ロハス・メディカルvol.113(2015年2月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年2月号です。


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第24回するのは費用が高くつきますので、病院にとっても合理的です。友人の話では、地球のほぼ反対のインドにいる医師が夜中の読影を行っている病院もあるそうです。 また例えば、皮膚所見。気になった皮膚の画像(ほくろ、隔診療という言葉を聞いたことが、ありますか? インターネット技術を使い、医師がその場にいなくても診断や治療をする新しい診療の形を指します。米国では、その活用がどんどん進んでいます。 例えば、画像診断。私が研れるように、遠隔診療は患者・医師双方にとって利便性が高いうえ、トータルで見れば費用は安く済む可能性があります。今までの研究によれば、少なくとも遠隔診療の質が通常の診療と比べて悪いということはなさそうです。使用する機材の質は上がり、値段は安くなっていきますから、まず間違いなく、遠隔診療は今後も拡大を続けるでしょう。政府や大手の保険会社から保険償還が認められるのも時間の問題のように思えます。 遠隔診療は、日本でも離島診療や在宅診療などへの応用に期待が持たれ、注目を集めてきています。もちろん、医師と患者が対面する通常の診療がなくなるわけではありません。しかし、医者という貴重な医療資源は今後さらに不足し、それをどう効率的に活用するかがより問われるようになるでしょう。遠隔診療は、その解決策の一つになり得るかもしれません。2007年東京大学医学部卒業。沖縄県立中部病院での初期研修を終え、2009年から米国ニューヨークの病院で内科研修。2012年からメイヨ―で予防医学フェロー。反田篤志できものなど)をスマホで何枚か撮影して送ります。すると、2日以内に皮膚科医がその画像を見て、コメントをくれます。診断がつく場合もあれば、皮膚科クリニックに行くよう勧められる場合もあります。このようなサービスを提供する会社が既にあります。 インターネットを通じて映像を共有し、遠隔診療することも始まっています。例えば看護師しかいないクリニックで、テレビ電話上で医師と話しながら、看護師が胸に当てる聴診器の音や、耳鏡の鼓膜画像がライブで共有され、医師が診断を下し処方してくれます。地域によっては、循環器内科、神経内科など専門性の高い医師がいない場合もありますが、この技術を使えば、そういった専門科にも簡便にかかることができます。 メイヨーでも、一度受診してもらった患者さんに、検査結果の確認などのフォローアップをテレビ電話で提供することがあります。遠くから受診した方の場合、再診のため戻ってくることが困難だからです。 これらのサービスは必ずしも保険でカバーされず、まだまだ主流とは言えません。また、遠隔使用できる機材は高価なものが多く、初期投資がかかることも事実です。とはいえ、特に皮膚科の例に見ら修したNYの病院では、夜間撮影されたCTなどの画像データはイスラエルに転送され、そこにいる放射線科医が読影していました。イスラエルは、NYと比べて7時間ほど早く、NYの真夜中が朝になるのです。夜中に仕事をしたい人はあまり多くありませんし、24時間体制で放射線科医を配置発展する遠隔診療効率良く資源活用遠LOHASMEDICALVOICE30LOHASMEDICAL


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