ロハス・メディカルvol.140(2017年5月号)

ロハス・メディカル2017年5月号です。「口から人生を豊かに」2回目は、お手入れの方法です。奈良夏樹氏voice。行動活性化療法。高齢者のポリファーマシー。梅村聡氏と井上清成氏の対談。新専門医って何?ほか。


>> P.24

最終回どい・ゆうこ●1978年北海道医療大学薬学部卒。病院勤務後、93年(株)アインファーマシーズ入社、薬剤師研修を担当、2013年より現職。神戸薬科大学非常勤講師、北海道大学非常勤講師として、「薬剤師教育指導論」や「リスクマネージメント」を教えている。MBA取得後、2015年4月より経営学博士課程に進学。 介護保険を利用するには、まず要介護の認定を受ける必要があります。認定を受けると、今度はケアマネージャーが、家族構成や本人の自立度を考えて介護サービスメニューを作成するという流れです。 ただ、どこに相談に行くのかすら分からなければ、きっと途方にくれてしまうことでしょう。こんな風に、そもそもどうしたらよいか分からないという時は、冒頭の方々のように薬剤師に不安を吐き出していただいて結構です。 薬剤師は、市町村の保健福祉課や地域包括センター、介護予防センターや介護支援専家族が、認知症など介護が必要な病気と診断された時、どうしますか? 病気のご本人に代わって薬を受け取りに来たご家族から、「どうしたらよいか分からない」、「この先一人で面倒をみるのが不安」、「どこに相談したらよいだろう」と尋ねられることが、しばしばあります。 こんな時、何はともあれ介護保険を使えないか検討すべきなのですが、それまで介護保険制度と無関係な生活をしていた人は、家族だけですべてを背負わねばならないと思い込んでしまうことも珍しくないようです。(株)アインホールディングス上席執行役員土居由有子門員(ケアマネジャー)といった選択肢の中から、本人にとって一番相談しやすいと思われる窓口を紹介できます。 相談窓口で「要介護認定」の説明を受けるだけでも、自分たちだけで全部背負わなくてもよいと分かって、不安な気持ちが軽くなると思います。 薬局と薬剤師は、さらに外出が困難な方への訪問による薬の指導も提供することができます。 最近では、独り暮らしの高齢者が多く、相談することすら思いつかないという場合もあるので、何か困っていることがあるのでないか、と薬剤介護保険の相談も薬剤師にどうぞご師の側でもアンテナを張るようにしています。 介護保険関係以外にも、薬局には健康や生活を維持するための情報がたくさんあります。ご自分やご家族の健康のことで、誰に相談してよいか分からず不安になった時は、お近くの薬局で相談してみてください。◇ 2011年から6年半にわたり連載させていただきましたが、今回でいったん終了させていただきます。連載開始の頃、在宅医療に薬剤師が参加するのは珍しいことでした。わずかの間に、日本の医療の形は大きく変わり、薬剤師を取り巻く環境の変化もめまぐるしいと感じています。薬剤師の活躍の場は広がりつつありますが、その一方で二極化も進み、時代に対応しきれずにいる薬剤師も少なくありません。市民に寄り添いながら医療と生活をつなぐ、そんな薬局の進化にご期待ください。LOHASMEDICALVOICE24


<< | < | > | >>