ロハス・メディカルvol.115(2015年4月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年4月号です。


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2月のシンポジウムには約140人が参加した。詳しくは、WEB(HTTP://NPOKSB.ORG/)を。メールでの問い合わせは、INFO@NPOKSB.ORG まで。LOHASMEDICALVIEW療者は患者の気持ちを汲み取ろうとしているんですが、患者が求めることと必ずしもマッチしていないこともあると思います。双方が協力して、より良い医療は何なのかを考える必要があり、患者側が話すプロだったら貢献できると思います」 単なる貢献だけには、留まらないかもしれません。 事務局長を務める宿野部武志さんは、3歳で発症した慢性腎炎をきっかけに18歳から人工透析を受け、腎細胞がんの切除手術も経験しています。ペイシェントフッドという会社の経営者で、『ロハス・メディカル』誌でも2011年にコラムを連載していただいていました。 「患者スピーカーが、これまでの『患者の語り』『講演者』と違うのは、ただ自分のつらかった体験を分かち合うというのではなく、研修によ2月にシンポジウム この患者スピーカーバンクが、2月1日に東京・文京区でシンポジウムを開催しました。 約140人の参加者を前に3人のスピーカーが、通常は30∼40分のものを15分ほどに圧縮して講演。その後で、外部の「協力者」4人と鈴木理事長によるパネルディスカッション(写真はその模様)、参加者全員でワークショップというプログラムでした。このパネルディスカッションの中で出た声が、患者スピーカーバンクの活動のユニークさを端的に表現できていたので、最後にご紹介します。3人の講演を聴いての感想中島久美子氏(読売新聞医療部記者) 記者のようなプロの聴き手を介在させなくても、強いメッセージを出せている。佐久間りか氏(認定NPO「健康と病の語りディペックス・ジャパン」事務局長) 具体的な体験の中にいかにメッセージを織り込めるか。よく整理されていて、短い時間で分かりやすく伝達できている。なぜスピーカーに講演を頼むのか古屋幸人氏(第一三共労働組合中央書記長) 入社4年目の社員向けの研修にお呼びしている。入社の時には、自分たちのことを医療従事者と思い、医療や患者さんに貢献したいと考えているのだけれど、仕事に慣れてくるにしたがって、心の奥の方、下の方へ行ってしまう。それを思い出してもらえる。坂口眞弓氏(浅草薬剤師会会長) 薬剤師業務へのバッシングがある。ただ薬を調剤して渡しているだけじゃないかとか、毎回同じことしか言ってないじゃないかとか。そんな中で、患者と良いコミュニケーションを取るきっかけとなる気づきを得られる。って無意識化にあった記憶や想いを掘り起こし、聴く人の心に響くメッセージに変える技術なども学ぶことです。研修で、これまでつらいマイナスの記憶でしかなかった闘病体験が、実はプラスにもなるということを実感し、感動して涙を流された方を何人も見てきました。この活動は、医療や社会へプラスになると同時に、スピーカー自身へもプラスであることを確信しています」と言います。LOHASMEDICAL


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