ロハス・メディカルvol.126(2016年3月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2016年3月号です。


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※1 職場で風疹患者続出、専門家が注意喚起-昨年は1週間で10例超の報告も(医療介護CBニュース2016年1月25日)LOHASMEDICALVIEW今年、おたふくに流行の兆しがあり、風疹も油断ならない状況だそうです。どちらも(ワクチンで防げる感染症)なのですが、過去のワクチン禍の影響もあり、免疫を充分に持っていない人が社会に一定数存在します。乳児はもちろんのこと、妊婦が感染しても危ないので、何とか社会全体で対応して流行を抑え込みたいところです。そして何度も同じことを繰り返さないよう、そろそろ過去の負の遺産と決別しなければならない時期です。おたふく・風疹、流行か負の遺産と決別が必要けて職場で風疹の集団感染が相次いで起きていたことを明らかにすると共に、その年間患者報告数が162件と、まだ記憶に新しい前回の流行直前の2010年の87件を大幅に上回ったと警鐘を鳴らしたそうです※1。 この二つの感染症は、発症した幼児がまれに重篤な状態になることがあると同時に、妊娠中の感染で胎児に何らかの影響が出る「TトーチORCH症候群」の原因でもあります。特に風疹は前回の2012年から2013年にかけての流行の際、多くの感染者と先天性風疹症候群(CRS)児を誕生させ、あるいは人工妊娠中絶を増やしてしまいました。 世界的にはワクチン接種で集団免疫(図)の出来ている国が多く、流行はあっても散発的なので、周期的に流行を繰り返す日本は先進国の中で珍しい存在です。 日本の集団免疫が弱いのは、1989年から乳児への定期接種に使われるようになったMMR(麻疹・おたふく・風疹)混合ワクチンで、無菌性髄膜炎が事前の想定より多く発生して社会問題化、93年にその使用を見合わせたことから始まっています。 当時正式に定期接種に入れられていたのは麻疹ワクチンだけだったため、乳児期におたふくと風疹のワクチン接種を受ける人が激減しました。 並行して行われていた調査の結果、無菌性髄膜炎の主な原因となっていたのは、ムンプス(おたふく)ワクチンであると分かりました。そして、そのワクチン株を製造していたメーカーに厚生省(当時)が立ち入り検査を行ったところ、承認書と異なる手順で製造していたのを発見、翌94年2月に50日間の業務停止処分を課したのでした。 こんな不幸な歴史もあって、人や体制がすっかり入れ替わった今でもムンプスワクチンに対する議論はなかなか進ま本誌編集発行人 川口恭立感染症研究所の1月の発表によると、全国的に「おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)」の患者が増えているそうです。流行は4〜5年おきに繰り返されており、前回の流行収束から4年半なので、このまま本格的な流行に入る可能性があります。 また、やはり1月に開催された厚生労働省の「麻しん・風しん対策推進会議」で、国立感染症研究所の大石和徳・感染症疫学センター長が、2015年の春先から初夏にか国22胎児にも影響


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