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DPCの高額薬剤、出来高にせず ─ DPC評価分科会(7月6日)

■ 診断群分類で評価することが可能な場合(高額薬剤)
 

[小山信彌委員(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 (1)の診断群分類で評価することが可能な場合について。

 (高額薬剤を使った場合に)「コストが合わない」と言われているが、(高額薬剤を)使った場合と使わない場合で、別のツリーをつくった場合、コストが合うような評価に変えるということ? (高額薬剤を)使った場合、ツリーで。

 今、このツリーに行ってもまだ採算が合わないということで揉めている。とすると、高額薬剤を使っただけ、上乗せした評価をするという意味?

[西岡分科会長]
 そういうことでよろしいかと思うが......。

[厚労省保険局医療課・長谷川学課長補佐]
 まず費用の面は置いておいて、まず今回は、「高額薬剤を使用した群」と「使用していない群」との間に大きな隔たりがあるというのが1点。

 あと、薬剤の費用、資源投入量に関しては、従来では過去2年間のデータを用いて、薬剤も反映した上で、まとめて(点数表に)お出ししている。だが、実態と合わないケースも多々あるので、従来は点数表を「前寄せ」してみたり、「調整係数」で補填してきたというのが現状。

[保険局医療課・宇都宮啓企画官]
 補足する。前回(6月29日の分科会で)も議論していただいたが、25パーセンタイルでやっている、あれが実情に合わないという部分が入っているので、今回はツリーにするが、前回に同意いただいたようなものにして、現実とのギャップを埋めていく。日当点変更(案2).jpg
 (小山委員、うなずく)

 ▼ 入院初期を引き上げた分で補填されるだろうという説明。前回は反対していた小山委員だが、今回はすんなり引き下がった。

[西岡分科会長]
 この案に関して、いかがだろうか。

[酒巻哲夫委員(群馬大医療情報部教授)]
 (1)の診断群分類で評価することが可能な場合については、別紙にあるように、何らかの方法で診断群分類として吸収可能だという意見? 私は、その整理でいいと思う。

[齊藤壽一委員(社会保険中央総合病院名誉院長)]
 そうすると、将来的には「エダラボン使用の脳卒中」とか、そういう診断群分類をなくしていくという含み? そうではない? 

 例えば、「リツクシマブ使用の悪性リンパ腫」とか、そういう形の診断群分類が一時出た。それはそのまま残る?

[宇都宮企画官]
 前回(6月29日)の資料をご覧いただきたい。別紙2─①にあるように、5パーセンタイルを使用しても短期のところが追い付かない(医療資源の投入量が点数表を上回る)。入院期間が長ければ収入増.jpg そこで前回提案したのは、お認めいただいた(入院初期の点数を引き上げる)「案2」。このような形で、現状により即したものにするということ。ですからツリーとしては残すけれども、点数付けの仕組みを現状に近いものに変えていく。

[齊藤委員]
 そうすると、診断群分類の名称としては残る? いろいろな、これ(高額薬剤)を使ったものということで。名称を残したとしても、(前回資料の)別紙6(案2)のような仕組みがないとカバーし切れなくなるという思いだと。なるほど。

[西岡分科会長]
 よろしい......だろうか? 山口委員、どうぞ。

[山口俊晴委員(癌研究会附属病院消化器外科部長)]
 これは出来高にするか、診断群分類を細かくするかどちらかに結局なると思うので、これは1つの考え方だと思う。どちらがいいか分からないが、デメリットは抗がん剤のレジメン(治療計画書)が頻繁に変わるので、診断群分類の頻繁な改定が要求される可能性がある。

 あと、薬剤の価格が体重などで変わると思う。そのあたり、1つのレジメンであまり大きな差がなくて包括でいけるのかどうか、データがあったら教えていただきたい。薬剤が高価なだけに、体重が10%違っても相当変わってくる。ならせば大したことないなら、別に構わないが。

 その2つがちょっと気にかかっている。

[医療課・長谷川課長補佐]
 まず、薬剤のレシピやレジメンが変わったりする点について。その部分は2年おきに改定するので、2年単位であれば反映できるが、細かなところは確かに実態に合っていない部分はある。

 2点目の体重に関しては、それを考慮に入れるのはなかなか難しい。そもそも、DPC制度の原点に立ち返れば細かな出来高よりも、まとめて包括ということでできた制度なので、DPC全体との整合がどうかということになる。

[山口俊晴委員(癌研究会附属病院)]
 たぶん診断群分類を精緻化してやった方がいい。出来高にするといろいろなものが入ってきていつまでも整理されないというデメリットがある。どちらかといえば私もこれ(厚労省案)でいい。

[西岡分科会長]
 ありがとうございます。(1)の診断群分類で評価することが可能な場合については、大体ご了解いただいたと思う。では(2)について。

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