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大学病院は限界 1127中医協・嘉山委員発表


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 これに必要なスタッフの数は、たとえば麻酔科もこの人は医員。医員というのは、皆さんご存じないと思うが、日々雇用。私も32歳まで日々雇用で正職員になっていない。6年間大学にいる間、ドイツ留学もその間にしているが、日々雇用で3月31日には保険が切れる。こういう非常に献身的な若い医者がいることで支えられている。これ位の人数がいないと安全な手術はできない。

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 もう少し引いてみると、ここに臨床工学技士がいる。

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 先ほど佐藤課長が、大学は手厚い配置をしているというようなことを言ったけれど、そこにお金は一銭もついてない。配置基準だけあって、大学病院はこういう陣容でやりなさいと言うのだけれど、お金はついていない。たとえば今のだと、脳波とか筋電図とかすべてモニターしなければ、手足が動くのか言語が喋れるのか、手術野では分からないから、すごい手間をかけて手術をしているわけだ。
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 先ほど2004年から若い医師が大学に帰ってこなくなったという話をしたが、あまりこれを思い切って書いてしまうと労働基準監督署に踏み込まれて私か学長が逮捕されるので、あまりあれだが実際には手術スタッフは、これ位の時間働いている。外来から病棟から治験から当直からやっているから。特に文書作成、厚生労働省の医政局からたくさん文書が来る。それから患者さんへの説明。最近の患者さんは夜でないと話を聞けないという人も多いので、夜に十分にお話をすると、そういうようなことをやっていて、大体朝の6時に出てきて夜帰るのは9時か10時。これが若い医師の現実。
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 で大学の医師の構成比だが、約半数は日々雇用。つまり正社員が半分しかいない。収入のことをあまり言いたくないが、いい悪いではなくエビデンスとして見てほしいのは、高校の教頭の方が大学の教授より高い。ここにいっぱいいる記者さんたちより、ずっと低い。それからこの赤囲みの人たちは保険に30歳過ぎても入れない。

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