずっといても考えが同じところをグルグル回って不健康。かといって自分から積極的に何かをする気にもならないので、ちょうど良いリハビリになっているそうです。</p>

<blockquote><strong>ワンポイントアドバイス（近藤房恵・米サミュエルメリット大学准教授）</strong>　慢性の病気をもっていると、痛みややっかいな症状があったり、眠りにくかったりと、日常生活に支障を感じることがあります。こういう時に「短時間の気を紛らわせる方法」を活用することができます。この方法は、心が一度にふたつのことには集中できないという原理を利用して、やっかいな症状や事柄に向きそうな気持ちを意図的に別のことに集中させていく方法です。いくつかのやり方を学びそれを試してみます。さらに、長時間使える気を紛らわせる方法についても話し合います。ワークショップでは、講義を聴くだけではなく、お互いの体験を話し合ったり、学んだ方法を試したりして楽しく学んでいきます。</blockquote>]]>
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