ロハス・メディカルvol.126(2016年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年3月号です。


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LOHASMEDICALVIEW献血提供者日本赤十字社全血200ML全血400ML血漿血漿全血製剤赤血球製剤血小板製剤血漿製剤血漿分画製剤血漿分画製剤代金血漿分画製剤輸血用製剤輸血用製剤輸血用製剤代金血小板外国メーカー卸日本血液製剤機構日本製薬化血研医療機関代金代金代金代金ものもあります。一連の流れなので、化血研が担っている部分だけでなく全体を見る必要があります。理解しやすいよう、現在の国内の血液の流れを図にしてみました。 元はすべて日赤を窓口とする献血で、日赤の段階で輸血用血液製剤と原料血漿とに振り分けられ、輸血用血液製剤は日赤から医療機関(一部は卸経由)へ販売されます。原料血漿は、日本血液製剤機構、日本製薬、化血研の3社に日赤から払い渡され、3社によって血漿分画製剤へと加工され、卸経由で医療機関へと販売されます。払い渡される原料血漿の量は、各社から届出がある翌年度の製造・供給見通しに基づいて年に1度国が算出し、薬事・食品衛生審議会血液事業部会で決定されています。 さて、「海外から得られる原料や売血を使わない」のは、この図の最初の所に関門を設けていることになります。関門が意味のあるものになるのは、未知の病原体は海外から入ってくるもので、国内献血はそうしたものに汚染されていないとの前提が成立する場合のみです。関門を補強するため日赤は、献血の問診段階で海外渡航歴などから何かに感染しているリスクの高そうな人は振るい落とす、HIVやB型とC型の肝炎ウイルスなど既知の病原体のいくつかに対しては血液自体を検査する、ということをしています。 ただ、これらの策は、献血希望者がウソを言っても分からないとか、既知の病原体でも検査をすり抜けてしまうタイミングがあるとか、存在を知られていながら検査されていない病原体があるとか、未知のものに汚染されていた場合は処置なしとか、弱点はいくらでもあります。あくまでも国内献血の大多数が汚染されていない場合にだけ意味を持ちます。 逆に言うと、その前提が崩国内の血液の流れ19


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