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療養病棟の救急受け入れ、反対続出 ─ 11月20日の中医協

■ 「区分1を上げないと機能しない」 ─ 安達委員
 

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 先ほどの意見、最終結論としての追加を言わせていただきたい。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 どうぞ。

[安達秀樹委員(京都府医師会副会長)]
 論点1(後方病床としての機能)に関連しまして、例えば後方病床としての機能が、受け入れる患者さんが「医療区分1」に属する場合というのは、療養病床としては経営上から言えば非常に困難な者を受け入れざるを得ないという形になりわけで、そこに一定の制限がかからざるを得ない。

 ということを考えれば、後方病床としての役割を充実させるのであれば、「医療区分1」はもう少し(診療報酬の)配分を上げて、経営的に赤字基調にならない形にしないと、本当に機能しないのではないか、そういうことを申し上げたかったわけです。

 ▼ 救急受け入れを押し付けられて点数は現行のままということは避けたい。

[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
 はい、ご意見として承っておきます。(中略)

○ 論点
1 急性期医療、在宅医療及び介護施設の後方病床としての療養病棟の機能に対する評価について、どう考えるか。
2 軽症・中等症の救急患者を受け入れている療養病棟に対する評価について、どう考えるか。
3 医療サービスの質的向上に取り組む療養病棟に対する評価について、どう考えるか。
 論点1については、このような方向で大体意見を賜った。
 2番については、「やはり一般病床が受け入れるべきだ」という意見と、「現実にやっている所にはそれなりの評価をしたらいいのではないか」という意見があった......。勝村委員、どうぞ。(中略)

 ▼ 療養病床の救急受け入れ機能について勝村久司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は、「機能が違う。積極的に評価することに違和感を感じる」と否定。患者の立場からすれば、救急患者を受け入れてくれる病院が増えることは望ましいと思うのだが......。

 ご意見として承っておきます。救急受け入れとの関連で、「医療区分1の点数を引き上げるべきだ」というご意見もあるということです。

 (論点)3番目については、質を評価する、診療報酬上で評価するという方向は、大体、おおむね合意が得られた。あとは方法と点数の議論になると思います。
あと、全体として「医療区分」の配分が、区分の方式が適切なのかというご意見、あるいは「医療区分1が赤字という体質はおかしいのではないか」というご指摘があった。それらを含めながら、また療養病床の話を進めていきたいと思います。(以下略)

 ▼ 会議終了後のブリーフィング(記者説明)で保険局医療課の佐々木健課長補佐は次のように述べた。
 「論点1については、従来もやっておりましたし、今後もその機能を発揮してもらいたいということで(意見が)一致していたと思います。論点2に関しては、地域によってはそういうこと(療養病棟の救急受け入れ)をやっているということだが、本来の趣旨を考えれば(救急受け入れは)一般病棟、急性期病棟でやっていただく話ではないかということで、若干否定的な議論だったと思います。論点3の質の評価については、1号(支払)側、2号(診療)側、両方とも「質の評価は重要なのではないか」ということ。(質の評価の)やり方については、今後また議論していただくということになったと理解しています」

 
 
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【目次】
 P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント
 P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント
 P4 → 「救急のメーンは一般病床あるいは急性期」 ─ 鈴木委員
 P5 → 「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」 ─ 西澤委員
 P6 → 「軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で」 ─ 西澤委員
 P7 → 「赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形」 ─ 安達委員
 P8 → 「新型インフルで療養型が大変ありがたかった」 ─ 坂本専門委員
 P9 → 「区分1を上げないと機能しない」 ─ 安達委員

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