ロハス・メディカルvol.113(2015年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年2月号です。


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れら臭い情報と味覚情報が一緒になったものを脳が記憶しているので、鼻から入って来る臭いをシャットアウトするだけで、脳の記憶と異なってしまい、何を食べたのか分からなくなってしまうのです。 さて、ここまででも、口ではなく鼻で空気を取り込むメリットお分かりでしょう。しかし、誰でも容易に気づくことなのに鼻呼吸を意識していた人は少ないと思います。鼻のことは義務教育でほとんど学習しないので、鼻の仕組みと健康とを結び付けて改めて考える機会をなかなか持てないのです。このコーナーでは、当たり前のことを再確認して健康増進に役立てていただきたいです。 最後に、教えてもらわないと気づかないことを書きます。 体温が一定に保たれているように、私たちの体の中は最適な状態に維持されて生命活動を行っています。呼吸というのは体の外と内とをダイレクトにつなげる行為ですから、最適な状態を乱さないように呼吸しなければなりません。 もし、凍えるような寒い朝に、冷たい空気をそのまま肺に届けたら、体の中が急に冷えてしまいます。また余りにも乾燥している空気だと、体の湿度に影響を及ぼします。そこで、外の空気が体内環境に影響を与えないよう鼻の中を経由している間に温度と湿度を調整しているのです。鼻の中には毛細血管がたくさん集まっていて、例えば冷たい空気を取り入れる場合は、毛細血管を広げることで冷たさを緩和させています。ちなみに鼻にはたくさんの毛細血管が集まっているため、鼻の粘膜を傷つけると鼻血も出やすいのです。 また、体の外に空気を出す時も、体から熱がどんどん逃げてしまわないよう鼻を経由させることで体の熱を奪わないようにしています。つまり、鼻は瞬間温度湿度調節器であり、異なる環境の体の外と内を無理なくつないでいるのです。口には残念ながらこの機能がなく、鼻呼吸をする意義は、人間が本来持っている温度湿度の調節機能を活用することにあったのです。 私たちは新機能を持った便利な健康グッズばかりに目が行ってしまいがちですが、本来備わっている大切な機能が十分に活用されているかどうかを見直すことも、健康増進を考える上で大切です。LOHASMEDICALVIEW温度湿度の瞬間調節 毎回、本文と関係のある絵本をご紹介していきます。 発刊が古くても解説がわかりやすい本がたくさんあります。また図書館にしかない本もご紹介いたしますので、ぜひお近くの図書館にお出かけください。長沼毅監修ほるぷ出版 2014年カムカムズ文 ささめやゆき絵PHP研究所 2004年ポール・シャワーズ文ポール・ガルドーン絵福音館書店 1969年大人にもオススメ子ども向け絵本長沼毅の世界は理科でできている人体からだこころげんきかぐかぐたのしいかがくあなたのはな3ROBUSTHEALTH


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