ロハス・メディカルvol.140(2017年5月号)

ロハス・メディカル2017年5月号です。「口から人生を豊かに」2回目は、お手入れの方法です。奈良夏樹氏voice。行動活性化療法。高齢者のポリファーマシー。梅村聡氏と井上清成氏の対談。新専門医って何?ほか。


>> P.12

うつや不安障害だと行動的でなくなり、気分がますます落ち込む悪循環を生じます。断ち切るには行動あるのみ。気が乗らなくても、理想的な結果を求めず、まずやってみる。行動活性化療法がその手助けをしてくれそうです、という話です。第23回LOHASMEDICALVIEWうつや不安症状で、何もできずにいたりしませんか。動いてみると、案外好転するかもしれません。専任編集委員(米ミシガン大学大学院環境学修士)堀米香奈子気持ちの悪循環動くと断ち切れるができない」。そこで試したいのが、行動活性化療法です。 「あまり気乗りがしなくても、まずは避けずにやってみよう」というのが、行動活性化療法の肝です。 普通は、気分がいいからやる、乗り気になったらやる、などと「気分↓行動」という順序で考えるもの。そのため気分が落ち込んでいると、行動は制限されがちになります。 ところが行動が抑制され減少すると、肯定的な感情はまつや不安障害で気分が落ち込んでいると、やるべきこともやる気にならず、一人じっとこもりがちになります。でも、「『どうせうまくいかない』『気が乗らない』と実際の行動を控えてしまうと、結果的に、『今日もやらなかった』『後ろ向きでダメな自分』といった自己認識が強まり、悪循環に陥ります」 そう話すのは、早稲田大学人間科学学術院臨床心理学研究領域の鈴木伸一教授です。 悪循環を断ち切るには行動すればよいのですが、「それすます小さくなり、相対的に否定的な感情や認識が大きく心を占めるようになります。 「楽しい」「嬉しい」といった肯定感情は、一人じっとしているより、自分からアクションを起こした結果生まれるもの。「行動↓気分」、つまり行動が気分を決めることは、実は多いのです。 だから、気分や内面の問題はさて置き、とりあえず一歩踏み出す。目標や評価を先に気にせず、まずはやってみる。その結果「意外と楽しかった」と実感し、少しずつ悪循環から抜け出せるのです。 行動活性化療法では、毎日の行動とその後の気分を1週間ほど記録し、自分で点数を付けます。自覚のなかった前向き行動と後ろ向き行動を、〝見える化〟するのです。 例えば、「面倒だったけど、友人に会ったら楽しかった」「午前中に出かけると一日活動的になれた」とか、逆に「インターネットでうつについて調べたら、かえって不安材料が増えた」とかです。う気分はさておき今回のお話は…自分で〝見える化〟12


<< | < | > | >>