インターネットのちから。

投稿者: | 投稿日時: 2009年03月04日 05:24

くい止める会では、福島県立大野病院に際する署名活動や、「妊産婦死亡した方のご家族を支える募金活動」(現在進行中!)などをこれまで展開してきました。それらは実際に国民の皆さんにも手足を動かしていただくことで完結するタイプのものですが、それ以外にもさまざまな活動を地道に続けてきています。

そうした活動のほとんどは、ホームページやEメールから、つまりインターネットを介して発信されてきました。ひとつひとつは地道ながら、継続することでじわじわと効果を発揮してきたことも多くあります。


その代表ともいえるのが、福島県立大野病院の公判記録の公開です。2007年1月の第1回公判から2008年8月20日の判決まで、福島地裁で行われた計15回全ての公判を事務局メンバーが傍聴し、その議事録をインターネット上で公開しました。これは多くの医療関係者の関心を喚起したのみならず、検察へもかなりのプレッシャーになったようです。

また、思い起こせば、そもそも大野病院事件に際する署名活動も、最初は数通のEメールから始まったものでした。そして署名の依頼も、主にEメールだったのです。そのメールはチェーンメールとなって広がり、大学の研究室の片隅で活動している小さな会の署名依頼が、実に数十万人以上に読まれました。その結果、またたくまに署名が集まってきたのです。

そうした活動が、この「ロハス・メディカル」ブログや新聞社のオンラインニュースで取り上げられたことも大きかったようです。それがさらに多くのブロガーによって何倍もの人々に伝わったからです。


こうして医療関係者、非医療関係者を問わず大野病院事件やそれに伴う出来事についての認知が高まり、ネット上でもいろいろな意見が交わされ、広がり、しだいに産科をはじめとする医療崩壊の現状についての問題意識を高めていくことになったのだと思います。

ちなみに、インターネット以外の方法で、数十万単位の人々に情報を配信するには、莫大なコストがかかります。ダイレクトメールやさまざまな媒体広告を使えば数十万どころか数百万円の費用かかり、くいとめる会にはとうてい不可能でした。


くい止める会の活動は地道ですが、これからもインターネットやEメールを存分に活用し、人々にじっくり、継続的に働きかけを行っていくことと思います。そしてときに、草の根的な活動を大きなうねりにつなげていくことになるかもしれません。そんな穏やかだけれどゆるぎない信念を、事務局メンバーの面々から感じる今日この頃です。

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