ロハス・メディカルvol.136(2017年1月号)

患者と医療従事者の自律をサポートする月刊情報誌『ロハス・メディカル』の2017年1月号です。


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元亀田総合病院副院長 小松秀樹(医療ガバナンス学会発行MRICメルマガVOL.246)より抜粋、一部改変●公務員個人に対する損害賠償請求 私は、厚労省元結核感染症課長井上肇氏(現在世界保健機関出向中)と千葉県医療整備課長高岡志帆氏を東京地裁に提訴した。(中略)両氏とも本籍は厚労省採用の医系技官だ。公務員が民間人である私の言論を封じるために、医療法人鉄蕉会の経営者に厚労省の内部情報を漏洩して、私を懲戒解雇するよう求めた。2015年9月25日、私は懲戒解雇された。(中略)●高岡志帆課長の虚偽通告とその破綻 私は、亀田信介院長の強い要請により、2013年度から3年間の予定で、亀田総合病院地域医療学講座で地域包括ケアに関する映像シリーズ、書籍、規格を作成していた。予算は国の地域医療再生臨時特例交付金から支給されたものだ。2014年度の交付決定通知を受け取っていたが、2015年5月1日、高岡氏らから、予算がなくなったことを理由に、2014年度の予算を削減し、2015年度については事業を中止すると通告された。地域医療再生基金管理運用要領によれば、厚労大臣の承認なしに、都道府県の役人の恣意で事業を中止できない。それ以上に、予算の流用は許されることではない。(中略) 私は、予算を確保するために、鉄蕉会内部の弁護士と相談の上、「亀田総合病院地域医療学講座の苦難と千葉県の医療行政」をMRIC(メールマガジン)に投稿して千葉県の対応を批判した。2015年5月27日、狙いどおり、高岡氏は虚偽を認め、予算が残っていることを明らかにした。2014年度予算については、決定通り交付されることになったが、2015年度予算について、態度をあいまいにした。まだ流用をあきらめていない。そこで、県を押し込むために「千葉県行政における虚偽の役割」をMRICに投稿した。出来事をできるだけ正確に再現して、千葉県の対応を批判した。●言論抑圧と懲戒解雇 2015年6月22日、亀田信介院長に内密の話があると呼び出された。厚労省の職員から私の行政批判を止めさせろ、今後も書かせるようなことがあると、補助金を配分しないと脅されたという。 言論抑圧は大問題だ。私は、信介氏との会話の記録を作成、信介氏に確認を求めた。修正の要請はなかった。その上で、信介氏には、大変なことになるかもしれないので、相手と接触しないよう忠告した。 2015年7月15日、言論抑圧を仕掛けたのが、イノウエハジメカチョウだとの情報を得た。結核感染症課長の井上肇氏ならば、亀田総合病院では有名な名前だ。保健医療担当部長として千葉県に在職していた当時より、亀田隆明理事長と懇意にしていた。当時の厚労省の幹部名簿には、イノウエハジメという課長は他に見当たらなかった。 言論抑圧を放置すれば、医系技官の乱暴な支配がさらに強まる。2015年8月17日、私は、知人の厚労省高官に、作成途中の厚労大臣あての、調査と厳正対処を求める文書の原案を送って、手渡す窓口と日時を相談した。 2015年9月2日11時18分、高岡医療整備課長から、隆明氏に、メールが送付された。(中略) 2015年9月14日、懲戒手続きが開始された。弁明の機会付与通知書には「メール、メールマガジン、記者会見等、手段の如何を問わず、厚生労働省及び千葉県に対する一切の非難行為を厳に慎むことを命じます」と書かれていた。処分通知書は、「貴殿は、職務上及び管理上の指示命令に反し、亀田総合病院副院長の名において、厚生労働省に、2015年9月3日付け厚生労働大臣宛書面を提出し、同省職員の実名をあげ、調査と厳正対処を求める旨の申し入れを行った(懲戒処分原因事実3)」と締めくくられていた。大臣あて文書の記載内容に異議を唱えることなく、記載内容を前提に、公務員の不正について調査と対処を要請したことが、懲戒処分の理由として記載されていた。 申し入れ書は、公益通報に相当し、秘密にされるべきものだ。これを理由にした懲戒解雇などあってはならない。(後略)医系技官を訴えた理由:統制医療が日本を滅ぼすLOHASMEDICALVIEW


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