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ニュース〜医療の今がわかる

医療事故調検討会17


「解剖施設に集まったならば、依頼元機関がちゃんと物品を持ってきているか確認したり、主治医が来ているかどうかを確認したりする。主治医が解剖施設の医師に、事例概要に基づいてカルテとか画像とか資料を用いて説明する。その際に私たちは、遺族から聴き取り調査をする。遺族が依頼元医療機関に不満や不信を持っていないか、どんな疑問を持っているのか、何を重点的に調べてもらいたいのかということをメモをしながら感じ取っていく。そのとき私たちは初めて遺族とお目にかかるので、それこそ五感でチェックをして、遺族に添うようにしていく。
 解剖が始まる前に、解剖執刀医が遺族と面談する。その準備も遺族にお伝えし、ちゃんと解剖医とお話ができるようにする。
 解剖は大抵2~3時間で終わるが、前後を入れると5~6時間かかるので、遺族がリラックスできるように、遺族と依頼元機関を同じ待合室で待たせないように調整し、特に、死亡するまで大変疲れており、睡眠もとっていないという方がほとんどなので、少し眠れるように、次に私どもが来るときは何時ごろですよとかとお知らせして、突然にその待合室に入らないようにしたりとか、そんな配慮をしながら数時間待っていただいている。
 解剖が終わったら、解剖執刀医から遺族と依頼元機関に、いま解剖して分かったことを説明していただく。そのときは調整看護師が司会して、遺族がその説明を理解できるように、また、遺族が質問したいことが医師に分かるようにする。
 それが終わると、遺族と遺体は自宅に帰ってもらうので、葬儀社の車にきてもらって、一旦お帰りになっていただく。それが第一の山で、この山さえ通り越すと、当日はやれやれ。本当に、夏でも冷汗が出るような状況」
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