ロハス・メディカルvol.113(2015年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年2月号です。


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おおにし・むつこ●医学博士。東京女子医科大学卒業。国立がんセンター、東京大学を経て2007年4月からボストンにて基礎研究に従事。LOHASMEDICALVIEWます。 むしろ、ここ数年の研究では、コーヒー摂取によって、2型糖尿病やパーキンソン病、肝臓がん、肝硬変が予防されるのではないかとの発表がされてきています。ダム教授らの研究でも、定期的にコーヒーを飲む人は、滅多にコーヒーを飲まない人に比べて心血管疾患による死亡のリスクがやや低くなりました。 ただし、この分野の研究は、まだまだデータが不足しています。今の段階では、コーヒーが好きではないのに無理して飲むようなことは勧められません。 コーヒーにはカフェインをはじめとする様々な生理活性物質が含まれていますので、飲めば体に変化が起きることは間違いありません。問題は、それが一過性のものか、元に戻らないほど大きな変化になるかということです。 カフェインを日常的には摂取していない人がカフェインを摂取すると、血圧が上昇すると知られています。ただし、摂取から1週間以内に、血圧の顕著な上昇は消えます。数週間にわたって継続的にカフェインを摂取した場合には、血圧の上昇が少し残る場合もあります。 なので、コーヒー好きの高血圧の人は、カフェインなしのコーヒーで血圧に良い影響があるかどうか試してみることをお勧めします。 糖尿病に関しては、パラドックス(逆説的)といえます。多くの研究で、カフェイン入り、カフェインなし、どちらのコーヒーを多く飲む人も、2型糖尿病のリスクが低いと報告されています。ところが急性期(症状が比較的激しい時期)は、カフェイン入りでもなしでもコーヒーを飲んだ後にブドウ糖を多く含む食品ーヒーは体に悪い、と聞いたことがある方、いらっしゃるのではないでしょうか。 過去の研究で、コーヒーがある種のがんや心臓病のリスクを増加させるという報告があり、喫煙や飲酒と同様の不健康な習慣というイメージをまとっていたからです。 しかし最近になって、ハーバード大学栄養学科のロブ・ヴァン・ダム教授らが、約13万人の健康な男性と女性のボランティアを対象に調査したところ、がんや心血管疾患などあらゆる原因による死亡のリスクと、コーヒーには関係がないという結果となりました。 コーヒーが濡れ衣を着せられていた背景として、コーヒーを飲む人の中に喫煙者や運動不足の人、栄養のバランスに欠けている人が多く、特に初期段階の研究で、それらライフスタイルの因子を除外できなかったことが影響していコ第29回毎日のコーヒー毒ではなさそう内科医(ボストン在住)大西睦子血圧には影響?糖尿病は逆説的LOHASMEDICAL


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