ロハス・メディカルvol.138(2017年3月号)

ロハス・メディカル2017年3月号です。リン酸探検隊は本丸の練り物に、体幹トレーニング、長生きを喜ぶ日本へ戻ろう、女性に増える糖尿病、摂るべし新鮮な魚油、主治医との話し方、抗生物質って何?、梅村聡と小松秀樹、都会の公園にも森林浴効果、点眼は間隔と順番が大事など。


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脂肪酸不飽和脂肪酸飽和脂肪酸動脈硬化を促進動脈硬化を抑制炎症を起こすアラキドン酸EPA、DHAオメガ3系炎症を抑えるΑ-リノレン酸オメガ6系リノール酸オメガ9系オレイン酸コーン油マーガリンオリーブ油シソ油エゴマ油パルミチン酸バター必須脂肪酸必須脂肪酸うことではなく、一般的な植物油に多く含まれるオメガ6脂肪酸は、逆に過剰摂取が血管を傷めます。昔ながらの植物油の主成分で、揚げ物や炒め物、マーガリンなどによく使われており、過剰になりがちです。 過去の研究を総括的に分析した2010年の報告では、オメガ3と6の混合脂質を摂取していると、冠動脈性心疾患による死亡リスクは22%低下したのに対し、不飽和脂肪酸をすべてオメガ6脂肪酸にすると、13%増加することが確認されています。 このようにオメガ3と6で、少なくとも心疾患への影響は対照的です。その要因の一つて、不飽和脂肪酸なら何でも健康に良いとい植物油は要注意と考えられるのが、炎症への関与の違いです(図)。 オメガ6脂肪酸の代表格であるリノール酸は、摂取後に細胞膜でアラキドン酸に変換され、最終的に炎症物質を生成します。これに対しオメガ3脂肪酸は、炎症物質の産生につながる細胞内の情報伝達系(リノール酸-アラキドン酸カスケード)を遮断して、抗炎症作用を発揮します。 血管壁での炎症は動脈硬化を進めますから、端的に言えば、リノール酸あるいはアラキドン酸は動脈硬化を進展させ、EPAは動脈硬化を抑制するということになります。 実際、急性心筋梗塞患者と健常者の血液を比較した研究では、患者はEPA濃度が有意に低く、EPAに対するアラキドン酸の割合は多いことが分かりました。また、EPA濃度が低いほど、あるいはEPAに対するアラキドン酸の濃度比が高いほど、粥状動脈硬化は進行していました。 実は不飽和脂肪酸は、その種類以上に鮮度に注意する必要があります。空気中の酸素の他、湿気、熱、光、金属イオン、微生物あるいは酵素など様々な原因によって酸化されやすく、酸化すると栄養価が低下するだけでなく、過酸化脂質その他の毒性物質が蓄積していくのです。変な臭いがしたり、色が変わっていたりしたら、勿体なくても食べさ脂肪酸の分類(代表例)古いアブラは毒


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