ロハス・メディカルvol.126(2016年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年3月号です。


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化粧や洗顔など顔の手入れをすると、主観的健康感が上がります。健康感が高い人ほど要介護リスクが低いため、介護費用削減につながる可能性がある、という話です。第10回LOHASMEDICALVIEW顔を手入れすると、元気になるそうです。しかも、その効果、女性だけでなく男性にもあるのだとか。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子化粧すると健康感が上がるずほ情報総研による評価)。 大渕副部長たちは、主観的な健康感と要介護の発生状況についても長期的に調査しています。その結果、主観的健康感が悪くなるにしたがって要介護となる確率も高まることが分かっています。今回の研究では、主観的健康感が最も良い人たちに比べ、最も悪い人たちの要介護発生率は70倍にもなっていたのです(グラフ)。 「体力や心理状態、環境、高次生活機能※といった客観京都健康長寿医療センター在宅療養支援研究の大渕修一副部長のチームと資生堂による共同研究(コラム参照)の結果、自宅で顔の肌の手入れを毎日行い月に2回の美容教室に参加した高齢者は、自己評価による健康感(主観的健康感)が上がり、うつ傾向も改善しました。 後述するように主観的健康感は、要介護へのなりやすさと関連しているため、この主観的健康観の向上によって、1人あたり月額約1185円(約13・6%)の介護費用削減を期待できるそうです(み的状況と介護認定は必ずしも直結しません。身体に障害を抱えていたとしても、本人が『大丈夫。自分は元気』と思っていれば、その人は大丈夫なのです」と大渕副部長。 歳をとることは、すなわちできなくなることや体の不調が増えていくことでもありますが、「マイナス面にばかり目を向けても仕方ありません。これはこれで仕方ない、と、今できることに前向きに取り組んでいけばいいのです」。 「前向き」になれるかどうんどです。 そこに冒頭のことを続けてもらった結果、女性はもちろん男性にも、意識の変化が見られたのだと言います。「おしゃれに無頓着だった人が素敵なマフラーをして現れたりと、目に見えて変わりました。互いにその変化を認め合ったりして、美容教室は毎回大変にぎやかでした」と大渕副部長は話します。 化粧や肌の手入れそのものよりも、人から「変わったね」「今日は何だか素敵じゃない」と認めてもらうことが刺激になって元気になる、といかは社会との接し方にあるようで、その際に身だしなみは重要です。 というのも高齢女性の場合、入院を機にすっぴんを見られても平気になってしまったりして、化粧をやめてしまう人が多いようです。男性の場合は、そもそも習慣のない人がほと東6今回のお話は…健康と思えば健康認められると嬉しい


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