文字の大きさ

ニュース〜医療の今がわかる

医道審議会医師臨床研修部会2日目


山下
「この前、西澤先生が地域ごとにどれ位の病院があるのか示してくれと言った。これは教育のためのシステムであって医師派遣のためのシステムではない。実際の病院のキャパシティが示されないことには議論できない。各病院にとっては実績との差よりも定員との差がインパクトを持つ。新たな制度になったらスタートラインに立つことすらできない病院が出てくる。そういう病院に対して、こういう話の持っていき方になると、あなたの所は切られましたということについて説得力のある、国民に対しても説明責任を果たすような説明ができない。教育できる能力がこれだけなんだからというならともかく。今の研修医とか派遣とかの実績というのは非常にファジーな部分が多くて、それに基づいて上げ下げしても納得は得られない。どれだけいい形で医師養成をできるのか積み上げて、その上でどうしても足りない県には別途何とかしてあげるというなら分かる。こういうものを評価しろと言われても評価できない。このスキームは悪い。評価できない。この前に2番目(病院の基準)を先にしてくれとい言ったのは、その意味だ。各県にどれだけ養成できる病院があるのか出してくれ」

齋藤
「一つの実績は既に5年間臨床研修をやっていて、学生も真剣に選んでいるから、各都道府県ごとの実績というのは、ほぼそれに見合うのだろう」

山下
「そういう見方なら分かる」

田原
「都道府県ごとの定員はバランスよく配置するには、これがよいだろうという視点。一方で各病院は過去の実績で定員を出すようにして能力を見ている。2つの視点で見ている。そのうえで臨床研修制度が医師派遣機能を低下させたという指摘があったので、それとの兼ね合いで医師派遣を評価している。いずれにも対応しようとすると、こういう考え方になる」
こういうことを真剣に言ってしまう位、厚労官僚は「言霊」の世界の人なんだと戦慄を覚える。まともな大人はこんなこと考えない。自分たちは、もの凄く頭がいいから、二兎を追って両方捕れるんだとでも思っているのだろうか。いや、捕れないのは現場がバカだからだということなのかもしれない。

西澤
「いろいろな指標を盛りこんでいるが、面積あたりの医師数とか離島とかを考慮するのは、実際に働く医師に関してはともかく、研修医についてはいいのか」

田原
「我々としては広い所、医師数の少ない所に関しては配分率を考慮すべきだし、あるいは離島についても考慮すべきと考えている」
研修医は教育される対象であって単なる労働力ではないはずなんだが、その考え方が抜けている。

  • MRICメールマガジンby医療ガバナンス学会
loading ...
月別インデックス