ロハス・メディカルvol.140(2017年5月号)

ロハス・メディカル2017年5月号です。「口から人生を豊かに」2回目は、お手入れの方法です。奈良夏樹氏voice。行動活性化療法。高齢者のポリファーマシー。梅村聡氏と井上清成氏の対談。新専門医って何?ほか。


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LOHASMEDICALVIEWれて、胎児と一緒に亡くなりました、国が訳の分からない「医療事故調」を作った結果、産婦人科医になる医師が激減し、その結果、自分たちの街から産婦人科医がいなくなったから、この悲劇が起こったんです。よってこれは厚生労働省の責任です。こういう話にもなるんじゃないですか。井上 なりますね。梅村 今のところ厚労省は、それは言われないという前提でやってますよね。井上 もちろん。そこを断ち切るのはテクニックの問題ですね。自分の所へいかに波及が来ないようにするか、必死ですよね。梅村 断ち切れるものですか。井上 さあ。ただ、そういうものを打ち破りたくて仕方ない人たちもいます。例えば、良い悪いはともかくとして、肝炎とか、何とかのワクチンだとか、片っ端から、何とか直接アクセスしてやろうとやってます。で、法的に勝つのは難しくても、メディアを使って主張したりしてるでしょう。あんたの所がちゃんと作って指導しないから、こうなるんだって。梅村 HPVワクチンなんか、まさにその形ですね。定期接種だけれど勧奨しないとか訳の分からないものが出てきたのは、関係を断ち切るためということですか。井上 分かりやすいですよね。もちろんこの手のものは、本当に裁判になったら、そう行政は負けませんよ。締め付けますから。てきた、と。そうすると、厚労省と医療者・医療界の間は行政法で、医療者・医療界と患者の間は民法・刑法なんだけど、これつながってますよね。井上 つながってます。梅村 そうしたら、官僚に対しても民法・刑法が入ってくる可能性はありますよね。次は実は自分たちの番だということ、官僚の方々は覚悟を持っているんですかね。ひょっとして気づいてないんじゃないですか。井上 そんなのは気づいてないでしょう。梅村 救急車で病院にかかれませんでした。これは地域医療構想で、我が街から救急病院の数が減らされたから、こうなったんです、という訴えが出てくるんじゃないですか?井上 出てくるでしょうね。梅村 妊娠中のウチの娘が、産婦人科に診てもらうのが遅梅村 医療制度の方も、民法や刑法が入ってくるぞという緊張感を厚労省に持ってもらったら、もっと丁寧な進め方になりそうですね。井上 無謀な医療がけしからんと、患者さんが言うし、行政でも言うことがありますけど、それをけしからんと言うなら、無謀な医療安全も進めたらいかんですよね。無謀な医療安全をやれば医療がなくなるんだから。何でもバランスです。行政と医療界だけで、あるコンセプトだけでやったために、一般国民の需要を満たせなくなったら、行政のせいだということになりますね。お医者さんは言われた通りにやったんだから。梅村 医療と法律の関係と言えば、日本の憲法には、福祉ということの規定はあるんですけど、介護はなくて当然として、医療に関しての規定も実はないんですよね。井上 そう、医療という言葉が一つもない。医療介護は、次は官僚が裁かれる気づいてないのでは22


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