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ニュース〜医療の今がわかる

『自力を尽くし、他力を待とう』 医療構想・千葉シンポより


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 これが私の目標。

 まず最初の、患者さんと一緒に考え行動しようというのは、医療をよくするには社会に働きかけなければならないのだけれど、自分たちにはなかなか余裕がない。しかしよく考えてみたら、患者さんの家族は、身をもってNICU医療を体験して一番よく理解してくれている「一番身近な社会」だということに気づいた。

 ご家族には必ず、収容できずに他県に行くことになった方もいること、誰かがベッドを譲ってくれたから収容できたこと、非常に人手の足りないギリギリの陣容でやっていて医療は万能でも万全でもないこと、こういう綱渡りの現状を何とかしたいと考えていること、一緒に悩み喜び悲しませてもらうということ、誰かが譲ってくれて入れた場所なんだからお子さんが少しよくなった時にもやはり譲ってくださいねということ、診療が終了した後も医療のことを一緒に考えてほしいということを話すようにしている。

 遠くに語りかけるより、NICUの当事者になった方々にも様々な職種がいるわけだから、現状を伝え、一緒に考え、各々に出来る行動がないかを考えてもらう。医療者じゃなくても困った人を救えるし、医療も支えられると語りかけている。縁あって野球観戦したり、NICU経験者による命の授業をしたり、シンポジウムを開いたりしている。できればNICU医療者・患者家族でNICUを応援するようなNPOを作りたい。

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 次の報道との関係。医療者は報道が勉強不足、偏向報道や過剰報道で医療現場を混乱させていると言うけれど、しかし医療者側でしっかり情報提供してきたか。閉鎖的な雰囲気がなかったかなど、見直す部分もあるのではないか。

 取材がきた場合、自分たちの主張ばかりせず、まずは報道陣がどういうことを考えているのか耳を傾けつつ、焦らずに報道の趣旨を踏まえて協力していこうと思っている。そうやって理解者を増やしていくことが大切でないか。

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