ロハス・メディカルvol.138(2017年3月号)

ロハス・メディカル2017年3月号です。リン酸探検隊は本丸の練り物に、体幹トレーニング、長生きを喜ぶ日本へ戻ろう、女性に増える糖尿病、摂るべし新鮮な魚油、主治医との話し方、抗生物質って何?、梅村聡と小松秀樹、都会の公園にも森林浴効果、点眼は間隔と順番が大事など。


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LOHASMEDICALVIEW局その広告の方に公的医療であるお金が取られちゃうと。それは本来営利じゃない医療機関がやるのはおかしい、という論議で禁止してたんですよ。ところが今ね、ホームページを作るくらいのお金は要りますけれど、誰でもホームページを安く作れるんですよ、前提が全く変わってきてるんで。僕は、医療側からの情報の出し方を、もっと自由にしてもいいんじゃないかと思います。でないと、結局最終的にはそれを逆手に取られたのが、サ高住等で問題になっている営利企業による「患者紹介ビジネス」です。「患者紹介ビジネス」なんて患者の自律の真逆の話ですから。小松どう実現するかは難しいところですけれど、やったらいいと思いますよ。問題は、ヒドイのをどうやってチェックするか。梅村それは確かに問題ですよね。自由診療の世界ではそういった問題も起きていると聞きます。ただ何しろ今は患者さんが自律しようにも、そのためのツールがないわけですよ。かかりつけ医制度っていうのが始まってますけれど、なかなか住民の方が皆、かかりつけ医制度に乗ってきていないじゃないですか。やっぱりちょっと患者さん側が分かってるんですよ。A先生の所へ行ったら、多分この病院の系列の所にしか紹介してくれない、あの先生は本当は専門が○○なので、自分の場合は△△だから、違う先生のとこが自律したら、少しは状況が変わるものでしょうか。小松自律するには知識が必要ですが、医者がそもそも素人向けに正確な情報を全然出してないし、医者の無責任が大きいですよね。梅村先生と意見が少し違うかもしれないんですけど、患者の自律と言う限りは、例えば広告規制なんかはちょっと見直すべきだと思ってるんですよ。今の日本で、まず比較広告はダメだし、医療の内容のことも色々と制限がある、ホームページもそれに従わないといけないという状況ですよね。この状況下で、患者さんに選んでもらうとか行動変容しろという方が無理でしてね。で、広告規制に関してはものすごく厚生労働省が堅いのですが、状況が昔と違うんですよ。昔は広告と言ったらCMとか駅に張り出す年何百万円、何千万円もするような大きな看板で、そんなもので比較広告とか打たれたら、結ろに行ってみようとか、結構、あうんの呼吸で器用に患者さんも動いているんだと思いますよ。でもすべての患者さんが、すべてのことを体系的に理解できているわけではありませんのでね。なかなか難しいところです。小松自分で宣伝するより、あらゆるサービスを熟知した第三者が相談に乗って勧めるのがいいですね。私が言ってた「1ストップ相談」(前回参照)もそういうものです。高齢者になると、医療もそうですけど、医療よりもどちらかと言うと他のサービスの方が重要になりますから。梅村介護ではケアマネが担当する建前ですけど、実際にはケアマネは客引きをやってますもんね。1ストップ相談は、生活保護なんかにも当てはまると思うんですけど、そこに行けばあなたとって一番良い医療を相談に乗ってあげますよと、それが広告なのか窓口なのかは分かりませんけ患者の自律のため情報発信をもっと自由に


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