虎ノ門パストラル

投稿者: | 投稿日時: 2006年11月22日 14:53

昨日は虎ノ門パストラルにて司会。
駅から徒歩2分なのに遠いなーって、当たり前です!
「神谷町」からの地図を片手に、「虎ノ門」から歩いていた私。ああ!カンチガイ。
でもなんで無事に到着したのでしょう?
それは地図が読めなくて、方向音痴なため。
おそらく勘だけで歩いていたんでしょうねー。こわい、こわい(笑)。

さて、何の司会だったかというと、


山崎摩耶さん(前日本看護協会常任理事。看護界きっての論客!)がお書きになった、
「マドンナの首飾り~橋本みさお、ALSを生きる」の
出版記念パーティーだったのです。

ALSとは筋萎縮性側索硬化症という、
運動神経の障害によって筋肉が萎縮してくるという進行性の神経難病。
橋本みさおさんは、脳は正常ですが、身体が動かなく、
呼吸もできないため人工呼吸器を装着して生活しています。

著者の摩耶さんと、みさおさんと私が出会ったのは、
キャスターをつとめる番組で二人がゲスト出演されたのがきっかけです。
「ホームヘルパーによる人工呼吸器の痰の吸引」をめぐって、
二人が激論を交わしました。

個性の強いあのお二人がコラボレーション?

というのはちょっと意外だったのですが、
山崎摩耶さんは訪問看護のエキスパート。在宅医療の推進に向けて核となる方です。
橋本みさおさんは究極の在宅療養者。看護や介護のスタッフを自ら教育し、
そのすばらしいチーム介護の下、海を超えて国際会議に出張したりしています。

つまり、ふたりとも在宅医療のエキスパート。
決して意外ではなかったのです。

本の内容はお読みいただくとして・・・(中央法規出版発行です。ぜひ読んでください)
おふたりとトークショーもしましたので、その報告を。

日本の在宅医療はまだまだ課題が山積みです。

24時間の在宅医療は、地方ではとてもとても無理なのが現状です。
人手不足や技術不足の問題です。
痰の吸引をめぐっては、手を出さない(断る)訪問介護事業所がほとんどです。

社会の理解も然りです。
たとえば、高額なチケットを購入しクラッシックコンサートを聴きにいったみさおさんに、
超一流コンサートホールの方は
「演奏中は人工呼吸器の音が迷惑になりますので、人工呼吸器を止めてください」と言ったそうです。
死んでしまいますよね、人工呼吸器を止めたら・・・。

そして国の医療費削減の数値目標によって、
障害者がどんどん生活できない状況に追い込まれています。

そして、みさおさんのように、“自分の身体の代わり”を医療介護スタッフにやってもらうことで、
自分のやりたいことをすべて実現し、社会で活躍し、きらきらと輝く生き方をしている人がいるのに、
当事者抜きで語られる、尊厳死の問題。

ALSに限らないこれらの問題は、誰が解決するのでしょう?
やはり私たちひとりひとりの“意識”と“声”ですよね。
情報発信する立場の私、今後ともがんばっていきたいと思います。


山崎摩耶さんと橋本みさおさんというふたりの素敵な女性の生き方に触れ、
また、在宅医療について改めていろいろなことを考えさせられる会でした。


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