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ニュース〜医療の今がわかる

周産期・救急懇談会3

ここでいったん議論を打ち切って前回の積み残し、阿真委員のプレゼン。
「私が話したいことと、ここで議論していることは随分違うと思うが、この会議は何のためにやっているかといえば、会議の向こう側にいる一般の人に対して、みんなで努力するから安心してと示すためだと思う。
(中略)
私たちは余りにも知らなすぎる。できることは、まず知ることから。どこでどうやって知ればいいのか。自治体の母親学級で知らせたらどうか。お産の危険性について知らせたらどうか。それなら既存プログラムの変更だから、そんなにお金はかからない。それから産後こそ母親学級が必要でないか。
(中略)
この検討会を足早に進めて結論を出すことが国民の望みではない。むしろ時間はかかっても、一つひとつ丁寧に議論して皆で理解していくことこそ国民が望んでいる」

最後の一段落は、本当にまさに仰る通り! 12月までに何とかしろなどと多分多くの国民は思ってない。

岡井
「医療提供側からだけでない視点でご指摘いただいた」

舛添
「宣伝すると妊婦検診が5回分無料だったのを14回無料にしたので、少しはお役に立ったのでないか」

有賀
「私は大学病院に移る前は普通の市町村病院にいた。最初は脳外科部長で行って、それから救急部長になった。何といってもビックリしたのが、小児科医の働きかたの凄まじさ。それまでは自分が一番働いていると思ってた。しかし小児科、特に新生児科の先生たちはベラボーな働きかただった。小児科のドクターたちに負けないように働こうじゃないかと一緒に行った先生方に言ったぐらい。そこで伺いたいのだが、あの先生たちがどうしてあんなに安い給料でどうしてあんなに働いているのかというような議論は、お母さんたちの間で出ないのか」

阿真
「よく出る。まず皆さん医師の給料を知らない。すごくたくさんもらっていると思っている。でも現実を知ると、時間あたりにすれば一般企業よりはるかに少ないのでビックリする」

有賀
「驚いた先に、あの先生たちにちゃんと給料を払ってあげるには医療費を増やさないと、という話にはならないか」

阿真
「これは難しい。医療費無料化の功罪ということで、せめて夜間休日くらい有料でもいいんじゃないかというような投げかけをしてみたこともあるけれど、余りにも皆の意見が異なるので、会として一つになるのは難しい」

有賀
「医師の給料が安いというところまでは」

阿真
「そういう話なら」

有賀
「私マンションに住んでいるんだが、そういう所でもビックリされる。日医の先生方がかなりたくさんお給料を取っているので、そういうのと勘違いされているのもあるんだろうか」

池田
「産婦人科は地域に根ざした医療と思っている。まったく正常な妊娠であっても行くのだから、地域の文化センターであり駆け込み寺のような機能を持っている。その意味で地域にあることが大事で、欧米のように集約化しすぎるのも問題でないかと思うのだが」

阿真
「大きな所に行きたいという人もいるけれど、ほとんどが地域で産みたいと思っている。前回の検討会でファーストコンタクトが救急隊の方がいいのかと聴いたのも、まさにそれだから。大体みなかかりつけのドクターに相談している。小児科以上にかかりつけがしっかりしている」

岡井
「スウェーデンの看護師が500人くらい赤ちゃんをフォローしている例をお話になったが、日本では保健師がそういう役割なんでないか。機能してないか」

阿真
「保健師は母親学級には出てくる。でも、どのお母さんをどの保健師が見るというようにはなってない」

岡井
「1対1の関係になれば安心できる?」

阿真
「それもあるし、母親学級自体が産後は地域によってちゃんとやっているところと何もしてないところとバラバラ」

岡井
「どういう種類の情報が伝われば安心してもらえるのか」

阿真
「小児科については、病気の中身とか、こういう時はどうしたらいいのかとか。#7119とか#8000とか、あるということを伝えるだけでも随分違う」

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