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山形大病院は、「国策に反している国立大学」? ─ DPCヒアリング

■ 「大学の一番いけないところ」 ─ 西岡分科会長
 

[小山信彌分科会長代理(東邦大医療センター大森病院心臓血管外科部長)]
 院外(処方)の中で、後発品(への変更欄に)「不可」のサインがあるのはどのぐらいのパーセンテージなんでしょうか?

[山形大病院・細矢副院長]
 ちょっと、それは私はよく分かりませんが......。(不可のサインが)ないんじゃないかと思うが。

[山形大病院・薬事委員長]
 サインはないはずです。調剤薬局で(変更を)判断する。

[山形大病院・細矢副院長]
 外来では、「不可」というのは、患者さん希望がなければ付けていないだろうと思います。

[小山分科会長代理(東邦大医療センター大森病院)]
 あ、そうですか。
 それから、もう1つ。我々が絶対守らなければならない療養担当規則がある。その中に、後発品の使用に努めろという項目があるんですが、先生のお考えは(病院の)執行部として、「(後発品に変更)しない」というお話だが......。

[山形大病院・細矢副院長]
 執行部として、病院全体にそういう規制をしないということでありまして、先生に、それはお任せするということでございます。

[小山分科会長代理(東邦大医療センター大森病院)]
 先生とは......。

[山形大病院・細矢副院長]
 診療科。

[小山分科会長代理(東邦大医療センター大森病院)]
 じゃ、(細矢)先生は(後発品に変更)しないんですね?

[山形大病院・細矢副院長]
 私がですか?

[小山分科会長代理(東邦大医療センター大森病院)]
 はい。

[山形大病院・細矢副院長]
 私はしたくありません。(会場は爆笑、西岡分科会長は怒り顔)

[西岡分科会長]
 あの......。細矢先生のお話を聞いていますと、私も大学(病院)にいたから分かるんですけれども、大学の一番いけないところを、先生、主張されているような......(会場、大爆笑)......、気がするんですね。

 大学病院といえども、やはり国民の医療を担当している病院ですので、各診療科の長、いわゆる教授ですね、教授が勝手にやっていいなんていうルールはどこにもないはずなんですね。だから、やはりそこのところはもう少し、用心してご発言いただけると非常にありがたい。

[山形大病院・細矢副院長]
 例えば、病院長にしろ副院長にしろ、自分の診療科に関してはよく分かっていますが、ほかの科の診療に関してはやっぱり分かりません、基本的に。

[西岡分科会長]
 (怒った顔で)先生、それは、病院として恥ずかしい発言ですから、やめてください! ええ、ええ。病院として統括されているのが病院長ですし、その下にいろいろな委員会があって、いろいろなことをやられていると思うんですね、そういうシステムが働いていないということを先生、おっしゃっていることになりますので......。(ここで細矢副院長が発言をさえぎる)

[山形大病院・細矢副院長]
 そんなことはございませんですよ。きちんと薬に関しては薬事委員会で、1つの効能に関してできるだけ少ないものにしようと、非常に少ない薬剤品目を買って、医療安全にはすごく貢献していると私は思います。その中のジェネリックが4.9%で、努力していないわけでは決してございません。

[相川直樹委員(財団法人国際医学情報センター理事長)]
 ちょっと確認でよろしいですか。先ほどの(小山分科会長代理の)質問で、院外処方をするときに、後発品不可にチェックが入っているかどうかの質問で、「ほとんどない」とおっしゃったんですが、その前には、後発品は安全性が確立していないから信用していないと。

 (語気を強めて)安全性が確立していないから信用していないんだったら、そのお医者さんが処方する処方せんで後発品は駄目と言うべきなのに、そこんとこ、ちょっと、何かの間違いじゃないんですか!? (会場、笑い)

 理論がちょっと、理解できないですけどねぇ。つまり、病院として、あるいは診療科の医者が「後発品の安全性が確立していないから」ということを信じているわけで、その人たちが処方するのに、「安全性が確立していない処方せんは出すな」というチェックをするのが普通だと思うのですが、それがほとんどしていないと。何かちょっと、間違っているんじゃないかと思うんですが。(医療課の担当者ら、満面の笑み)

[西岡分科会長]
 よろしいですか、確かに、言葉の端々にかなり矛盾している点がありますので、これ、大学のほうにお持ち帰りいただきまして、後発医薬品を病院全体としてどういうふうにするのか、やはり絶対に使わないという形にされるのか、日本の国策上、(後発品を)導入しようと、しかもそれによって、先ほど邉見委員がおっしゃってくださったような形で医療費の再配分をしようということもございますので、ぜひともお持ち帰りいただいてご議論をお願いできればと思います。

 ちょっと、これ以上、進めますと、混乱しそうな気がいたしますので......(会場、笑い)、誠に独断と偏見で申し訳ございませんが、よろしいでしょうか。(細矢副院長、うなずく。以下略)


【目次】
 P2 → 「ジェネリックは各診療科の裁量」 ─ 山形大病院
 P3 → 「安全性が確立されていないとの証拠は?」 ─ 相川委員
 P4 → 「節約できるものは節約していく」 ─ 厚労省
 P5 → 「国策に反している国立大学」 ─ 邉見氏
 P6 → 「大学の一番いけないところ」 ─ 西岡分科会長
 
 
 

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