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    <title>ロハス・メディカル ブログ</title>
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    <updated>2012-05-24T06:15:29Z</updated>
    <subtitle>フリーマガジン「ロハス・メディカル　Lohas Medical」のブログ。医と健康について、生活情報などを発信しています。</subtitle>
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    <title>第22回予防接種部会　これって越権行為？</title>
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    <published>2012-05-24T04:24:00Z</published>
    <updated>2012-05-24T06:15:29Z</updated>
    
    <summary>予防接種部会,予防接種,ワクチン,厚労省,予防接種法,予防接種制度,改正,見直し,定期接種,費用,自己負担,無料,任意接種,子宮頸がん,HPV,ヒブ,小児用肺炎球菌,ポリオ,生ワクチン,麻痺,接種率,不活化ワクチン,打ち控え,導入,副作用,新型インフルエンザ,評価・検討組織,日本版ACIP,VPD,接種間隔,年齢,</summary>
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        <name>堀米香奈子</name>
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        昨日、厚労省へ赴き第22回厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会を傍聴してきました。テレビカメラもかなり入り、省議室は満員。人いきれで暑いくらいでした。私は予防接種部会の傍聴は2回目ですが、正直今回はあきれてしまいました。かいつまんでご報告したいと思います。

        <![CDATA[まず今回の部会の一番の目玉は、予防接種制度の見直しに係る第二次提言の取りまとめでした。ちなみに予防接種部会は2009年12月に設置され、<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000004g8a-img/2r98520000004gag.pdf" target="_blank">第一次提言</a>は2010年2月、わずか5回目の部会で出されています。というのも当時は新型インフルエンザの発生で日本中がいまだパニックの渦中にあった頃。予防接種部会はもともと新型インフル対策について話し合うために設置されたものだったのですね。そしてその後は予防接種制度全体の見直しに向けて、さらに2年にわたって開催されてきました。具体的には、予防接種法改正によって現状より多くのワクチンを定期接種へ組み込むことが重要な要素とされ、第二次提言に盛り込むべく議論が続けられてきました。しかし今回は正直、傍聴していて、「なんのための予防接種部会なのか」と改めて問いたくなるような展開でした。


とりあえず今回の部会で、良くも悪くも興味深かったシーンを挙げてみます。


●開始後まもなく、「予防接種制度の見直しについて」と題された第二次提言の内容の確認が行われたが、「予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの追加」に関する2項目目の文言について物言いがついた。指摘したのは、このたび保坂氏に替わって新たに委員となった小森貴氏（同じく日本医師会常任理事）で、具体的には、「ただし、新たなワクチンを予防接種法の対象とし、定期接種として実施するためには、円滑な導入と安全かつ安定的なワクチン供給・実施体制の確保や、継続的な接種に必要な財源の確保が前提となる」という文章のうち、「前提となる」という文言は「必要である」程度の意味に置き換えるべきとの主張で、これについて多くの議員がそれぞれ是非を述べるという、予想外の議論に発展した。


●議論の中盤で突然、廣田良夫委員（大阪市立大大学院教授）が、「以前、当時の長妻厚労大臣がこの部会に来て、『3ワクチン以外のワクチンもしっかりやる』と言っておられた。それについて過去の議事録を調べて確認したのだが、削除されたのか見つからなかった。厚労省の事務方はじめ職員も代わって梯子を外されたとなると困るだろうから、今回は改めて私の発言として、念のため、長妻大臣が過去にそういう発言をこの場でされたという事実があった旨、議事録に残しておいてほしい」と言い出した。3ワクチンとは、法改正による最優先の定期接種化が今回の部会（第二次提言）でも確認された子宮頸がん、ヒブ、小児用肺炎球菌の３つ。ちなみに、今回の第二次提言に至るまでに予防接種部会と<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2012/04/post_2525.php" target="_blank">民主党の予防接種小委員会</a>とのやりとりが繰り返されており、法改正により何種類のワクチンを定期接種化するかについても行ったり来たりがあったらしい（しかも厳密には予防接種部会の委員はさしおいて、実質的に小委員会と厚労省の事務方の間での朝令暮改、ということのようですが）という背景がある。


●部会開始から1時間が経とうという頃、宮崎千明委員（福岡市立西部療育センター長、日本小児科学会予防接種・ 感染対策委員会メンバー）から、今回の部会に同席していた藤田一枝厚労政務官に対し、「現在のワクチンギャップをどれ位のペースで埋めていくのか、政権としての優先順位などもあるだろうが、党の覚悟をもう一度聴かせてほしい・・・」と言いかけたところ、早々に加藤達夫部会長（国立成育医療研究センター前総長）に、「政務官からは後ほどご発言があるかと思います。この場では質問は必ず部会長である私を通してください。直接はやめてください」と遮られる。では別の議論がまだしばらく続いてそれから藤田政務官の発言があるのかと思いきや、その直後にもう「それではご多忙のところおいでいただいた政務官のご挨拶を」と加藤部会長が促し、政務官の発言となった（わざわざ遮っておいて！　ちなみにこの時以外にも、加藤部会長が事なかれ主義に基づいて議論を適当に引き取る場面がしばしば見られ、「なんとしてもシナリオどおりに会を進行させるのだ」という執念なのか、使命感なのか、とにかくブレずに突き進んでいる姿がとても印象的です）


●その肝心の藤田政務官の発言はというと、「2年半、22回にわたる積極的、熱心な議論をいただいた。皆様のご意見は、厚労省としてもしっかり受け止めていく覚悟。ワクチンギャップ改善のために新たなワクチンを定期接種化する法改正は平成13年、高齢者のインフルエンザ接種に関する規定以来、久方ぶりとなるが、鋭意努力していく。財源確保、負担については、市町村としっかり調整したい。法案提出はできるだけ迅速に行いたい」と、事務方の用意した“挨拶”をしっかり読み上げたのみ。ワクチンギャップ改善の問題に至っては、ＷＨＯが推奨する８種類のうち結局３種類しか定期接種化されない方針となった法改正を、さらに「鋭意努力する」と言っているわけで・・・。驚くばかりの頓珍漢ぶり。最後に「本日はありがとうございました」と締めくくるや否や、事務方が「政務官は公務の都合でここで退席されます」と宣言し、その通りあれよあれよと言う間に政務官は省議室を後にした。よくある光景とはいえ、そのあっさりぶりには宮崎委員ならずともアレレと感じずにいられない、見事な肩すかしっぷりだった。


●予防接種制度見直し以外の改正事項として、定期接種については接種対象の年齢が政令で定められている（＝それを超えると無料で接種を受けることができなくなる）ことについて、事務局から、「免疫機能の以上など、長期にわたる疾患」のために受けられなかった子が回復した後速やかに接種する場合は、これを定期接種と認める（＝無料で受けられる）よう特例措置の規定を設けることが提案された。これについて倉田毅委員（国際医療福祉大学塩谷病院教授、元国立感染症研究所所長）が「医学的科学的見地から期限を定めておくのはいいとして、しかしこれを過ぎてしまったからといって定期接種として受けられなくなるのでは、そもそもの予防接種の意義に反する考え方。遅れても必ず定期接種として（自己負担でなく）打てるようすべき」との旨、意見。これ以外にも同様の論調の意見が出ていたので、加藤部会長が適当に肯定して議事を進めようとしたところ、正林結核感染課長が「あまりに期限を長く認めてしまうと、どんな理由でもOKになり、期限を設ける意味がなくなるので、そこは」と発言。たしかにそうなんだけれど、それでは何のために部会に諮ったのか。


●なお、第二次提言には、日本版ACIPとして議論されてきた予防接種の評価・検討組織の創設も当然、盛り込まれている。今回の部会ではもはや議論どころか読み上げられることすらなかったが、その構成については、「メディア」が委員として参加することがしれっと、でも確かに明示されている。どうしても中に引き入れたいらしい。実際、メディア側にも入りたがる人がいるのも事実だと思うが、これはそもそもメディアの本質に関わる問題なはずだが・・・。誰も指摘せず。（そういえば、この部会の委員としてもメディア人は参加していましたっけ）


●今回の部会では4月23日の<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2012/04/39.php" target="_blank">第3回不活化ポリオワクチン検討会</a>の報告も行われた。その検討会の構成員でもある坂元昇委員（川崎市川崎市健康福祉局医務監）が、「前回の検討会（4月の時点）で岡部先生にポリオの生ワクチンの接種率を聞かれた際に、5割程度だろうと答えたが、ふたを開けてみたら4割に届いていなかった」と発表。この発言の前に、不活化ポリオ検討会座長でもある岡部信彦委員（前・国立感染症研究所感染症情報センター長）が、「WHOも接種率が70~80％を下回ると危険としていて、日本ではそれ以下の状態が1年以上続いている。ポリオは夏に流行する病気で9月まで警戒が必要」と指摘していたが、まさか30％台というのは想定外だったはず。そんな恐ろしい状況に子供たちがさらされている（あるいは大人だって、免疫が切れている人も少なくないかも？）という事実が、国民にはほとんど伝わっていない・・・。


ということで、ある意味かなり興味深い2時間でもありました。ただ最後、突き詰めていって残るのは「予防接種部会は結局何のためにあるんだろう」という疑問。そして自答するに、やっぱり単に「厚労省が実質決めたことに、お墨付きを与える組織」なんだな、と。それを確認した2時間だった、というわけです。


お墨付きを与える、ということは、何かあったら責任を取る、ということ。責任をとってもらう存在が厚労省にとって必要だから予防接種部会がある、そう答えを出しつつも、どうもまだ納得がいきません。よくよく考えれば、それもそのはず。予防接種部会は、予防接種制度の見直しについて、主として科学的・医学的見地から議論し提言を行う場であるはずなのに、実際には大いに政治的な判断・決定にまで「お墨付き」を与えている、つまり責任を負わされようとしています（部会長は、最も進んで責任を負おうとしているようにも見えましたが）。このブログのタイトル「越権行為」というのも、ちょっと言いすぎかしらとも思いつつ、あながち間違いでもないと我ながら思うのです。もちろん部会メンバーが意図的・意識的に行っているわけではないとしても、です。


その一番わかりやすい例が、上でも少し触れた、法改正によって定期接種化されるワクチンの数の話。7種類になったかと思っていたら、やっぱり財源が確保できないから3種類で、ということになって。財源の話は完全に政治マターなわけですが、そこまでひっくるめて予防接種部会による第二次提言として示すことになっているのです。責任を負うのです。だからこそ、些細なこととも取れる「前提」と「必要」というちょっとした文言の違いも、委員の人たちにしてみればなおざりにできないところだったのかもしれません。


さて、列挙した中でもうひとつ印象深いのは、なんと言っても政務官のトンデモ回答です。これが「政治主導」の現実ということなのでしょうか。ずぶの素人の私にも、あれだけ意気揚々と掲げられていた「政治主導」が成功しているようには、到底見えませんでした。半ば想像していた状況ではあるのですが、やはりウルトラC（死語）とはいかず。良いほうには裏切られなかったのか、と有権者として残念に思うばかりです。

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    <title>社会創発セミナーのご案内</title>
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    <published>2012-05-17T05:48:03Z</published>
    <updated>2012-05-17T05:57:41Z</updated>
    
    <summary>鈴木寛,澤芳樹,三谷宏幸</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
    </author>
            <category term="00201|news|お知らせ" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        ロハス･メディカル誌に創刊以来ずっと連載いただいている鈴木寛参院議員が、以下のようなイベントを開くそうです。興味ある方は奮ってご参加ください。
        <![CDATA[<a href="http://socialemergence.jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%A0" target="_blank">『社会創発セミナー2012　～これからの医療をデザインしよう』</a>

<blockquote>開催概要
○実施日時：　2012年6月2日（土）　11：00～
○実施場所：　「ベルサール半蔵門」（03-3265-9301）
　　 東京都千代田区麹町1-6-4　住友不動産半蔵門駅前ビル　HALL A－B
○実施主旨：　日本の医療・教育から安心して笑顔で暮らせる日本を考える
○テーマ：　社会創発セミナー（医療）『これからの医療をデザインしよう』11：00～12：30　ほか
○主催： 一般社団法人　社会創発塾

プログラム
○11:00-12:30 　社会創発セミナー（医療） 　これからの医療をデザインしよう 　料金10,000円 
～パネリスト～
澤 芳樹 氏（大阪大学臨床医工学融合研究教育センター　センター長）
三谷 宏幸 氏（ノバルティス　ファーマ株式会社　代表取締役社長）
鈴木寛（社会創発塾塾長、参議院議員）</blockquote>]]>
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    <title>第3回不活化ポリオワクチン検討会（２）　麻痺患者は取り残される？</title>
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    <published>2012-04-25T02:23:05Z</published>
    <updated>2012-04-25T02:29:45Z</updated>
    
    <summary>ポリオ,生ワクチン,不活化ワクチン,検討会,厚労省,麻痺,定期接種,秋,導入,9月,1日,承認,サノフィパスツール,IPV,OPV,DPT,予防接種,安全性,副作用,危険,接種スケジュール,回数,費用,価格,打ち控え,接種率,低下</summary>
    <author>
        <name>堀米香奈子</name>
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        <![CDATA[引き続き、第3回不活化ポリオワクチン検討会のご報告です。


<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2012/03/post_2523.php" target="_blank">昨日は【①4月承認なのに、なぜ9月まで切り替えを待つのか】【②今春の生ワクチン定期接種は、接種率が相当下がるのではないか】という疑問について、検討会の議論に沿って考えてみました。</a>今日はそれらにも関わってくる【③供給量は本当に足りるのか、医療機関窓口で混乱は生じないのか】【④4回接種に増えて、ますます接種スケジュールがタイトになる】という問題と、【⑤すでに生ワクチンで被害を受けた人たちは忘れ去られていかないか】という懸念について書留めておきたいと思います。
]]>
        

まず【③供給量は足りるのか、医療機関窓口で混乱は起きないのか】について、気がかりはやはり春の接種率低迷にともなう秋の不活化ワクチン接種希望者の増加です。前回もご報告したように厚労省側の示した数字では、不活化ワクチン需要量については春の未接種者分も「＋α」でカバーしているということでしたが、ほんとうに大丈夫なのでしょうか。


昨日の繰り返しになりますが、

●　平成24年度末の時点で、ワクチン需要量は367.9万回分＋α。（367.9万という数字は、平成23年度に接種対象だったが受けなかった人と、平成24年度の対象者（秋）の合計＝133万人×2回分ちょっと。＋αは、春の接種対象者で受けない人が多ければ、そのぶん増える）

●　一方、平成24年度末時点でワクチン供給予定量は、477万回分


ここで注目すべきは、上記の数字が「平成24年度末時点で」であることです。9月1日の接種開始時点で上記の供給量（477万回分）が用意できるわけではないのです。もちろん医療機関での接種能力を考えれば全て9月1日に用意しておく必要はないのですが、それでも殺到すればどうなるのでしょうか。これについて事務局は「初回については148万回分を用意できる予定です。今のところ＋α分を見込んでもまかなえると考えていますが、
春の接種辞退者については不確定要素です。特に2回目以降の接種者が9月などに一気に殺到すると、一時的に不足することもありえます。ただ、いずれにしても毎月50万回分を生産していく予定なので、年度末までには全ての対象者に接種できる見込みです」と説明しました。


要するに、年度末までには全員打てるけれども、9月の開始後すぐには混乱がおきることもありえる、ということをはっきり言っています。しかし、「いずれにしても年末までには皆さん打てますよ、という点については、きちんと国民に対して国として早い段階で国民に発してほしい」と発言したのが、小森構成員(日本医師会常任理事)でした。「9月いっぱいで148万回分、毎月50万回分で足りますね？」と念を押し、「新型インフルのときは、足りない、打てない、という懸念から、たくさんの医療機関に多くの予約を入れる人も出てきてかなり混乱が生じました。そうならないようにしていただきたい」と現場の懸念を具体的に伝えて要望しました。


一方、一部の自治体や現場の医師は、こうした混乱をすでに覚悟しているようでもあります。

坂本構成員（川崎市健康局医務監）からは「希望者が医療機関に殺到した時に、接種できる優先順位などを希望者に対して示せないか」という要望がありましたが、廣田構成員（大阪市大大学院教授）はじめ「不可能」などとして否定的な意見が多く、外山健康局長も「新型インフルの時とは違い、今まさに流行っているわけではないですし、経験上、優先順位をつけるとまた守れる守れないでかえって現場に混乱が生じるのでは。あくまで自然体で、自然に、自治体や現場でやっていただければと思うのですが」と発言。一理ある部分もあると思う反面、なにが「自然体で」「自然に」なのか、正直さっぱり分からなかったのですが、続く保科構成員（日本小児科医会会長）の発言でなんとなく分かりました。「自然に、流れていくだろうと思っています。来た人順というイメージで行くしかないだろうと。それはもう「9月1日から」といわれた時点で覚悟しています。きっと鳴り続ける電話を取るばかりで対応に追われることだろうと思っています」。坂本構成員は「それぞれの先生（医療機関）の事情もいろいろなので、コールセンターなど設けてやっていかないとパニックにはなるのでは」と食い下がりますが、岡部座長も「コールセンターの研修が必要にはなるでしょうから、国がサポートしてほしいと思います。集団接種からただ、いずれにしてもその後どんどんワクチンも出てくるのだから、落ち着いてくるでしょう。とにかく急がないと大変危険だというワクチンではないことを周知して、冷静に対処してほしいと思います。」と締めくくりました。


結局、ちょっとした混乱は生じるけれども、想定の範囲内ですから諦めましょうということのようです。いくら騒いでもないものはない、打てないものは打てないけれど、年度末までにはみなさんなんとかなりますよ、と言うことらしいです。ちなみに、不活化ポリオワクチンの接種間隔は、省令では初回接種については「20日から56日までの間隔をおいて3回」と定められる予定です。それが医学上、つまり免疫を確実につけていくために望ましいからです。しかし、この導入期にあっては特別に、この56日の制限を取り払うそうです。ここでもやはり行政上の理由です。ですから「年度末にはなんとかなる」とのんびりしたことを言っていられるわけですが、そんなにのんびりしていて免疫のほうもきちんとなんとかなるのか・・・そもそも赤ちゃんは免疫がつきにくいから３回も打つのですよね？


そこで関係してくるのが【④4回接種に増えて、ますます接種スケジュールがタイトになる】という問題です。現状でさえ、ヒブや小児用肺炎球菌ワクチン、ロタワクチンと次々にワクチンが導入されて（特に助成が始まって以降）、乳児のお母さんや医療現場は大変なことになっています。そこへさらに2回プラスされるのです。不活化ワクチンですからほかのワクチンとの間隔は1週間ですが、それでも全てのワクチンをきちんと受けるためには、1度に1本しか打てないとすれば、生後2ヶ月から1度たりとも風邪も引けないのです。これは絶対に不可能なことは、小さいお子さんをお持ちのお母さんなら全員がお分かりのはずです。


早い話、同時接種がますます重要になる、ということです。予定では同時接種については厚労省の通知で「医師が特に必要と認めた場合に行うことができる」と示されるようです。これまでの同時接種の議論から、まったく前進する気配がありません。しかし現場や自治体としても、今回の不活化ポリオワクチン導入は転機となると見ている向きもあります。


昨日の検討会でも、齋藤構成員（新潟大学教授）からの「三種混合（DPT）、単独不活化ポリオワクチン、生ポリオワクチン、それぞれ今までに打ったものによって、今後いろいろな組み合わせが出てくるものの、いずれにしても同時接種していかないと無理です」という発言を皮切りに、同時接種の話題になりました。保科構成員（日本小児科医会会長）からは「現状では、スケジュールがますます立て込んで、１つで打つタイミングをはずすと、すべて立て直さなければならず、かなり大変です。自治体でも講習などを医療機関や医師向けにやらないと、かなり混乱してミスがでるのではないか。実際、OPVの接種率は実感としてかなり下がっていて、２回目接種について相談を受けることはあっても、１回目接種の人は聞きにくることさえもうないです。スケジュールの組みなおしで頭が痛い。医療機関としては、本当は秋の接種くらいまでは従来どおり集団接種だとありがたい」という本音も出てきました。さらには、「この先、４種混合（DPT-IPV）が導入された際に、単独IPVやDPTとの兼ね合いでいろいろな接種パターンが出てくると、接種を請け負う医療機関との価格交渉も複雑になって大変。自治体としては、もとからIPVと三種混合を同時接種していれば価格交渉もスムーズに行くはずなので、ぜひ同時接種を基本とできないか」（坂本構成員）という、そんな理由で同時接種を求める声も上がりました（そういう事情もあるのか、と妙に感心）。


岡部座長も「今後、同時接種は制度として、予防接種部会などでも検討されるべきことだと思います。現在は『医師が特に必要と認めたとき』となっていますが、これを『医師集団が認めたとき』と解することも許されるでしょう」と同時接種を推す発言。齋藤構成員が重ねて「そもそもこれはDPTとIPVだけの問題ではありません。ではほかのワクチンはどうなのか、となります。ワクチンで予防できる病気はこれだけあって、そのワクチンを確実に適切なタイミングで打つには同時接種は必要な医療行為です」、中野構成員も、「ワクチンの基本は接種できる月齢になったら、打てるものからどんどん打っていくことです。そうして一刻も早く免疫をつけねばなりません」として、同時接種については全会とも推進の方向で異論ないようでした。


さて最後に、私が個人的に危惧している問題でもある【⑤すでに生ワクチンで被害を受けた人たちは忘れ去られていかないか】ということについてですが、その前に、検討会でも一番最後に岡部座長から「それでは最後にお話を聞きたいと思います」と紹介のあった、丸橋構成員（ポリオの会）と小山構成員（同会会長）の発言の要旨を書き出してみたいと思います。


（丸橋構成員）

●お話を聞いていてIPVへの切り替えの大変さはわかった。ただ10年前に医師会から切り替えの要望が出されていたのに、以降これまでに認定されただけでも15名がワクチン関連麻痺を発症している。この現実を踏まえて、お金の話もあったが、今なおなぜ日本のワクチン行政は遅れているのか。世界で通用する日本のワクチン行政を求めたい。

●今回の不活化ワクチン導入で、生ワクチンは危険と国が認めたことになる。小山さんが先にも言ったように「やめて」と言いたい。しかし実際問題として、生ワクチン接種を簡単に中止できないのもわかる。しかし、判断するのは国民でありお母さんたち。今回、9月1日に不活化ワクチン導入とアナウンスされたことで、この春打つ選択をする母親がどれだけいるのか。これが国民の声であり、現実。


（小山構成員）

●被害を出したくない。とにかく生ワクチンはもう接種をやめてほしい。やめることの危険性も分かりながら、やめてほしいと言わねばならない。これも理解してほしい。

●今回は4種混合（DPT-IPV）にとらわれているようだが、世界ですでに使用されている５・６種類混合のワクチンであれば、医療費も削減となり、スケジュール管理も楽で接種漏れもなくなる。行政が先導してしっかり進めてほしい。

●IPVの承認、本当にありがとうございます。ずっと待っていた。丸橋ともどもありがとうございます。


私はお二人の発言に、複雑な思いを感じ取りました。あるいは、少なくとも私は複雑な思いになりました。中でも、小山会長の「ありがとうございます」という言葉にどうしても違和感を覚えてしまったのです。もちろんこの「ありがとう」は、「ついに不活化ポリオワクチンが定期接種に導入される」「生ワクチンによる被害が９月以降は出ないだろう」ということでひとまずの安堵感もあり、少しでも駒を前に進めた行政への礼儀として発せられたものだろうと思います。実感として「ありがたい」という思いはあったのかもしれません。しかし本当は、この不活化ワクチンの導入は、ポリオの会の方々がそこまで頭を下げてお礼を言うべき事柄ではないはずですよね。国が国民の健康を守るために当然やるべきことを今までしていなかったのを、ようやくひとつクリアしただけのことだからです。まして、生ワクチンで被害を受けた人々にしてみたら、ぜんぜん「ありがとう」ではなくて、むしろ自分たちがこれまでの国の不作為について謝ってもらっていい立場なのです。


まして、私が個人的にずっと危惧している、導入後の世の中の話など、出てくる気配などどこにもありません。現在でさえ、ポリオによる麻痺と認定されている人は、ほんの氷山の一角です。この秋から新たな患者はいなくなります。しかし麻痺を発祥した赤ちゃんは、数十年、半世紀以上、一生麻痺と付き合うことになります。さらには、いったん麻痺症状が軽減したり消えたりしても、数十年後にポスト・ポリオ症候群を発祥したときには、日本では（もしかしたら世界でも）ポリオ麻痺患者はほぼいない世の中となっています。そのときに、彼らは自分の病気をどう認識し、さらには人にどう理解してもらうのか。記録のない人は自分でも原因不明の麻痺と闘うことになりますし、おそらく医療者でもそうと気づいて特定することは難しいでしょう。


この検討会では、そんなマイノリティーの事情に時間が割かれるはずもありません。それは分かっています。でも、そんなマイノリティーの今後の人生を国として保障してくれるシステムはほとんど機能していなくて（だってほとんど認定されないのですから）、今後も国として特別な対応をする姿勢もありません。国の不作為によって被害を受けているのに責任も取ってもらえないなんて・・・。「自らの作為・不作為によって生じた事象の責任を取る」のが大人の基本だと思っていました。あるいはその考え方はまだ機能しているのかもしれませんが、立証責任が被害者側にあって、それは実際かなり困難なことが多いわけですから、結局は国に逃げ道が用意されているんですよね。


お二人の発言の後、検討会はまもなく終了しました。お二人の発言を受けた特別なコメントも、議論も、やはりありませんでした。正直、岡部座長がお二人を紹介したときから、それは想像がついていたことでもありました。大変失礼だけれども、岡部座長の紹介の仕方も悪く言えば取ってつけたようで、いわゆる“ガス抜き”として一応うかがっておきましょう、という様子に見えてしまいました。全てはシナリオどおりなのだなあ、と思うばかりでした。岡部座長が一番最後に「まとめると、事務局からの提案は受け入れ、時期的にはもっと早くしてほしいところではあるけれども、諸々の事情から９月１日は妥当ということでよろしいでしょうか」ときれいにまとめて第３回検討会は閉会。事務局からはいつもどおり、「次回は改めて日程調整のうえご連絡します」と事務連絡があっただけでした。9月1日という期日が設けられたことで、あとは脇目も振らずにずんずん導入に向けて調整を進めるだけになったわけです。そうしていかにも官僚的に作業が進んでいくのは、それはそれで必要なことですが、ポリオ麻痺の当事者側にいる私にしてみると、すっかり取り残されたような複雑な気分でした。こうしてやっぱり置き去りにされてしまうんだなあ、と。

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    <title>第3回不活化ポリオワクチン検討会　なぜ導入は9月なの？</title>
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    <published>2012-04-24T04:28:29Z</published>
    <updated>2012-04-24T06:51:10Z</updated>
    
    <summary>不活化,ポリオ,ワクチン,検討会,第3回,承認,4月,導入,9月,1日,厚労省,サノフィパスツール,単独,IPV,OPV,生ワクチン,麻痺,副作用,接種,打ち控え,接種率,低下,危険,安全性,DPT,混合,</summary>
    <author>
        <name>堀米香奈子</name>
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            <category term="00103|cat03|堀米香奈子のカタい話もやわらかく" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        <![CDATA[昨日4月23日、不活化ポリオワクチン検討会第3回が開催されました。今回は会場が厚労省ではなく国立感染症研究所（新宿区戸山）となり、先週の木曜日には以下のような報道もあり、マスコミのカメラも多くかなりの傍聴者数でした。定員50名のはずでしたが、100人以上詰め掛けていたはずです。


<a href="http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120419-OYT1T00980.htm" target="_blank">●ポリオ不活化ワクチン承認へ…マヒの副作用回避
（読売新聞　2012年4月19日）</a>]]>
        記事を一部抜粋すると、【厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は１９日、製薬会社サノフィパスツール（本社・東京）が今年２月に申請していたポリオ（急性灰白髄炎）の不活化ワクチン「イモバックスポリオ皮下注」の製造販売を承認しても差し支えないとする意見をまとめた。早ければ５月中にも正式に承認される。】とのことでした。


DPT-IPVの4種混合が先に承認となるとばかり考えられていたので、サノフィパスツール社の単独IPVが先に承認されたのは意外でした。先日のワークショップといい、外国勢はやはりかなりのツワモノ、侮れませんね。とはいっても、先にも書いたように、同社の製品はすでに世界中で流通し、その有効性も安全性も確かめられています。そうしたワクチンがありながら、国産にこだわってか、まったく見向きもしてこなかったことのほうがおかしかったわけです。その結果、生ワクチンを打ち続けて被害者を出してきたことは、説明のしようもないと思うのですが・・・。なのにこの突然の180°転換。改めるのなら早いほうがいいので揶揄するつもりもありませんが、とにかくびっくりしました。


さて、昨日の検討会ではさらに、外山健康局長の口からも

●　順調にいけば、今月中（あと1週間以内ですよね）にも承認される見通しである。

●　定期接種導入は9月1日から、全国一斉切り替えとなる。

●　DPT-IPV（混合ワクチン）は11月中の承認をめざしている。


という3点が明言されました。事務局からも提案や報告として

●　接種回数は4回とする。生後3ヶ月から開始して、3週間以上ずつ空けて2・3回目を打つ（4回目は追加接種であり、臨床試験が終わっていないので保留）。集団接種でなく、医療機関での個別接種となる。

●　それまでに生ワクチンを1回でも受けている人は、残り3回を不活化ワクチンとする。生ワクチンを2回受けている人は、もう受けなくてよい。

●　平成24年度末の時点で、ワクチン需要量は367.9万回分＋αと考えられている。367.9万という数字は、平成23年度に接種対象だったが受けなかった人と、平成24年度の対象者（秋）の合計＝133万人×2回分ちょっと。＋αは、春の接種対象者で受けない人が多ければ、そのぶん増えることになる。一方、平成24年度末時点でワクチン供給予定量は、477万回分。

●　アウトブレイク対策に有効とされる生ワクチンは、今後の製造予定と有効期限に鑑みると、平成26年夏ごろまで手に入る予定。将来的備蓄の必要性はさらに検討が必要。


といったことが示されました。


いずれにしても今回の単独IPVが2月に申請、4月に承認となったのは異例のスピードなのは確かなようです。また、一斉切り替えとなることも明らかにされましたが、その点はこの検討会で論点となっていたことでもありましたので、「へえ」という感じでした。ただ４月に承認されたとしても、気になる点はかなり残ります。

①　4月承認なのに、なぜ9月まで切り替えを待つのか。

②　今春の生ワクチン定期接種は、接種率が相当下がるのではないか。

③　供給量は本当に足りるのか、医療機関窓口で混乱は生じないのか。

④　4回接種に増えて、ますます接種スケジュールがタイトになる。

⑤　すでに生ワクチンで被害を受けた人たちは忘れ去られていかないか。


まず、【①　4月承認なのに、なぜ9月まで切り替えを待つのか。】ですが、これは【②今春の生ワクチン接種率は相当下がるのではないか】という懸念とあわせて昨日の検討会でも話題になりました。


事務局が示した数字では、昨秋の生ワクチン接種率（１回目）は全国平均で70.4％（出生数を105.7万人として推計）でした。平成23年度に対象年齢に達しているのに接種を終了していない子供の数は、27.3万人に上るそうです。一般に国内流行を防ぐには80％以上の接種率が必要とされており、ウイルスの根絶には95％以上の接種率が必要です。しかし、現状ではかろうじて7割。しかも、9月1日切り替えがアナウンスされたとなると、この春の接種率はがくんと落ちるのではないでしょうか。国立感染研の清水構成員も懸念を示し、厚労省にデータ収集への対策を尋ねましたが、事務局は「9月以降の不活化ワクチンの需要見通しを立てる上でもデータを出すことが大事。自治体に過度の負担がかからないように工夫したい」と抱負を述べただけでした。坂本構成員（川崎市健康福祉局医務監）は、「自治体によっては細かく日々データを取っているところもあるので、そういう自治体からの情報を集めてある程度推計できるのでは？」と提案するとともに、「川崎市は4月の接種率がすでに40％ちょっとに下がっています。例年6月に向けて上昇するはずのところですが、今年は9月に不活化ワクチン導入の発表があったので、最終的に50％程度に落ち込んでしまうでしょうか」と危機感を示しました（清水構成員が「個人輸入のIPV接種者もいるでしょうから、本当に50％かは分かりませんよね」とフォローしていましたが）。ポリオは夏に流行する病気です。その夏を前に接種率が50％やそこらでは、生ワクチンからの2次感染にせよ、国外から持ち込まれるにせよ、まさにいつアウトブレイクが起きてもおかしくない状況になってしまいます。しかし厚労省はこれに対しては無策というわけです。


そこで出てくるのが、なぜもっとはやく切り替えを行わないのか、という疑問なわけです。4月中に承認されてから、9月1日の切り替えまで4ヶ月以上あります。これについてまず発言したのが、これまでの保坂シゲリ氏に代わって構成員となった小森貴氏（日本医師会常任理事）です。「私自身は9月1日の切り替えは妥当だと思っていますが、国民の間には『もっと早く』という声もありますから、ここで改めてこの検討会として議論して『これ以上早くはならないんだ』という結論を示す必要があるのではないでしょうか」


これについて座長の岡部氏（川崎市衛生研究所所長）が「承認の後、国立感染研が担当する国家検定がありますよね。それを通った後に企業が生産に入るわけです。また、その間、現場への周知期間も必要となります」と回答。また、清水構成員も「仰るとおりです。検定のクリアは法律で定められています。タイトなスケジュールですが、迅速に検定を進めたいと思っています」。さらに事務局が、「国内の医薬品メーカーに問い合わせたところ、生産して全国的に流通させるとなると、8月中は難しいとのことです」と付け加えました。これを受けて岡部座長が「検討会としては『9月1日より前には“円滑に”導入できない』という結論になるかと思います」と締めくくろうとしたところで、外山健康局長も議論に参加してきて「1回目にぎりぎり間に合っても、今度はまた1ヶ月たたないうちに2回目の接種の人が押し寄せることになって、生産が追いつかずに混乱が生じてしまうことが考えられます。ですから十分準備期間を取る必要があります」という旨発言。すると坂本構成員も「自治体側の準備で言えば、問診票の一字一句をきちんと間違いなく整えたり、また予算のこともありますし、それらが全て法改正後の対応になることを考えれば、川崎市としては大車輪でやっても9月1日がぎりぎりです。他の自治体でももっと時間が必要というところもあります。妥当ではないでしょうか」。川崎医大教授の中野構成員も「私も9月1日は妥当と考えます。集団接種から個別接種になり、回数も2回から4回に増えます。IPVはOPVより単価が高くなるわけですから、一部負担金が足りずに全ての人にワクチンがいきわたらないなどという事態に陥ることのないよう、自治体のほうで着実に準備を進めてほしい」と発言。検討会全体が「9月1日は妥当」のムードとなり、議論はそのままほかへ移っていきました。


たしかに現実的には9月1日は行政が行う一斉切り替えの期日としては妥当、なのかもしれません。実際、私も「なるほど」とも思いました。しかしその直前に議論されていた「春の接種率低迷について何の策もないままキケンな夏に突入する」状況、そして、「OPVでは毎年麻痺患者が出ている」という現状に鑑みたときに、「一刻も早くIPV切り替えを！」と考えるのはやはり国民の当たり前の要求です。それに対する答えとして主として行政や接種側の都合を持ち出されても、もし万が一それで健康被害にあってしまった人たちは納得できるのか、私としては論点がすり替わったとまではいかなくても、どうもすっきりしないまま、期待していたのとはちょっと違う理由付けで無理に納得させられたような印象でした。


というわけで「IPVへの切り替えは9月1日で妥当」というのが検討会の答えとして採用された後も、もやもやした気分で話を聞いていた私でしたが、そこに発言したのがポリオの会の小山会長です。「話を戻すようですが」と前置きして、「今、1日に10件前後、不活化ワクチンを打てないかと相談を受けます。保育所に入れるのも怖いそうです。この夏にアウトブレイクするのではないかと非常な危機感を持っています。この夏、最後の麻痺患者が出るのではないかと心配しております。正直な気持ちとして、OPVを停止できないか、と申し上げます」と提案しました。本当のところ、この発言は議論の流れにはまったく乗っておらず、岡部座長の顔にも「何で今さら言い出すのか」と言いたげな様子が現れていました。そして実際、座長は「ではご意見として承ります」という一言で早々に話を切り替えたのでした。しかし私は、小山会長があえて空気を読まずに発したその一言こそが、接種率低迷にも示されるように、お母さんたちの本当の声に聞こえました。その発言は確かに浮いていましたが、そちらのほうがマトモな、正直な国民の声です。それが浮いてしまうこの検討会はやはり特殊な空間、少なくとも“アウェー”には違いないなぁ、と痛感したのでした。


長くなってきましたので、残りの問題③～⑤は次回にしたいと思います。

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    <title>民主党　予防接種小委員会　「あれれ」な報道も・・・</title>
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    <published>2012-04-11T06:46:28Z</published>
    <updated>2012-04-12T03:43:44Z</updated>
    
    <summary>予防接種,ワクチン,定期接種,任意接種,公費,助成,費用,民主党,小委員会,医療,介護,ワーキングチーム,厚労省,日本版ACIP,評価･検討組織,ヒブ,ロタ,排煙球菌,Ｂ型肝炎,子宮頸がん,HPV,HBV,おたふくかぜ,ムンプス,水痘,水疱瘡,みずぼうそう,予防,効果,厚労省,予防接種部会</summary>
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        <name>堀米香奈子</name>
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            <category term="00103|cat03|堀米香奈子のカタい話もやわらかく" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        昨日、第2衆議院議員会館で「民主党　厚生労働部門　医療・介護ワーキングチーム内　第5回　予防接種法小委員会」が開かれました。

予防接種制度の見直しに向けて、厚労省では予防接種部会が2009年からこれまでに21回開催されています。それとリンクするのがこの与党の小委員会という理解でよさそうです。
        <![CDATA[ちなみに<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2012/01/post_2518.php" target="_blank">予防接種制度の様子は以前、このブログで少しだけ報告</a>させていただきました。

この予防接種部会、以前から継続して傍聴を続けている人に言わせると、前回までに出ていなかった論点が突然、厚労省側から提示されることがあったのだとか。それがなぜかという答えが、どうやらこの予防接種法小委員会にあったようです。昨日の小委員会には委員長の仁木博文議員、医療・介護ワーキングチーム座長の柚木道義議員のほか、梅村聡議員や、足立信也議員、福田衣里子議員、その他数名の議員が出席。そこに厚労省からも健康局結核感染症課長の正林氏ほかが同席して、予防接種部会での議論を報告しました。この報告に基づいて、この小委員会での討議が進められ、そこで得た結論や宿題を正林氏らが持ち帰って、調査をしたり、予防接種部会にぶつけたりする、というわけです。


昨日は、以下の点などが話し合われたそうです。


●B型肝炎ワクチン（HBV）を定期接種1類に分類する方向性があるが、すでに母子感染対策は公費で行われ、効果が上がっている。一方、性交渉による感染については、そもそも性交渉のだいたいの開始年齢の頃まで、赤ちゃんの頃に接種したワクチンの効果が持続しているのかが疑問（正林課長によれば「論文が１つしかない」とのことで、急に調査して分かるものでもないので、不明とするしかなさそうです）。


●ワクチンの末端価格を厚労省も把握できていない。把握しているのは、製造メーカーの希望小売価格だけ。実際にいくらで取引されているかは分からない(治療薬ではないので診療報酬制度の世界の外にあるため、把握できない)。卸業者が儲かっているのか、製造メーカーが儲かっているのか。ただ、卸は一般的には生き残りが厳しいのが現状。


●評価・検討組織（日本版ACIP）のありかた、財務、人選について。仁木委員長の理想としては、3条委員会レベルの位置づけに持っていきたいが、予防接種委員会の発展形でいいのではないかという委員も。アメリカのACIPでは決議に拘束力があり、予算がつくが、どうしたらそのようなものにできるか。地方が実施する場合、法定受託金でやるのか、自治事務としてやるのかという問題とも絡む。


昨日は珍しく議員の出席率が普段よりは高かったそうで、その場で与党としての案がまとまるところまでには至らず、次回に持ち越しとなりました。そのあたりは<a href="http://lohasmedical.jp/news/2012/04/11093617.php" target="_blank">ニュース</a>でも報告しています。


ところで、タイトルにも書いたように、この小委の内容を伝える報道を見て「あれれ」と思ってしまいました。

<a href="http://www.cabrain.net/news/article/newsId/37001.html" target="_blank">民主小委、定期接種化「できるだけ多く」- 5月上旬にも与党案</a>（2012年4月1１日　医療介護CBニュース）


（あれれポイント１）

<em>「WHO（世界保健機関）が推奨しているワクチンは、できるだけ多く対象疾病に組み入れるのが小委員会の総意」と述べ、8種類のワクチンの定期接種化を目指す考えを示した。</em>

・上記のとおり、「ＨＢＶは要らないんじゃないか」という議論があったはずです。

・ロタについては、まだきちんと議論されていません（資料によれば、「アメリカ以外では導入（日本で言えば定期接種化）されていない」という話でした）・・・

（あれれポイント２）

<em>予防接種部会では、子宮頸がん予防、ヒブ、小児用肺炎球菌の3種類を定期接種に位置付ける方針を決めているが、ほかの4種類は、財源との兼ね合いもあり不透明な状況。</em>

・予防接種部会では７種類すべて定期接種化という方向性が打ち出されていて、財源に関してはペンディングだったはず。財源がどうのこうのという話は、むしろ小委員会の扱うマターでは？


その他、上にも書いたように評価・検討組織の話が焦点になっていたのですが、まったく触れられていません。（まあ、触れないということは間違っているわけではないですが・・・）


恐らく、小委員会終了後の記者へのブリーフィング（仁木委員長らからの記者への状況説明、レクチャー）に基づいて書いたもので、仁木委員長の願いであり目指すところなのかもしれません。また、国民の健康という利益を考えれば、予防接種は１つでも多く定期接種化されるに越したことはありません。しかし、上記のような内容が「総意」として示されたことはなかったはずです。

また、ポイント２について、まず理解しておく必要があるのが、何のための予防接種部会で、何のための予防接種法小委員会か、ということかと思います。予防接種部会は、厚労省がわざわざ専門家・有識者を集めて開く以上、科学的（医学）、社会的（医療）側面から予防接種法や制度の改正について審議するためにあります。他方、与党が開くこの小委員会は、有識議員が集まって予防接種部会での議論について、政治的側面からのすりあわせを行う場所であるはずです。要するに、財政面の調整などを考慮するところですよね。そう考えると、ポイント２の「あれれ」感が少しお分かりいただけるのではと思うのですが・・・。
	

いずれにしても、より多くのワクチンが定期接種化されることは、一母親として私も望むところです。そういう意味では、仁木委員長の言うところの「総意」はありがたい話です。ぜひ実現するように願っています。

（４月12日　午後０時40分　情報源に不利益を与える記述があったため、一部を修正しました。修正文責・川口）
]]>
    </content>
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    <title>院内事故調査報告書の取り扱い</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://lohasmedical.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=2991" title="院内事故調査報告書の取り扱い" />
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    <published>2012-03-29T15:59:32Z</published>
    <updated>2012-03-31T15:26:49Z</updated>
    
    <summary>　厚生労働省医政局が３月29日に開催した「第２回医療事故に係る調査の仕組み等のあ...</summary>
    <author>
        <name>新井裕充</name>
        
    </author>
            <category term="00104|cat04|新井裕充の備忘録" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        　厚生労働省医政局が３月29日に開催した「第２回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」での議論。
        <![CDATA[<strong>[厚生労働省医政局総務課・医療安全推進室長]</strong>
　定刻になりましたので、ただ今から「第２回医療事故に係る調査の仕組み等のあり方に関する検討部会」を開催いたします。(中略)

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　おはようございます。本日もお集まりいただきましてありがとうございます。(中略)

　それでは議事に入りたいと思います。本日の主な議題はヒアリングということでございまして、５つの団体の方からそれぞれおおむね15分程度の時間でお話を伺うということになっております。

　進め方といたしましては、まずは５つの団体にそれぞれからご意見を頂いて、その後で最後にまとめてご質問、あるいは意見交換の時間を取らせていただくと、そういう形で進めさせていただいてよろしゅうございますか。（中略）

　それではまず第一のご報告ということで、（中略）日本医師会の高杉常任理事のほうからご説明をお願いしたいと思います。（中略）

　▼　<em>日本医師会（高杉敬久・常任理事）、日本医療法人協会（伊藤伸一・副会長）、日本病院会（木村壯介・常任理事）、全日本病院協会（飯田修平・常任理事）、全国医学部長病院長会議（有賀徹・昭和大学病院院長）が意見陳述。</em>

　はい、ありがとうございました。それでは、以上で５団体からご説明を頂いたわけでございますけれども、今までのご説明についてのご質問、あるいはそれを踏まえた各構成員のご意見の表明いずれでも結構ですので、お出しいただければと思います。　
　
　加藤構成員、どうぞ。

<strong>[加藤良夫構成員（南山大学大学院法務研究科教授／弁護士）]</strong>
　ご意見いろいろとお聞かせいただきましてありがとうございました。各団体のご報告を受け、医療の質の向上とか医療の安全のためには医療事故の調査が必要であるというところはほとんど共通のものではないかなと思いました。

　で、そのための制度をどのようにつくっていくのかという話なんですけれども、ここで質問は、いくつかいろんな提案も含めてお聴きしたわけですが、（中略）先ほどの有賀先生の報告、資料６のですね、６ページの所……、「別紙２つづき」と書いてある所の④の所ですけれども……。

<img alt="別紙２.jpg" src="http://lohasmedical.jp/blog/%E5%88%A5%E7%B4%99%EF%BC%92.jpg" width="455" height="314" />

　当たり前のことだと私は……、当然のことが書いてあると思っているんですけれども、今日、発表された構成員の、あるいは参考人の皆さんは、この④の記述については「当たり前だ」という認識をお持ちなのかどうかをちょっとおききしたいなと思いました。

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　ありがとうございました。それでは、（中略）各団体へのご質問ということですので、順次お願いしたいと思いますが、まず高杉構成員。

<strong>[高杉敬久構成員（日本医師会常任理事）]</strong>
　はい、刑事告発される可能性というのは、やはり私たちもあると思います。ただ、その前段階としてきちっとやったことがあれば、それはそれでいいんだと。だから、刑事告発をする権利を取るものでは決してありません。

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　はい。（中略）ありがとうございました。それでは、日本医療法人協会の伊藤副会長。

<strong>[伊藤伸一参考人（日本医療法人協会副会長）]</strong>
　はい。（中略）６ページ、有賀先生の４番目の項目についてですけれども、これは個人的な意見ですが、当然こういうこともあるだろうと認識しております。

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　はい、ありがとうございました。続きまして、日本病院会の木村常任理事。

<strong>[木村壯介参考人（日本病院会常任理事）]</strong>
　木村でございます。（中略）６ページ、有賀先生のお話ですが、これはあの、こういう可能性ってのは法律の専門家ではないので分からないのですが、公にする以上は、そこで利用されるんではないかというのが正直な反応ですけれども……。

　ただ、裁判というのは検事側が出した文面、その文面に対して争うわけですから、まああの……、公開はするけれども裁判には使わせないというのもあるのかなと考えております。でも、使われてもしょうがない、まあ、そういう正直な内容は出すべきだと思います。

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　ありがとうございました。それでは全日本病院協会の飯田先生、お願いします。

<strong>[飯田修平構成員（練馬総合病院院長）]</strong>
　はい。（中略）報告書の扱いですが、これはどういう前提で事情聴取をするかにかかっておりまして、ヒアリングの段階で、「裁判に使われるのであれば……」云々という実際の生の声も聴いてきておりますし……。

　まあ、そういうこともありますので、基本的には、それは証拠として扱わないという前提でないとですね、きちんとした正しい原因分析ができないし……、できないと思いますので、そういう前提であれば当然、公開すべきものだと思っております。

　ただ、これをどう扱うか、どういう前提で医療従事者から事実を集めるかということがあります。もちろん、客観的なものはですね、いずれにしたって収集できますが、いろいろ当事者でなければ分からない情報を集めるためには、やはりそういう一定の検討が必要だと思ってます。以上です。

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　では、有賀構成員。

<strong>[有賀徹構成員（昭和大学病院院長）]</strong>
　全国医学部長病院長会議の中での議論でいきますと、基本的に1000床とか大きな病院が多いので、その中では当然ながら医療安全管理室があって、そこで病院の事例を月々集積しているというのが実態だと思います。

　だから、昭和大学でも月々400から500ぐらいのヒヤリハット……、アクシデントも入りますが……、あって、それらを分析するということを各大学がやっているということになります。（中略）

<strong>[山本和彦座長（一橋大学大学院法学研究科教授）]</strong>
　ありがとうございました。加藤構成員、いかがでしょう。よろしゅうございますか？

<strong>[加藤良夫構成員（南山大学大学院法務研究科教授／弁護士）]</strong>
　はい、ありがとうございました。医療事故に遭ったご遺族の心情としては、「真実を知りたい」とか、「再発をしないでほしい」とか、要するに安全な医療を願う気持ちというのは強いと思うのですね。

　それに応えるべく、医療安全ということに真剣に取り組もうと考えておられれば、事故調査というのをしっかりとされて、レポートとして、被害を受けた人にお返しをしていくと、そういう営みは医療安全にとっても非常に大切なことだろうというふうに思ってご質問させていただいたところ、皆さん、そういう方向の大切さは認識されているなというふうに受け止めました。ありがとうございました｡（以下略）]]>
    </content>
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    <title>私が記者を続ける理由</title>
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    <published>2012-03-21T06:09:25Z</published>
    <updated>2012-03-21T08:17:48Z</updated>
    
    <summary>私は医療記者です。 記者と名乗ると、一般的なライターと混同されることが多いため、...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
            <category term="00105|cat05|熊田梨恵の編集長の独り言" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        私は医療記者です。

記者と名乗ると、一般的なライターと混同されることが多いため、多くの人に伝わるようにと医療ジャーナリストと名乗ることが最近は多いですが、やはり私は記者だと思っています。

私が記者を志したのは、親友の死がきっかけでした。

美しかった彼女は、20歳で自らの命を絶ったのです。


        私は彼女と大学時代に知り合いました。
　
バイト先で知り合った彼女は、同年代の誰とも違う雰囲気を纏っていて、最初はとても近づきがたかったのを覚えています。
　
腰まである長い髪の毛は柔らかそうにサラサラと流れ、凛とした表情ははっとさせられるほど気高くて綺麗でした。
　
同い年だと分かった時には、驚いたものです。
　
誰をも寄せ付けず、媚びず、同い年の私よりもずっと大人びていて、それでも年齢相応に線は細く、華奢な体つきでした。
　
あまりに顔の造作が整っていたため、まっすぐに人を見る視線がとても強く、私は彼女と目が合うと何度もそらしてしまいました。
　
　
　
何がきっかけで仲良くなったのかは、覚えていません。
　
でも、私はどこかでそんな彼女と仲良くなりたいと、思い続けていたように思います。
　
憧れに近い思いを抱いていたような気がします。
　
とにかく私と彼女は、仲良くなってからはそれまで友達でなかったことが信じられなくなったぐらい、心をお互いに開き合っていたと思っています。
　
彼女の笑顔を見ることができるようになって、とてもうれしかったです。
　
　
彼女に家族はおらず、児童養護施設で育ちました。
　
私は「両親はいない」とだけ聞かされていて、本当はいるのではないかと思っていましたが、実際にいなかったことも、後から分かりました。
　
高校を出てからは、ずっと一人で働いて生活してきたそうです。
　
知り合った当時のその妙に大人びた雰囲気も、必ず境界を引いた接し方も、よく分かるような気がしました。
　
私は彼女と仲良くなってからよく彼女のアパートにも遊びに行きましたが、あまりに物がなくて居心地が悪かったことを覚えています。
　
「いつここからいなくなるか分からんやん」
　
と、どんなものにも大した執着を見せない人でした。
　
　
彼女の生い立ちを聞けば聞くほど、私は打ちのめされたような気持になりました。
　
家族がいて、大学に行けて、友達がいて、そんな私と同い年でありながら、こうも境遇が違うのかと。
　
そんなことがあり得るのかと。
　
彼女の話を聞きながら、私の方が泣いてしまうことがよくありました。
　
そして私が慰められるというおかしなことになっていました。
　
「そんなに泣かれたら、私の人生がそんなひどいんかって思うやんか」。
　
彼女は綺麗に笑いながら、私の頭をなでてくれました。
　

私はとにかく彼女に笑ってもらいたかった。
　
少しでも、笑える時間を、持ってもらいたかったのです。
　
想像を絶するようなつらい過去を持ちながらも、何事もなかったかのように淡々と生きている彼女に、少しは「楽しい」と思ってもらえる時間を、過ごしてもらいたかったのです。
　
でもそれは、私のただのエゴだったのかもしれません。傲慢だったのかもしれません。
　
でも当時の私は、そんなことはどうでもよかったのです。
　
ただ、透き通ってしまいそうに綺麗な彼女の笑顔を、私自身が見ていたかったのです。
　
何度でも、何度でも。ずっと。
　
　
　
ある日、そんな彼女がHIVに感染していると、分かりました。
　
現在、HIV/AIDSは服薬して症状をコントロールしながら生活できる病気になりましたが、当時はまだまだ治療法も発展段階で「死ぬ病気」のイメージだったのです。同性愛者への偏見もあいまって、ＨＩＶキャリアになったことを周囲にカミングアウトするのは相当勇気のいる時代でした（もちろん今でもそうだと思っています）。
　
彼女は、彼女に感染させただろう当時の恋人に連絡しても音信不通となってしまう状態で、自暴自棄になっていました。
　
バイトにも来なくなり、電話をしてもほとんど出なくなりました。
　
家に行って、通院を促しましたが、頑として拒否されました。
　
私はそんな彼女にどう接していいのか分かりませんでしたが、とにかくそばにいることだけは続けようと思いました。
　
生きてくれていたら、それでいいのだと願って。
　
　
　
しばらくしてから、彼女はたまに連絡をしてきたかと思うと、どうしようもないワガママを言うことがありました。
　
ある日、彼女は刺身が食べたいと言い出しました。

ＨＩＶに感染して抵抗力が落ちている彼女に、生魚を食べさせるのはリスクが高いことです。
　
他にも生卵や生肉を避ける、生水は飲まないなど色々気を付けていることがありました。
　
当時は、ＨＩＶに感染しているというだけでも先行きの見通しが全く立たず、ふと肩をたたかれたら落ちてしまう崖の上にでも立っているような、そんな頃だったと思います。
　
不安と恐怖ですくみそうになる上、生活にまで制限が加わり、話をできる人もほとんどおらず、どれほど心細かっただろうかと思うと、私の想像など及びもしない世界です。
　
しかも彼女はそれまでにも、同年代の女性が生きるにはあまりまる辛酸を舐めて生きてきていました。
　
神様は残酷だと、どうしてこんなことが起こるんだろうと、私は自分の浅はかさや無力さを思い知らされました。
　
私は彼女に何もしてあげられませんでした。
　
してあげたいという時点で、とてもおこがましいけど、でも何でもいいからしたかった、笑顔が見たかったんです。
　
　
私はその「刺身」という無茶苦茶なリクエストにこたえようと奮起しました。
　
スーパーから白身魚の切り身を買ってきて、薄く切ってフライパンで軽く火を通しました。そして酢漬けにしました。
　
今思うと、本当にそれで大丈夫という根拠は何もないため危なっかしいのですが、
　
「カルパッチョにしたから、これで大丈夫！」
　
と私は喜び勇んで、彼女にお皿を渡したのを覚えています。
　
「刺身」が薄切りで炒められた酢漬けになってきたものを見た彼女の表情を、私は一生忘れることがないでしょう。
　

私はとにかく彼女に笑ってもらいたかった。
　
美しい人だったから。
　
彼女が笑ったら、何もかもが許されるように思ったのです。
　
病気も、過去も、この社会も、私自身がここに生きているということも。
　
その笑顔のために、私はできる限りのことをするんだと。
　　
　　
　
　
そう思っていた矢先に、彼女は自ら命を絶ちました。
　
　　

　
私はしばらく、普通に生活できませんでした。
　
　
どれほどの思いだったんだろう。
　
たった20歳のか細い女性が、誰にも何も言わないで、これまでの人生も壮絶で、体にいつ発症するか分からないＨＩＶウィルスを抱えて、たった一人で。
　
その寂しさと、不安と、恐怖と、孤独と、悲しみと、切なさと、悔しさは。
　
どれほどのものだったんだろう。

私なんかには、想像もつかない。
　
　
　
苦しかったですか。
　
　
痛かったですか。
　
　
悲しかったですか。
　
　
その瞬間、何を思いましたか。
　
　
たった一人で、呼吸が止まる瞬間に、あなたは何を思っていたのですか。
　
　
私が大好きなその美しい顔が、苦痛に歪んでいた。
　
　　
私はあなたのその表情を見た時に、悲鳴を、あげてしまったんです。
　
　
あなたの最期の姿に向かって。
　
　
私は。
　
　　
私は。
　
　
　
何も、できなかった。
　
本当に何も、できなかった。
　
　
あなたの思いなど、私はこれっぽっちも分からなかったし、何の支えにもなれなかった。
　
　
それでもあなたの役に立ちたかったけど、でも、できなかった。
　
　
せめて何か一言、言ってほしかった。
　
　
罵詈雑言でも聞ければ、よかった。
　
　
大好きなあなたの声を、聴きたかった。
　
　
　
私は、しばらくの間は怒りに身を任せていました。
　
社会に、医療に、行政に、何もかもに、彼女に、そして何より私自身を責め続けました。
　
癒されない気持ちを抱えたまま、周囲の人にも失礼なことを言い、ずいぶんバカなこともしたと思います。
　
　
しばらくしてから、私は怒っていても何も変わらないと、気付きました。
　
「じゃあどうやったらよくなるんだろう。自分には何ができる？」
　
そう思った瞬間に、世界が変わりました。
　
　
私は当時、ＨＩＶキャリアの人の生活を支援するＮＰＯなど、様々な非営利団体で活動していました。
　
様々な団体、行政、研究職、企業、専門職、皆社会をよくしたいと思っているには違いないのに、どうもうまくつながらない。ではどうしたらいいのかな？
　
そう思った時に、メディアかな、と思いました。
　
情報がうまく流れれば、この世の中が変わるんじゃないかと、学生の単純な考えで思いました。
　
そして、社会福祉学部の学生にはめずらしく、メディア業界を志望して新聞記者になりました。
　
働き出してから、世の中そんなに甘くないと十分に分かりましたが、今でも私のそのモチベーション自体は変わっていません。
　
どうすれば世の中がよくなるんだろう。
　
自分には、何ができるんだろう。
　
私は、書いて伝えること。
　
それが役割なんだと、思いました。
　
働いていると色々ありましたが、何があっても揺るがないのはこの部分です。
　
私はこれが使命だったんだろうなと思うのです。
　
　
彼女は、大阪南部のりんくうの近くに住んでいたので、よく二人で海を見に行きました。
　
先日、仕事でりんくうの近くを通りかかりましたが、その時に、何とも全身がざわめき立つのを感じました。
　　
霊感とか、そういうものは分かりませんが、彼女がいるなあと、思いました。
　
私はぽつんと「あなたが生きていたから、私がここにいて、この仕事をしてる」と、つぶやきました。
　
分かりませんが、まるで彼女がりんくうの海全体になって、笑っていてくれるように思いました。
　
海みたいに、いつも私を包んでしまうあの笑顔で、
　
ずっと私を見ていてくれるんだなあ、見ていてほしいなあと、思いました。
　
　
私は記者としてのこの仕事を、これからも続けていくのだと思います。
　
彼女だけでなく、様々な方に取材を通して出会います。
　
お話を伺いながら、人生を聴きます。
　　
その重みを、私は記事にして返していくのだと思います。
　　
この仕事に就かせてもらえた奇跡に感謝しながら、私はこれからも生きていくのだと思います。
　
　
　
　
　
　
　
　






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    <title>予防接種法改正　格好つけても及び腰　透ける厚労省の姿勢　コメント欄</title>
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    <published>2012-03-13T09:14:06Z</published>
    <updated>2012-03-13T07:16:33Z</updated>
    
    <summary>３月20日発行の４月号に掲載の記事ですが、文中に出てくる『誤答弁騒動』が、本当に...</summary>
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        <name>川口恭</name>
        
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        <![CDATA[３月20日発行の４月号に掲載の記事ですが、文中に出てくる『誤答弁騒動』が、本当に『誤答弁』として処理されてしまったようなので、暗澹たる気持ちで先行公開します。

<a href="http://lohasmedical.jp/news/2012/03/13175927.php" target="_blank">続きはこちら</a>]]>
        
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    <title>歯科健診２分、歯科健診待ちは2時間。</title>
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    <published>2012-03-09T07:16:11Z</published>
    <updated>2012-03-10T05:18:52Z</updated>
    
    <summary>乳児,幼児,2歳児,健診,歯科検診,待ち時間,集団,非効率,行政,問診,保健師,歯科衛生士,指導,</summary>
    <author>
        <name>堀米香奈子</name>
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            <category term="00103|cat03|堀米香奈子のカタい話もやわらかく" />
    
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        2月で下の子が2歳になったので、市から歯科健診のお知らせと問診票が郵送されてきて、今週の水曜日に朝から出かけてきました。受付は9時15分から10時15分、しかし上の子の登園後にバスを乗り継いで会場に向かうしかなく、到着したときは10時15分ぎりぎりでした。そして健診が終わって帰宅したのは13時過ぎ。なによりげんなりしたのは、3時間以上費やしたうち実際の健診そのものはたった2分だったことです。

        今回はとくに受付終了ぎりぎりに駆け込んだので、会場にはすでに100人くらいのH22年2月生まれのお子さんたちが順番を待っていました。私も普段はできれば受付開始よりも30分も前に到着して、早い順を取るようにしています。遅ければ遅いほど、待ち時間が長くなるのは分かってはいたのですが・・・。そうして早く来た人たちは、ちょうど帰り始めた頃でした。それでも30分早く来ても、受付開始後すぐに健診があるわけではなく、そこからまた人が集まるのを待ってから講習会のようなことをやり、その後に問診票をもとにした保健師との個別面談があり、それからまた順を待ってようやく歯科健診です。その後は歯科衛生士によるブラッシングの指導がまた個別にあるので、受付開始より30分近く前に来た人も、結局は計1時間以上かかってようやく解放されるという状況です。


こうした長時間の拘束は、集団健診では当然のこと。問題は、とにかく長い待ち時間が“割に合わない”こと。今回で言えばまず最初の集団での講習は、ぎりぎりに駆け込んだ最後のグループだったのでダメ押しで余分に20分以上待たされた挙句、【甘いものやスナック菓子はやめて、ヨーグルトやふかし芋をおやつにあげましょう】的な、毎度おなじみの内容に終始しました。次に、15分近く待って保健師による面談は、事前に書いておいた問診表の内容をなぞって喋るだけ、ただし、問診票の「気になること」の欄に、正直に、次男がほとんど野菜を食べてくれないことと、ここ数週間、夜11時12時までまったく寝付いてくれず困っていることを書いておいたら、「じゃあちょっとあとでもう少し相談してみましょうか」と言われ、なんとなく「結構です」とも言えないままに終了しました。そしてさらに20分待ってやっと歯科検診。大泣きの息子をベッドに押付けて2分で終了。口の中をのぞいていた時間でいったら30秒程度ではないでしょうか。やれやれ、ようやく帰れるかと思ったら、先ほどの保健師との面談で向こうのペースに載せられてnoが言えなかったばっかりに、余分に栄養相談と育児相談まで受けさせられました。


「余分に」などと言うべきではないのかもしれませんが、とにかく今ある問題を話しても、そんなに目からウロコのアドバイスが得られるものでもないので・・・。こちらも困っているので、とっくにネットでいろいろ調べて知っていますし、試してもいます。それでもだめだから困っているわけです。かといって、偏食などについて「相談しましょうね」と、保健師さん（ニコニコしてはいるけれどその実けっこう厳しそうな口うるさそうな、一回り以上は年上の女性）に言われて、「結構です」とはちょっと言えない雰囲気で、「あ、はあ」とか言っている間にどんどん連れて行かれてしまい・・・。っていうことを、実はもう度々経験しています。学習しない、と言われればそれまでなのですが、どうもうまく逃げられません。


というわけでヘトヘトになってやっと家に帰り着くと、もう13時過ぎ。子供は遅いお昼ご飯を食べながら眠くなってぐずり、なんとか食べさせていつもより遅い昼寝をさせて・・・と、毎度のことながら集団健診は一大イベントなのです。


それにしても、どうしてこんなに非効率的なのでしょう。講習会やブラッシング指導もないがしろにしてはいけないのかもしれませんが、メインの健診そのものは2分です。それだけのことをするのに、かかる時間も労力も大きすぎます。


そもそも、健診会場が市内にただ1箇所というのも、そうした親子の苦労を考慮したものとは到底思えません。とくに我が家の場合は私が車を運転しない（ペーパードライバー）なので、会場までバスを乗り継いで行かねばなりません。そんなに本数が多いわけでもなく、ルートも遠回りで、さらに会場へは最寄のバス停から徒歩で10分もかかります。以前住んでいた区では、少なくともいくつかの地区ごとに会場が設けられていました。それが今の市では、市内にたった1箇所です。しかも、毎月1回しか行われませんし、受付時間帯が分かれているわけでもありません。毎月1回、2歳を迎えたばかりの子供たちが1箇所にいっせいに集まってくるのです。


さらに今回は驚いたことに、健診の台も2台しかなく、少なくとも私の子供の順が回ってきた際には歯科医は1人しかいませんでした。子供をいっきに集めておいて、それをたった1人の先生が順番に捌いているようなのです。要するに親子を長時間待たせることが前提のセッティングです。


どう見ても、市の、行政側の都合に振り回されているようにしか感じられません。もとより集団検診でなく、市内の歯科医院で個別に予約を取って健診を受けられるようにすればいいのに、と思うのですが、なぜそうしないのでしょうか。そうすれば近所のかかりつけの歯科医で住みますし、日時も選べて、大変助かります。現状でもいちいち市から個別に、自宅に問診票は送付されてくるのですから、同じ手間なら、そこに健診チケット的なものを同封すればいいことです。そうすると保健師さんの出番がなくなってヒマになってしまうのでしょうか？でも正直、健診以外の面談が役に立った気はしていませんし、むしろもっと保健師の手助けを必要としている人が市内にいないか、どうそこに手を差し伸べられるか、模索してみてもいいのではないでしょうか。それで今以上に必要としているがいなかったのなら、それは保健師の人手が多すぎる、ということなのでしょう。保健師さんたち自身は一生懸命、誠実に、忙しく働いているのかもしれませんが、あまり必要とされない仕事をつくって忙しくなっているとしたら、本人もむなしいでしょうし、社会にとってももったいないことです。


とにかく今の市の集団検診のやり方にはウンザリです。誰のために、何のために、そんなやりかたを続けているのか、まったく理解できません。投書でもしてみたいと思っています。

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    <title>生後2ヶ月からの予防接種デビューを！</title>
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    <published>2012-03-01T03:15:08Z</published>
    <updated>2012-03-01T05:01:13Z</updated>
    
    <summary>ワクチン,予防接種,生後,2ヶ月,ヒブ,小児性肺炎球菌,ロタ,細菌性髄膜炎,化膿性髄膜炎,ウイルス,副作用,有害事象,紛れ込み,三種混合,DPT,ポリオ,任意接種,定期接種,WHO,推奨,後進国,予防接種部会,日本版ACIP,乳児,乳幼児,費用,岡田賢司,予防接種ガイドライン,予防医療</summary>
    <author>
        <name>堀米香奈子</name>
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        去る2月10日、第6回ワクチン予防医療フォーラム「ワクチンのもたらす恩恵を受けるために　～生後2ヶ月からのワクチンデビューの必要性～」が開催されました。かなり遅くなってしまいましたが、ワクチンの早期・同時接種がいかに大事か、また、任意接種の問題について改めて考えさせられましたので、そのあたりをいくつかまとめておきたいと思います。

        演者は、（独）国立病院機構福岡病院統括診療部長の岡田賢司氏。小児科医として臨床現場で診察を続けてきた傍ら、国の予防接種ガイドライン等の検討委員会の副委員長も務めている方です。1時間半のプレゼンのなかでも特に、


①ワクチン本来の恩恵を全て受けるためには、まず生後2ヶ月でワクチンデビューし、同時接種が必要。

②ワクチンを国内導入しても、それだけでは接種率は向上しない。公的助成など、費用負担が軽減されて始めて接種率は上がる。

③病気について正しく知ること、ワクチンについて正しく知ることが、接種率の向上につながる。（紛れ込みと副作用の区別、ワクチンの恩恵と副作用の両天秤についても）


という3つの話題は聞き流せないものでした。


まず、①生後2ヶ月でのワクチンデビューの話。現在、日本では多くの赤ちゃんが生後3ヶ月頃に初めて予防接種、具体的には三種混合（DPT）を単独で受けることが多いのですが、これでは遅いし足りない！というのです。今のところまだ任意接種となっているヒブと小児肺炎球菌ワクチン、そして昨年も終わりごろに滑り込みで承認されたロタウイルスワクチンも、DPTとあわせて生後2ヶ月から受ける必要があるそうです。というのも、ヒブや肺炎球菌による全身感染症は生後6-7ヶ月（～12ヶ月）が発症のピーク。発症してから予防接種しても意味はありませんから、それまでに3回きちんと終わらせておかねばならないからです（１回では効果が十分得られません）。しかし実際には、ようやく生後７～1歳になってから打ち始める赤ちゃんが最も多く、一方2～6ヶ月に接種し始めるのはたった25％といいます。ロタについては、生後半年以降は副反応（腸重積）の紛れ込みが多くなる事もあって、こちらも生後半年までに接種するのがよいようですから、そうなると同時接種しなければ到底無理です。


生後2ヶ月からの予防接種を広めるためには、1ヶ月検診、もしくは新生児訪問で保健師らからも、早期・同時接種について説明をするべき、と岡田氏は提言します。今はまだ小児科医が赤ちゃんたちにはじめて会うのは３～４ヶ月検診となっている自治体が多く、それからでは遅いためです。それでも、沖縄県の保健所親子手帳には1ヶ月検診のページに「予防接種スケジュールの説明」チェック欄が設けられるなどしていて、自治体によっては取り組みを始めているところもあります。実際、山口県では1ヶ月検診を公費で小児科医が行っていることで働きかけが進み、ヒブや小児肺炎球菌ワクチンの普及率（＝出荷本数÷5歳未満人口）が90％以上。全国的に見てもかなり上位につけています。


このワクチン普及率に大きく影響しているのが、②の公的助成と、③の正しい認知の問題です。


公的助成と普及率には相関があることは、いくつかの研究報告があります。2011年1月~10月の小児製肺炎球菌のワクチンの普及率を都道府県別に見てみると、大まかに言っても公的助成が進んでいるほどワクチン普及率が高い傾向が見られます（東京など公的助成は十分でなくても平均所得の高い都市では、それなりに普及率も上がっているようですが・・・）。また、顕著なのは、福岡県の報告です。2008年12月にヒブワクチン導入されましたが、その後もヒブ感染症はとくに減少しませんでした。ところが2011年に公的助成が始まると、患者数は半分以下に。小児性肺炎球菌も、2010年2月にワクチンが導入された後も患者数に変化がなかったのが、2011年の公的助成開始後には髄膜炎患者数が実質半減しました。「実質」というのは、小児性肺炎球菌には多くのタイプがあってワクチンではカバーしきれないものもあったり、タイプは合致していても感染までにきちんとワクチンを3回打ち終わっていなかったケースがあったことを加味しているためです。


いずれにしても、世のお母さんたちの行動ははっきりしていますよね。費用が自己負担だと「まあいいや」と放置してしまっていたものが、助成が出るとなると「だったら」となる。自分の子供の健康や命に関わることなのに、そんな判断でいいの？という非難も出てきそうではありますが、それはあたらないはずです。予防接種は個人の健康を守るだけでなく、公衆衛生上の目的であることは予防接種法でも謳っている以上、お母さんたちの懐事情によらずに赤ちゃんたちが等しく予防接種を受けられるようにもっていくのが行政や政治の責務ですよね。


さて、③のワクチンについての認知の問題。第一三共製薬がウェブで0～4歳児の母親4683名を対象にヒブワクチンについて調査を行っています（2011年11月24日～28日）。結果のうち特筆すべきは以下。

●全体の半数以上が、「細菌性髄膜炎という病名は知っているが、どんな病気かは知らない」と回答。ただし、接種者と非接種者に分けて見ると、前者は4割強が「病名を知っていて、どんな病気かも知っている」のに対し、非接種者は6割がやはり「病名を知っているがどんな病気か知らない」と答えている。

●同じように、ヒブワクチンも接種者は9割近くが「ワクチン名もどんな病気かも知っている」のに、非接種者は6割がワクチン名しか知らなかった。

●接種率について見ると、0歳児の母親の66％が「ヒブワクチンを接種した」と回答。ちなみに1歳児の親は8割、2歳児の親は7割が接種済みと回答。0歳児が最も接種しておく必要があるのに（しかも生後2～6ヶ月の間にですから、たいていは済んでいないとまずいはず）、他の年齢群より％が低いということ。

●非接種者に今後接種させるかどうか聞くと、0歳児の親でも3割近くが「どちらとも言えない」、１割近くが「今後も受けさせたくない」と回答。迷いや敬遠を生むネガティブな理由（複数回答）としては、45％が「安全性や副作用が心配」、39％が「任意接種だから」、37％が「詳しく知らないから」と答えている。


要するに、情報とお金が全然足りていない、ということですね。病気やワクチンのことをよく知らないお母さんがまだまだ多い上に、ちょっと知っていても、安全性への不安、費用負担のこと（確かにウン万円単位でどんどん出ていってしまいます）がかなりのネックになっているわけです。


安全性への不安については、紛れ込みの可能性の高さに触れずに「副作用」として報道されるケースが多いことには確かに問題があります。乳児は突然死症候群など原因が明確でない死亡例も年間150例に上りますから、それがたまたま予防接種後に起きてしまうことは大いにありえるからです。ちなみに、考えてみてください。予防接種の導入前は、年間500人の子供たちが化膿性髄膜炎を発症していたと推計されています。米国では、適切な予防接種でヒブ全身感染症の罹患率が100分の1に激減したそうです。小児性肺炎球菌ワクチンも同じく大きな効果をもたらしています。日本で当てはめれば、年間500例の患者が、5名から10名程度に減るかもしれません。副作用のない薬は存在しませんし、ワクチンもその一種ですが、その恩恵と、紛れ込みの可能性の高さ（＝副作用といわれているものも実際には副作用でないケースが実は多いかも、ということ）を考えれば、どう天秤にかけてもワクチンを否定するのは理にかなわないですよね。


それにしても、はっき言って、やっぱり任意接種が諸悪の根源に見えてきます。


確かに情報はもっと提供されるべきだし、お母さんたちも積極的に収集してもいいところですが、もし定期接種だったら情報云々いわずに「当然受けさせるもの」と考えるお母さんたちも多いはずです。本当に安全なワクチンだったら、それはそれでいい状況といえるのではないでしょうか（今話題のポリオワクチンだって、ちょっと前までは生ワクチンについて何の疑いも持たずにみんな素直に接種させていましたよね。ポリオ生ワクチンの問題はちょっと特殊で、流行していれば受け入れざるを得ないごくわずかな副作用なのですが、流行もなく、またずっと安全な不活化ワクチンが世界で主流なのに、日本だけ乗り遅れてきたと。行政の不作為のためにいらぬ患者を生み出してきていることは、同考えても受け入れられない、ということです）。一方、必要なワクチンなのに任意接種というだけで、必要性が低く聞こえてしまうのか、費用負担がひっかかるのか、たぶんその両方の理由からだと思いますが、接種が思うように進まない。いまいち不透明な過程を経て定期接種化されたワクチンだけが大事なワクチンと間違って理解され、しかも費用負担無しに接種できるとなれば、むしろ任意接種ワクチンの普及の足を引っ張っているというふうにも取れてしまいそうです。


「任意接種」なんてカテゴリーを作るのは、結局は国の財政の問題ということのようですが、任意接種とされているワクチンはみなWHOが接種を「推奨」しているもの。国民の健康を守るためのお金をケチって、他に何を優先して使うべきというのでしょうか。予防医療の大切さは国民医療費の議論の中でもさんざん叫ばれてきたのに・・・。しかも、定期接種化されるかどうかのプロセスや議論が不透明。実際大きなお金が動く案件なのに、です。（その問題を解決するために日本版ACIPが作られようとしているものの、予防接種部会での議論を考えると、その実効性もちょっと怪しいものです）。日本は今やワクチン後進国と言われるようになってしまいましたが、そんな国のお金の使い方を見ると、ワクチンに限ってのことでなく「これはもうやっていることが後進国以下だなあ」とついつい思ってしまう。政治・行政・経済オンチの私ですが、そんなに間違った感想ではないんじゃないかと思うのですが・・・。


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    <title>東日本大震災復興イベント～3/18・兵庫尼崎</title>
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    <published>2012-02-29T01:38:00Z</published>
    <updated>2012-02-29T01:40:57Z</updated>
    
    <summary>東日本大震災・阪神淡路大震災関連イベントのご案内です。 第８回　笑顔ふれあい祭り...</summary>
    <author>
        <name>熊田梨恵</name>
        
    </author>
            <category term="00105|cat05|熊田梨恵の編集長の独り言" />
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        東日本大震災・阪神淡路大震災関連イベントのご案内です。


第８回　笑顔ふれあい祭り　（主催：地域を結ぶ笑顔の会）

テーマ「地域の力　～阪神淡路大震災から１７年、東日本大震災から１年」

 

2012年3月18日(日)　午後1：30～4：00

尼崎市立小田公民館ホール（ＪＲ尼崎駅5分）、無料（参加申し込み不要）
        
●語り「復興のあかり～ホタテ・キャンドル」

三浦弘子さん（宮城県南三陸町・泊浜漁協・婦人部長。津波で夫死亡、自宅とホタテ工場破壊。失意の底から、浜の女性たちと共に、「復興のあかり、ホタテ・キャンドル」を製作販売。素敵なキャンドルです。当日販売。詳しくは、ホタテ・キャンドルのＨＰをご覧ください）

 

●寸劇「震災をふっとばせ～笑い、湯タンポ、たこ焼きで」 

　主催の「地域を結ぶ笑顔の会」の介護職員やケアマネジャー、中学生が手作りした寸劇です。

　湯たんぽとメッセージカードを東北に送った支援活動、阪神淡路大震災の復興住宅での体験をもとに、笑いと涙の楽しい劇をつくりました。湯たんぽのお礼が、宮城県の仮設住宅の高齢者や子どもたちから沢山尼崎に届きました。そのコピーも当日資料で配布。練習開始。

 

●和太鼓、津軽三味線、落語：林家染田、盆踊りも！

 

 

お願い

・広報のため、添付チラシの配布、記事掲載にご協力ください。

・寸劇の「タコ焼きガールズ」ボランティア募集！　主人公の波下屋（なみしたや・粟野）と一緒に、楽しく踊りながら舞台に上がって、タコ焼きをやくマネをします）。

・当日運営ボランティア募集（設営受付など９時集合）

 

 
連絡先　　粟野真造　携帯０８０－６１６５－０９９０　メール　awaumi22＠wi．kualnet．jp 
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    <title>同時接種　世界では問題にもならない問題。</title>
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    <published>2012-02-25T08:52:19Z</published>
    <updated>2012-02-25T07:27:09Z</updated>
    
    <summary>ワクチン,同時接種,ポリオ,不活化,IPV,DPT-IPV,サノフィ・パスツール,承認申請,PMDA,予防接種,インターナショナルワークショップ,副作用,有害事象,ソーク株,セービン株,超党派議員連盟,定期接種,任意接種,ワクチン後進国</summary>
    <author>
        <name>堀米香奈子</name>
        <uri>http://plaza.umin.ac.jp/~perinate/cgi-bin/wiki/wiki.cgi</uri>
    </author>
            <category term="00103|cat03|堀米香奈子のカタい話もやわらかく" />
    
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        先日このブログでご報告したインターナショナルワクチンワークショップでは、不活化ポリオワクチン（DPT-IPV、現在のところ国内2社が申請中）への切り替えに関連して、少しだけではありますが同時接種の問題も言及されました。ただ、会場から同時接種についての議論は特に出ず・・・。その後、ペンシルバニア大プロトキン名誉教授らとのインタビューでも、話は膨らみませんでした。しかし、そのことでかえって、「世界には同時接種問題は存在しない。日本だけが、同時接種の導入にどういうわけかつまづいている」と知ったことが私の収穫でした。
        <![CDATA[さて、本題に入る前に、一つ書き留めておきたいことが。ポリオワクチンの新しい動きです。

●サノフィパスツール株式会社
ポリオ（急性灰白髄炎）の単独不活化ワクチンを承認申請　2012年2月23日


（以下、<a href="http://lohasmedical.jp/blog/20120223_%E3%82%B5%E3%83%8E%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%91%E3%82%B9%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%ABIPV%E5%9B%BD%E5%86%85%E7%94%B3%E8%AB%8B%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%83%AA%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B9.pdf">プレスリリース</a>から一部抜粋）

サノフィパスツール株式会社（本社：東京都新宿区）は、本日、ポリオ（急性灰白髄炎）の単独不活化ワクチン（以下IPV: Inactivated Polio Vaccine）の国内の製造販売承認申請を行いました。

IPV は、米国や欧州を含む世界60 カ国以上のポリオフリー宣言を受けた国々において、国のポリオ予防接種プログラムに採用され、ポリオ予防に用いる標準的なワクチンとしての実績を確立しています。サノフィパスツール社（本社：フランス）は、単独IPV（製品名IMOVAX® Polio）を1982 年に発売以降、86 ヵ国で承認を受け、これまで全世界に2 億7000 万回接種分を供給しています。日本での供給が開始されれば、国内初の単独IPV となります。

サノフィパスツールはサノフィ・グループのワクチン事業部門で、毎年10 億回接種分以上のワクチンを提供し、世界中で5 億人以上の人々に対してワクチンの接種を可能にしています。ワクチン業界における世界的リーダーとして、サノフィパスツールは、20 種類もの感染症から人々を守る、世界で最も幅広いワクチンの製品ラインアップを提供しています。「命を守るワクチンを創る」という会社の伝統は、一世紀以上の歴史を有しています。サノフィパスツールはワクチンに特化したメーカーとして世界最大級の企業であり、日々、研究開発に100 万ユーロ以上を投資しています

（抜粋おわり）


関係者も「昨年の5月に開発を厚生労働省から正式に依頼され、翌2月に承認申請を行うというのは、“異例”のスピード」とのこと。世界最大のワクチンメーカーが本気で日本の新たな市場に乗り出してきた、ということがはっきりわかりますね。インターナショナルワクチンワークショップでの活動紹介はその布石でもあるのでしょう。前回このブログでも書かせていただいたように、このサノフィ･パスツールの単独IPVは、ソーク株から作ったもの。一方、国内でも開発中とも言われる単独IPVは、いずれにしてもDPT-IPVと同じくセービン株から作られることになるでしょう。しかし、この圧倒的な体力・知力・経験地を持つ世界的リーダーの前に、どのように戦いを挑む（？）ことになるのか、興味津々といったところです。


なお、この申請に先立つ2月21日には、「およそ100人の国会議員らによる超党派議員連盟が、厚労省担当者らとの打ち合わせに基づき、小宮山洋子厚生労働大臣あてに不活化ポリオワクチン導入のさらなる前倒しを求める申し入れ」（あなたの健康百科by Medical Tribune）を行っており、来年度秋とも言われるIPV導入が早まる可能性も出てきました。


と、いうわけで、思ったより長いこと脇道にそれてしまいましたが、このインターナショナルワクチンワークショップで話を聞いてきたばかりのサノフィ・パスツール社のIPVのニュースでしたので、「それにしてもすごいタイミングのよさ！」と思わずにいられなかったのでした。


話を同時接種に戻します。同時接種については、ロハス･メディカル本誌の新聞社版（実はこちらは医療機関では手に入りません。あしからず！！）でも2012年1月号で特集を組み、以来、同時接種に関するインタビューを連載しています。その他、このブログでも、ワクチンフォーラムで得た知識などをまとめてきました（例えば「<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/10/post_2489.php" target="_blank">なぜ日本では同時接種が進まないのか？</a>」など）。一口に言ってしまえば、同時接種は有効性・安全性についても問題はなく、むしろ、VPD(ワクチンで防げる病気)の予防のために必要なワクチンを必要なタイミングで全て打とうとするならば、スケジュール上の要請でもあります。ですから<a href="http://www.jpeds.or.jp/saisin/saisin_110427.pdf" target="_blank">小児科学会の推奨するワクチン接種スケジュール</a>は、同時接種を前提としているのです。


にもかかわらず、同時接種がまだまだ進んでいない日本。以前書いたことの繰り返しになりますが、安全性に関する誤ったあるいは偏った情報がメディアを通じて広まり、十分に払拭できないまま、お母さんたちだけでなく、医療機関によってはいまだに同時接種に尻込みしているところが多いということです。そして、その払拭の足を引っ張るどころか、偏見を助長しているとも思える厚労省とPMDAの責任回避の態度。そもそも単独接種にこだわったり接種間隔を必要以上に空けているのも、ワクチンの有効性や安全性に関わる理由からでなく、単に紛れ込みの有害事象を発見しやすくするため、つまり、行政上の届出にともなう便宜のためであって、子供の健康や接種に連れて行く母親の苦労は全く意に介していません。


と、こうした背景を見れば一目瞭然なのですが、同時接種を敬遠して単独接種にこだわる理由がそもそも行政上の便宜云々でしかない、医学上の問題ではないということは、日本で今起きているいわゆる同時接種問題というのは、非常に特殊な事例ということになります。


実は、ワークショップ（ポリオセッション）後、ペン大のプロトキン名誉教授に、「海外ではいつから同時接種がおこなわれているのか、導入時に問題はなかったのか」という点について少したずねてみたのですが、「問題は同時接種をするかどうかではない、安全なワクチンが使えるかどうかだ」という一言で終わり。正直、「なぜそんなことを聞くのだろう」という表情でした。プロトキン氏はこれまでに数多くのワクチン開発・導入に携ってきたワクチンの権威ですから、なにかしら過去に、どこかの地域で、接種するワクチンの種類が増えたことによる同時接種が問題になったことがあれば、知っているかもしれない、そう思って聞いてみたのですが、実のところ同時接種には全く興味がなかったのです。しかし同氏のこうした反応も、今になって、上記のような日本の同時接種問題の経緯を考えてみたら当然のこととわかります。あくまで日本でだけ起きている非常に特殊な問題で、世界では、同時接種など問題ですらないからです。


これについては、壇上に立たれた中野貴司教授（川崎医科大小児科）も、ワークショップ後に話を聞くと「アフリカでは予防接種を打つことさえままならない。だから打てるときにたくさん打とうと、同時接種は当然」とのこと。なんだか面白そうな話なので、後日改めて詳細を伺うことにしました（同時接種連載インタビューでご報告します）。


日本はワクチン後進国という汚名を返上すべく、この数年、矢継ぎ早に新しいワクチンを承認してきました。しかしそれは、生まれて2ヶ月から数ヶ月のうちに打たねばならないワクチンが何種類も増えたことを意味します。やれ風邪だなんだで法定の間隔を保ちながら順調に予防接種を受け続けるのはもともと困難ですが、任意接種のワクチンまできちんと全て（任意接種・定期接種の区別は、ワクチンの重要性を反映してはいません）、しかるべき時期までに打ち終わろうとするなら（そうしないと効果が得られず意味がありません）、もはや同時接種無しには達成し得ない状況です。それなのに、「同時接種をするか、しないか」なんていう、欧米はもちろんアフリカを始めとする途上国諸国でも議論にすらならない部分に足を取られているうちに適切な接種機会を逃してしまったら、そしてVPDに感染してしまったら、それこそ本末転倒です。


そんなところで議論している国。予防接種を打つ機会が1回1回とてもラッキーで貴重なアフリカ諸国にしてみれば、「予防接種は1種類ずつバラバラに何回にも分けて、何度も足を運んだほうがいい」なんていう考え方は、のんきで贅沢な議論に映ってしまうかもしれません。
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    <title>ポリオワクチン　世界の問題意識は別のところに・・・</title>
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    <published>2012-02-22T06:51:02Z</published>
    <updated>2012-02-22T05:28:34Z</updated>
    
    <summary>ポリオ,ワクチン,不活化,生ワクチン,IPV,OPV,世界,海外,撲滅,WHO,麻痺,感染,副作用,予防接種,定期接種,DPT,セービン,ソーク,ウイルス,弱毒,野生株,筋肉注射,経口</summary>
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        <name>堀米香奈子</name>
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2月18・19日、国債文化会館で第5回インターナショナルワクチンワークショップが開催されました。2日目午前の「ポリオワクチン」セッションとお昼のインタビューに参加し、“インターナショナル”な土俵ではポリオワクチンといっても日本とは違うところに関心が向けられていることを実感しました。



        <![CDATA[日本からは国立感染研の清水博之氏と川崎医科大学小児科教授の中野貴司氏が、日本でのポリオの歴史、不活化ワクチン（IPV）開発の経緯や、このところの接種控え、またIPVへの切り替え方の選択肢（手順や時期）について海外へ向けて発信しました。お名前に見覚えのある方もいらっしゃるでしょうか、<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/09/11_3.php" target="_blank">清水氏も中野氏も「不活化ポリオワクチン検討会」の構成員で</a>す。ですから基本的にお二方のお話については、これまで傍聴してきた検討会でも触れられていたことが大半でした。ただ、私にとっては非常に身近な打ち控えの問題も、傍聴席の大方を占める海外からの関係者の間に身をおいて聞いていると、なんだか印象が違って聞こえるから不思議です。


私たち母親や国内での取り上げ方では、経口生ワクチン（OPV）由来の麻痺への懸念やIPVの導入時期、「OPVから感染するかもしれないけれど何も打たなくても感染する危険が高まる、どうすべきか」といったように、無意識のうちにも当事者として、自分たちがどう行動すべきか、という視点から問題を捉えています。一方、このワークショップ会場では、まず頭に世界地図が浮かぶのです。その中の日本という国で打ち控えが起きている。これでいいのか、という問題は、要は「そこで流行が起きて広がらないか、飛び火しないか」という懸念から生じているように思えます。一方で、IPVへの切り替えは決定事項である以上、OPVによる麻痺患者が出ることについては一過性もしくは先が見えている問題とも言え、国内ほど大きな関心事でないように感じました。会場からも「（全国的な）下水道の調査は行っているのか」「打ち控えが起きるということは、流行への懸念はないのか」といった質問が聞かれ、【OPVによる麻痺＜アウトブレイクの懸念】というのが共通の問題意識である様子。さらに言えば、世界ではポリオフリーの国や地域が増加し、根絶にかなり近づいた状態であるのが現状であって、それに向けた動きや障壁に関心が移っている、と認識したのでした。


確かに、流行地以外では、途上国でさえすでにIPVが一般化してきているわけですから、今更OPVによる麻痺はインターナショナルなレベルでは問題にする必要がありません。日本だけが、前時代的な問題で必要悪とはいえない被害者を出し続けている。先は見えているとは言っても、まだそこから抜け出せていない“当事者”の私たちとしては、やはり関心を向けないわけにはいかないし、先進国と言われながら国民をそんな状態に置き去りにして放っておいた日本ってなんなんだろう、とまたまた結局はそう思ってしまうのでした。


さて、文字通り“インターナショナル”な今回のワークショップで、今までさらりと受け流していた点をきちんと把握することもできました。セービン株IPVとソーク株IPV、何が違って、特にセービン株IPVはなぜ後から開発されることになったのか。ご存知でしょうか？


現在、海外から個人輸入で接種されているIPVは、ソーク株とよばれる野生株を不活化したものから作られ、野生（wild）株のｗをとってｗIPVとも呼ばれます。一方、今日本で開発中のIPVは、セービン株という別のウイルス株を不活化したもの（ちなみに「ウイルス株」というのは、流行の型を調べたりワクチンを作る目的で、患者などからウイルスを採り出して人工的に培養したもの。ポリオでいう「ソーク」や「セービン」は、研究者の名前から取った名称）で、セービンの頭文字Sを取ってｓIPVとも呼ばれます。要するに、今世界中ではｗIPVが使用されているのに、わざわざｓIPVも開発されて多くは治験段階にある。その開発を行っている筆頭が日本（4社、2002年～DPT-IPV）ということ。すでに承認申請も始まっています。


ただ、私もよく知らなかったのですが、わざわざｓIPVを作っているのは日本だけではないのです。清水氏もすこし触れましたが、オランダ国立公衆衛生環境研究所（RIVM）から来日して壇上に立ったヴィルフリード・バッカー氏によると、同研究所でもｓIPVの製造工程を開発し、現在はポーランドで第Ⅰ層試験中とのこと。この研究所は、もともと1960年代からｗIPV生産を行ってきた歴史を持ち、開発したｓIPV製造工程もｗIPVの生産技術をベースにしているとのこと。


というわけで、ｓIPV開発は世界の潮流であって、その中で日本はあわよくばｓIPV生産で世界をリードせんという意味でも治験を急いできた、ということになります。しかし、一度日本は2005年にｓIPV生産を断念（日本ポリオ研究所が承認申請するところまで行ったのですが、同研究所の規模からしても治験の基準を満たすのは難しかったのではなどと言われています・・・）しているはず。なぜまたここへ来て、と思いますよね。


その大きな理由が、「途上国への技術移転」だと言います。つまり、ポリオフリーの国が増えて世界的にOPVでなくIPVが求められているが、現在行われているｗIPV生産にはOPV生産よりもコストがかかる上、何より野生株を培養したソーク株は強毒であることがネックとなっている。というのは、途上国での生産には設備や管理体制に不安があり、万一ウイルスが漏れ出した場合に大流行につながってしまう危険がある。そこで、もともと弱毒化されているセービン株からIPVを生産できれば、途上国に技術移転しても不安が軽減される、という考えなのです。


こうした考えに基づいて、RIVMは各国企業への技術移転を前提にｓIPVの製造工程の開発を決め、2008年にはWHOも世界保健総会でこの「手ごろな価格のｓIPVの十分量の供給」に合意、ビル･ゲーツ財団からも助成が出されることになりました。さらに2009年にはWHOによるポリオ撲滅プログラムの一環としてこの生産を支援していくことが示されました。現在ではRIVMは生産技術や品質管理の技術を、ヨーロッパのほかインドや中国、韓国にも移転すべく現地の計4社と提携を結び、着々と計画が進められているようです。


こうしてみると、確かに治験や申請に関しては日本のｓIPVのほうが一歩リードしているように見えますが、国内4社はそれぞれに開発を行っていて足並みが揃っているわけでもなさそうですし、どうもRIVMのほうが規模といい立ち位置といい、一枚上手に見えてなりません。杞憂であればもちろんいいのですが・・・。


ただ、そもそもｗIPVがすでに世界的に普及している中で、あえてｓIPVを開発・生産し始めることに対しては、専門家の中でも意見が分かれているようです。弱毒株とはいえ、途上国での生産管理が広がることに不安を感じる、という率直な意見も会場から出されました。ポリオセッションの後にランチョンインタビューの機会を得たのですが、ペンシルバニア大学の名誉教授でポリオワクチンの開発・導入に尽力してきたスタンレー・プロトキン氏もウイルス漏出への懸念を隠さず、「欧米のワクチン産業がｗIPVからｓIPVにわざわざ切り替える理由はない」との意見を表明しました。


確かにそう言われれば気にはなります。実際、これまでに漏出なんて事があったのかと少し調べてみると、ちょうど今回の演者でもある清水氏が翻訳した「<a href="http://jsv.umin.jp/journal/v55-1pdf/virus55-1_161-178.pdf" target="_blank">野生株ポリオウイルスの実験室封じ込めに関するWHO世界的行動計画　第2版</a>」に、気になる事例が挙げられていました。ちょっと長くなりますが、その前後もあわせて引用します。


【ワクチンが導入されて以降，実験室感染の報告が少ないという事実は，ワクチンの有効性および実験施設，技術および手技が大幅に改善されたことを示している．しかし，最近の事例は実験室からのポリオウイルス伝播の可能性が依然として残されていることを示している．1992 年，IPV 製造に用いられた1 型野生株ワクチンが，製造施設の従業員から，彼の幼い息子へ伝播したことが確認された．他の事例では，ある小児が，研究やIPV 製造に一般的に用いられている3 型標準株に感染していたことが報告されている．この事例の感染源は不明である．
IPV は，疾患を予防することに関しては，きわめて有効であるが，実験室作業者の潜伏感染を防ぐことはできないと考えられている．OPV は効果的なバリアーであるが，それでも潜伏感染が起きる可能性がある．実験室作業者におけるポリオウイルスの不顕性感染の頻度は明らかではない．
腸管感染そして糞便へのウイルス排泄を完全に抑えるワクチンが存在しない以上，実験室作業者のポリオ感染および伝播の予防のため，適切なバイオセーフティ対策が重要となる．完璧な封じ込めを想定することはできない．故意であるか否かに関わらず対策が遵守されない懸念は残る．しかし，効果的な封じ込め，すなわち，一般社会への不用意なポリオウイルス再侵入のリスクを減らすことは現実的な目標である】


これを読む前は、ワクチン工場からのウイルス流出でアウトブレイクが起きる、なんていう懸念はちょっと大げさでは？と思っていた部分も正直ありました。あるいは、ｗIPVを製造・供給している欧州メーカー＝サノフィ・パスツール社の抵抗でしょ？といった勘ぐりがまだ拭い去ることができずにいるのも本当のところです（ちなみに先のプロトキン氏はサノフィ・パスツール社のExecutive advisor＝顧問も兼任しているそうですし）。それでも、途上国でのワクチン生産の広がりにリスクがあるのも事実なのですね。


工場からの漏出ということ以外にも、既存のｗIPVを使って行けばよいのでは、と思える材料は確かにあります。清水氏のスライドでも、セービン株IPVについては、臨床経験が少ないことも指摘されていました。一般にワクチンによる重大な副作用は数万分の一以下の可能性とされますから、治験程度では安全性の検証としては本来は十分でない気がします。だったら、世界で広く使われているサノフィ･パスツール社のｗIPVのほうが、安全性についても実証済みとも言えるはずです。


そもそも来年、国産DPT-IPVの導入から“近い時期を目指し”ている単抗原IPVは、サノフィ･パスツール社製になる予定だそうです（国産単抗原IPVも出てくる？？）。要するに、今、個人輸入している医療機関で自費で接種をしている未承認ワクチンが、1年ちょっと待てば定期接種として、費用負担なしに接種できるようになるだろう、ということ。確かに国内の治験等で有効性や安全性を改めて確かめることは大切なんですが・・・。「どうせ同じものなら未承認段階でも、費用を払ってでも、そのワクチンを信用して打つ」という選択ならいいのですが、「ちょっと待てばただで打てるようになるなら、OPVも未承認のIPVも打たずに待とう」という選択（＝打ち控え）をしてしまうお母さんが現実には多いから問題になっているのですよね。だったらｗIPVをもっと早く、DPT-IPVに先んじても承認する手立てはないのものか、そこに多少のリスクが伴うとしても、打ち控えが広がり長引いた際の危険性と天秤にかければ、どちらが本当に危険なのかはそれほど難しい問題ではないと思うのです。


ちなみに、DPT-IPVの導入スケジュールについて中野氏から細かい説明がありましたが、問題はワクチンの供給量。現行のDPTでいうと、年間450万本が必要になります。本当に足りるのか。これについて中野氏は、「アメリカではしばらくIPVとOPVが併用されていました。合計4回の接種のうちIPVを2回先に打っておけば、あと2回はIPVでもワクチンによる麻痺性ポリオのリスクは大幅に低下することが分かっています」と報告しました。またサノフィ・パスツール社の担当者も、「ｗIPVは十分に供給できる」とのことでした。


さて次回は、このワークショップのメインテーマではありませんが、一部言及された同時接種のことを書いてみたいと思います。
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    <title>南相馬市、『攻めの医師募集』プロジェクトの提案</title>
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    <link rel="service.edit" type="application/atom+xml" href="http://lohasmedical.jp/mt/mt-atom.cgi/weblog/blog_id=2/entry_id=2983" title="南相馬市、『攻めの医師募集』プロジェクトの提案" />
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    <published>2012-02-12T01:53:16Z</published>
    <updated>2012-02-12T05:42:40Z</updated>
    
    <summary>亀田総合病院の小松秀樹副院長から標題の文章が寄せられましたので、ご紹介いたします...</summary>
    <author>
        <name>川口恭</name>
        
    </author>
    
    <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://lohasmedical.jp/blog/">
        亀田総合病院の小松秀樹副院長から標題の文章が寄せられましたので、ご紹介いたします。
        <![CDATA[<strong>原発事故による医療従事者の離職</strong>

　福島県南相馬市が含まれる相双医療圏は、従来、医師の少ない地域でした。ウェルネス二次医療圏データベース（厚労省の2010年の「病院報告」のデータに基づく）によると、2010年の 10万人当たりの勤務医数は、全国149人、福島県125人に対し、相双医療圏は87人でした。
　南相馬市の2011年3月11日の人口は7万1559人でしたが、福島第一原発事故の後、居住者が1万人程度まで減少しました。南相馬市の南部、小高区の大半は原発20km圏内の警戒区域に指定され、住民は全員避難しました。この地域の病院・診療所はすべて閉鎖されました。原町区の大半は20-30km圏の屋内退避区域（後の緊急時避難準備区域）に指定されました。その後、西側の山間部は、計画的避難区域に指定され、全住民が避難しました。緊急時避難準備区域では、入院診療が認められなくなり、ほとんどの医療機関で外来診療もストップしました。原発が落ち着くにつれて緊急時避難準備区域に住民が戻りましたが、4万人程度で横ばいになりました。緊急時避難準備区域の指定が解除された後も、2011 年12月段階で、3000人ほどの増加にとどまっています。
　南相馬市全体で、震災前に8病院、38診療所が稼動していましたが、8月23日段階で、2病院、13診療所が閉鎖されました。現在、入院診療を実施しているのは、原町区の3病院と30 km圏外の鹿島区の1病院だけです。震災前の許可病床数は総計で一般病床695床、療養病床276床でしたが、8月12日の実入院患者数は、一般病床188人だけで、居住者数に見合っていません。介護施設の復旧も遅れています。震災前、介護老人福祉施設3、介護老人保健施設2ありましたが、それぞれ1施設になりました。短期入所施設は10施設あったものが、1施設になりました。20-30 km圏の5病院では常勤医師の57％、常勤看護師の55％、その他の職員の42％が離職しました。
　2011年12月現在、実入院患者数が8月に比べて増えたものの、大きな改善はみられていません。逆に、12月いっぱいで人手不足のために閉鎖される医院があります（<a href="http://medg.jp/mt/2011/12/vol341.html" target="_blank">番場さち子「地域医療なくなる不安～南相馬市の現状</a>）。看護師、事務職員がいなくなり、父と娘の二人の医師が、受付、事務、看護師、薬剤師の仕事を兼務していましたが限界になりました。
　2011年12月14日、福島県立医大の整形外科医局が、南相馬市立総合病院の要請に応たえて、2012年1月半ばより、整形外科医1人だけですが、派遣を再開するという情報が入りました。この律儀さは称賛に値します。私は、南相馬市立総合病院の支援者として、整形外科医局には深く感謝します。赴任してくれる医師を見つけるのは、容易ではなかったと想像します。福島県立医大の学長が整形外科医なので、福島県からの医師派遣要請に応えざるを得なかったのだと想像します。しかし、多数の医師が、福島県立医大の医局を離れたため、福島県立医大に頼るだけでは、医師を確保できません。そもそも、福島県立医大の学長には、個別の医局の人事に対する影響力は期待できません。

<strong>坪倉正治医師と高橋亨平南相馬市医師会長</strong>

　震災後、長崎大学、諏訪中央病院など、様々なグループの医師たちが、南相馬市に入って地域の医療を支えました。福島県立医大の医師も、南相馬市立総合病院の当直の一部を引き受けています。
以下、私が良く知っている二人の若い医師の活躍を紹介します。
　坪倉正治医師（29歳）は東京大学出身の6年目の医師です。亀田総合病院で初期研修を受けました。今は東京大学医科学研究所の大学院生で、血液内科医です。2011年4月より相双地区に入り、5月からは南相馬市立総合病院の非常勤医師として、ホールボディーカウンター（WBC）による内部被ばくの検査、小児の尿中セシウム検査、健康診断、放射線被ばくについての健康相談を行ってきました。チェルノブイリ事故後の内部被ばくの状況を調査するために、ウクライナにまで出かけてきました。
南相馬市にWBCを導入するきっかけを作ったのは、南相馬市医師会の高橋亨平会長です。原発事故後、日本中でWBCを探しました。南相馬市が鳥取県からバス式のWBCを借りましたが、測定限界が高く、低線量の内部被ばくを検出できませんでした。南相馬市が、高性能のキャンベラ社製のWBCを購入しようとしたところ、放射線医学総合研究所の規格に合わないとして、販売を断られました。高橋会長は、持ち前の突進力でこれを突破して購入しました。この装置によって、測定限界値が下がり、信頼性の高いデータが得られるようになりました。高橋会長は、この間の経緯について書いた文章を、以下のように締めくくりました。

戦いは終わった。あとは後輩達が、正しい科学的な、世界に恥じない、データと治療法を開発できると信じている。
<a href="http://medg.jp/mt/2011/12/vol343.html　" target="_blank">（「ホールボディ―カウンターとの戦い」）</a>
　ここに書かれた後輩達とは、南相馬市立総合病院の金澤幸夫院長、及川友好副院長と坪倉医師のことです。11月末、私は、高橋会長を訪問しました。進行がんを患っておられ、数日後に入院されるとのことでした。しかし、ライオンのようなごつい顔を嬉しそうにほころばせて、しっかりしたデータが得られたことを喜ばれていました。孫のような年代の坪倉医師のことを、目を細めて誇らしげに語っていました。
　私は、放射線医学総合研究所の「規格」なるものがどのようなものか承知しませんが、これがなければ、南相馬市にもっと早くキャンベラ社のWBCが導入できたはずです。
　この「規格」の詳細と、「規格」ができた経緯、「規格」に則った機器の性能、すなわち、測定限界値、データの精度、一人の検査にかかる時間などを検証する必要があります。
　坪倉医師は、キャンベラ社製WBCを用いて、南相馬市の小児の約半数に内部被ばくが認められるものの、ウクライナに比べて、内部被ばくの程度が極めて軽微であることを明らかにしました（『内部被曝量、子供と成人で減少幅に差』を参照） 。現時点では、被ばくより放射能トラウマによる健康被害が深刻であると見ています。今後の被ばくによる健康被害を防ぐためには、食品検査と内部被ばくの検査の徹底が不可欠であると訴えています。

<strong>原澤慶太郎医師と仮設住宅</strong>

　原澤慶太郎医師（31歳）は慶應義塾大学出身の8年目の医師です。亀田総合病院で初期研修を受け、その後も勤務しています。坪倉医師の2年先輩で、旧知の間柄です。もともと外科医でしたが、思うところがあって、家庭医診療科に専攻を変えました。2011年11月より、亀田総合病院から、南相馬市立総合病院に出向しました。
　原澤医師は、赴任する前に南相馬市の状況を観察して、仮設住宅を担当したいと希望しました。必要な医療サービスが届いていない人たちが多く、家庭医として、貢献できると思ったからです。南相馬市の仮設住宅には12月22日現在、4489人もの被災者が暮らしています。原澤医師は、本格的な冬を前にして、住宅が寒いこと、生活が近接していることから、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの予防接種が必要だと考えました。当初、市役所は、「仮設住宅の集会所での医療行為を認められない」「市としては協力できない」「開業医の先生方に迷惑がかかる」「医師会は許可しないと思う」などと原澤医師の計画に反対しました。ワクチンも不足していました。彼は、自分で動いてワクチンを調達し、前述の高橋南相馬市医師会長に直談判しました。医師会長からは、反対どころか、逆に感謝され、激励されました。
仮設住宅の住民には、ワクチン接種の必要性を説明して回りました。社会福祉協議会、看護師、病院の事務職員などを組織して、予防接種を実現しました。11月26日以後、12月末まで、毎週末、南相馬市内の仮設住宅の集会所で集団接種が行われることになりました。毎回数人の亀田総合病院の医師が、はるばる千葉県からこの活動に参加しました。南相馬市立総合病院のベテラン外科医、根本剛医師が、若い医師の活動に重みを添えました。原澤医師と個人的に知り合った福島県立医大出身の若い医師たちも、入れ替わり立ち替わり、この活動に個人的に参加しました。
　相馬市にも仮設住宅があり、相馬市、南相馬市、浪江町、飯館村の被災者が住んでいます。飯館村からの依頼がきっかけになり、12月11日、12日に相馬市の仮設住宅でも予防接種を行う計画を立てました。ところが、12月6日、相馬市医師会が自分たちで引き受けるとして、強く反対したため、計画が中止になりました。しかし、個人開業の医院を受診した被災者への接種だけでは、仮設住宅で集団接種を実施した場合の接種率には達しません。相馬市医師会は大きな責任を背負いこみました。これは、相馬市医師会が、地域住民のために、今までにない大きな役割を果たすチャンスです。今後の新たな取り組みと成果を期待します。
　相馬市医師会の反対は、別の展開を生みました。仮設住宅には、震災での体験を引きずって立ち直れていない方、運動不足と偏食で体調を崩されている方が大勢います。原澤医師は、予定をキャンセルしないでそのまま人を集め、南相馬市の既に予防接種に訪問した仮設住宅で、戸別訪問活動を展開しました。前回接種できなかったけれども、接種を希望している住民の掘り起こしと、住民の健康聞き取り調査を敢行しました。この日だけで、早急な医療介入が必要な方が数人見つかりました。
　東日本大震災の1カ月後、石巻で、亀田総合病院の小野沢滋医師が中心になって、被害のひどかった地区（元世帯数1万1271世帯）の全戸調査が、300人のボランティアによって行われました（<a href="http://medg.jp/mt/2011/04/vol135.html" target="_blank">「石巻ローラー作戦」</a>）。これにより、何らかの医療を必要とする方が274人見つかりました。原澤医師は、この時の調査票を改変して、新たに調査票を作成しました。これは、今後の、仮設住宅での医療の基礎になります。
　この日の原澤医師の最大の収穫は、看護師からの感謝の言葉だったそうです。このような訪問活動をしたいと思っていても、きっかけがなく、できなかったとのことでした。看護師の中にも、被災者がいます。私が参加した11月26-27日の第1回目の 集団接種で、私と一緒に作業したのは、全員避難した小高区に住んでいた看護師でした。小高区の知人たちとおしゃべりをしながら、作業をしていました。
　今後、仮設住宅の医療・介護のための組織が整えられ、住民の健康を守るためのプロジェクトが計画されるはずです。12月11日、亀田総合病院の初期研修医や福島県内の若い医師たちが、生き生きと働いているのを現地で見て、この国はまだ捨てたものではないとうれしく思いました。

<strong>インセンティブ</strong>

　政府にしても、医局にしても、南相馬市に、むりやり医師を派遣しようとすると、大きな軋轢が生じます。結果として、必要な医師を集めることはできません。集められたとしても、十分に働いてもらえません。しかし、医師のみならず、若い医療従事者の中には、自分が必要とされている地で活躍したいと願っている者が大勢います。2011年11月より、原澤医師と一緒に、亀田総合病院から、大瀬律子作業療法士、山本喜文理学療法士が志願して南相馬市立総合病院に出向しました。他にも10人以上、志願者がいます。
　震災前より、南相馬市の医療には決定的に医師が不足していました。南相馬市立総合病院の許可病床数は、230床でしたが、実際に稼働していたのは、180床でした。震災前の医師数は、常勤医12人、非常勤医9人でした。入院患者100人当たり、常勤医師数6.7人です。これは若い医師からみるとびっくりするほどの少なさです。これで24時間、救急患者を受けると、医師は疲弊します。このまま医師を募集しても、誰も応募しないと思いました。ちなみに入院患者100人当たりの医師数は、国立大学病院53.1人、都道府県立病院23.9人、市町村20.2人、日赤24.6人、厚生連18.4人、国立病院機構13.4人です（国立病院機構以外については、厚労省の平成20年の「病院報告」による。国立病院機構については、平成21年度患者数、と平成22年1月1日現在の職員数より算出）。私の勤務する亀田総合病院は47.0人（2011年4月1日）です。6.7人では、提供できる医療の質が違ってきます。せめて20人程度にはする必要があります。
　亀田総合病院からの出向だけでは、到底この地域の医療は再建できません。亀田総合病院も、長期間、支援できるわけではありません。この地域で医療提供サービスを継続するには、どうしても、地域の病院が自立する必要があります。
　実は、日本最大の医師の人事システムである医局制度が、時代に合わなくなっています。医局に所属する医師がすべて、医局に適応できているわけではありません。多くの医師が、医局講座制の中でキャリアを積んでいくことに、閉塞感を持っています。医局に適応できない医師の方が、しばしば、自立的で活動的です。この状況と個々の医師のインセンティブが合わされば、医師を集められる可能性があります。
　医局になじめない医師に、医局と異なる性質の人事システムを示して、医局を離れても、きちんとした卒後教育が受けられること、能力次第で、立派なキャリア形成が可能であること、被災地で活躍することが、キャリア形成のための勲章になることを理解してもらうことができれば、医師を被災地に集めることができます。坪倉医師や原澤医師は、若い医師の新しいロールモデルになりつつあります。彼らの活動が伝説になれば、日本の若い医師の行動が変容し、医療は大きく変わります。
　従来の医学部では、臨床の教室であっても、臨床より基礎研究が一段上だとみなされてきました。多くは生物学的手法を用いた研究でした。医療を進歩させるのに研究が重要であることは間違いありませんが、臨床医にとって、目の前の患者に医療を提供することはもっと重要です。さらに、一人の個人が、基礎研究と臨床を両立させることは不可能です。研究上の業績で臨床現場の地位が決められるとすれば、弊害がでてきます。そもそも、二流以下の研究にはほとんど価値がありません。しかも、臨床の教室で、一流の研究成果を出すところは稀なのです。

<strong>攻めの医師募集</strong>

　2011年9月、私は、亀田総合病院の亀田信介院長と共に、南相馬市を訪問しました。桜井延勝南相馬市長に、南相馬市への医療支援を依頼されました。南相馬市立総合病院の金澤幸夫院長は、特に、二次救急を充実させたいと述べられました。10月、私は南相馬市立総合病院が、医師30人を一度に募集する『攻めの医師募集案』を提案しました。人数を入れたのは、入院患者100人当たりの常勤医師数を6.7人から、20人にしたいと思っていることを、応募者にも分かってもらうようにするためです。趣意書では、具体的ミッションを明確にしました。

ミッション
１．被災者の健康管理 
仮設住宅の住民4500名が、健康を保ち、気持ちよく生活できるよう対応します。地域住民の被曝について、健診と健康相談を行います。
２．高齢化社会のまちづくり
高齢化社会のまちづくりに医療・介護の視点が欠かせません。医師の立場でまちづくりに関わりましょう。
３．南相馬市の医療再建
南相馬市の医療・福祉、具体的には、二次救急、入院診療、介護を再建します。
４．雇用確保
被災地の最大の課題は雇用です。医師が普通に働けば医業収益は年間1億円。1人の医師の活動で、病院に5～6名の直接雇用が生じます。第二次的波及効果もあり、医師として活動するだけで被災地に多くの雇用をもたらします。

　金澤院長は、まず、福島県-福島県立医大の支援を求めて、十分な支援が得られないときに、この計画を実施したいと表明されました。
　『攻めの医師募集案』が目指す価値は、大学で重視されてきた価値とは異なります。社会が最も必要としている医療サービスが何かを認識して、それを上手に提供することが重要なのです。このための組織作りも、医師の責務になります。南相馬市では、臓器ごとの専門家も必要ですが、現時点で、必要度が高いのは、救急医、総合診療医、家庭医だろうと思います。従来の大学医学部では、報われることが少なかった診療科です。
　今後30年間の日本最大の問題は高齢化です。高齢者人口が急速に増加し続ける一方で、若い働き手が減少し続けます。従来の医学部の持っている専門医重視のコンセプトと組織体制では、必要な医療を提供できなくなります。医師のキャリアパス、医局制度なども、社会の要請に従って、変えていかなければなりません。南相馬市は日本の高齢化に伴う医療・介護問題の最先進地域になります。南相馬市の医療から、日本の医療の新しい形が提示されるかもしれません。
　私の友人には、個人として影響力のある尊敬すべき医師がたくさんいます。こうした有名な医師に、プロジェクトの協力医師として、若い医師のキャリア形成の相談役になってもらうことを了承してもらいました。
　亀田隆明氏は、亀田総合病院を経営する医療法人鉄蕉会の理事長であり、日本を代表する病院経営者です。河北総合病院の経営者である河北博文氏は、深い教養と高い理想で日本の病院経営者に大きな影響力を持っています。久住英二氏は、立川で日本最初の駅中クリニックを成功させ、医療へのアクセスに革命をもたらしました。東大の国際保健の渋谷健司氏はランセット（世界最高峰の臨床医学雑誌）の日本特集を編集しました。谷口修一氏は、血液の移植医療の第一人者です。原発労働者の大量被ばく事故に備えて、末梢血幹細胞を採取保存するプロジェクト（谷口プロジェクト）を提唱・推進しています。土屋了介氏は、国立がんセンター病院の院長として、日本のがん医療を主導し、がんセンターの改革を推進しました。寺野彰氏は、学校法人獨協学園理事長、卓越した消化器内科医、弁護士と多彩な顔を持ちます。獨協学園傘下の獨協医科大学は、福島県二本松市に分室を設けて、内部被ばく検査など、被災地支援活動を行っています。常盤峻士氏は、いわき市を中心に医療機関や介護施設を経営しています。震災では強力な指導力で、透析患者の大移送作戦、老健疎開作戦を成功させました。中村祐輔氏は、日本を代表するゲノム研究者で、内閣官房医療イノベーション室長を務めました。野田哲夫氏は日本のがん研究の第一人者です。松本慎一氏は膵島移植の世界的権威です。武藤真祐氏は、震災後、東京から石巻に入り、在宅医療施設を、仮設住宅に隣接したところに新設しました。目黒泰一郎氏は、臨床に主眼を置いた医学部を東北に新設しようとしています。
　医師の研修に関しては、ノウハウを持つ亀田総合病院が協力できます。他にも喜んで協力してくれる病院はあるはずです。
　時代の要請に沿った提案なので、3人集めるより30人、30人より300人集める方が簡単かもしれません。
　この計画を聞いて、首都圏と関東の大学の現役の准教授が2人、現在のポジションを離れて、相双地区で活動してくれることになりました。他に、都内の名門病院の部長も戦列に加わりそうです。原澤医師の個人的働きかけで、1月17日より、大阪の澤病院から精神科の医師と看護師が、南相馬市立総合病院に出向していただけることになりました。
　12月17日、桜井市長は、この計画を進めることを決断しました。
　計画の実施については、懸念があります。計画をスムースに進めるために、敢えて書くことにしました。そもそも、提案から2カ月以上、私から見ると無為に時間が経過しました。亀田総合病院からの出向に関わる南相馬市の事務処理の遅さが、亀田側で話題になりました。事務処理が進められているのかどうかも伝わってきません。南相馬市役所の動きは、普通の社会人から見ると誠実性が疑われるレベルです。本来、南相馬市にとって必要な人材なら、礼を尽くして、市が赴任を望んでいることを、本人に伝わるようにしなければなりません。市役所の職員は、地域社会が崩壊の危機にあること、日本の医師が、自治体病院全般に対し、必ずしもよい印象を持っていないことを自覚すべきです。『攻めの医師募集』でどの程度医師を集められるのか分かりませんが、医師のインセンティブを扱うのに、従来のお役所仕事そのままで対応すれば、到底うまくいくとは思えません。
　私は、桜井市長に、南相馬市立総合病院で採用できる医師数の上限を決め、詳細については、すべて、金澤院長に一任することを求めました。市長はこれに同意しました。市長は、南相馬市役所が復興の障害にならないよう、人事権でも処分権でも使えるものは何でも使って、指導力を発揮しなければなりません。市役所の職員が、市長の方針を合理的理由なしに無視することは、制度上許されることではありません。
　<a href="http://www.kameda.com/fukkou/reconstruction/index.html" target="_blank">プロジェクトが2月初めにスタートしました。</a>具体的には、<a href="http://www.city.minamisoma.lg.jp/sogohp/sogohp.jsp" target="_blank">南相馬市立総合病院</a>と<a href="http://bb.soma.or.jp/~onoda-hp/" target="_blank">小野田病院</a>が医師を募集いたします。応募される方は、病院と直接交渉してください。南相馬市医療再建会議、協力医師、亀田総合病院は応援団であり、採用事務には一切かかわりません。採用された医師は、希望すれば外部の医師とキャリア形成について相談できます。ただし、キャリア形成は基本的に本人の責任で行われるものです。従来の医局のように職を保証するものではありません。

<strong>臨床研修病院</strong>

　『攻めの医師募集案』は、最終解決策ではなく、次のステップへの準備です。この地域で継続して質の高い医療を提供するためには、魅力的な臨床研修病院を作らなければなりません。日本で評価されている有名病院の多くは、医師の教育制度を充実させ、自前で医師を育成しています。地方の中規模の病院でも、元気がよいのは、自前で医師を育てている病院だけです。
　福島県立医大もこの際、理念を見直し、医局の在り方を再検討して、上手に協力すれば良いと思います。キーポイントは、医局の排他性をいかにコントロールするかです。参入障壁にならないようにするにはどうすればよいのか、本気で考える必要があります。時代に逆らって旧体制を温存しようとすると、ますます医師は離れます。
　臨床研修病院を作る上での問題は、南相馬市の人口では、高い水準の臨床研修病院を維持することが難しいことです。本格的な病院を支えるためには、相当な人口と資金が必要です。この地域の自治体が協力して病院を集約する必要があります。とりあえず、既存の病院の建物はそのままでも、機能的に統合させる必要があります。臨床研修病院のサイズは、南相馬市、相馬市単独では支えきれません。共同で病院を持つとしても、臨床研修病院としては最小クラスにしかなりません。魅力的な臨床研修病院が作れなければ、この地域の医療サービスは現在よりさらに縮小します。
　原発事故直後に、近隣自治体の個々の住民にどの程度の被ばくがあったのか具体的なデータはありません。しかし、現在の南相馬市立総合病院北側の外部線量は、毎時、0.5マイクロシーベルトと比較的低値です。食品検査の徹底で内部被ばくを防止できれば、今後、健康に問題が生じるような新たな被ばくは生じないと思います。食品検査の徹底は、市役所がその気になれば、難しいことではありません。
　南相馬市の大半は、立ち入りを禁止されているわけではありません。ここに残って地域社会を守ろうとしている人たちがいます。地域外に避難したものの、生活のために、戻らざるをえない人たちがいます。この人たちが生活していくためには、医療サービスの継続的提供は必要不可欠なのです。
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    <title>予防接種部会を傍聴　あくまで感想ですが。</title>
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    <published>2012-01-28T09:33:14Z</published>
    <updated>2012-01-28T08:12:08Z</updated>
    
    <summary>厚労省,予防接種部会,予防接種,ワクチン,日本版ACIP,制度,導入,定期接種,任意接種,予防接種法,ロタ,インフルエンザ,ヒブ,小児肺炎,ムンプス,おたふくかぜ,水痘,水疱瘡,子宮頸がん,B型肝炎,補償,副反応,副作用,</summary>
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        <name>堀米香奈子</name>
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        <![CDATA[1月27日、厚労省で第20回予防接種部会が開催されました。厚労省の資料は<a href="http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000021b99.html" target="_blank">こちら</a>。


予防接種部会は、正式名称を「厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会」（画数多すぎ！）と言って、第1回目が開かれたのは2009年12月。それから2～3ヶ月おきに開催されているようです。私は昨年からの<a href="http://lohasmedical.jp/blog/2011/09/1_9.php" target="_blank">「ポリオ不活化ワクチン検討会」</a>が傍聴デビューなので、予防接種部会のほうは今回が初傍聴。ただ、ポリオの生ワクチンに関する議論を通じて、日本の予防接種行政のあり方に対する「？？」が、私の中でぼんやりと、でも次第に大きくなりつつあることもあって、これはどうやら度々引き合いに出される予防接種部会のほうも確かめておく必要がありそうだぞ、と思った次第です。

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朝10時、厚労省の会議室。雰囲気は、ポリオの検討会と大きく変わりません。前3分の2のスペースに机と椅子がロの字形に並べられ、真正面に座長の加藤達夫氏（独立行政法人国立成育医療研究センター総長）が着席。その両脇には、ポリオの検討会でいつも座長として真正面に座っておられる岡部信彦氏（国立感染症研究所感染症情報センター長）と倉田毅氏（国際医療福祉大学塩谷病院教授）。お三方とも、子供の予防接種などでは当然お目にかかれない偉い方々です。そして両サイドの机には8人ずつくらい委員の方々が座り、手前側には厚労省の健康局長や結核感染課長ほか事務局の方々がずらずらっと並んで座っています。委員のなかには、これまたポリオ検討会でおなじみの保坂シゲリ氏（医師会常任理事）も見られました。


この予防接種部会、議題は、リンクを張った資料にもあるように【予防接種制度の見直しの方向性についての検討案について】となっています。で、何が主として話し合われているのかというと、


①「予防接種法上」の疾病区分。予防接種の対象となる病気を2大まかに種類に分ける方法。１類と２類があって、１類は主に集団感染予防目的、２類は主に個人予防目的でそれぞれ予防接種する病気とされて、要するに、１類は定期接種に、２類は任意接種に分けられることになるようです。（しかし、この疾病はどっちに入れるべきだとか、子供と成人で違う扱いにすべきだとか、結局はそれが万が一の補償問題と直結するので、線引きが難しいようです。）


②日本版ACIPの設立に向けたあれこれ。ACIPとは言わずに「予防接種に関する評価・検討組織」と、とりあえず呼ばれて議論されています。そもそもの発端は、日本には【予防接種思索全般について中長期的な視点から恒常的に評価・検討する組織がない】ことや、その会議の【公開性・透明性・多様性】と、科学的知見を収集して準備する【充実した事務局体制】を確保したい、というところから出てきたもののようです。（ただ、その目的と機能が現段階でもまだ煮詰まっていなくて、突然そうした根本的な議論に戻るなどしてびっくりしました。）


加藤座長の司会で会が進行し、主に最初に配布された資料の内容を結核感染症課長が説明していったのですが、雰囲気はやはりポリオ検討会と大きくは違いませんでした。特に加藤座長は律儀な司会進行で、「今日この場で話すべきこと」と「そうでないこと」の線引きを早い時点で見極めて、資料の内容から議論がそれそうになるや否や、軌道修正を図ります（黒岩神奈川県知事が委員だった当時、ずいぶん座長とやりあったという噂も聞きましたが、それも「なるほどなあ」と想像に難くないところ）。ですから、細かい議論については、厚労省の資料をご覧いただければ、そこから大きく外れたことは特にありませんでした。


というわけで、ここでは個人的な感想を書きとめておきたいと思います。


まずとにかく驚いたのは、加藤座長によればこれまで20回にわたって、上記の議題を延々と話し合い続けてきたらしいという事実。もちろん、細かな論点は移り変わってきているに違いありませんが、2009年12月以来、2年以上かけて正直｢え、まだここの議論｣という印象です。


しかも上記①の疾病区分については、【7つの疾病】について検討されているのですが、細かい議論をしているうちに、このほど新たにロタウイルスのワクチンが2種類承認され、流通しはじめることとなりました。すでに一部の自治体では助成まで行われ始めているようです。


それなのに今回の予防接種部会では、ロタは、「上記①の分類に入るかどうか」という議論までも到底たどりついていません。それどころか、スタートラインに向かうために腰を上げたばかりです。つまり、「ロタウイルスワクチンを予防接種法上の対象とするかどうかを決めるため、その評価をしなければならないが、その評価をどう行っていくか」という今後の流れの提案が今回行われました。提案内容は、【年央を目途として】客観的事項の資料を作成し⇒【年内を目途として】専門家の作業チームを設置して【予防接種法の対象とするかどうか等についての考え方を整理し、予防接種部会に報告する】、というもの。そこまでに今から1年近くかかって、そこからようやく予防接種部会にもってきて一応テーブルに乗せられる、いったいロタウイルスワクチンの法的扱いが決まるのはいつになることやら、です。（予防接種部会は評価・検討組織に置き換えらることでなくなるそうですから、この調子で行ったら、評価・検討組織そのものも設置まで何年かけるつもりなんだろう、ということですよね・・・。）


しかし、資料にも、【国立感染症研究所の調査によると、乳幼児の感染性胃腸炎の20％程度がロタウイルスによるもの】と考えられるとあります（一部異論もありましたが）。【ノロウイルスに比べると重症度は高い】ともあります。これをこの先1年、2年、あるいは任意接種となってしまえば結果的には先々まで、予防手立てがあるのに放っておくことになれば、いろいろな意味で損失が大きくないでしょうか。赤ちゃんの健康を損うことはもちろん、医療費もかかりますし、看病する親も最低でも数日は仕事を休むことになるでしょう。接した他の子供にうつれば（あっという間に広がりますよね）、そうした損失も何倍にも膨らみます。


それに続く上記②の評価・検討組織の議論も、どうも悠長な印象が否めませんでした。例えば、評価・検討組織の役割は【研究開発振興】【生産・流通】【予防接種事業】ということを前提に今回の部会の資料が用意されていたのですが、【安全対策・監視指導（市販後のワクチンの安全性・有効性の評価）】が役割外とされていることについて異論が出たり、「予防接種行政全体の方針を束ねる作戦本部のような組織はないのか」といった意見が出たりして、それぞれの意見は確かに理にかなっているのですが、「20回目の会議で議論することかしら」と思わずにいられませんでした。


そして何より、評価・検討組織がもともと目指していたであろう米国のACIP（Advisory Committee on Immunization Practices；ワクチン接種に関する諮問委員会）の特長が、提示された組織案を見ていると結局は失われそうな気がしてきました。特に日本の現在の予防接種行政のあり方に比べてACIPの存在がよしとされたのは、その専門性と独立性ではなかったでしょうか。なかでも後者の独立性については、各方面の専門家プラス消費者代表1名を中心としたACIP 会議での決議が事実上の決定事項となります。会議に会議を重ねた挙句、厚労省の巧みな取りまとめや政治家の茶々によって骨抜きになる、なんてことがないように誰でも傍聴し、発言し、インターネットでそれらが公開されるという公開性と・透明性で、それが担保されています。確かに提案された評価・検討組織でも同じようなやり方で公開性・透明性を確保しようという姿勢は分かるのですが、それが独立性の確保にどこまで“実質的に”貢献できるのか、怪しいものだと思ってしまいました。


というのも資料にもあるように、新しい評価・検討組織では、その事務局の中に【国立感染症研究所】も参加が見込まれているのです。その点については感染研の岡部氏から異論が出ましたが、健康局長も「研究員の方が事務局に入っていただくからといって、その派遣元の長となる方はやはり個人としては有識者ですから、同時に委員を務めることは問題ない」といった趣旨のことを発言※。わかったような、わからないような理屈です。いずれにしても新たに設置される評価・検討組織でも事務局が、現在の予防接種部会と変わらず、あるいはもっとしっかりしたシナリオを作成して、それに沿って淡々と議事が進んで行く光景が眼に浮かんでしまいました。公開性・透明性を高めても、もともとの議論がその様子では、出てくるものは今と変わらないですよね。しかも今回の予防接種部会での委員の様々な発言に対する加藤座長のとりなし方を見ていると、傍聴者の発言もどうせ「伺いました」で片付けられて終わりそうなのです。形式的には独立性が保たれているように見えても、議論の中身がそもそもどうなるのか、ちょっと怪しいものです。


※この直前に、健康局長から「感染研も毎年、行革で人がどんどん減って行くという状況の中で、それを点数を使って押し上げるみたいな形でなくて、やはり新しいところへ打って出るために、結核感染症課なるものを重視しなければいけない、と。そういった拡充というか、心構えの中で、感染研の研究者あるいは一部事務の職員も拡大する組織の中で（事務局として）入っていただいて・・・（後略）」という発言がありました。行政に疎い私にはますます「？？」な説明でした。とりあえず日本版ACIP設立の本来の目的とは関係のないところまでも腐心されているんだということは理解しました。


ちなみに、米国のACIPでは委員には「消費者代表」が入っているのですが、評価・検討組織の案ではその文字はなく、かわりに現行の予防接種部会と同じく【メディア】とあります。メディアが予防接種のあり方を決める国が設置した組織の中に委員として入ってしまうのです。これまでの議論はわかりませんが、今回、その点をおかしいと指摘する委員はいませんでした。


ということで、総じて、今の予防接種部会とこれからつくろうとしている評価・検討委員会（本来は日本版ACIPを目指しているorいたはずのもの）の違いがあまり感じられない議論だったなあと正直思います。新しい組織を作ると決めたから、今ある予防接種行政とある程度整合するように形作っている、というようにも見えて、そもそものACIPの目的やあり方についての意識が薄れてしまっているような・・・。上でも少し触れましたが、こうした議論があと1年といわずもっと、２～３ヶ月おきに、何年も続いていくようです。ワクチンの開発競争や、あとからあとから押し寄せる患者さんと格闘する医療現場、そして子供たちと日々精一杯向き合っているお母さんたちとは、やはりスピード感覚が全然違うということを再確認。意外なことは、やっぱり特になかったです。

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