ロハス・メディカルvol.142(2017年7月号)

ロハス・メディカル2017年7月号です。「口から人生を豊かに」4回目は、喫煙の悪影響。加えて骨も弱くなるようです。品川女子学院の生徒さんたちによるvoice。梅村聡氏の対談相手は、江崎禎英・経産省ヘルスケア産業課長。保険医療に提供格差ほか。


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LOHASMEDICALVIEW破骨細胞が15%程度増え、骨量(骨に占めるカルシウム化合物の割合)の減少が観察されました。 その依存性ばかりが注目されてきたニコチンですが、今回の研究から、喫煙者本人と受動喫煙させられた周囲の人の骨を弱くし、ヒドイ場合には骨粗鬆症をひき起こし、悪化させる原因になる、と分かりました。 骨粗鬆症は、高齢者が大腿骨骨折から寝たきり、はたまた認知症へと陥る大きな原因です。タバコが、こんな経路でも日本の介護費用を増やしていることになります。 禁煙しない理由がまた一つ減り、受動喫煙の迷惑な理由は一つ増えました。を受けた白血球では、炎症物質の放出が抑制されます。その変化が、骨を作る働きの骨芽細胞に作用、骨芽細胞が作るタンパク質のバランスも変わり、巡り巡って最終的に破骨細胞を増やしていたのです。 さらに、ニコチンは迷走神経と呼ばれる自律神経(副交感神経)も刺激し、その信号が白血球に炎症物質放出を抑制させるルートも判明しました。 迷走神経は、脳や心臓などの制御で知られます。それが骨も制御していた、というわけです。カルシウムイオンの挙動に着目すれば、そんなに驚くべき話ではないかもしれません。実験では、迷走神経を活性化させたマウスでは、13ニコチンは2つの経路で破骨細胞を増やすニコチン増加白血球の一種迷走神経ニコチン受容体刺激する刺激する炎症物質放出が抑えられる破骨細胞を増やす作用が働く骨芽細胞破骨細胞(骨を生成する細胞)(骨の破壊と吸収を行う細胞)


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