ロハス・メディカルvol.142(2017年7月号)

ロハス・メディカル2017年7月号です。「口から人生を豊かに」4回目は、喫煙の悪影響。加えて骨も弱くなるようです。品川女子学院の生徒さんたちによるvoice。梅村聡氏の対談相手は、江崎禎英・経産省ヘルスケア産業課長。保険医療に提供格差ほか。


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ない群は驚くべきことに7割を超えています。この値は諸外国の2倍以上で、なぜこれほどまでに「短眠」なのか、とても不思議です。 5時間あるいはそれすら満たない睡眠時間の成人は全体の約4割に達しています。彼らはさぞ困っているのではと思いきや、睡眠の質や昼間の眠気に「特に問題はない」と答える割合は5時間未満群9%、5時間群19%でした。これらの数値は高いように見えます。本人は「超短眠」に慣れてしまっているのか、あるいは問題を認識できていないのでしょうか。たちが普段どのように睡眠をとっているかを定期的に知ることは、とても大切です。厚生労働省の直近の調査(平成27年国民健康・栄養調査)を基に、現状を捉えてみましょう。この調査は20歳以上の成人7千人ほど(男女ほぼ同数)を対象に行われました。 まず過去1カ月間における1日あたりの睡眠の長さを見ると、5時間未満8%、5時間台31%、6時間台34%、7時間台19%、8時間台6%、9時間以上(大半は70歳以上)2%という分布でした。7時間より短い睡眠しかとっていん。ただし、この数字がもし、自分の睡眠を改善したいけれども、どうしてよいか分からない(特定できない)という意味であったら、要注意です。 より深刻に感じるのは、睡眠をうまく確保できてないと回答した対象者のうち、男女とも約17%、つまり6人に1人が、睡眠の質の確保のために最も必要なことは「特にない」と答えた結果です。大事な睡眠が奪われているのに、対応のメドが立たない(見つからない)というのは、なぜでしょう。このままでは、いつまで経っても睡眠を充分にとれないかもしれません。 これらのデータは睡眠に携わる専門家や団体に大きな問いかけを与えています。一つは「短眠」・「超短眠」群のうち、もっと眠らなければならない人々をどう支援するか。もう一つは睡眠がよくとれない群に複数の対応策をどう示すか、です。いずれも難解ですが、回答案が求められています。第77回たかはし・まさや●1990年東京学芸大学教育学部卒業。以来、仕事のスケジュールと睡眠問題に関する研究に従事。2000年、米国ハーバード大学医学部留学。独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所産業疫学研究グループ部長高橋正也 睡眠の確保を妨げる何らかの要因があるからこそ「超短眠」であるかと言えば、必ずしもそうではないようです。実際、5時間未満群の19%、5時間群の35%はそのような妨害要因は「特にない」と答えていました。 ぐっすり眠るための条件は人それぞれです。長時間労働私で苦しんでいる世代では、残業を減らしたいと考えるでしょう。育児中の世代であれば、子供の世話に対する支援が少しでもあると睡眠をとる機会は増えます。病気を抱えているとしたら、その回復が良い睡眠につながります。 今回の調査結果を見て興味深かったのは、「自分の睡眠の確保のために最も必要なことは何ですか」という問いに対して、「特にない」という回答が男女とも約半数であったことです。文字通り捉えると、特段の努力をせずとも熟眠できているのかもしれません。であれば、心配要りませ2LOHASMEDICALVOICE


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