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「統合カリキュラム」から「看護学基礎カリキュラム」へ―文科省骨子案

第一次報告骨子(案)
   


1.大学における看護学教育の現状認識

 ○ 看護系人材の養成は、保健師・助産師・看護師の三職種(以下「三職種」という。)の受験資格を担保するために文部科学省・厚生労働省令「保健師助産師看護師学校養成所指定規則(以下「指定規則」という。)」においてそれぞれ免許取得に必要な教育内容を規定している。

 ○ 学士課程では、三職種に共通する看護学の基礎と養成に必要な教育内容を体系化して教授してきた(以下、三職種に共通する看護学の基礎と免許取得に必要な教育内容を効率的に教授するための体系化したカリキュラムを「看護学基礎カリキュラム」という。)。

 ○ 看護学基礎カリキュラムにおいて修めるべき教育内容は、三職種に共通する看護学の基礎と併せて、看護師養成及び保健師養成それぞれに特化した教育内容を効率的に教授することを最低基準としてきた(看護師養成、保健師養成、助産師養成に特化した教育を以下それぞれ「看護師教育」、「保健師教育」、「助産師教育」という。)。

 ○ 大学が看護学基礎カリキュラムを志向した理由は、以下の3点である。

 ・ 学問領域としての看護学の確立を目指してきたこと。
 ・ いずれの看護職も、人々の生活が営まれるあらゆる場で、あらゆる利用者のニーズに対し、責任を持って問題解決していく能力を求められるようになったこと。
 ・ 看護職に期待される役割と責任が増大しており、三職種に必要な教育内容を確実かつ効率的に教授する人材養成が重要となったこと。

 ○ 近年の看護系大学の増加(平成13年度89大学、平成21年度178大学)により看護学教育が発展する一方、学生数の増加が保健所及び市町村等の実習施設の確保を困難な状況にし、看護学基礎カリキュラムでは看護師教育及び保健師教育それぞれが不十分になっているとの指摘がある。

 ○ また、医学、医療の高度化に伴い、看護学基礎カリキュラムの中で、三職種それぞれの養成に求められる教育内容も増大しており、学士課程において網羅的にその内容を教授しがたくなってきているのではないかとの指摘もある。

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