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ニュース〜医療の今がわかる

韓国の患者会は、こうして成果を挙げた ~グリベックの場合


[姜柱成・患友会 会長]=具体的に何をしたかは、こちらを参照のこと。(その1その2
 99年に慢性骨髄性白血病を発症し、その年の7月に妹さんの骨髄移植を受けた。グリベックが出ると分かっていたら移植は受けなかったかもしれない。移植の1カ月後に右目に帯状疱疹ができて、よく見えなくなった。

 さて、今日お招きいただいたのはグリベックの運動に関してお話をするためだと思う。2年半かかった。はじめは何も分からなかった。患者が命をかけるには、薬が安くなければいけないし、保険も効かないといけない。制度ができていると思っていたし、運動すればすぐに終わると思っていた。しかし実際には非常に長くかかった。

 当初グリベックの薬価は1錠2万5千ウォン(当時のレートで2300円強)の提示だった。1日4錠飲むから10万ウォン。保険も通ってない。このままでは薬があっても経済的理由で死ぬと言われた。だから、我々の闘いは生きるために必要だった。私自身はグリベックを飲んでいないけれど、しかし放っておけないと思って参加した。韓国のノバルティスに電話をして姜ってどんな奴かと尋ねたら極悪人だと答えるだろう。

 運動は、まず患者たちが入院服を着てノバルティスの前でデモをした。何回デモをしたか記憶にないぐらいやった。ついには、ノバルティスを占拠して籠城もした。その間、社員は仕事が手につかない状態で結局警察に排除された。国家人権委員会にもかかった。その期間は20日間デモを行った。要求したのは3項目。①薬価を下げろ②全患者に保険をきかせろ③患者の自己負担金を下げろ、だ。 途中、政府が少し低めの薬価をあっせんしようとしたがノバルティス側が拒絶した。製薬会社とはどういう会社かよく分かった。結局G7平均の薬価で決着したために2000ウォンしか下げられなかった。患者負担は3割が2割になり、うち1割はノバルティスが負担することになったので、患者の実質負担は1割だ(注:その2年後、患者自己負担率が1割に引き下げられたため現在は実質無料になっている)。最近つい2日前に、改めて薬価が14%下がることになった。

 さて日本のグリベックの価格は高い。韓国より高いのはもちろん台湾と比べると2倍ぐらいになっている。日本には100ミリグラムしかないけれど、台湾では400ミリグラム錠が出ているのも影響している。(中略、しばらく意味がよく分からず)皆さんは薬価を下げたいと思っているか。自己負担金を減らしたいと思っているか。皆さんが努力しない限り、製薬会社は薬価を引き下げないし、政府は自己負担を減らさない。皆さんは製薬会社に利益を与える消費者として代わりに何を得ているか。何も得てないとしたら、皆さんはどうすればよいか知らないから運動できないのかもしれない。

(またよく意味が分からず)我々は、医療の主人公は患者であると社会に訴えかけた。患者個々にはお金はない権力もない、おまけに病気だ。そんな私たちの力はどこにあるか。力は組織の中にある。組織になると力が出る。組織をつくらないといけない。最初、薬と何の関係もない私が運動を始めた時はベッドサイドに電話を引いて、患者たちを説得して組織をつくった。そのうちに、このままではいけないと気づき事務所を設けた。それは韓国で唯一の病院とも医師とも製薬会社とも関係のない患者だけの会だ。

 患者は、本音で言えば、自分の病気だけが大事、自分の薬や病院だけが大事。他の患者たちの薬を重要とは思わない。だから本当は一番力を持っているはずなのに力を持てない。本当に力を得るには、自分たちの病気を超えて団結しないといけない。健康になる権利を認識して、病気を超えて互いに協力し合わないとできない。

 日本の状況が韓国と違うのは知っている。2年前、原爆記念日に広島を訪れた。2000人が平和祈念公園から道へ出てデモをした。しかし信号を守るデモだった。私はあのようなデモを初めて見た。韓国のデモは信号なんか関係ない。動き出したら止まらない。そういう国民性の違いはある。文化、考えかた、制度それぞれに違う。しかし病気になったという立場は同じ。生きるために周りを変えなけれなならないのは同じ。健康を権利と認識し、みんなで一緒にやっていくのがとても重要なこと。全ての皆さんが力を合わせて活動することを祈っている。

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