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ニュース〜医療の今がわかる

社会状況の違い踏まえ国際比較の議論を-日本小児医療政策研究会

小児科学会がやっていること。▽小児科医の相対的不足、絶対的不足▽小児医療の質の低下▽小児科医の疲弊▽患者・社会の不満▽救急に殺到する患者▽乱立する小規模病院―など色々な問題がある。問題点を2つにまとめると、「小児医療の質、安全の向上」「小児科医の労働環境の向上」―。偽市場主義の中で質向上というのはなかなか難しい部分があるがその辺りを考えていかないといけない。特にニューパブリックマネジメントにおいては、完全社会主義でやったらいいとは限らない。その中で非採算部門と考えられる、入院中の子どもの療養環境とかをどう考えて上げていったらいいかということをやっていかないといけない。労働環境や労務環境、小児と小児科医が守られる環境を作らないといけない。市場主義下でこういう領域を改善するには、ある程度適度な統制は必要と、学会では色々考えている。その中で、「鏡」を見たら、ある程度おだやかな集約化は必要かと思う。

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現実のものとしてなりつつあるが、小児医療提供体制の改革を学会では続けてきた。一つは入院の集約化。外来は集約化しない。病院を潰すというようなラディカルな集約化でなくおだやかな集約ができるのではないか。次に、プライマリケアや2次医療は残す。それから、地域保健とかも充実させていく。
広域医療圏で救急が問題になっているので、1-3次の戦略をしっかりしていく。そして労働基準法の問題、労務環境。教育も学会が担っているが、これも改革。こういう形で医政局指導課からで医療計画の指導にも出ているが、行政の皆さんにも理解いただいている。
 
まとめとして。医療提供体制は諸外国の事情を比較するということで問題が見えてくる。それを輸入するということではないが、学べるところもある。小児科学会も努力してきた。長期的な視野に立って、根拠・総意に基づく保健医療政策というのをしていかないといけないのではないかと思う。
 
 
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