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ニュース〜医療の今がわかる

患者の声と対話型ADR


鴨下
「ここまでどういう議論が行われてきたか承知していないが、対話型ADRを構築すべしというシンポジウムの趣旨については、まさにその通り。福島県立大野病院事件に大変ショックを受けた。政治も取り組まないといけない。厚生労働省も第三者委員会を作ろうと動き始めているので、その動きについてまずご報告したい。
本当は医療は安全・安心にかかれるものでなければならない。一方で医者は訴訟に対して防衛的になりがち。胸襟を開いて対話するためにも、いきなり警察・検察でない仕組みが必要」


鈴木
「行政監視委員会に所属して医療ミスがどうやったらなくなるかといった問題を考えてきた。また福島県立大野病院事件で鴨下先生ともご一緒に医療者の請願を川崎厚生労働大臣に取り次いだりした。
この問題は相当根が深いというか、いろいろなレベルで様々な問題を含んでいる。医療現場のコミュニケーションの問題でもあり、医療機関のガバナンスの問題でもあり、霞が関・永田町の医療政策の問題でもある。この問題こそ熟議・熟論が必要であり、今日だけで解決策が示せるはずもないがキックオフとしたい。
医療崩壊、保身医療、委縮医療がどんどん広がっていて、みな善意で関与していて、加害者はいないにも関わらず被害者がいろいろなところに出ているという状況だと思う。また霞が関の議論が、我々の意図とズレてきていることも指摘しておきたい」


和田
「鴨下先生からも言及のあった医療版事故調というか原因究明機関について、遺族としてどう評価するか」


佐々木
「対話型ADRのことで頭がいっぱいなのだけれど、第三者機関は行政任せになるような気がする。遺族は情報を得ることができないし、医療者の顔も見ることができないのでは? 被害者はその場の議論でどんな気持ちになるのだろう、納得できるのだろうか」


村上
「実はパブリックコメントを送った。書いたのは、死亡原因を広く取ってほしいということ。これからの医療を良くするためという観点に立って、行政とか保険点数の所まで遡って原因を広く取ってほしい、と。それから被害者・遺族の申し立てで調査に入ってほしいし、その結果を踏まえて対話の場を設けてほしい。そのうえで話し合ってほしいと書いた」

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