ロハス・メディカルvol.137(2017年2月号)

ロハス・メディカル2017年2月号です。睡眠と免疫の関係、水晶体とオートファジー、体幹トレーニング、血管の傷みが分かる検査、亀田総合病院事件、小松秀樹、がん対策基本法の狙い、オプジーボの光と影9など


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界面活性剤の分子界面活性剤湿潤作用浸透作用乳化・分離作用再付着防止作用親水基水になじむ部分親油基油になじむ部分(水になじまない部分)皮膚汚れ界面活性剤の親油基が汚れの表面に吸着する。界面活性剤が汚れと皮膚の間に入る。汚れは少しずつ水中に取り出される。汚れが再び皮膚に付着するのを防ぐ。界面活性剤の構造と働きしています。 さて、FDAの「水と石鹸で洗うより殺菌効果があるという根拠はない」の指摘に驚いた方も多いことでしょう。 医療法人幸寿会平岩病院の大久保憲院長は、「元々が低濃度ですし、さらに水と一緒に泡立てて短時間使用するだけですから、充分な殺菌効果は得られないでしょう」と話します。例えばトリクロサンを、欧米の製品では最大2%含むのに対し、日本の薬用石鹸では0・3%です。「その程度では、手などの殺菌効果よりもむしろ、開封後に長期使用する際の防腐目的の意味合いも強いかもしれません」 そもそも石鹸の本質は、洗通の石鹸類は化粧品扱い、殺菌剤が含まれ「薬用」を謳う石鹸類は、医薬部外品です。 医薬部外品は、厚生労働大臣の承認を得て初めて「皮膚の清浄・殺菌・消毒」といった効能・効果を標榜できます。成分表示は、日本石鹸洗剤工業会の自主基準にのっとっています。厚労省によると、問題の成分を含む薬用石鹸は現在流通していない製品を含め約800品目承認されてきたとか。 これまで健康被害が報告されていないことから、厚労省はFDAと同様の販売停止処置は取らず、メーカー側からの要請に応える形で、代替製品へ切り替える際には迅速に審査するなどの措置を1年間実施する旨、9月30日に通知LOHASMEDICALVIEW浄成分である界面活性剤(図)によって、汚れを水となじませて落とすもの。 殺菌成分が入っているからと「薬用」「皮膚の清浄・殺菌・消毒」を謳っていても、実際に使用した際の殺菌効果を保証しているとは限りません。東京都福祉保健局も、手洗い実験の結果、薬用石鹸は普通の石鹸よりは殺菌効果があったものの、「たいした違いはない」と評価。普通の石鹸とお湯で二度洗いすることを勧めています。殺菌効果は期待薄


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