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国立大運営費交付金、「位置付けの見直しを」-事業仕分け


 議論では、他分野の「仕分け」でも目立つ「天下り問題」が最初に盛り上がり、医学部や附属病院については「(法人化以降の)附属病院の収入は1225億円の増」と数字が読まれたこと以外は俎上に乗らなかった。仕分け人が文科省から国立大への現役出向職員が198人いる事について、「大学ごとに独自性を生かしてやって下さいと言っているのに、出向はないのではないか」などと大声で指摘する姿が目立った。
 
 このほか、法人化したこと自体がよかったのかという"そもそも論"に加え、経営効率の追求や競争的資金の獲得など法人としての経営的な側面について、また経営と教育研究機関としてのバランスをどう取るかといった問題、地方と都市部の国立大で抱える悩みが違う事なども議論された。ほかには科学技術研究分野への支援に偏っているとの指摘があり、基礎研究の質の低下などが疑問視された。
 
  
 議論の結果としては、15人の仕分け人全員が「見直しを行う」との結論で一致した。内容(複数回答)としては、「経営改善の努力の継続を反映すべき」8人、「資金効率化・重点化の観点から人件費・物件費の見直し」7人、「社会のニーズ等を踏まえた組織、教員数の配置の見直し」6人、「民間人登用などガバナンスありかたの見直し」5人、「独法そのものの見直し」2人、「その他」」1人ずつ(法人化の是非の検証、算定方法の透明化、大学間格差の整備、予算要求削減縮減、配分基準明確化、予算要求の1割削減、現役出向の廃止)。
 
 グループの結論は次のようにまとめられた。「大学教育研究については、国立大としてしっかりやっていただきたいことについては皆さん異論はない。いろんなそれに必要なお金は整備すべきということにも異論はない。ただ、現在の国立大の在り方は、そもそも独法化がよかったかどうかに始まり、交付金の使い方、特に研究開発以外の分野における民間手法導入した削減努力、交付金の配分の在り方、これを充実して、広範かつ抜本的に法人化以降の流れを大きく検証した上で、場合によっては大きく見直すことを含め、その中で交付金の在り方について、位置付けを見直して頂きたいという整理になる」
 
 
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