ロハス・メディカルvol.136(2017年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2017年1月号です。


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LOHASMEDICALVIEW総合病院事件と呼ぶのでしょうか、簡単にいきさつを説明していただけないでしょうか。小松長いですよ(コラム参照)。私自身は民主主義のためだと思ってますけれど、雇用者に対して被雇用者の私が文句を言うことについて、昔学生運動のシンパだった友人が、お前は原理主義だって言うんですよね。いい男ですが、今、経営者なんです。日本の伝統からは、私は道を外した人間。お上がひどいことをやっているかどうか関係ありません。江戸時代以来、日本では権力に盾突くのは悪いことなんです。いろんな人から、私の書くような文章だと、昔なら殺されていると言われてきました。十数年前、ある元裁判官に、行政に狙われるかもしれないと心配されたことがありました。杞憂ではなかったということです。梅村学生運動やってた方に、言われるわけですか。小松そうです。学生の頃も実は思ってたんですけど、セクトの連中と議論したことが1回だけあるんですが、それまでになかったような議論をすると意見を言わないんですよ。で、皆で相談してから徒党を組んで主張しだすんですよ。梅村なるほど、不安なんでしょうね。小松学生運動をやっている連中をあんまり好きじゃなかったのは、そこのところなんです。梅村学生運動をやってはっ底力を見せられた気がしますね。小松ところで、患者の自律が対談のテーマだそうですが、それ、とても難しいと思ってるんですよ。というのは、医者自体が自律してませんから。梅村そうですね。小松医者も、自分たちが信じていることが正しいかどうかを深くは知らないんですね。ちゃんと勉強している人はそんなに多くないし、勉強しようと思ったら、ものすごい範囲が広くなり過ぎて。それとやっぱり、常に正しいと思っていることを言う医者の方が限られていて、どちらかと言うと自分の利益で意見を決める人の方がはるかに多いですよ。梅村妙に実感がこもっているような気もしますが、先生も大変だったらしいですね。今は何をしてらっしゃるのですか?小松無職です。梅村そうなんですか。亀田た人が、一番権威主義になりますよね。あれ不思議ですよね。そういうことはいかんというのが学生運動だったと思うんですけど、自己矛盾にはならないんですかねえ。小松考えるのに突き詰め方が足りなかったということなんだと思います。通用力のある所までいってなかったってことです。梅村人間の思想と言ってたのは、実は卵の殻くらい薄いものだったのかもしれませんね。今の公職選挙法では政治のマニアしか選挙に関われない医者も、正しさより自分の利益で意見を決める人がはるかに多い


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