ロハス・メディカルvol.119(2015年8月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2015年8月号です。


>> P.6

第23回は、有識者や行政が色々と例示してはいますが、今のところ定かではありません。 大変に良い話のように感じると思います。このため、厚生労働省から方針が示されると、特に反対する勢力も現れず、具体的にどう立ち回ったらよいのかという模索が一斉に始まりました。ちなみに、「地域包括ケア」が政府の公式文書に初めて登場したのは、私が調べた範囲では2003年前後です。古くから議論されていたものではないのです。どちらかといえば、色々な地域で医療・介護・福祉関係者と住民が独自に展開していた 医療や介護や福祉の業界の人たちにとって、「地域包括ケア」が非常にホットな話題であることを知っているでしょうか。というか、そもそも多くの方は「地域包括ケア」という言葉を知っているのでしょうか。 改めて言葉の意味を説明しますと、高齢者が「介護が必要になっても、住み慣れた地域で最期までその人らしい生活を送る」ため、病院や施設に入るのではなく、できる限り自宅で過ごし、自宅周辺の医療・介護従事者が連携してサービスを提供していくことを指しています。具体的な形「地域包括」的活動を、行政が「つまみ食い」したと言えるかもしれません。 いずれにしても、医療・介護・福祉業界にとっては、今後の方針を立てる上での大前提になっている言葉であり概念なのです。私も、周知と思って、前号ではフランスの実情をご報告しました。しかし、最近、実は国民によく知られていないのでないか、と考えるようになりました。 そのように考えるようになったのは、二つの出来事がきっかけです。 一つは、6月はじめに「日本創成会議」が、首都圏1都3県の介護への需要が今後10年で38〜52%増えて介護力が足りなくなるので、高齢者は余力がある地方へ移住すべし、と提言したというニュースです。 このニュースを目にしうめむら・さとし●内科医。前参院議員、元厚生労働大臣政務官。1975年、大阪府堺市生まれ。2001年、大阪大学医学部卒業。医療・介護・福祉の業界で、「地域包括ケア」を実現するための試行錯誤が、大変な勢いで始まっています。でも、少し立ち止まって考えてみませんか、と言いたいです。この仕組み、誰の利益になるのでしょう。国民の皆さんにも、危機感を共有していただけたら幸いです。よく考えよう地域包括ケア誰の利益になる仕組みか移住していいのLOHASMEDICALVIEWた時、「『住み慣れた地域で過ごす』との整合性がない」つまり「地域包括ケアシステムの理念に逆行する」との指摘が、マスコミからされるだろうと思いました。しかしそんな指摘は全くされず、報道していたテレビ番組の中のコメンテーターも完全に「スルー」でした。 もう一つは、2015年11月に大阪市内で市民向けに地域包括ケアに関する講演会を開くことになり、その世話人の方に「地域包括ケア」の認知度を調べてくださいとお願いしたことでした。その世話人の方の高校の同窓会に集っ6LOHASMEDICAL


<< | < | > | >>