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日本看護協会の見解 ― 6月16日の記者会見

■ 看護系大学の教育カリキュラムの見直しについて
 

―― 保健衛生ニュースのキタザワと申します。
 現在、文部科学省の看護系大学の検討会が開かれています。次が最終回ということですが、前回(5月25日の)の会合で、助産師教育については現状通りという内容で、保健師教育に関しては選択性を導入して、ただ従来通りの教育を行うこともできるという内容と理解したのですが、日本看護協会としての評価を会長にお聞きしたい。
 また、もし課題があるとしたら、どのような取り組みをしていきたいかをお尋ねしたい。

[久常節子会長]
久常節子会長0616_7.JPG 日本看護協会としての意見ですね。私どもの組織としての意見は、「統合教育」という名前の下に、看護教育の中で保健師教育の特殊性が十分に出せないまま、「統合教育」ということをやられてきた。

 それに対しては、実習を引き受ける現場も困るし、保健師としての専門性が十分に教育されていないのではないかという問題もありまして、「統合教育」に対しては反対の立場を取っています。

 そして、今回の看護教育の改革に伴って、助産師と同じように看護師教育とは分けて、まずは国家資格ということを考えましても、看護師資格を持った者が次、受験する資格があるとなっておりますので、きちっと別に教育してほしい。

 しかし、両方(保健師、助産師、看護師)に必要なものは看護(基礎)教育の中で、一緒にやってもいいだろう。しかし、専門性に関するところは別にきちっと位置付けてやっていただきたい。できれば看護(基礎)教育を終えた人たちに、それぞれ助産師教育と同じように保健師教育もやっていただきたい。そういう考えを持っています。

―― まだ最終報告は出ていませんが、(保健師教育の)選択制が位置付けられたことは前進と考えてよろしいでしょうか。

[久常節子会長]
 確かに前進ではございますが、「選択制」ということでは、いわゆる従来のやり方(統合カリキュラム)で、大学の中で2つの資格が取れる、あるいは3つの資格が取れるということですから、学生から見れば、実際の中身が分からなければ、「ここは2つの資格が取れる」、「ここは取れない」ということになれば、2つの資格が取れる大学の方がいいんじゃないかなと考えてしまいますよね。

 だからできれば、いっ......、同じようにやっていかないと、学生たちは知らないから取って、実際に現場に出てみたら大変な思いをするということになりますので、「選択制」ということは非常にいいように見えますが、教育の中で実際の体験をしていない学生たちにとっては、それをやってみることによって......、私は......、「問題ではないかな」と思っていますけれどね。

―― これまでも保健師教育と助産師教育は「上乗せ」ということを主張されていたと思いますが、引き続きそのような方向でしょうか。

[久常節子会長]
 私どもは、そのように考えております。

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