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福島県立大野病院事件第二回公判

 起訴主旨は
癒着胎盤と診断した時点で胎盤を子宮から剥離することを中止して、子宮摘出すべきであったのに、クーパーを使用して漫然と胎盤を剥離したため、大量出血となり患者が失血死した。また、胎盤を無理に剥離すると大量出血する可能性があることを認識していたのに、その行為を行った

であるから、M医師が話せる範囲で加藤医師の有罪立証につながるとしたら
(1)加藤医師が、胎盤剥離を中止できる段階で癒着胎盤と気づいていた、もしくは気づけるはずだった
(2)胎盤を剥がす際に「無理」な手技、もしくは「漫然」とした手技を行った
ということになるだろうか。その目で改めて尋問を振り返ると、冒頭から

  検察 帝王切開補助の依頼は誰からどのように?
  M医師 加藤先生から医局で前置胎盤を合併した帝王切開と。
  検察 加藤先生から「合併」という言葉は出たのですか?
  M医師 「合併」と加藤先生が言ったか正確には覚えていません。
  検察 癒着については何か言われませんでしたか?
  M医師 癒着があるかもしれないと言われました。
  検察 具体的にどのような言い方でしたか?
  M医師 具体的には、あまり記憶がはっきりしていませんが、ぼくの理解では腹壁と子宮か腹腔内臓器の癒着だと思っていました。
  検察 帝王切開創と腹壁との癒着という言葉はききましたか?
  M医師 と腹腔内臓器ですね。
  検察 被告人がそのように言ったのですか?
  M医師 癒着があるかもしれない、と言ったと思います。具体的にどこ、とは言わなかったかもしれません。
  検察 では、今の腸壁と臓器というのは癒着という言葉から、あなたが考えたということですね。
  M医師 はい。
  裁判長 質問が終わってから答えてくださいね。声が重なると記録が取れないので。
  M医師 あ、すみません。

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