ロハス・メディカルvol.126(2016年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年3月号です。


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手可能だった人たちで比較した結果、163人の貧血の参加者は、3870人の貧血でない参加者に比べて、認知機能の5項目すべて平均的に低いスコアとなりました。貧血の人の方が平均年齢は高かったため、年齢で調整を加えても、言語性短期記憶と言語流暢性は低いスコアとなりました。 次に5年後、MCIと診断された579人(健忘型2 99人、非健忘型280人)と健常な1438人とを比較したところ、貧血の人はMCIをほぼ2倍発症していることが分かりました。 貧血が様々な経路を介して各種の認知機能を低下させ得る、と示すエビデンスはこれまでにもありました。例えば、血液の酸素運搬能力の低下が脳の血流不足につながったり、貧血が酸化ストレスや炎症反応をひき起こしてアルツハイマー型認知症で見られるような神経変性をもたらします。さらに、大脳の白質病変(神経線維が多く集まった部分が血流低下などにより変性した状態)のリスクを増大させ、その結果、脳の血管に影響を与える可能性もあります。 今回の研究結果から、貧血は、伝統的な心血管リスク因子と独立して、MCIのリスクを高めることが示唆されました。貧血は、原因に応じて効果的に治療することができるため、つまりはMCIを予防できるかもしれないことになり、ひいては認知症の発症リスクも下げられるということで、この発見は重要な意義を持っています。 皆さんも貧血に注意しましょう。ということで今月は高橋典子さんに、鉄を豊富に含み貧血予防に適した「小松菜のポタージュ」を作っていただきました。小松菜 1/2〜2/3束……2㎝程度のざく切り玉ねぎ 1/2個……薄切りバター 10G水 250MLブイヨン 1個牛乳 400MLじゃがいも 1個……皮を剥いて薄切り塩 小さじ1/2こしょう 適宜浮き実ロースト玉ねぎ、ローストガーリック、クルトンなど作成:料理研究家 高橋典子HTTP://WWW.NONNONCOOKING.COM/LOHASMEDICALVIEW鍋にバターを入れ、薄切りにした玉ねぎを入れて炒め、透明感が出てきたら薄切りにしたじゃがいも、小松菜も加えて全体がしんなりなるまで炒め、水を加えて軽く煮立たせる。ミキサーに1を入れ、小松菜やじゃがいもの粒がなくなるまで撹拌したら、再度鍋に戻し入れる。ブイヨン、牛乳を入れて温め、塩こしょうで味を整える。ローストした玉ねぎやガーリック、クルトンを乗せるとよい。材料(4人分)作り方123小松菜のポタージュ9


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