ロハス・メディカルvol.116(2015年5月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年5月号です。


>> P.6

これらの他、乳がん手術後の腕や子宮がん手術後の脚に生じるむくみ(リンパ浮腫)については、「リンパ浮腫指導管理料」や「弾性着衣等に係る療養費」で算定対象疾患がんに関する治療内容(実施済もしくは予定)実施されるリハビリ食道がん、肺がん、縦隔腫瘍、胃がん、肝臓がん、胆のうがん、大腸がん、膵臓がん手術特別な呼吸法や痰たんの排出などについて、術前からの訓練等舌がん、口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、その他頸部リンパ節郭かくせい清(切除)が必要ながん手術または放射線治療術前・術後の発声・代用音声訓練や嚥下訓練、肩・肩こう骨等の運動障害に対するリハビリ等乳がんリンパ節郭清を伴う乳房切除術生活指導および肩関節の可動域訓練、リンパ浮腫予防指導骨軟部腫瘍、がんの骨転移患部に対する手術、化学療法または放射線治療義肢や装具を用いた訓練、杖や歩行器による免荷歩行訓練、骨に負担をかけない生活指導原発性脳腫瘍または転移性脳腫瘍手術または放射線治療高次脳機能障害・嚥下障害・手足の麻痺等に対するリハビリ血液腫瘍化学療法または造血幹細胞移植全身筋力・体力・QOL・精神心理面の向上や副作用軽減をねらった身体訓練等化学療法が予定されているがん患者骨髄抑制(免疫低下)を引き起こしうる化学療法全身筋力・体力・QOL・精神心理面の向上や副作用軽減をねらった身体訓練等在宅で緩和ケア目的の治療を行っている進行がん、末期がん症状増悪により在宅復帰目的の一時的な入院とリハビリ杖・歩行器や自助具の活用、動作のコツの習得、適度な運動、栄養摂取方法の工夫、症状(疼痛・呼吸苦・むくみ・倦怠感など)緩和、自宅復帰にあたっての環境調整患者中心のチーム医療の変化に沿って、メニューを臨機応変に変えていく必要があります。 がん種を問わず、治療の副作用により中断を余儀なくされることもありますし、悪液質(がんの進行による体重減少・全身衰弱の状態)から生じる身体障害にも左右されます。抗がん剤や放射線の治療で長く安静を要したために、筋力や体力、機能などが思った以上に低下してしまった、ということも珍しくありません。 そのため、リハビリ科専門医や理学療法士、作業療法士、言語聴覚士らのリハビリ療法士が、治療を担当する医師や看護師とチームを組み、常に情報共有しながら指導に当たります。スタッフが揃っていないと充分にできません。 がんリハビリは、先進地の米国で、既に30年以上の歴史を持ちます。対して日本で本格的に始まったのは21世紀に入ってから。リハビリ科を擁する初めての高度がん専門医療機関として静岡県立静岡がんセンターが2002年に誕生してからのことです。 辻准教授は、同センターの開設準備から参画し、リハビリテーション科部長としてチーム医療を率いました。「それまでは、どの高度がん専門んのリハビリは、患者一人ひとりの病状やそが基本法と保険収載普及の追い風にがん患者リハビリテーション料における対象疾患と実施されるリハビリの内容(入院患者対象)6LOHASMEDICAL


<< | < | > | >>