ロハス・メディカルvol.135(2016年12月号)

ロハス・メディカル2016年12月号です。リン酸探検隊パン花粉症の舌下免疫療法、睡眠と性差、頭を使って空腹の時はトレーニングを、有酸素運動と血管内皮の機能の関係、カルシウムサプリの心臓への悪影響、予防接種って何なの3、オプジーボの光と影7など


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第64回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。メディチ家御用達「スペツィエリエ・エルボリステリエ・パラッツォ・ヴェッキオ」の店内 フィレンツェと言えば、ルネサンス期に絶大な権力と影響力を持ったメディチ家も有名なわけですが、その起源は薬種問屋か医者というのが有力です。フランス王と結婚したカテリーナ・ディ・メディチがお嫁入りの時に作られた「王妃の水」は、今でも世界中の女性に愛用されています。 そこで今回は、メディチ家御用達の名前の長いエルボリステリア(写真)に行ってきました。 シニョリーア広場からすぐ。賑やかな通りにありながら、ひっそりした佇ただずまいのこの薬局は、近づくとハーブの香り前から、医療用医薬品にのみ頼る保険調剤だけでなく、サプリメントやドクターズコスメを組み合わせる健康維持と、薬局が果たす役割に興味を持っており、今年の秋もイタリアに行ってきました。ヨーロッパでは中世以来、教会の農園でハーブを育てて薬草として市民に施術をしてきた歴史があり、薬局は教会との関係で高い社会的地位を保ってきました。 薬局で特に有名な都市がフィレンツェです。薬草や自然派化粧品を扱う「エルボリステリア」が、今の時代も機能しています。(株)アインホールディングス上席執行役員土居由有子で、その存在に気づきます。中には所狭しと、オリジナルのサプリメントやハーブティーなどが置かれています=写真。フレグランスは、ルネッサンス時代に手書きしたレシピを元に作られているそうです。植物から抽出した虫刺されに効くというオイルや、ヘルペスに付けるオイルもありました。 前日には、1221年に開局したフィレンツェで一番古いサンタ・マリア・ノベッラ薬局にも行ってきました。世界中から観光客がひっきりなしに、その美しい中世のインテリアと、オリジナルフレグフィレンツェに息づく古い薬局以ランスや石鹸を求めて来ていました。一番奥にコンサルティングのカウンターがあり、詳しい話を聴くことができました。女性の相談で一番多いのは皮膚のかぶれ、次に便秘だそうです。日本では一般の薬局で販売できない薬効のあるサプリメントを薬剤師が選ぶこともできるそうで、それらと薬局のスキンケア商品を一緒に使うよう勧めていました。 どちらの薬局も、医療のほとんどを健康保険で賄っている日本とは根本的に違う考え方で運営されていて、大変に刺激を受けました。LOHASMEDICALVOICE


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