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慢性期医療への「質の評価」導入と、足並み揃わぬ中医協


[池上分科会長]
ありがとうございました。
  
■慢性期医療包括調査に関する意見交換
 
20年度調査概要.JPGのサムネール画像
[椎名委員]
資料の4(左)というのはなんだか分からない。ひょっとしたらタイトルが間違って21年度調査の概要というものか。なぜかというとこの分科会が開かれたのはちょうど2年前、今後どうするかという話の議論があった。当時の厚労省事務局の発言では、基本問題小委にその当時の報告を上げてその後はどうなるか分かりませんと。基本小委で注文がついたら再開するかもしれない、で終わっている。それから2年経っちゃったと。タイトルが正しいとしたら20年度調査と。前年度ですよね。これは一体どこが発議して、どんな調査なのかが全く分からない。本日この分科会が再開されたわけですよね。この分科会が先程来、何を議論するのか、対象をどうするのか踏まえて今年度調査を起こすのか、その辺の事務局の見解を聞かせていただきたい。
椎名委員(左)、武久委員.jpg
 
[事務局]
資料4に関連しまして、「20年度」は年度としては間違っておりませんで、18年度の調査が20年度改定の時に使ったデータ。その調査を踏襲して、次期改定に向けて議論して頂くためのデータが必要ということで、従来実施した調査をすでに開始しているということ。それが20年度調査ということ。椎名委員以外からもご指摘があるが、慢性期分科会というものの設定当初、基本問題小委から提示されていることについては、もともとはこの医療区分やADL区分ができる前は療養病床というか慢性期の療養病床の患者さんの評価というか、それに関して何か指標といいますか、分類を提案するということから始まっておりますけども、18年度に導入され、20年度はその妥当性の検証が宿題として、お願いしているところでございます。改定の結果としては妥当と。そして今回の報告書資料1の一番最後の「今後の課題」ということで、「医療の質の評価」というところについて、旧来の指標について今後どう活用していくかは課題になっているところで、これは宿題事項として残っている、と理解しています。検討をお願いしたい項目としては、すでに着手しておりますが、平成20年度の慢性期入院医療の評価の調査を踏まえた意見交換と「質の評価」の部分の対応についてご議論いただく、そして各委員の方でご提案がございましたが、取りまとめをしておられる参考となるデータを分科会にご提供いただきたいという状況です。
 
[椎名委員]
そうすると資料4は、20年度にすでに調査を行われたわけですか。それでさきほどの課題の「質の評価」とかそういったものは入っているわけですか。この20年度調査に。
  
[事務局]
「質の調査」は例年実施している調査には入っていません。20年度に実施したのは18年度の方法を踏襲しており質の評価に関するデータというのはやっておりません。
 
[椎名委員]
はい。そうすると「例年実施」というのは例年こういう調査をやるとどこで決まったんですか。基本的にここは調査専門組織だから調査を設計して議論して、いつ調査を作って実施して、それをきっちり評価してエビデンス出して、それを基本問題小委に出して議論してもらって、診療報酬の値付けとかそういう形でやってもらうと。調査専門組織は調査の項目や対象とか、設計から基本的に議論して、それからスタートさせるわけですが、これが「例年調査」ということで、例年と言っても、導入されたのも18年ですから。導入されて初めてやったのがこの分科会で、項目も含めて議論してスタートしたのがこれ。例年機械的にやるなんてと言うのは、どこでいつきまったんですか。分科会長、ご存知ですか。
 
[池上分科会長]
いや、私は存じませんです。事務局はどうお考えですか。
 
[事務局]
前回調査の結果ということで、この区分の妥当性、それからADLの区分です。ADL、医療区分はおおむね妥当ということでご結論頂いています。その結果を踏まえまして、次期改定に向けてご議論いただくということなら、データがないとご議論できないということもあったので、例年通りの調査を実施させて頂くということでございます。そういう意味で必要なデータということにつきましてどの程度のやり方ができるかということはございますが、分科会の方で各委員からご提案頂けるということであればそれも資料としてご議論して頂きたいと思いますし、「事務局の方でこういうデータはないか」ということになったら調査するということになると思います。
 
[椎名委員]
なんだかよく分からないので、この(調査は)18年度にやって19年8月に報告したわけですよね。そこでいくつかの課題が出ていると。なにゆえ20年度にやった調査に課題に関することが入っていないのか。今までの事務局の説明を聞いても全然納得できないのですけどね。それが一つ。今回再開されて21年度どうするのかと、それをある程度事務局の考えを示していただきたいと思うんですよね。当初からの議論で、今までと同じ医療療養に限った調査をやるのか、あるいはもっと広げてね、やるのか。さらに「質」の問題も当然やるんでしょうけど、その辺の基本的なフレームを事務局の考えとしてぜひ聞かせて頂きたい。
 
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